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第三章 フェンリルと獣人
第43話 地球に戻る前に
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そろそろ家に帰らなければ。クラリスも風呂を入れてあげたいし。それに明日は、ヤーロンたちとの奴隷契約のためにビッグハムのところへと向かわないと。
腕時計を見ると夜中の1時を回っている。明日、いや、今日のお昼過ぎには戻って来たいし。それに10時頃にまた、シロクマに行ってクラリスの服を買ってあげないとな。
これから戻ったら...多分エッチなこと2人とするだろうし。いや絶対するな。クラリスとメルの身体からピンクのオーラがどんどんと湧き上がってきているのが...分かる。早く戻らないと。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ドラリル一味の宝物庫にあるお宝をマジックポーチに全部しまい込んだ。そして、宝物庫から出ようとした瞬間、コロが俺のズボンを前足でちょんちょんと叩いた。
「どうしたんだい?コロ?」と聞くと、コロは「く~ん」と言って、宝物庫にある小さな棚をカリカリとひっかいた。
「何か訴えているようですね」そうメルが言って、棚を色々な角度から調べはじめた。すると、その棚も横にスライドすることが分かった!
スライドさせると、床に隠し扉が現れた。その隠し扉を開けると、そこには30㎝四方の空間があり、その中にはマジックポーチが一つ隠されていた。
「宝物庫の中にも隠し扉があっただなんて...」
俺が呆気に取られていると、メルが手を伸ばしてマジックポーチを取り出した。
こんなに手の込んだ場所に隠すんだ。よっぽど大切な物を隠してあるのだろう。
「コロ凄いぞ!」
「コロ様、流石です!」
「いやいや、流石コロ様!」
みんながコロを褒めまくると、コロはとても嬉しそうに「くん!」鳴いた。
さてさて、こんなに手間をかけて隠されていたマジックポーチの中には、一体どんなお宝が入っているのだろうか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マジックポーチの中には、まず桐箱が三個入っていた。そこには、ミスリル貨が10枚ずつ、計30枚入っていた。
これだけで3億だ。どうしよう...大金持ちじゃんか。
さらに、見たことのない宝石類が、同じような桐箱に手厚くしまわれている。鑑定が発動し、それぞれの宝石の名前を教えてくれる。入っていた宝石と数は以下の通り。
宝石類
ダイヤモンド:5個
ガーネット:2個
サンゴ:3個
アメジスト:4個
アクアマリン:2個
エメラルド:4個
翡翠:2個
パール:2個
ムーンストーン:3個
ルビー:4個
タンザナイト:2個
ドラリル一味のランが持っていたダイヤモンドと、桐箱の中の物を比べたら、その大きさと輝きは歴然の差がある。
俺からすれば、それらはただの綺麗な石にしか過ぎない...。でも、これだけの宝石があれば、地球でも遊んで暮らせるだろう。まあ、遊んでは暮らさないけど。
ただ、みんなで広いマンションで暮らすことは十分可能だろう。
佐々木教授に相談しよう。俺じゃ販売方法など良く分からないからな。
あと、絵画も結構な量が入っていたが、地球に持ち込んだ場合、顔料などを調べられると異世界産とバレるかな?厄介だな。なるべくはダイヤモンドなどの貴金属だけにした方がいいかもしれないな。
他には、特殊な能力が施されている剣や盾、それに防具、さらには魔石や本に絵画などなど、まだまだ詳しく調べれば沢山入っていそうだった。
ただ特に気になった物が数点ある。何ぞやのカギが3つと、デスマスクみたいなお面が4つ。しかもそのデスマスク、それぞれ喜怒哀楽の表情をしている。
さて、気になる物も沢山見つかったが、一度地球に戻ろう。明日は学校サボろう。サボりたくはないが、人命がかかっている以上、仕方のないことだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「さて、俺達は向こうの地に一旦戻るね。明日のお昼過ぎには、ここに帰ってくるよ。そうしたら奴隷商会に行って正式な奴隷契約を結ぼう」
そう、みんなに伝えた。獣人達、特に俺の奴隷のみなさんは大きく頷いた。そして、契約が終わったら、ケインズ村の飯やで美味しいご飯でも食べようという話になった。
ロジンたち、暗部の皆さんに「お金はたんまりあるから、とにかく美味しくて、みんなで気楽にご飯が食べれる場所はないかなぁ」と聞いてみるた。
「高級なお店は、奴隷の入店を拒みます。失礼ですが、容姿にも重きを置き、入店を断られます。奴隷や容姿に難がある場合は、一般のお店でも断られるでしょう」
ロジンははっきりと断言した。それは不快な言い方ではなく、ただ事実を述べているだけだった。
少しロジンは考える素振りをした後、「ここにいる皆で楽しく食べるなら、大衆食堂の「マリナのお店」が一番良いと思います」と、俺たちに教えてくれた。
「マリナのお店?」
「はい。容姿や身分に関わらず、食事やお酒を提供するお店です。そのため、粗暴の者も多いですが、みながマリナのお店を慕っており、他のお店で入店を拒否された者も多くいます。ですから、よほどのことが無い限り、揉め事は起こりません。出入り禁止になれば、他に行く場所が無いのですから」
へえ、そのような店があるのなら、もうそこで決まりだな。よし、歓迎会はそこに決まりだな!
ロジンがさらに詳しく教えてくれた。何でも「マリナのお店」の大将マリナも、人族の女性の中では非常に好ましくない外見をしているとか。まだ22,23歳前だが、両親が貴族で、食堂と獣人の数名を護衛兼従業員として付けてくれたようだ。
メルは「マリナの話は人族の貴族の間では有名です。「何であんな娘の為に無駄なお金を使うんだと...」と。本当にまれですが、マリナの親の様に見栄えが悪い娘に対しても愛情を注ぐ親もいるようです。ただ、非常にまれな話です」と、寂しそう呟いた。
メルの一言で、場が静まり返った。「ごめんなさい!でも、今は幸せです。最愛のご主人様とみなさんのように、普通に接して下さる方に出会えましたから!」と、場の重い空気を振り払うかのように、明るい声でメルは話した。
「じゃあ、契約が終わったら、そこでご飯をたらふく食べよう。それまではここにある食料で我慢してくれ。ここにある食料は全部食べてしまっていい。またロジンに頼んで新鮮な食料を買えばいいだけだから」
そう言うと、豚族の皆は非常に嬉しそうな顔をした。よほどお腹が空いていたのだろう。
さて、地球に帰るか。
皆に「本当に一旦戻るわ」と告げた。コロは寂しそうな表情を一瞬見せるも『クン!』と元気に吠えてくれた。気を使ってくれるフェンリル様だ。そんなみんなに見送られ、俺らはドラリル一味の館を後にした。
腕時計を見ると夜中の1時を回っている。明日、いや、今日のお昼過ぎには戻って来たいし。それに10時頃にまた、シロクマに行ってクラリスの服を買ってあげないとな。
これから戻ったら...多分エッチなこと2人とするだろうし。いや絶対するな。クラリスとメルの身体からピンクのオーラがどんどんと湧き上がってきているのが...分かる。早く戻らないと。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ドラリル一味の宝物庫にあるお宝をマジックポーチに全部しまい込んだ。そして、宝物庫から出ようとした瞬間、コロが俺のズボンを前足でちょんちょんと叩いた。
「どうしたんだい?コロ?」と聞くと、コロは「く~ん」と言って、宝物庫にある小さな棚をカリカリとひっかいた。
「何か訴えているようですね」そうメルが言って、棚を色々な角度から調べはじめた。すると、その棚も横にスライドすることが分かった!
スライドさせると、床に隠し扉が現れた。その隠し扉を開けると、そこには30㎝四方の空間があり、その中にはマジックポーチが一つ隠されていた。
「宝物庫の中にも隠し扉があっただなんて...」
俺が呆気に取られていると、メルが手を伸ばしてマジックポーチを取り出した。
こんなに手の込んだ場所に隠すんだ。よっぽど大切な物を隠してあるのだろう。
「コロ凄いぞ!」
「コロ様、流石です!」
「いやいや、流石コロ様!」
みんながコロを褒めまくると、コロはとても嬉しそうに「くん!」鳴いた。
さてさて、こんなに手間をかけて隠されていたマジックポーチの中には、一体どんなお宝が入っているのだろうか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マジックポーチの中には、まず桐箱が三個入っていた。そこには、ミスリル貨が10枚ずつ、計30枚入っていた。
これだけで3億だ。どうしよう...大金持ちじゃんか。
さらに、見たことのない宝石類が、同じような桐箱に手厚くしまわれている。鑑定が発動し、それぞれの宝石の名前を教えてくれる。入っていた宝石と数は以下の通り。
宝石類
ダイヤモンド:5個
ガーネット:2個
サンゴ:3個
アメジスト:4個
アクアマリン:2個
エメラルド:4個
翡翠:2個
パール:2個
ムーンストーン:3個
ルビー:4個
タンザナイト:2個
ドラリル一味のランが持っていたダイヤモンドと、桐箱の中の物を比べたら、その大きさと輝きは歴然の差がある。
俺からすれば、それらはただの綺麗な石にしか過ぎない...。でも、これだけの宝石があれば、地球でも遊んで暮らせるだろう。まあ、遊んでは暮らさないけど。
ただ、みんなで広いマンションで暮らすことは十分可能だろう。
佐々木教授に相談しよう。俺じゃ販売方法など良く分からないからな。
あと、絵画も結構な量が入っていたが、地球に持ち込んだ場合、顔料などを調べられると異世界産とバレるかな?厄介だな。なるべくはダイヤモンドなどの貴金属だけにした方がいいかもしれないな。
他には、特殊な能力が施されている剣や盾、それに防具、さらには魔石や本に絵画などなど、まだまだ詳しく調べれば沢山入っていそうだった。
ただ特に気になった物が数点ある。何ぞやのカギが3つと、デスマスクみたいなお面が4つ。しかもそのデスマスク、それぞれ喜怒哀楽の表情をしている。
さて、気になる物も沢山見つかったが、一度地球に戻ろう。明日は学校サボろう。サボりたくはないが、人命がかかっている以上、仕方のないことだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「さて、俺達は向こうの地に一旦戻るね。明日のお昼過ぎには、ここに帰ってくるよ。そうしたら奴隷商会に行って正式な奴隷契約を結ぼう」
そう、みんなに伝えた。獣人達、特に俺の奴隷のみなさんは大きく頷いた。そして、契約が終わったら、ケインズ村の飯やで美味しいご飯でも食べようという話になった。
ロジンたち、暗部の皆さんに「お金はたんまりあるから、とにかく美味しくて、みんなで気楽にご飯が食べれる場所はないかなぁ」と聞いてみるた。
「高級なお店は、奴隷の入店を拒みます。失礼ですが、容姿にも重きを置き、入店を断られます。奴隷や容姿に難がある場合は、一般のお店でも断られるでしょう」
ロジンははっきりと断言した。それは不快な言い方ではなく、ただ事実を述べているだけだった。
少しロジンは考える素振りをした後、「ここにいる皆で楽しく食べるなら、大衆食堂の「マリナのお店」が一番良いと思います」と、俺たちに教えてくれた。
「マリナのお店?」
「はい。容姿や身分に関わらず、食事やお酒を提供するお店です。そのため、粗暴の者も多いですが、みながマリナのお店を慕っており、他のお店で入店を拒否された者も多くいます。ですから、よほどのことが無い限り、揉め事は起こりません。出入り禁止になれば、他に行く場所が無いのですから」
へえ、そのような店があるのなら、もうそこで決まりだな。よし、歓迎会はそこに決まりだな!
ロジンがさらに詳しく教えてくれた。何でも「マリナのお店」の大将マリナも、人族の女性の中では非常に好ましくない外見をしているとか。まだ22,23歳前だが、両親が貴族で、食堂と獣人の数名を護衛兼従業員として付けてくれたようだ。
メルは「マリナの話は人族の貴族の間では有名です。「何であんな娘の為に無駄なお金を使うんだと...」と。本当にまれですが、マリナの親の様に見栄えが悪い娘に対しても愛情を注ぐ親もいるようです。ただ、非常にまれな話です」と、寂しそう呟いた。
メルの一言で、場が静まり返った。「ごめんなさい!でも、今は幸せです。最愛のご主人様とみなさんのように、普通に接して下さる方に出会えましたから!」と、場の重い空気を振り払うかのように、明るい声でメルは話した。
「じゃあ、契約が終わったら、そこでご飯をたらふく食べよう。それまではここにある食料で我慢してくれ。ここにある食料は全部食べてしまっていい。またロジンに頼んで新鮮な食料を買えばいいだけだから」
そう言うと、豚族の皆は非常に嬉しそうな顔をした。よほどお腹が空いていたのだろう。
さて、地球に帰るか。
皆に「本当に一旦戻るわ」と告げた。コロは寂しそうな表情を一瞬見せるも『クン!』と元気に吠えてくれた。気を使ってくれるフェンリル様だ。そんなみんなに見送られ、俺らはドラリル一味の館を後にした。
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