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33.兄弟過去話④
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「トリスタン様~ご機嫌よう!」
明るい声が僕の名前を呼ぶ。
「ご機嫌ようリリア」
僕の前に現れたのは婚約者のリリア10歳だった。彼女は我が家で僕と交流するためお茶をしに来たのだが……。
「先程一生懸命剣を振るリカルドを見ましたが、相変わらず可愛らしいですわね」
「ええ、リカルドは可愛い顔立ちですからね」
「勉強もトリスタン様と一緒にされているとか」
「ええ、リカルドは頭が良いですからね」
「剣や魔法も既に母君から学ばれているとか」
「ええ、リカルドは努力家ですからね」
彼女の口から出るのはリカルドのことばかり。
だが気が楽だ。
両親や先生たちと違って僕よりもリカルドの方が優れている、彼女はリカルドの方に好意を持っているということを僕にわからせてくれるから。彼女が僕なんかよりリカルドの婚約者になりたかったことがはっきりとわかるから。
気を使われるよりもよっぽどいい。
でも
そのはずなのに
なんか身体が寒い。
いや、違うな。
こう胸のあたりがさーと冷たいんだ。
ーーーーーーーーーー
リカルドは可愛い弟だ。至らず劣っている兄を無邪気に慕ってくる。そこに僕に対する暗い感情など何もない。
リカルドは心まできれいなのだ。
弟に対して様々な暗い思いを抱える自分とは正反対の眩しい存在。
本当にこの家に必要なのは、跡取りとして相応しいのは弟だ。
でも両親も先生も僕が後継者だと何度も何度も心にも無いことを言う。僕が長男だから?別にこの国は必ずしも長男が継がなければならないわけではない。
おかしくないか?
なんで皆僕が跡継ぎだと言うんだろう?
僕が勉強を頑張っているから彼らは見捨てられないのだろうか?
僕がいなくなればいいのだろうか?
そうすれば本来あるべき姿になるのだろうか?
そんなふうにもやもやとした気持ちが渦巻く中、家臣たちを集めた会議があった。先代当主の祖父、当主である父、その妻である母、その他家臣たちが集まった場だ。
僕は参加できなかったが、こっそりと忍び込んでいた。ずっともやもやしている思い。当主として領地の運営というものを知ることで少し緩和できるのではないかと考えたのだ。
勉強をしているとはいえまだ理解できないことが多かったが責任あるものだと感じた。毅然と会議を進めていく父はかっこよかった。
自分がこの跡を継ぐと思うと照れくさく、誇らしい気持ちになった。
やっぱり自分が父の跡を継ぎたい
……弟の方が優れていたとしても。
僕がそう思ったときだった。
「次期伯爵はリカルド様にするべきです!!!」
筋肉ムキムキのおじさんが吠えた。
「何を言う!次期伯爵はトリスタン様に決まっているだろう!!!」
眼鏡をかけたおじさんが吠え返した。
「はあ!?この領が伯爵領となったのは武によってだぞ!幼いながらも英雄であらせられる先々代を思い起こさせる実力を持ったリカルド様がふさわしいに決まっているだろう!」
リカルドの方がふさわしいに決まっているーーーーーー
その言葉を聞いてから僕の中の時間は止まった。
眼鏡のおじさんやら他の家臣たちが何やら騒いでいるがうまく耳に入ってこない。どれだけの時間ぼーっとしていたのだろう。いつのまにか皆会議室から消えていた。
ゆっくりと部屋を出て、そのままふらふらと自室まで歩く。
夕飯も断りそのまま部屋に籠もっていた。
頭の中はリカルドへの憎悪でいっぱいだった。
自分が伯爵家の次期当主でいいのか、リカルドの方がふさわしいのでは?と思っていてもどこかで自分こそが跡取りだという自負もあった。会議で父の姿を見て伯爵になりたい、なると決めたのに。
リカルドがいるせいでなれないかもしれない。
あいつがいなければ――――――。
深夜僕の足はリカルドの部屋に向かっていた。
そして無断で部屋に入りベッドで眠るリカルドの首に手をかけていた。
力を込めろ、そしたら跡取りは僕だけだ。
力を――――――
「兄様……どうしたの?僕お熱はないよ?」
リカルドの目が開いた。
眠そうなトロンとした目で僕を見るリカルド。
「あ、ああ。昼間体調が悪そうだったから心配で来たんだよ。起こして悪かったね。おやすみ」
「ありがとう兄様。おやすみなさい」
再び聞こえてくる寝息。
自分は何をしようとしていたのか――――――
ふらふらと彷徨い気づいたら敷地内にある林に入っていた。
いけない。林は凶暴な動物や魔物が出るかもしれないから一人で入ってはいけないと言われていたんだった。
すぐに出なければ―――――ガサッ
ドクンッ
今何か音が聞こえた。風で葉っぱが揺れた音じゃない。
何かが葉っぱに触れた音。
ガサガサッ……ガサッ、ガサガサッ
ドクンッドクンッと緊張が、恐怖が高まっていく。
怖い…………
音がする方から目を離すことも、その場から動くこともできずにいるとそれは草の間から現れた。
赤い目をした黒に近い茶色の毛を持つ狼。
いや違う、頭に鋭い角が生えている――――魔物だ。
戦え、逃げろと相反するものが頭を駆け巡るが、身体が動かない。自分だってそれなりに剣や魔法の訓練をしてきたのに…………恐怖が正常な思考を奪っていく。
魔物が足に力を入れたのがわかった。飛びかかる気だ。
いけない、早く逃げなくては。
動け、動けよ。
動かない足に涙が浮かぶ。もう駄目だと目をつぶるがいつまで経っても痛みはない。
目を開けるとそこには
「兄さんから離れろ!」
僕の前で剣をぶんぶんと振り回すリカルドがいた。僕を追いかけてきたようだ。
「リカルド……」
小さい体で懸命に剣を振る姿はブルブルと震えている。
怖いのに兄を助けるために懸命に勇気を振り絞っている。
命をかけて。
お前を殺そうとした愚かな兄なのに……リカルドお前っていうやつは……
涙が出てきた。
魔物はリカルドの必死な形相に驚いたのか逃げていった。
「に……兄様痛いの?痛いの痛いの飛んでゆけー、痛いの痛いの飛んでゆけー」
振り返ったリカルドが僕の顔を見て慌てている。
「はは……ははははは」
なんか笑えてきた。
「兄様大丈夫?」
心配されてしまった。
「ありがとうリカルド戻ろうか」
「うん!」
久しぶりに二人で手を繋いで屋敷に戻った。
~~~~~~~~~~
「うん?」
黙って話を聞いていたアレンは疑問の声を上げた。
「どうかしたかい?アレン君」
「いえ、今の話しの流れからするとやっぱりリカルドの方がふさわしいから跡取りはリカルドにってなりそうだなぁと思ったんですけど」
伯爵家の跡取りはお兄さんだ。
「ああそう思うよね。このとき僕もリカルドに伯爵家を任せようと決めたからね」
「?」
どういうことだ。言っていることと現状が違う。
「そう、そのときはそう思ったんだよ。マジで」
どこか遠いところを見るお兄さん。
暫く無言だったが息をはーと吐くと
再び口を開いた。
明るい声が僕の名前を呼ぶ。
「ご機嫌ようリリア」
僕の前に現れたのは婚約者のリリア10歳だった。彼女は我が家で僕と交流するためお茶をしに来たのだが……。
「先程一生懸命剣を振るリカルドを見ましたが、相変わらず可愛らしいですわね」
「ええ、リカルドは可愛い顔立ちですからね」
「勉強もトリスタン様と一緒にされているとか」
「ええ、リカルドは頭が良いですからね」
「剣や魔法も既に母君から学ばれているとか」
「ええ、リカルドは努力家ですからね」
彼女の口から出るのはリカルドのことばかり。
だが気が楽だ。
両親や先生たちと違って僕よりもリカルドの方が優れている、彼女はリカルドの方に好意を持っているということを僕にわからせてくれるから。彼女が僕なんかよりリカルドの婚約者になりたかったことがはっきりとわかるから。
気を使われるよりもよっぽどいい。
でも
そのはずなのに
なんか身体が寒い。
いや、違うな。
こう胸のあたりがさーと冷たいんだ。
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リカルドは可愛い弟だ。至らず劣っている兄を無邪気に慕ってくる。そこに僕に対する暗い感情など何もない。
リカルドは心まできれいなのだ。
弟に対して様々な暗い思いを抱える自分とは正反対の眩しい存在。
本当にこの家に必要なのは、跡取りとして相応しいのは弟だ。
でも両親も先生も僕が後継者だと何度も何度も心にも無いことを言う。僕が長男だから?別にこの国は必ずしも長男が継がなければならないわけではない。
おかしくないか?
なんで皆僕が跡継ぎだと言うんだろう?
僕が勉強を頑張っているから彼らは見捨てられないのだろうか?
僕がいなくなればいいのだろうか?
そうすれば本来あるべき姿になるのだろうか?
そんなふうにもやもやとした気持ちが渦巻く中、家臣たちを集めた会議があった。先代当主の祖父、当主である父、その妻である母、その他家臣たちが集まった場だ。
僕は参加できなかったが、こっそりと忍び込んでいた。ずっともやもやしている思い。当主として領地の運営というものを知ることで少し緩和できるのではないかと考えたのだ。
勉強をしているとはいえまだ理解できないことが多かったが責任あるものだと感じた。毅然と会議を進めていく父はかっこよかった。
自分がこの跡を継ぐと思うと照れくさく、誇らしい気持ちになった。
やっぱり自分が父の跡を継ぎたい
……弟の方が優れていたとしても。
僕がそう思ったときだった。
「次期伯爵はリカルド様にするべきです!!!」
筋肉ムキムキのおじさんが吠えた。
「何を言う!次期伯爵はトリスタン様に決まっているだろう!!!」
眼鏡をかけたおじさんが吠え返した。
「はあ!?この領が伯爵領となったのは武によってだぞ!幼いながらも英雄であらせられる先々代を思い起こさせる実力を持ったリカルド様がふさわしいに決まっているだろう!」
リカルドの方がふさわしいに決まっているーーーーーー
その言葉を聞いてから僕の中の時間は止まった。
眼鏡のおじさんやら他の家臣たちが何やら騒いでいるがうまく耳に入ってこない。どれだけの時間ぼーっとしていたのだろう。いつのまにか皆会議室から消えていた。
ゆっくりと部屋を出て、そのままふらふらと自室まで歩く。
夕飯も断りそのまま部屋に籠もっていた。
頭の中はリカルドへの憎悪でいっぱいだった。
自分が伯爵家の次期当主でいいのか、リカルドの方がふさわしいのでは?と思っていてもどこかで自分こそが跡取りだという自負もあった。会議で父の姿を見て伯爵になりたい、なると決めたのに。
リカルドがいるせいでなれないかもしれない。
あいつがいなければ――――――。
深夜僕の足はリカルドの部屋に向かっていた。
そして無断で部屋に入りベッドで眠るリカルドの首に手をかけていた。
力を込めろ、そしたら跡取りは僕だけだ。
力を――――――
「兄様……どうしたの?僕お熱はないよ?」
リカルドの目が開いた。
眠そうなトロンとした目で僕を見るリカルド。
「あ、ああ。昼間体調が悪そうだったから心配で来たんだよ。起こして悪かったね。おやすみ」
「ありがとう兄様。おやすみなさい」
再び聞こえてくる寝息。
自分は何をしようとしていたのか――――――
ふらふらと彷徨い気づいたら敷地内にある林に入っていた。
いけない。林は凶暴な動物や魔物が出るかもしれないから一人で入ってはいけないと言われていたんだった。
すぐに出なければ―――――ガサッ
ドクンッ
今何か音が聞こえた。風で葉っぱが揺れた音じゃない。
何かが葉っぱに触れた音。
ガサガサッ……ガサッ、ガサガサッ
ドクンッドクンッと緊張が、恐怖が高まっていく。
怖い…………
音がする方から目を離すことも、その場から動くこともできずにいるとそれは草の間から現れた。
赤い目をした黒に近い茶色の毛を持つ狼。
いや違う、頭に鋭い角が生えている――――魔物だ。
戦え、逃げろと相反するものが頭を駆け巡るが、身体が動かない。自分だってそれなりに剣や魔法の訓練をしてきたのに…………恐怖が正常な思考を奪っていく。
魔物が足に力を入れたのがわかった。飛びかかる気だ。
いけない、早く逃げなくては。
動け、動けよ。
動かない足に涙が浮かぶ。もう駄目だと目をつぶるがいつまで経っても痛みはない。
目を開けるとそこには
「兄さんから離れろ!」
僕の前で剣をぶんぶんと振り回すリカルドがいた。僕を追いかけてきたようだ。
「リカルド……」
小さい体で懸命に剣を振る姿はブルブルと震えている。
怖いのに兄を助けるために懸命に勇気を振り絞っている。
命をかけて。
お前を殺そうとした愚かな兄なのに……リカルドお前っていうやつは……
涙が出てきた。
魔物はリカルドの必死な形相に驚いたのか逃げていった。
「に……兄様痛いの?痛いの痛いの飛んでゆけー、痛いの痛いの飛んでゆけー」
振り返ったリカルドが僕の顔を見て慌てている。
「はは……ははははは」
なんか笑えてきた。
「兄様大丈夫?」
心配されてしまった。
「ありがとうリカルド戻ろうか」
「うん!」
久しぶりに二人で手を繋いで屋敷に戻った。
~~~~~~~~~~
「うん?」
黙って話を聞いていたアレンは疑問の声を上げた。
「どうかしたかい?アレン君」
「いえ、今の話しの流れからするとやっぱりリカルドの方がふさわしいから跡取りはリカルドにってなりそうだなぁと思ったんですけど」
伯爵家の跡取りはお兄さんだ。
「ああそう思うよね。このとき僕もリカルドに伯爵家を任せようと決めたからね」
「?」
どういうことだ。言っていることと現状が違う。
「そう、そのときはそう思ったんだよ。マジで」
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