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駆け引き
交渉
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とりあえずティーロをあの店に連れていこうと思うんだが……多分、そんな事を言うと、親の仇を見る様な目で睨んでるあの子が黙ってないだろうな。
多分、ティーロの護衛なんだろうから、仕方ないが。
「ニースさん、こんばんは。」
こっちを見たが、言葉を発さず。
何で嫌われてるんだろう?
「今日はあの使役獣、連れてないんだね?」
「この先の店でご飯食べさせてるよ。」
その言葉にティーロは凄い表情になった。
ティーロとニースは店を聞くなり、慌てて向かったが。
そこにはリザのベッドになってる虎丸がいた。
二人ともそれをポカーンとした顔で見ている。
使役したモンスターは主以外にはほぼ懐かず、暴走する可能性もある為、自由に行動させるなどは有り得ないらしい。
ティーロは我に返り、笑いを浮かべ。
「賢いんだね、キミの使役獣。」
それを見てたニースは掴み掛かりそうな勢いで詰め寄ってきた。
「貴様、何も無かったから良かったものの、誰かを襲っていたら、どうするつもりだ?この様な化け犬は首輪と鎖で繋いでいろ。」
化け犬?思わず腰の物に手をかけてしまった。
「………それを抜けば、大事になるぞ。」
ティーロはいつもと違う声色で。
「抜いても良いぞ。切り捨てる理由が出来る。」
ニースはそう言いながら、腰の剣に手をかけていた。
「せっかくの酒が不味くなる。そういう事は外でやりな。」
セリは少し呆れ顔で。
騎士とEランクの冒険者、あちらはエリートでこちらは厄をもたらす黒髪の妬まれる存在。
「主、こらえて下さい。主の気持ちは充分、伝わりましたから。」
脳内で虎丸はそう話しかけてきた。
不甲斐ない自分を詫び、剣の鍔から手を離した。
「剣も抜けぬのか。」
ニースは煽る様に。
「そのくらいで収めておけ。」
ティーロは窘める様に制した。
「しかし、こやつが。」
「貴殿は…我が知人を馬鹿にしておられるのか?」
ティーロのその言葉に顔を青くさせ。
「そ、そのような事は。」
「今日はもういい。………下がっていい。」
ニースは何か言いたそうであったが、ティーロの様子に大人しく、店を出た。
「申し訳なかった。」
ティーロはそう言うと、頭を下げた。
「その様な事、しないで下さい。」
慌てて、ティーロに頭を上げさせた。
「それよりお腹空いてませんか?」
「先程からいい匂いがしてるので。」
女将は慌てて。
「騎士団の方にお出し出来る様な料理は何もありませんよ。」
ティーロはニッコリ微笑み。
「別に騎士だと思わずにお願いします。」
女将は慌てて、厨房に入り、料理をし始めた。
「でも、なんでわざわざ訪ねて来てくれたんですか?」
「キミにお礼が言いたくて。」
「お礼?」
「これだよ。」
ティーロの腰にはオードの作った剣が携えられていた。
「それは俺、何もしてないですよ。」
ティーロは首を横に振った。
あの後、騎士団の他の者が行っても、ほとんど売って貰えなかったらしい。
師匠らしいと言えば、らしいなって。
剣を譲って貰えたのはオレの知り合いだと言う事が大きかったんだよと。
そんな話をしてると、女将が香草や岩塩で味付けした肉を運んできた。
「口に合うか分かりませんが。」
ティーロは一口、頬張ると。
「…………美味い。」
そう発すると、かなりお腹を空かしてた様で半分近くを食べた。
「ニースには悪い事をしたな。こんなに美味い料理を食わさずに帰してしまって。あっ、また連れてきてやろう。」
ティーロは間違いなく、いい奴だ。
「実はここ、もうすぐ閉まるんです。」
「えっ?何故?」
ティーロにざっくりと説明すると、ティーロは苦笑いを浮かべ。
「分かったよ。この剣の事もあるし、借金の減額とかその金貸しについて調べてみるよ。でも、本当に店は出せるんだろうね。」
少し不安になりながら、頷くと。
「信じるよ、キミを。」
その言葉を残し、ティーロは去って行った。
多分、ティーロの護衛なんだろうから、仕方ないが。
「ニースさん、こんばんは。」
こっちを見たが、言葉を発さず。
何で嫌われてるんだろう?
「今日はあの使役獣、連れてないんだね?」
「この先の店でご飯食べさせてるよ。」
その言葉にティーロは凄い表情になった。
ティーロとニースは店を聞くなり、慌てて向かったが。
そこにはリザのベッドになってる虎丸がいた。
二人ともそれをポカーンとした顔で見ている。
使役したモンスターは主以外にはほぼ懐かず、暴走する可能性もある為、自由に行動させるなどは有り得ないらしい。
ティーロは我に返り、笑いを浮かべ。
「賢いんだね、キミの使役獣。」
それを見てたニースは掴み掛かりそうな勢いで詰め寄ってきた。
「貴様、何も無かったから良かったものの、誰かを襲っていたら、どうするつもりだ?この様な化け犬は首輪と鎖で繋いでいろ。」
化け犬?思わず腰の物に手をかけてしまった。
「………それを抜けば、大事になるぞ。」
ティーロはいつもと違う声色で。
「抜いても良いぞ。切り捨てる理由が出来る。」
ニースはそう言いながら、腰の剣に手をかけていた。
「せっかくの酒が不味くなる。そういう事は外でやりな。」
セリは少し呆れ顔で。
騎士とEランクの冒険者、あちらはエリートでこちらは厄をもたらす黒髪の妬まれる存在。
「主、こらえて下さい。主の気持ちは充分、伝わりましたから。」
脳内で虎丸はそう話しかけてきた。
不甲斐ない自分を詫び、剣の鍔から手を離した。
「剣も抜けぬのか。」
ニースは煽る様に。
「そのくらいで収めておけ。」
ティーロは窘める様に制した。
「しかし、こやつが。」
「貴殿は…我が知人を馬鹿にしておられるのか?」
ティーロのその言葉に顔を青くさせ。
「そ、そのような事は。」
「今日はもういい。………下がっていい。」
ニースは何か言いたそうであったが、ティーロの様子に大人しく、店を出た。
「申し訳なかった。」
ティーロはそう言うと、頭を下げた。
「その様な事、しないで下さい。」
慌てて、ティーロに頭を上げさせた。
「それよりお腹空いてませんか?」
「先程からいい匂いがしてるので。」
女将は慌てて。
「騎士団の方にお出し出来る様な料理は何もありませんよ。」
ティーロはニッコリ微笑み。
「別に騎士だと思わずにお願いします。」
女将は慌てて、厨房に入り、料理をし始めた。
「でも、なんでわざわざ訪ねて来てくれたんですか?」
「キミにお礼が言いたくて。」
「お礼?」
「これだよ。」
ティーロの腰にはオードの作った剣が携えられていた。
「それは俺、何もしてないですよ。」
ティーロは首を横に振った。
あの後、騎士団の他の者が行っても、ほとんど売って貰えなかったらしい。
師匠らしいと言えば、らしいなって。
剣を譲って貰えたのはオレの知り合いだと言う事が大きかったんだよと。
そんな話をしてると、女将が香草や岩塩で味付けした肉を運んできた。
「口に合うか分かりませんが。」
ティーロは一口、頬張ると。
「…………美味い。」
そう発すると、かなりお腹を空かしてた様で半分近くを食べた。
「ニースには悪い事をしたな。こんなに美味い料理を食わさずに帰してしまって。あっ、また連れてきてやろう。」
ティーロは間違いなく、いい奴だ。
「実はここ、もうすぐ閉まるんです。」
「えっ?何故?」
ティーロにざっくりと説明すると、ティーロは苦笑いを浮かべ。
「分かったよ。この剣の事もあるし、借金の減額とかその金貸しについて調べてみるよ。でも、本当に店は出せるんだろうね。」
少し不安になりながら、頷くと。
「信じるよ、キミを。」
その言葉を残し、ティーロは去って行った。
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