本編開始前に悪役令嬢を断罪したらうちでバイト始めた

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第六章 ハンカチ屋奪還作戦

その後のカラムの助言

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話し合いは終わり、開店をする時間になった。

ニムルスは帰宅し、カイルは掃除をささっと終えてやっぱり帰宅。最近はなんらかのお肉料理をお土産にもらっているわね。お給料だといって。


……食材が、高いのよ。最近の王都での食料品の物価上昇は目に余るものがあるわ。

肉屋の商品は開店と同時に売り切れるし、野菜もやせ細ったものしか採れない。頼りの森の恵みも、目に見えて減ってきている。

お父様は、この状態をどうお考えなのかしら。
精霊様の復活を待つ。もちろんそれもあるのだけど。
農村の拡大をして、やせ細った野菜であっても収穫量を増やす。ほかの精霊の里から、豊かな作物があれば買い取る。作り方を工夫して、栄養のとれるようにごはんを改良する。

いくらでも、やりようがあるはずなのに。お父様、派閥争いなどしている場合ではなくてよ。目の前で未来の兵士が、小さな一人分のお肉の袋の匂いによだれを垂らしながら、弟妹の為に持ち帰っているのです。


なんの効果もなく、食糧が足りないままならば、貴族達も含めて配給制にするしかないわよね。


そのあたりも話し合わなければ。


私は意を決して、お父様にお手紙を書いた。

貴族的な挨拶文は、すらすらと手が滑るように書き上げられる。あれは、おはようとかこんにちはとかと同じ意味合いなのだから、文学の才能なんか発揮しなくても書ける。要は慣れだ。

その後が大切。


「大切なお話があります。お忙しいことと思いますが、わたくしの将来の為にお時間を作って頂くことは可能でしょうか」


書いた。書いて、しまったわ。お父様へのお手紙を。

わたくしが、社交界に戻ると。復帰をすると。

共に連れて行きたい、優秀な平民もいると。


反対されるでしょう。しかし、わたくし、強くなったのです。

少々の傷なら自分で治せますし、仕込み杖の使い方も習っております。騎士に敵うとまではいきませんが、単純な力押しでは負ける気はあまり致しません。後は技術の問題ですわね。

ですから、剣術も学びたいのです。最高峰と言われる、騎士団に伝わる秘伝の剣術を。


お父様。わたくしは、いつまでも子供ではありません。

罪を犯してしまいましたが、この優しいご家族と、何より被害者のリーナがわたくしを鍛え上げてくださっております。
……リーナのは半分仕返しというかからかい……いえこんなこと考えてはいけないわね。


私とお父様の橋渡し役、ロダンさんに、手紙を託した。

どうか、うまくいって。お願い。


あ、そうそう、なぜかカラムに、カラムの知り合いが隠れて護衛するから大丈夫と書いておけと言われたわ。まあ、カラムはベテラン冒険者ですし、信用できる大人ですから、末筆に書いてみたわ。

成功するはずだっていってたけれど本当かしら。

インクが滲んだ、擦り傷だらけの手をじっと見る。


アリス。わたくしのようには、どうかならないで。

貴族になるのはいいわ。幸せになれないのが問題なのよ。
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