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19.君に合う名はなんですか?⑤
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「いつも……いつもそうだ!小さい頃から存在感がなくて、家族やよっぽど中の良い友達にしか認識されてない!!!初等部や中等部の担任の先生に覚えられるのもいつも年度の終わりがけだった!」
学生君の口から悲痛な叫びが放たれる。
それはお気の毒だ。彼の口ぶりからすると今の担任は認識しているっぽい。いや、そうであって欲しい。
俺は彼をじーーーーーっと見た。
平々凡々という感じだ。顔も身長も体格も、平凡。なんかあまり特出するものがない。失礼な言い方をするなら無個性だ。いや、無個性こそが彼の個性なんじゃないだろうか。
「だけど……彼女は……彼女は違ったんだ。俺をクラスメイトだと認識してくれて、しかも!しかも!しかも!!」
その後はなんだ!?興奮しすぎて頭がうまく回ってないんじゃないか!?
「ぼ……ぼ…………ぼくのこと素敵だって……精霊獣が召喚できたらつき合ってくれるって!!」
いや、それは……
「彼女は他の人にも声をかけてた……!だけど、その中に召喚できたやつはいなかった!だから、だから、僕が召喚できれば彼女は僕の恋人になってくれるんだ!」
ただ精霊獣を相棒にする人と付き合いたいだけの女の子なんじゃないだろうか?たぶんあまりもてない何人かの男子に声をかけてるんだろうな。
精霊獣を従えている彼氏とか友人に自慢できるもんな。
リカルドも察したのか涙目になっている。同情ではない、共感の涙だ。どんな手を使っても恋人を作りたいという同士だ。そんなリカルドの思いに彼が気づくわけもなく。
「だから毎日毎日こうやってここで召喚しようとしてるのに……なんで!なんで!来てくれないんだよーーー!!!先輩たちにはわからない!」
彼の叫びが虚しく部屋に響く。
「いや、わかるよ」
しみじみとしたリカルドの小さな声が響いた。
が
「はあ!?わかるわけないだろう!?そんなカッコよくて身長高くて体格よくて頭良くて強くて、何より精霊獣いるじゃないかーーー!!!」
そりゃそうなるわな。このスペックで恋人がほしい気持ちがわかると言われたって嘘くさい。なお彼に言葉をかけようとするリカルドを制するフリッツ先生。
「もういいわかった。君がしょうもない理由でこんなことしたのが。1年はここに立入禁止だからなこそこそとやってたわけだな」
コクリと頷く彼。
「先生しょうもない理由じゃないです!」
「黙ってろリカルド。深夜残業になるだろ」
ギロリと睨みつけてくる。めっちゃ凶暴だ。その目つきのまま強盗?に視線をうつす。強盗?は身構える。
「で、お宅らは?」
「…………………………」
まあ答えるわけないよな。
「おい、こいつら誰だ?なんでこいつら手引きした?」
矛先を無個性君に変える。
「えっ……誰かは知らないです。カフェでどうしたら召喚できるか悩んでいたら召喚の間に魔力もちが何人かいたら召喚できるかもしれないんじゃないか?って言われて。だってそうすると部屋の中の魔力高くなるじゃないですか。だから……」
「それで召喚できるなら授業でみーんな召喚できるな。1年とはいえ、召喚の間に全員入り一人ずつ紋に立つのは知ってるだろ?」
「あっ…………」
学生とはいえ、優秀な生徒が集まるのがこの学院だ。
「召喚紋に立ったものの魔力だけを精霊獣は感知するし、もし複数人入ったら紋は反応しなくなるんだ。ちゃんと覚えとけ」
「はい」
小さい声で返事をする無個性君。恐らくそんなこと知っていたはず。だが強い思いが正常な思考を鈍らせてしまったのだろう。
はーーーーーと深く息を吐くフリッツ。
「なにもんかはやっぱりお宅らに聞くしかないみたいだな」
再び鋭い視線を向けられた強盗?は身構えた。先程の軽いものではない。
完全な
臨戦態勢だーーーーーー
音もなくフリッツの目の前に3人の黒ずくめの男が現れる。速い。そのまま鋭い拳が突き出される。
飛び退り避けるフリッツを追いかけるように拳が何度も迫る。どっと一発お腹に入り壁に飛んでいく。
がその身体は一匹の巨大な熊の精霊獣に抱きかかえられた。
リチャードの相棒ベアトリスだ。
「ベアトリス!」
リチャードの声に応えるかのようにガシッとフリッツの足を捕まえるとそのまま思いっきり敵に向かって投げつける。
「うおっ!?」
見事的中。倒れる敵にベアトリスが迫る。
「ぐえっ!?」
そのまま敵に抱きつき、意識を失わせる。
「よくやったベアトリス」
嬉しそうなリチャードと裏腹に何やらブツブツ言っているフリッツ。イラッとしたのか魔法で作りあげたムチをまだ意識がある強盗相手にめっちゃ振るってる。
その側には狐の精霊獣がいる。狐様はムチの合間をぬって敵に向かい鋭い葉っぱを吐きまくっている。
先生の方は大丈夫そうだ。
俺とリカルドも正面の5人の敵と向き合う。
「アレン」
「なんだ?」
「もっふんは何ができるんだ?」
「さあ?」
二人の視線を感じたのかもっふんが進み出る。ふんっと息を吐くとスーーーと息を思いっきり吸い込むと…………
「もっふーーーーーーーーーー!」
口から思いっきり冷気が出た。敵の足が氷漬けになっていく。
「「おーーーーー!」」
なんかあったかそうなもふもふから冷気とか変な感じだが、これは使える。
が、普通に火魔法で溶かされた。
「……あとは任せたもふ」
なんじゃそりゃ!
「魔法使うと疲れるよな。行くぞアレン」
優しいなリカルド。
二人は敵に向かって走る。手元に魔法の剣を練り上げ斬りかかる。敵も同じように魔法の剣を練り上げる。カンッカンッと響き渡る剣がぶつかり合う音。
なかなか途切れない。一対一なら勝てただろうが、横からも来られるのでいまいちうまく動けない。
「アレン飛べ!」
飛び退りリカルドの隣に立つと同時に地面から氷が飛び出てくる。バランスを崩した。今だ!
ムチを練り上げ縛り上げる。
やったか?
「待て!」
リカルドの鋭い声に扉の方を見る。
一人扉に向かって猛スピードで駆けていく。
いかん、追いつかない。
………………あれは
「精霊獣様!」
出口にはちょうどプリティなお姿の精霊獣様がいた。
「「止めてください!」」
その言葉に薄っすらと笑うと答える。
『我は契約者以外の指示には従わぬ』
その目は言っていた。
名をーーーーーーと。
リカルドの頭に名前が浮かぶ。
「止めろ!ライ「あれっライオン丸なにしてんの?」オン丸!逃げろジャック!」
慌てて逃げ出すジャック。
『イエスマスター』
ドンッともとのライオンのような優美な姿になる精霊獣様。
その迫力に何もしていないのに、逃げ出そうとしていた強盗は腰を抜かす。
精霊獣様改めライオン丸はフンッと鼻で笑うと口をぱかっと開けたかと思うと
ゴウッと火を放った。
まっすぐに飛んでいく火は奥にいた敵にあたった。
慌てて結界を張ったようだが、あれを防ぐのはーーー無理だ。一瞬の静寂の後
「まじか……」
フリッツの口から思わず言葉が溢れた。
彼らの前にはひび割れた結界があった。
『ほう』
愉しげな声がライオン丸の口から零れ落ちる。
「おやめください。この子達は私の指示に従っただけなのです」
どこからか声が聞こえたかと思うと何者かが強盗たちを守るように現れた。
それは、白髪の品の良いおばあさんだった。
学生君の口から悲痛な叫びが放たれる。
それはお気の毒だ。彼の口ぶりからすると今の担任は認識しているっぽい。いや、そうであって欲しい。
俺は彼をじーーーーーっと見た。
平々凡々という感じだ。顔も身長も体格も、平凡。なんかあまり特出するものがない。失礼な言い方をするなら無個性だ。いや、無個性こそが彼の個性なんじゃないだろうか。
「だけど……彼女は……彼女は違ったんだ。俺をクラスメイトだと認識してくれて、しかも!しかも!しかも!!」
その後はなんだ!?興奮しすぎて頭がうまく回ってないんじゃないか!?
「ぼ……ぼ…………ぼくのこと素敵だって……精霊獣が召喚できたらつき合ってくれるって!!」
いや、それは……
「彼女は他の人にも声をかけてた……!だけど、その中に召喚できたやつはいなかった!だから、だから、僕が召喚できれば彼女は僕の恋人になってくれるんだ!」
ただ精霊獣を相棒にする人と付き合いたいだけの女の子なんじゃないだろうか?たぶんあまりもてない何人かの男子に声をかけてるんだろうな。
精霊獣を従えている彼氏とか友人に自慢できるもんな。
リカルドも察したのか涙目になっている。同情ではない、共感の涙だ。どんな手を使っても恋人を作りたいという同士だ。そんなリカルドの思いに彼が気づくわけもなく。
「だから毎日毎日こうやってここで召喚しようとしてるのに……なんで!なんで!来てくれないんだよーーー!!!先輩たちにはわからない!」
彼の叫びが虚しく部屋に響く。
「いや、わかるよ」
しみじみとしたリカルドの小さな声が響いた。
が
「はあ!?わかるわけないだろう!?そんなカッコよくて身長高くて体格よくて頭良くて強くて、何より精霊獣いるじゃないかーーー!!!」
そりゃそうなるわな。このスペックで恋人がほしい気持ちがわかると言われたって嘘くさい。なお彼に言葉をかけようとするリカルドを制するフリッツ先生。
「もういいわかった。君がしょうもない理由でこんなことしたのが。1年はここに立入禁止だからなこそこそとやってたわけだな」
コクリと頷く彼。
「先生しょうもない理由じゃないです!」
「黙ってろリカルド。深夜残業になるだろ」
ギロリと睨みつけてくる。めっちゃ凶暴だ。その目つきのまま強盗?に視線をうつす。強盗?は身構える。
「で、お宅らは?」
「…………………………」
まあ答えるわけないよな。
「おい、こいつら誰だ?なんでこいつら手引きした?」
矛先を無個性君に変える。
「えっ……誰かは知らないです。カフェでどうしたら召喚できるか悩んでいたら召喚の間に魔力もちが何人かいたら召喚できるかもしれないんじゃないか?って言われて。だってそうすると部屋の中の魔力高くなるじゃないですか。だから……」
「それで召喚できるなら授業でみーんな召喚できるな。1年とはいえ、召喚の間に全員入り一人ずつ紋に立つのは知ってるだろ?」
「あっ…………」
学生とはいえ、優秀な生徒が集まるのがこの学院だ。
「召喚紋に立ったものの魔力だけを精霊獣は感知するし、もし複数人入ったら紋は反応しなくなるんだ。ちゃんと覚えとけ」
「はい」
小さい声で返事をする無個性君。恐らくそんなこと知っていたはず。だが強い思いが正常な思考を鈍らせてしまったのだろう。
はーーーーーと深く息を吐くフリッツ。
「なにもんかはやっぱりお宅らに聞くしかないみたいだな」
再び鋭い視線を向けられた強盗?は身構えた。先程の軽いものではない。
完全な
臨戦態勢だーーーーーー
音もなくフリッツの目の前に3人の黒ずくめの男が現れる。速い。そのまま鋭い拳が突き出される。
飛び退り避けるフリッツを追いかけるように拳が何度も迫る。どっと一発お腹に入り壁に飛んでいく。
がその身体は一匹の巨大な熊の精霊獣に抱きかかえられた。
リチャードの相棒ベアトリスだ。
「ベアトリス!」
リチャードの声に応えるかのようにガシッとフリッツの足を捕まえるとそのまま思いっきり敵に向かって投げつける。
「うおっ!?」
見事的中。倒れる敵にベアトリスが迫る。
「ぐえっ!?」
そのまま敵に抱きつき、意識を失わせる。
「よくやったベアトリス」
嬉しそうなリチャードと裏腹に何やらブツブツ言っているフリッツ。イラッとしたのか魔法で作りあげたムチをまだ意識がある強盗相手にめっちゃ振るってる。
その側には狐の精霊獣がいる。狐様はムチの合間をぬって敵に向かい鋭い葉っぱを吐きまくっている。
先生の方は大丈夫そうだ。
俺とリカルドも正面の5人の敵と向き合う。
「アレン」
「なんだ?」
「もっふんは何ができるんだ?」
「さあ?」
二人の視線を感じたのかもっふんが進み出る。ふんっと息を吐くとスーーーと息を思いっきり吸い込むと…………
「もっふーーーーーーーーーー!」
口から思いっきり冷気が出た。敵の足が氷漬けになっていく。
「「おーーーーー!」」
なんかあったかそうなもふもふから冷気とか変な感じだが、これは使える。
が、普通に火魔法で溶かされた。
「……あとは任せたもふ」
なんじゃそりゃ!
「魔法使うと疲れるよな。行くぞアレン」
優しいなリカルド。
二人は敵に向かって走る。手元に魔法の剣を練り上げ斬りかかる。敵も同じように魔法の剣を練り上げる。カンッカンッと響き渡る剣がぶつかり合う音。
なかなか途切れない。一対一なら勝てただろうが、横からも来られるのでいまいちうまく動けない。
「アレン飛べ!」
飛び退りリカルドの隣に立つと同時に地面から氷が飛び出てくる。バランスを崩した。今だ!
ムチを練り上げ縛り上げる。
やったか?
「待て!」
リカルドの鋭い声に扉の方を見る。
一人扉に向かって猛スピードで駆けていく。
いかん、追いつかない。
………………あれは
「精霊獣様!」
出口にはちょうどプリティなお姿の精霊獣様がいた。
「「止めてください!」」
その言葉に薄っすらと笑うと答える。
『我は契約者以外の指示には従わぬ』
その目は言っていた。
名をーーーーーーと。
リカルドの頭に名前が浮かぶ。
「止めろ!ライ「あれっライオン丸なにしてんの?」オン丸!逃げろジャック!」
慌てて逃げ出すジャック。
『イエスマスター』
ドンッともとのライオンのような優美な姿になる精霊獣様。
その迫力に何もしていないのに、逃げ出そうとしていた強盗は腰を抜かす。
精霊獣様改めライオン丸はフンッと鼻で笑うと口をぱかっと開けたかと思うと
ゴウッと火を放った。
まっすぐに飛んでいく火は奥にいた敵にあたった。
慌てて結界を張ったようだが、あれを防ぐのはーーー無理だ。一瞬の静寂の後
「まじか……」
フリッツの口から思わず言葉が溢れた。
彼らの前にはひび割れた結界があった。
『ほう』
愉しげな声がライオン丸の口から零れ落ちる。
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どこからか声が聞こえたかと思うと何者かが強盗たちを守るように現れた。
それは、白髪の品の良いおばあさんだった。
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