Exスキル『能力100万倍』で、あべこべ世界で苦しむ奴隷達の『低価値スキル』を超優秀に！ただし、『性欲100万倍』の副作用付きですが...。

第四章 「マリナ」のお店

第58話 コーラー

　口調がチャキチャキとしていて活気のあるサラは、インリンの妹分的な存在。しかし、彼女の見た目は可愛らしい狸顔でショートボブ。大きな瞳で目じりが少し下がっている。そのため、優しさと柔らかさを含んだ、おっとりたした雰囲気を周囲に与える。

　サラの魅力は、彼女の態度と容姿のギャップにあると思うのだが...。ナイメール星では、彼女の魅力が十分に評価されていない様だ。

　サラも身長が高く、180cmはあるだろう。いや、182,3cmはあるだろうか？本当に背が高いな。本当にこっちの世界の女性は背が高い。背が低い者でも女性なら165cmは優に超える。いいな...羨ましい。

　あとサラは、メルやクラリスと引けを取らないほどの、破壊的なお胸を持っていらっしゃる。

　サラの顔立ちや、プロポーションは非常に高いレベルにあると思うが、ナイメール星だとインリン同様に、究極のブサイクに見なされているのだろうな。

　だからこそ、「一攫千金」の中でインリンとサラが親しくなった理由の一つなのかもしれない。お互いの生きづらさを一番理解し合えるからこそ、親しくなったのかもしれないな。


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　インリンが席を離れると同時に、サラが「本当にあの時はありがとうございました」と言って深く頭を下げてきた。それに対して、俺は「気にしないで」と軽く返した。

 「私はインリン姐さんに、大きな恩があります。小さな頃、両親からブサイクという理由で捨てられ、鉱山奴隷として働いていました。ただ、採掘作業は非常に過酷で、体調を崩した時に高熱が出て...」

　サラはそう言ったあと、下を向いて声を詰まらせた。当時のことを思い出したのだろう。それまでのチャキチャキとした話し方とは全く異なり、外見に合った優しくおっとりとした話し方だ。

 「奴隷だし、ブサイクだし...治療もしてもらえず、もう...終わりかなーと思った時に、姐さんが稼いだダイヤを売って、ポーションを買って治しくれました。優しいお方です。それ以来、少しでも姐さんに近づこうと、態度や言葉遣いを真似て...」

　サラはそう言って、俺の仲間や「一攫千金」たちと騒いでいるインリンを見つめた。

「あたい...私も...あなた様に、智也様に惚れました。ほ、本当に大好きです。こんな私を受け入れて下さるのなら、クラリスさんや皆さんのように智也様に買われたいです！でも、まずは姐さんが幸せになるのが最優先です。姐さんをお願いします！絶対に尽くすタイプです！姐さんも智也様の仲間に加えてあげて下さい！」

　サラは俺の目をじっと見つめて、熱く頼んできた。自分のこと以上にインリンの事を...。

　サラ...。

　自分の幸せよりも、大切な人の幸せを願う姿って本当に美しいよな。インリンもサラもいつか幸せにしたいな。こんな俺でよければだけどね。


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 「す、すみません。しみったれた話になってしまって。すぐにとは言いません。考えておいて下さい。そ、それよりもたくさん食べましょう。メニューを見ましたか？色々な料理が載っていますよ。クラリスさん達も、色々なお料理が沢山ありますよ！」

　サラは照れくさいのか、急に早口になってメニューを俺に手渡してきた。

　へー。色々あるな。どれどれ...。

　チーズ盛り合わせ
　木のみの3種盛り
　ゆるく炙ったチーズとジャガイモ和え
　うちの店お勧めサラダ
　ジンジャーをまぶした肉炒め
　コーンサラダ
　ラーメン（塩あじ）
　たまごスープ
　飲めるほど煮込んだオークの角煮
　無限ポテト盛り
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　何だか...まとまりのないメニューだな。肉料理と、サラダ、スープなどがごちゃごちゃだ。ラーメンまであるじゃないか。

　何でも、店主であるマリナがメニューきを作ったらしい。

「マリナさんは『並べている順番にも意味があるのよ』って言っているんですけど...。あたい達には何のことだか」とサラが教えてくれた。

　へぇー、意味があるんだ。意味が...。へぇー...。

　...。

　気がついてしまった...。

　左の一番頭を読んだら「ち・き・ゆ・う・じん・こー・ら・た・の・む。つまり「地球人、コーラー頼む」だ。「コーラーを注文しろ」という事なんだな。

　俺は慌ててメニューをパラパラとめくった。無い...。コーラーなどメニューに見当たらない。

　同郷に対しての、マリナからのメッセージ何だろう。


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　それならば...頼んでみるか。会ってみたい。俺よりも早くナイメール星に足を踏み入れた地球人に。色々と話しを聞いてみたい。

 「すみません。コーラーをお願いします...」

　ザイフにコーラーを注文をした。すると、ザイフは少し困ったような表情で「コーラ？そんなものメニューにありましたか？」と尋ねてきた。

 「いえ...多分、マリナさんに言えば分かると思いますよ」と、ザイフに伝えると、「はあ...」と言いながら、下に降りて行った。

　その1分後...。

　ガラガラガッシャーン！バタン！バタバタバタ！

　階段を駆け上がる足音が、驚くほどの勢いで近づいてくる。ついに、対面の時が来た。マリナさんと。いや、麻璃奈さんとか...。