13 / 49
グフフフフフッフヒイッ
崩落した侯爵家の玄関ホールはほぼ修復が終わり、安堵していましたの。
こいつが来るまでは!
挨拶もそこそこに晩餐がはじまりました。
しかし、せっかくの牛フィレの味がしません。ゴム噛んでるみたいです。
それもこれも目のまえにいる冷酷野郎のせいですね。
この世で一番見たくない人と食事をして楽しい人はいますか?
絶対いませんよね!!
ロードリックはやや窶れ余計に表情の冷たさを感じます。
相変わらずの無の境地を極めてらっしゃる、あの日垣間見せた人間らしさは演技だったのでしょう。
嫌いな私と婚姻を結びたいのは旨味があるからですね。
丁度その旨味について父が話しています。
「共同事業は思いのほか順調でな、近しい未来は国外へ手を広げるつもりだ」
「貴方、いっきに手広く運営するのは危ういのでは?文化や生活様式も違います」
母が酔いにまかせ饒舌な父を嗜めている。
父と公爵の事業は農地開拓と収獲した作物の加工品生産、子細は知らないが瓶詰と長期保存できる缶詰が国内で当たったそうなの。
天候不良で左右される農作物が凶作な年は、国力に大きな打撃。
食糧を安定供給できる保存食は、飢餓飢饉回避が可能な大事なもの。
昨年度は食糧難になった隣国に恩を売った功績は大きく評価され、王から褒章を賜った。
何回聞かされたか判らない自慢話は続く……。
ご飯は喉を通らないし退席したい。
ウンザリ気味の私はワインをチビチビしていた。
ふいに視線を感じ前を向くと、極寒大魔王がこちらを見ていた。
え、なに……睨まれた!
なんでですか、なにもしてませんけど?
さすがに腹が立ったので睨みかえしてあげます。すると、彼は口端を上げて冷笑を返したのよ……。
それもニタニタと私を値踏みするようにです。
ムーカーツークー!
そういえば今日のドレスは新調したもの、暑くなってきたので薄手のサマードレスを買ったのよ。
そう、そんなに似合いませんか!
別にあなたのためのお洒落じゃなくってよ!
ほっとけや鉄面皮チンカO野郎!
またも淑女らしからぬことを脳内で絶叫してしまった。
だが反省はしてない!
「……っているよ」
はい?なんて?
「とても似合っているよグフッ、青いドレスが精霊ウンディーネもかくやだね。フヒ、グフフフフフッフヒィ」
「!?」
ロードリックの気持ち悪い笑い声に背筋がザワザワして寒くなりました。
こっわ!
なんですのそのコワキモイ笑顔は!
邪神だ!邪神!
もしくは死神かも!
1人慄くわたしを余所に、晩餐は優雅な雰囲気で終わりました。
どこが優雅や!
こいつが来るまでは!
挨拶もそこそこに晩餐がはじまりました。
しかし、せっかくの牛フィレの味がしません。ゴム噛んでるみたいです。
それもこれも目のまえにいる冷酷野郎のせいですね。
この世で一番見たくない人と食事をして楽しい人はいますか?
絶対いませんよね!!
ロードリックはやや窶れ余計に表情の冷たさを感じます。
相変わらずの無の境地を極めてらっしゃる、あの日垣間見せた人間らしさは演技だったのでしょう。
嫌いな私と婚姻を結びたいのは旨味があるからですね。
丁度その旨味について父が話しています。
「共同事業は思いのほか順調でな、近しい未来は国外へ手を広げるつもりだ」
「貴方、いっきに手広く運営するのは危ういのでは?文化や生活様式も違います」
母が酔いにまかせ饒舌な父を嗜めている。
父と公爵の事業は農地開拓と収獲した作物の加工品生産、子細は知らないが瓶詰と長期保存できる缶詰が国内で当たったそうなの。
天候不良で左右される農作物が凶作な年は、国力に大きな打撃。
食糧を安定供給できる保存食は、飢餓飢饉回避が可能な大事なもの。
昨年度は食糧難になった隣国に恩を売った功績は大きく評価され、王から褒章を賜った。
何回聞かされたか判らない自慢話は続く……。
ご飯は喉を通らないし退席したい。
ウンザリ気味の私はワインをチビチビしていた。
ふいに視線を感じ前を向くと、極寒大魔王がこちらを見ていた。
え、なに……睨まれた!
なんでですか、なにもしてませんけど?
さすがに腹が立ったので睨みかえしてあげます。すると、彼は口端を上げて冷笑を返したのよ……。
それもニタニタと私を値踏みするようにです。
ムーカーツークー!
そういえば今日のドレスは新調したもの、暑くなってきたので薄手のサマードレスを買ったのよ。
そう、そんなに似合いませんか!
別にあなたのためのお洒落じゃなくってよ!
ほっとけや鉄面皮チンカO野郎!
またも淑女らしからぬことを脳内で絶叫してしまった。
だが反省はしてない!
「……っているよ」
はい?なんて?
「とても似合っているよグフッ、青いドレスが精霊ウンディーネもかくやだね。フヒ、グフフフフフッフヒィ」
「!?」
ロードリックの気持ち悪い笑い声に背筋がザワザワして寒くなりました。
こっわ!
なんですのそのコワキモイ笑顔は!
邪神だ!邪神!
もしくは死神かも!
1人慄くわたしを余所に、晩餐は優雅な雰囲気で終わりました。
どこが優雅や!
あなたにおすすめの小説
私だけが愛して1度も笑ったことの無い夫が、死んだはずの息子を連れてもどってきた
まつめ
恋愛
夫はただの一度も私に笑いかけたことは無く、穏やかに夫婦の時間をもったこともない。魔法騎士団の、騎士団長を務める彼は、23年間の結婚生活のほとんどを戦地で過ごしている。22歳の息子の戦死の知らせが届く。けれど夫は元気な息子を連れて私の元に戻って来てくれた。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
「君の作った料理は愛情がこもってない」と言われたのでもう何も作りません
今川幸乃
恋愛
貧乏貴族の娘、エレンは幼いころから自分で家事をして育ったため、料理が得意だった。
そのため婚約者のウィルにも手づから料理を作るのだが、彼は「おいしいけど心が籠ってない」と言い、挙句妹のシエラが作った料理を「おいしい」と好んで食べている。
それでも我慢してウィルの好みの料理を作ろうとするエレンだったがある日「料理どころか君からも愛情を感じない」と言われてしまい、もう彼の気を惹こうとするのをやめることを決意する。
ウィルはそれでもシエラがいるからと気にしなかったが、やがてシエラの料理作りをもエレンが手伝っていたからこそうまくいっていたということが分かってしまう。
いくつもの、最期の願い
しゃーりん
恋愛
エステルは出産後からずっと体調を崩したままベッドで過ごしていた。
夫アイザックとは政略結婚で、仲は良くも悪くもない。
そんなアイザックが屋敷で働き始めた侍女メイディアの名を口にして微笑んだ時、エステルは閃いた。
メイディアをアイザックの後妻にしよう、と。
死期の迫ったエステルの願いにアイザックたちは応えるのか、なぜエステルが生前からそれを願ったかという理由はエステルの実妹デボラに関係があるというお話です。
お認めください、あなたは彼に選ばれなかったのです
・めぐめぐ・
恋愛
騎士である夫アルバートは、幼馴染みであり上官であるレナータにいつも呼び出され、妻であるナディアはあまり夫婦の時間がとれていなかった。
さらにレナータは、王命で結婚したナディアとアルバートを可哀想だと言い、自分と夫がどれだけ一緒にいたか、ナディアの知らない小さい頃の彼を知っているかなどを自慢げに話してくる。
しかしナディアは全く気にしていなかった。
何故なら、どれだけアルバートがレナータに呼び出されても、必ず彼はナディアの元に戻ってくるのだから――
偽物サバサバ女が、ちょっと天然な本物のサバサバ女にやられる話。
※頭からっぽで
※思いつきで書き始めたので、つたない設定等はご容赦ください。
※夫婦仲は良いです
※私がイメージするサバ女子です(笑)
※第18回恋愛小説大賞で奨励賞頂きました! 応援いただいた皆さま、お読みいただいた皆さま、ありがとうございました♪
「女友達と旅行に行っただけで別れると言われた」僕が何したの?理由がわからない弟が泣きながら相談してきた。
佐藤 美奈
恋愛
「アリス姉さん助けてくれ!女友達と旅行に行っただけなのに婚約しているフローラに別れると言われたんだ!」
弟のハリーが泣きながら訪問して来た。姉のアリス王妃は突然来たハリーに驚きながら、夫の若き国王マイケルと話を聞いた。
結婚して平和な生活を送っていた新婚夫婦にハリーは涙を流して理由を話した。ハリーは侯爵家の長男で伯爵家のフローラ令嬢と婚約をしている。
それなのに婚約破棄して別れるとはどういう事なのか?詳しく話を聞いてみると、ハリーの返答に姉夫婦は呆れてしまった。
非常に頭の悪い弟が常識的な姉夫婦に相談して婚約者の彼女と話し合うが……
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め