57 / 75
第四章 「マリナ」のお店
第57話 よぎる不安
しおりを挟む
ぱく。もぐもぐもぐ...。うん、美味しいのだが...。
何だか...違う?お米よりもプチプチとした歯ごたえと、爽やかな甘みが口の中に広がる。これはお米じゃないぞ?やはり異世界では、お米の調達は難しいのか?
これはもち麦か?それと野菜みたいな味がする?カリフラワーライスか?
凄いな。モチ麦とカリフラワーライスを半々に混ぜて、ごはん風味にしている。並々ならぬ努力だな。すごいな、マリナ。
唐揚げは竜田揚げだ。それにタルタルソースもある。うわ!ハンバーグにピザまであるよ。すごい!日本の居酒屋だよ。すごいクオリティだな。
俺の隣で食べているクラリスはもう、スプーンが止まらない様だ。スプーンを動かす度にお胸までプルンプルン動く。ついついそっちに目がいってしまう。
他のみんなも幸せそうだ。特に豚族のメンバーは泣きながら食べている。どれ、明日から村に帰るんだ。少しお土産用に包んでもらうか。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ローファンに、「からあげとおにぎりを沢山持ち帰りたい」と言うと、「ありがとうございます!」と言って両手を握られた。両手を握られる必要性はあったのかな?
そんな俺とローファンのやり取りを見ていたインリンが、「お前は下で、おにぎりを死ぬ気で握ってこい!」と声を張り上げ、ローファンを軽く蹴って追い出した。
「ちっ!インリンめ!」と悔しそうに言った後、「愛しの智也様♡またまた後で来ますね♡」と甘い声で言い、名残惜しそうな表情を浮かべながら1階に戻って行った。
ローファンを追い出した後、インリンは俺に向かって微笑みながら話しかけてきた。
「美味しいだろ?ここの料理は絶品なんだよ。だけどあたいは、どんなに食べても太れねぇんだ。顔は諦めているんだが、せめてプロポーションぐらいと思ってここで沢山食べているんだけどなぁ...」
そう言った後、インリンは少し困った様なため息を「はぁ~」と吐き、「だけど、お腹周りには何故だか肉はつかねえ。胸ばっかり成長しちまって」と、自分の胸を見て嘆いている。
そんな、メリハリボディーが残念だなんて...本当に地球とは美醜の観点が違うんだな...。
インリンは竜田揚げを食べながら、自分の話を聞いている俺を見て、「だ、旦那は全然平気なようだな。あたいらとご飯を食べても。他の連中なんて、『お前らと食べると飯が不味くなる』って一緒に食べようとしないのに...」と驚いた表情を浮かべながら、目をパチパチとさせた。
全然平気だし、逆に天国だよな。
美味しそうにチャーハンもどきを食べていたクラリスが、ふと俺の方を見て微笑みを浮かべた。そして、「主様は、まったくそんなこと気にされませんよ。はい、主様♡あ~ん♡」と、自分のスプーンでよそったチャーハンもどきを、俺の口の前に持って来た。
バカップルみたいで恥ずかしいけど...口を開けた。
目の前の俺たちの行いを見たインリンは、「凄いな、旦那は!あたい達みたい者と一緒に飯を食う事を何とも思っていないんだな!男性と一緒にご飯を食べるって...こんなに幸せなんだな!」と、驚きと喜びの表情を浮かべながら伝えてきた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そんなインリンに対し、あえて俺は大きな声で「ありがとう、インリン。そして『一攫千金』のみんな!たくさん食べておくれよ。元々はインリンがくれたダイヤのお金で夕飯代を支払うんだ。結局はインリンの奢りだからな!」と言った。
俺の声は部屋中に響き渡り、2階にいる全員の耳にしっかりと届いたようだ。
「そうなんですかい?姐さん!ありがとうございます!智也さんも、ゴチになります!」
「姐さん、ありがとうございます!」と、いたるところから感謝の声が上がった。インリンは少し照れ臭そうに俺を見つめた。
「わざわざ言わなくてもいいのに...あたいを立ててくれて。本当に旦那はいい奴だな...。気に入ったぞ!」と、インリンは照れくさそうに微笑みながら、また俺を「気に入った」と言ってきた。
その様子を見ていたサラが、唐揚げを口にくわえながら呆れた表情で「もう何度目ですか?智也様のことは出会った瞬間から気に入っていたでしょ?知っていますよ。みんな」とインリンに向かって言い放った。
「な、何を言ってやがる!サラ!」
インリンは顔を真っ赤にしながら、ポカポカとサラの頭を叩いている。
「い、痛いですよ、姐さん!もう!すぐにムキになるんだから!」と、サラは叩かれながらも、唐揚げの2個目をしっかりと口の中に入れている。
二人のやり取りを見て、部屋中の雰囲気が一層和やかになった。「姐さん~!こっちにも顔を出して下さいよ!」と、遠くの席の者たちがインリンを呼んだ。
インリンは仲間内から本当に頼りにされていて、みんながインリンのことを大好きなようだ。
「おう!そっちに行くよ!」と言って、インリンは席から立ち上がり、呼ばれた席の方にコップを持って向かった。
それにしてもマリナ、いや、麻璃奈は何処にいるのだろう?早く合ってみたいのだが...。
でも...。
地球人なら美醜の観点が俺と一緒。だったら、俺は絶世のブサイク...。麻璃奈に嫌われないか、少し心配になってしまうなぁ。
何だか...違う?お米よりもプチプチとした歯ごたえと、爽やかな甘みが口の中に広がる。これはお米じゃないぞ?やはり異世界では、お米の調達は難しいのか?
これはもち麦か?それと野菜みたいな味がする?カリフラワーライスか?
凄いな。モチ麦とカリフラワーライスを半々に混ぜて、ごはん風味にしている。並々ならぬ努力だな。すごいな、マリナ。
唐揚げは竜田揚げだ。それにタルタルソースもある。うわ!ハンバーグにピザまであるよ。すごい!日本の居酒屋だよ。すごいクオリティだな。
俺の隣で食べているクラリスはもう、スプーンが止まらない様だ。スプーンを動かす度にお胸までプルンプルン動く。ついついそっちに目がいってしまう。
他のみんなも幸せそうだ。特に豚族のメンバーは泣きながら食べている。どれ、明日から村に帰るんだ。少しお土産用に包んでもらうか。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ローファンに、「からあげとおにぎりを沢山持ち帰りたい」と言うと、「ありがとうございます!」と言って両手を握られた。両手を握られる必要性はあったのかな?
そんな俺とローファンのやり取りを見ていたインリンが、「お前は下で、おにぎりを死ぬ気で握ってこい!」と声を張り上げ、ローファンを軽く蹴って追い出した。
「ちっ!インリンめ!」と悔しそうに言った後、「愛しの智也様♡またまた後で来ますね♡」と甘い声で言い、名残惜しそうな表情を浮かべながら1階に戻って行った。
ローファンを追い出した後、インリンは俺に向かって微笑みながら話しかけてきた。
「美味しいだろ?ここの料理は絶品なんだよ。だけどあたいは、どんなに食べても太れねぇんだ。顔は諦めているんだが、せめてプロポーションぐらいと思ってここで沢山食べているんだけどなぁ...」
そう言った後、インリンは少し困った様なため息を「はぁ~」と吐き、「だけど、お腹周りには何故だか肉はつかねえ。胸ばっかり成長しちまって」と、自分の胸を見て嘆いている。
そんな、メリハリボディーが残念だなんて...本当に地球とは美醜の観点が違うんだな...。
インリンは竜田揚げを食べながら、自分の話を聞いている俺を見て、「だ、旦那は全然平気なようだな。あたいらとご飯を食べても。他の連中なんて、『お前らと食べると飯が不味くなる』って一緒に食べようとしないのに...」と驚いた表情を浮かべながら、目をパチパチとさせた。
全然平気だし、逆に天国だよな。
美味しそうにチャーハンもどきを食べていたクラリスが、ふと俺の方を見て微笑みを浮かべた。そして、「主様は、まったくそんなこと気にされませんよ。はい、主様♡あ~ん♡」と、自分のスプーンでよそったチャーハンもどきを、俺の口の前に持って来た。
バカップルみたいで恥ずかしいけど...口を開けた。
目の前の俺たちの行いを見たインリンは、「凄いな、旦那は!あたい達みたい者と一緒に飯を食う事を何とも思っていないんだな!男性と一緒にご飯を食べるって...こんなに幸せなんだな!」と、驚きと喜びの表情を浮かべながら伝えてきた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そんなインリンに対し、あえて俺は大きな声で「ありがとう、インリン。そして『一攫千金』のみんな!たくさん食べておくれよ。元々はインリンがくれたダイヤのお金で夕飯代を支払うんだ。結局はインリンの奢りだからな!」と言った。
俺の声は部屋中に響き渡り、2階にいる全員の耳にしっかりと届いたようだ。
「そうなんですかい?姐さん!ありがとうございます!智也さんも、ゴチになります!」
「姐さん、ありがとうございます!」と、いたるところから感謝の声が上がった。インリンは少し照れ臭そうに俺を見つめた。
「わざわざ言わなくてもいいのに...あたいを立ててくれて。本当に旦那はいい奴だな...。気に入ったぞ!」と、インリンは照れくさそうに微笑みながら、また俺を「気に入った」と言ってきた。
その様子を見ていたサラが、唐揚げを口にくわえながら呆れた表情で「もう何度目ですか?智也様のことは出会った瞬間から気に入っていたでしょ?知っていますよ。みんな」とインリンに向かって言い放った。
「な、何を言ってやがる!サラ!」
インリンは顔を真っ赤にしながら、ポカポカとサラの頭を叩いている。
「い、痛いですよ、姐さん!もう!すぐにムキになるんだから!」と、サラは叩かれながらも、唐揚げの2個目をしっかりと口の中に入れている。
二人のやり取りを見て、部屋中の雰囲気が一層和やかになった。「姐さん~!こっちにも顔を出して下さいよ!」と、遠くの席の者たちがインリンを呼んだ。
インリンは仲間内から本当に頼りにされていて、みんながインリンのことを大好きなようだ。
「おう!そっちに行くよ!」と言って、インリンは席から立ち上がり、呼ばれた席の方にコップを持って向かった。
それにしてもマリナ、いや、麻璃奈は何処にいるのだろう?早く合ってみたいのだが...。
でも...。
地球人なら美醜の観点が俺と一緒。だったら、俺は絶世のブサイク...。麻璃奈に嫌われないか、少し心配になってしまうなぁ。
87
あなたにおすすめの小説
高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない
仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。
トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。
しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。
先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。
家族と魔法と異世界ライフ!〜お父さん、転生したら無職だったよ〜
三瀬夕
ファンタジー
「俺は加藤陽介、36歳。普通のサラリーマンだ。日本のある町で、家族5人、慎ましく暮らしている。どこにでいる一般家庭…のはずだったんだけど……ある朝、玄関を開けたら、そこは異世界だった。一体、何が起きたんだ?転生?転移?てか、タイトル何これ?誰が考えたの?」
「えー、可愛いし、いいじゃん!ぴったりじゃない?私は楽しいし」
「あなたはね、魔導師だもん。異世界満喫できるじゃん。俺の職業が何か言える?」
「………無職」
「サブタイトルで傷、えぐらないでよ」
「だって、哀愁すごかったから。それに、私のことだけだと、寂しいし…」
「あれ?理沙が考えてくれたの?」
「そうだよ、一生懸命考えました」
「ありがとな……気持ちは嬉しいんだけど、タイトルで俺のキャリア終わっちゃってる気がするんだよな」
「陽介の分まで、私が頑張るね」
「いや、絶対、“職業”を手に入れてみせる」
突然、異世界に放り込まれた加藤家。
これから先、一体、何が待ち受けているのか。
無職になっちゃったお父さんとその家族が織りなす、異世界コメディー?
愛する妻、まだ幼い子どもたち…みんなの笑顔を守れるのは俺しかいない。
──家族は俺が、守る!
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる