アラサー失恋女子、合コンで年下御曹司(25)にロックオンされる〜タワマン25階住みでも、怪しい壺なんて買いません!〜

世界のボボブラ汁(エロル)

文字の大きさ
51 / 68

茜さんが好き好きすきすきスキスキススス【蓮視点⑫】

しおりを挟む


 そうこうするうちに一週間が経った。その間も、俺は毎日メッセージを送り続けた。

 茜さんのほうから連絡してくることはない。けれど律儀に返信はくれる。

 ただ、正直に言えば──俺のがんばりだけで、なんとか接点をつなぎ止めている状態だった。

 俺から連絡を取らなければ、この関係はすっと消えてしまいそうだ。

 まあ、消えさせる気なんて毛頭ないけどね?


 週末になり、俺はついに痺れを切らした。

『茜さん、一度俺の家に来てもらえませんか? 迎えに行きます。あ、茜さんの家でも大丈夫です!』

 送ってしばらくしてから、返事が来た。

『魔除けよね?』
『そうですとも』

 ……まったく。俺を狼かなにかと勘違いしていないか? 無害なアナコンダだよ。

 家に招いたからと言って、茜さんをムシャムシャ貪り食べようなんて、そんなこと考えているわけ──ない……と思う。

 あれ? 返事が来ないぞ?

 ははーん。つまり俺にペロペロされるのは嫌、ということか。

 だったらもうアレだ。例の和合しかない。体内に神気たっぷりの聖水を循環させる、完璧な魔除けにしよう。

『茜さん、今日一発ドカンとやりましょう。格安コースと合わせれば、しばらくどんな悪霊も寄りつきませんから。あ、何発でも無料です』

 ──そんな内容をスマホに打ち込み、送信寸前で我に返った。

 あっぶね……完全に逃げられるところだった! なんで俺は彼女に対してこうも変態なんだ。

 散々考えた末、無難なメッセージを送った。

『筆とペロペロ、どちらがいいですか?』

 ……これならセーフだろう。ブロックされまい。

 しかし返事はなかなか来ない。

 やっぱり和合のほうが良かったのか? まあ、流れ的に最終的にはそうなると思うんだが……。

 ピコン、と通知音。俺はスマホに飛びついた。

『ごめん、蓮君。やっぱり魔除けはしないでいい。自分でどうにかしてみる』

 ……意味が分からない。

『ツテを当たってみる』

 連続でメッセージが来るのは嬉しい。だが、内容はますます分からない。

 茜さんは本物の霊能者に会ったことなんてないはずだ。そもそも本物はひと握りしかいない。

 俺に頼るしかないことは分かっているはず。

 まさか圭介さんが、また性懲りもなく近づいているわけでは……?
 いや、別の霊能者? いやいや、それもない。詐欺師ならまだ分かるが。

 俺は怪訝に思いながら通話ボタンを押した。

「茜さん、ちょっと意味が分からなくて。あの、体調はどうです? もうすぐ一か月だし心配で」
『蓮君……大丈夫よ。御守りとか御札とか買って、備えているの』

 声が弱い。

 疲れているのか? もしかして霊障が出始めている?

 ぞっとした。右京と左京を交代で護衛につけているが、あいつらはたまにサボる。

 とはいえ、俺の魔除けはまだ破られていない。それは分かるが、魔除けは本人の体調や気持ちにも左右されるのだ。

 茜さんの気が弱って、施術が薄くなっている可能性は十分あった。

 触れられなくても、夢に潜り込む悪霊くらいなら現れるかもしれない。

 本気で心配になってきた。

 茜さん、もしかしてずっと眠れていないのかな?

 俺の結界を越えてくるレベルなら、それはもう鬼や妖怪の類だが……。

 けれど──こういう時って、俺にもチャンスだと思うんだ。

 宗教の人って、弱っている時にスッと現れるだろ? あれと同じ。きっと俺を頼りたくなる。

「聞いてください、茜さん。御守りや御札なんて気休め程度です。茜さんは用心深いから、変な霊感商法には引っかからないと思いますけど……俺なら確実に解決できます。もちろん無償で。だから会ってほしい」
『……そう……ね』
「たくさん話したいんです。俺のこと、もっと知ってもらいたい。その機会をください」

 暗示で強引に連れて行くのは避けたい。

 茜さんが納得した上で……自分の意思で、俺のものになってほしいんだ。

 それにしても、彼女の声はなんて素敵なんだろう。

 高すぎず、しっとり落ち着いていて、黒蜜みたいに甘くて……エロい。

 会いたいよ、茜さん。

 しかし俺の思いに反して、茜さんの声は重かった。

『私……ずっとね、考えていたの。いろんなことで、あなたを利用している──それが苦しいの。少し、時間をくれる?』
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】クズ男と決別した私の未来は輝いている。

カシスサワー
恋愛
五年間、幸は彼を信じ、支え続けてきた。 「会社が成功したら、祖父に紹介するつもりだ。それまで俺を支えて待っていてほしい。必ず幸と結婚するから」 そう、圭吾は約束した。 けれど――すべてが順調に進んでいるはずの今、幸が目にしたのは、圭吾の婚約の報せ。 問い詰めた幸に、圭吾は冷たく言い放つ。 「結婚相手は、それなりの家柄じゃないと祖父が納得しない。だから幸とは結婚できない。でも……愛人としてなら、そばに置いてやってもいい」 その瞬間、幸の中で、なにかがプチッと切れた。

ワイルド・プロポーズ

藤谷 郁
恋愛
北見瑤子。もうすぐ30歳。 総合ショッピングセンター『ウイステリア』財務部経理課主任。 生真面目で細かくて、その上、女の魅力ゼロ。男いらずの独身主義者と噂される枯れ女に、ある日突然見合い話が舞い込んだ。 私は決して独身主義者ではない。ただ、怖いだけ―― 見合い写真を開くと、理想どおりの男性が微笑んでいた。 ドキドキしながら、紳士で穏やかで優しそうな彼、嶺倉京史に会いに行くが…

ひとつ屋根の下

瑞原唯子
恋愛
橘財閥の御曹司である遥は、両親のせいで孤児となった少女を引き取った。 純粋に責任を感じてのことだったが、いつしか彼女に惹かれていき――。

押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました

cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。 そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。 双子の妹、澪に縁談を押し付ける。 両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。 「はじめまして」 そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。 なんてカッコイイ人なの……。 戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。 「澪、キミを探していたんだ」 「キミ以外はいらない」

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。 絶対に離婚届に判なんて押さないからな」 既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。 まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。 紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転! 純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。 離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。 それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。 このままでは紘希の弱点になる。 わかっているけれど……。 瑞木純華 みずきすみか 28 イベントデザイン部係長 姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点 おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち 後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない 恋に関しては夢見がち × 矢崎紘希 やざきひろき 28 営業部課長 一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長 サバサバした爽やかくん 実体は押しが強くて粘着質 秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?

【完結】泡になった約束

山田森湖
恋愛
三十九歳、専業主婦。 夫と娘を送り出し、静まり返ったキッチンで食器を洗う朝。 洗剤の泡が立っては消えるその繰り返しに、自分の人生を重ねながら、彼女は「ごく普通」の日常を受け入れている。 愛がないわけではない。けれど、満たされているとも言い切れない。 そんな午前中、何気なく出かけたスーパーで、背後から名前を呼ばれる。 振り返った先にいたのは、かつて確かに愛した男――元恋人・佐々木拓也。 平穏だったはずの毎日に、静かな波紋が広がり始める。

悪女と呼ばれた王妃

アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。 処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。 まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。 私一人処刑すれば済む話なのに。 それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。 目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。 私はただ、 貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。 貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、 ただ護りたかっただけ…。 だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ ゆるい設定です。  ❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。

処理中です...