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59.自業自得2
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「ぎゃあぎゃあ騒いでいないで大人しくルイスと結ばれてくれるかしら?ああ、あなたの婚約者は私がいただくから心配しないでね」
婚約者をいただく?何を言っているのだこの女は?ニコニコと嬉しそうなマーシャにユリアは目を細める。
「……あんた私の婚約者のことが好きだったの?ははっ!残念でした~彼は私のものなんだから!ごめんなさいね~?あなたの婚約者は私に夢中!私の婚約者も私に夢中!きゃははは!」
ゾクゾクとした痺れがユリアの背中を駆け巡る。
ああ、なんて楽しいのかしら!
「ふふっ……そうね。彼はあなただけを見つめていたわ。私は婚約者に大切にされたことがないの。だから婚約者というだけで大切にしてくれる彼が欲しくなってしまった」
「きゃははは!残念でした!彼は私の婚約者なんだから!」
「……ねえ、あなたさっきから自分が置かれている状況わかっている?婚約破棄はもう決定なのよ?自分に都合の悪いことは耳が塞がるような構造になっているのかしら」
あまりにも話が通じないユリアの耳をマーシャはまじまじと見つめる。見た目的には大丈夫そうだが……見た目ではわからないところに異常でもあるのかもしれない。
「はあ?私にメロメロなルシアンが私を手放すわけないでしょ!?今は冷静になっていないだけよ!どうせ後でよりを戻してくれって泣きついてくるわよ!」
どこまでも強気なユリアにマーシャは呆れることしかできない。彼女には何を言っても無駄だろう。マーシャが何かを言ったところで彼女にとっては強がりにでも聞こえるのだろう。
マーシャは視線をユリアから彼女の父親に移す。
その視線は見ている者がぞっとするほど冷たく、真っ直ぐ見据えられた男爵はさぁぁぁと顔を青褪めさせる。慌てて動き出したかと思うとマーシャの足元にひれ伏した。
「わ、私はマーシャ様の言うとおりにしました!お約束は守っていただけるのですよね!?」
「…………は?お父様何を言ってるの?」
父親の言葉に反応したユリアだったが、彼女の言葉に反応するものはいなかった。
「ええ、もちろん。私のお願いを聞いてくれた大事な大事な駒を邪険になど扱わないわ。約束は必ず守るわ」
「あ、ありがとうございますうぅぅぅぅぅ!」
汗やら涙やらだらだらと垂らしながら安堵する父親をユリアは信じられない目で見つめる。
こいつらは何を言っているのか。
理解できずに動きが止まる。
呆然とするユリア。マーシャは縋るような媚びるような視線を向けてくる男爵は無視し彼女に微笑む。
「本来であれば私の婚約者と関係を結んだんだもの。許されざる大罪よ。莫大な慰謝料、失職、周囲からの蔑視、それを慰謝料なしどころか彼が協力してくれたから謝礼金まで払うことになっているの。感謝してね」
「……っ!何が感謝よ!?なんかよくわからないけど家族を使って何かしたんでしょう!?この卑怯者!」
マーシャの顔に嘲笑が浮かんだのを見て、急に頭が動き出したユリア。喉がかれんばかりに叫び出す。
「あらあら私はただ堕胎薬ではなく、妊娠しやすいと言われている薬にすり替えたり、巷で妊娠しやすいと言われている食材を提供しただけよ?」
そうそれだけ。
そんなもので確実に妊娠できるのであれば世の中不妊で悩む人はいなくなるだろう。賭けであったが、神はマーシャに味方したよう。
「あ、あんたのせいで妊娠したってこと!?」
「責任転嫁はよして?あなたがルイスと何度も盛ったのが原因でしょ?」
「なっ!堕胎薬を飲んでいればできてなかったわよ!」
「無理矢理でもなし、合意の上で何度も繰り返される情事。その結果授かった命を消すなんて薄情なこと私にはできないわ」
この女………っ!
扇子を口にあて慈愛に満ちた微笑みを浮かべるマーシャに憎しみが募る。ギリと口の端を噛んでしまい血の味が口の中に染み渡る。
「あんたが何しようと大丈夫よ!ルシアンは絶対に婚約破棄なんてしないわ!だって祖父が決めた婚約は絶対だって考える馬鹿真面目なんだから!」
「……………………」
閉口したマーシャはちらりと父親を見る。言葉を発さないマーシャにユリアは勝ち誇った笑みを浮かべ言葉を重ねる。
「こんなところまで乗り込んできて馬鹿みたいに勝ち誇ってお疲れ様で~す!お帰りはあちらで~す!」
「お前は何を言っているんだ?ルシアン様から婚約破棄の書類が届いたと言っているだろう?そのことを先程から話しているのだろう?妊娠までしてしまっては破棄以外選択肢などない。幸いなことに次の嫁ぎ先も決まっているしな……」
早朝に届いた手紙。内容を伝えるとぶち切れ、現実を直視したくないのか破棄をなかったような発言を繰り返すユリア。父親は彼女の頭の中が少し心配だった。
「認めない、認めないんだから……!」
マーシャは目を細めて冷や汗を大量にかくユリアを見つめる。
現実を見ぬ彼女はなんと醜いのか。
「夢を見るのはあなたの勝手。でもあなたの気持ちはどうでもいいの。あなたとルシアンの婚約破棄は決定事項よ。新たな婚約者とお幸せに?彼はあなたにぞっこんだもの。きっと幸せな結婚生活を送れるわ」
ではと言って去っていくマーシャ。
ユリアはどさりとその場に座り込んだが最後のあがきとばかりにマーシャの背に向かって叫ぶ。
「彼が……ルシアンがあんたを選ぶことはないかもよ!?だってあんたはこんなにも卑怯者なんだもの!」
その言葉が耳に届いたマーシャは一旦足を止め振り返る。
ふわりと誰もが見惚れるであろう笑みを顔に浮かべた彼女は口を開く。
「私……欲しいものは必ず手に入れられる運命なのよ?あなたと違って」
それだけ言うと再びユリアに背を向け足を動かし男爵邸を出ていくマーシャだった。
婚約者をいただく?何を言っているのだこの女は?ニコニコと嬉しそうなマーシャにユリアは目を細める。
「……あんた私の婚約者のことが好きだったの?ははっ!残念でした~彼は私のものなんだから!ごめんなさいね~?あなたの婚約者は私に夢中!私の婚約者も私に夢中!きゃははは!」
ゾクゾクとした痺れがユリアの背中を駆け巡る。
ああ、なんて楽しいのかしら!
「ふふっ……そうね。彼はあなただけを見つめていたわ。私は婚約者に大切にされたことがないの。だから婚約者というだけで大切にしてくれる彼が欲しくなってしまった」
「きゃははは!残念でした!彼は私の婚約者なんだから!」
「……ねえ、あなたさっきから自分が置かれている状況わかっている?婚約破棄はもう決定なのよ?自分に都合の悪いことは耳が塞がるような構造になっているのかしら」
あまりにも話が通じないユリアの耳をマーシャはまじまじと見つめる。見た目的には大丈夫そうだが……見た目ではわからないところに異常でもあるのかもしれない。
「はあ?私にメロメロなルシアンが私を手放すわけないでしょ!?今は冷静になっていないだけよ!どうせ後でよりを戻してくれって泣きついてくるわよ!」
どこまでも強気なユリアにマーシャは呆れることしかできない。彼女には何を言っても無駄だろう。マーシャが何かを言ったところで彼女にとっては強がりにでも聞こえるのだろう。
マーシャは視線をユリアから彼女の父親に移す。
その視線は見ている者がぞっとするほど冷たく、真っ直ぐ見据えられた男爵はさぁぁぁと顔を青褪めさせる。慌てて動き出したかと思うとマーシャの足元にひれ伏した。
「わ、私はマーシャ様の言うとおりにしました!お約束は守っていただけるのですよね!?」
「…………は?お父様何を言ってるの?」
父親の言葉に反応したユリアだったが、彼女の言葉に反応するものはいなかった。
「ええ、もちろん。私のお願いを聞いてくれた大事な大事な駒を邪険になど扱わないわ。約束は必ず守るわ」
「あ、ありがとうございますうぅぅぅぅぅ!」
汗やら涙やらだらだらと垂らしながら安堵する父親をユリアは信じられない目で見つめる。
こいつらは何を言っているのか。
理解できずに動きが止まる。
呆然とするユリア。マーシャは縋るような媚びるような視線を向けてくる男爵は無視し彼女に微笑む。
「本来であれば私の婚約者と関係を結んだんだもの。許されざる大罪よ。莫大な慰謝料、失職、周囲からの蔑視、それを慰謝料なしどころか彼が協力してくれたから謝礼金まで払うことになっているの。感謝してね」
「……っ!何が感謝よ!?なんかよくわからないけど家族を使って何かしたんでしょう!?この卑怯者!」
マーシャの顔に嘲笑が浮かんだのを見て、急に頭が動き出したユリア。喉がかれんばかりに叫び出す。
「あらあら私はただ堕胎薬ではなく、妊娠しやすいと言われている薬にすり替えたり、巷で妊娠しやすいと言われている食材を提供しただけよ?」
そうそれだけ。
そんなもので確実に妊娠できるのであれば世の中不妊で悩む人はいなくなるだろう。賭けであったが、神はマーシャに味方したよう。
「あ、あんたのせいで妊娠したってこと!?」
「責任転嫁はよして?あなたがルイスと何度も盛ったのが原因でしょ?」
「なっ!堕胎薬を飲んでいればできてなかったわよ!」
「無理矢理でもなし、合意の上で何度も繰り返される情事。その結果授かった命を消すなんて薄情なこと私にはできないわ」
この女………っ!
扇子を口にあて慈愛に満ちた微笑みを浮かべるマーシャに憎しみが募る。ギリと口の端を噛んでしまい血の味が口の中に染み渡る。
「あんたが何しようと大丈夫よ!ルシアンは絶対に婚約破棄なんてしないわ!だって祖父が決めた婚約は絶対だって考える馬鹿真面目なんだから!」
「……………………」
閉口したマーシャはちらりと父親を見る。言葉を発さないマーシャにユリアは勝ち誇った笑みを浮かべ言葉を重ねる。
「こんなところまで乗り込んできて馬鹿みたいに勝ち誇ってお疲れ様で~す!お帰りはあちらで~す!」
「お前は何を言っているんだ?ルシアン様から婚約破棄の書類が届いたと言っているだろう?そのことを先程から話しているのだろう?妊娠までしてしまっては破棄以外選択肢などない。幸いなことに次の嫁ぎ先も決まっているしな……」
早朝に届いた手紙。内容を伝えるとぶち切れ、現実を直視したくないのか破棄をなかったような発言を繰り返すユリア。父親は彼女の頭の中が少し心配だった。
「認めない、認めないんだから……!」
マーシャは目を細めて冷や汗を大量にかくユリアを見つめる。
現実を見ぬ彼女はなんと醜いのか。
「夢を見るのはあなたの勝手。でもあなたの気持ちはどうでもいいの。あなたとルシアンの婚約破棄は決定事項よ。新たな婚約者とお幸せに?彼はあなたにぞっこんだもの。きっと幸せな結婚生活を送れるわ」
ではと言って去っていくマーシャ。
ユリアはどさりとその場に座り込んだが最後のあがきとばかりにマーシャの背に向かって叫ぶ。
「彼が……ルシアンがあんたを選ぶことはないかもよ!?だってあんたはこんなにも卑怯者なんだもの!」
その言葉が耳に届いたマーシャは一旦足を止め振り返る。
ふわりと誰もが見惚れるであろう笑みを顔に浮かべた彼女は口を開く。
「私……欲しいものは必ず手に入れられる運命なのよ?あなたと違って」
それだけ言うと再びユリアに背を向け足を動かし男爵邸を出ていくマーシャだった。
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