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34話
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「お待たせしましたギルド長。【白夜】の皆様です」
トウヤ兄さんが、目の前に座る初老の男性に声をかける。
部屋の中は、大きなソファが対面になるように設置してある。
片方に、初老の男性。
背後にスーツ姿の女性が1人いた。
初老の男性は、スっと席を立つと、僕らを見る。
「…!」
射抜くような鋭い視線が僕に刺さってきて、収まっていた緊張感が高まっていく。
「ああ、驚かせる気はないんだ」
ふふっと男性からの視線が穏やかなものに変わった。
「改めて紹介します。探索者協会ギルドマスターの一条寺です」
トウヤ兄さんが紹介してくれた。
「鈴木。そこは儂が言いたかった……」
「すみませんマスター」
「ふふふ」
なんかさっきの雰囲気が嘘みたいで、ちょっと笑ってしまった。
その後トウヤ兄さんに促され、僕らは用意されたソファに座った。
真ん中を僕で、両隣にタケルとナツ。ナツの隣にユイ、タケルの隣にレオナが座る形だ。
うわっ、このソファめちゃくちゃふかふかだ。
「さて、実は君達【白夜】を呼ばせたのは他でもない、史上初のレベル7ダンジョンをソロ攻略した4人に直接表彰したかったんだ」
「表彰ってんな大袈裟な」
「何を言うタケル殿。何度か聞いていると思うが、レベル7ダンジョンをソロで攻略した探索者は今までいなかった。さらに言えば、攻略したパーティの最低人数も君達4人なんだ」
「そうなんですか!?」
「あぁ。攻略したのは5つのクランだ。いずれも20人以上でチームを組んで攻略に挑み、何人もの探索者が命を落としている。それだけ危険なんだ。高レベルのダンジョンというものは」
「……」
「怖がらせるために呼んだのではないよ。ソロ攻略の配信は儂も見させてもらった。まさに圧巻の一言に尽きる。そして、そんな探索者が日本支部にいることだけでも誇らしく思っている」
「はぁ、ありがとうございます」
「そこで君達【白夜】には、今まで使っていたオフィスをこの階と同じ最上階に移動させようと考えている」
「「「「は?」」」」
僕以外の4人が驚いている。
「ど、どういうこと?」
「パーティやクランはこの建物の中に専用のオフィスを持っているの。これはクランやパーティの実力に応じて階が違っていて、私たちは90階を使っていたわ。それでも結構凄いことなんだけど」
「この階は基本的にギルドマスターの部屋しかないんです」
「すげぇぞシオン。これで俺たちは日本一のチームになったぞ!!」
「そういうことだが、リーダーのシオン殿はどう思う?」
「頂けるのであればありがたく使わせて頂きます…」
「よし、決まりだ。ちなみにこのことはこの建物内全てに知れ渡っている」
ギルドマスターが指さす方向に、カメラがあった。
「!!」
この建物が揺れたような気がした。
「鈴木。階下の様子は?」
「大歓声みたいですね。ちょっと耳が痛い…」
「では1つ目の用事はこれで終了だな」
ん、1つ目?
ギルドマスターは、トウヤ兄さんに目配せすると、トウヤ兄さんは、カメラにリモコンを向けていた。
「今回皆様を呼んだのは3つの用事の為だ。1つ目は表彰。そして2つ目」
ニヤッと笑って僕とナツを見ている。
「どうしてリーダーを隠していたのか……詳しく説明してもらおうか。ナツ殿」
トウヤ兄さんが、目の前に座る初老の男性に声をかける。
部屋の中は、大きなソファが対面になるように設置してある。
片方に、初老の男性。
背後にスーツ姿の女性が1人いた。
初老の男性は、スっと席を立つと、僕らを見る。
「…!」
射抜くような鋭い視線が僕に刺さってきて、収まっていた緊張感が高まっていく。
「ああ、驚かせる気はないんだ」
ふふっと男性からの視線が穏やかなものに変わった。
「改めて紹介します。探索者協会ギルドマスターの一条寺です」
トウヤ兄さんが紹介してくれた。
「鈴木。そこは儂が言いたかった……」
「すみませんマスター」
「ふふふ」
なんかさっきの雰囲気が嘘みたいで、ちょっと笑ってしまった。
その後トウヤ兄さんに促され、僕らは用意されたソファに座った。
真ん中を僕で、両隣にタケルとナツ。ナツの隣にユイ、タケルの隣にレオナが座る形だ。
うわっ、このソファめちゃくちゃふかふかだ。
「さて、実は君達【白夜】を呼ばせたのは他でもない、史上初のレベル7ダンジョンをソロ攻略した4人に直接表彰したかったんだ」
「表彰ってんな大袈裟な」
「何を言うタケル殿。何度か聞いていると思うが、レベル7ダンジョンをソロで攻略した探索者は今までいなかった。さらに言えば、攻略したパーティの最低人数も君達4人なんだ」
「そうなんですか!?」
「あぁ。攻略したのは5つのクランだ。いずれも20人以上でチームを組んで攻略に挑み、何人もの探索者が命を落としている。それだけ危険なんだ。高レベルのダンジョンというものは」
「……」
「怖がらせるために呼んだのではないよ。ソロ攻略の配信は儂も見させてもらった。まさに圧巻の一言に尽きる。そして、そんな探索者が日本支部にいることだけでも誇らしく思っている」
「はぁ、ありがとうございます」
「そこで君達【白夜】には、今まで使っていたオフィスをこの階と同じ最上階に移動させようと考えている」
「「「「は?」」」」
僕以外の4人が驚いている。
「ど、どういうこと?」
「パーティやクランはこの建物の中に専用のオフィスを持っているの。これはクランやパーティの実力に応じて階が違っていて、私たちは90階を使っていたわ。それでも結構凄いことなんだけど」
「この階は基本的にギルドマスターの部屋しかないんです」
「すげぇぞシオン。これで俺たちは日本一のチームになったぞ!!」
「そういうことだが、リーダーのシオン殿はどう思う?」
「頂けるのであればありがたく使わせて頂きます…」
「よし、決まりだ。ちなみにこのことはこの建物内全てに知れ渡っている」
ギルドマスターが指さす方向に、カメラがあった。
「!!」
この建物が揺れたような気がした。
「鈴木。階下の様子は?」
「大歓声みたいですね。ちょっと耳が痛い…」
「では1つ目の用事はこれで終了だな」
ん、1つ目?
ギルドマスターは、トウヤ兄さんに目配せすると、トウヤ兄さんは、カメラにリモコンを向けていた。
「今回皆様を呼んだのは3つの用事の為だ。1つ目は表彰。そして2つ目」
ニヤッと笑って僕とナツを見ている。
「どうしてリーダーを隠していたのか……詳しく説明してもらおうか。ナツ殿」
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