15 / 38
新親方はこの世で一番頼れる男
しおりを挟む
フィル先輩は夕食の時間ギリギリに帰ってきた。
「(話は後で)だって」
フィル先輩と目を合わせたフレッドが僕に耳打ちしてくれた時、使用人用の食堂に旦那様と執事長ともう1人男の人が入ってきた。
「みんな、そのままで聞いてくれ。新しく庭師の親方に来てもらったアンドレだ。よろしく頼む。執事長、あとは案内してやってくれ」
僕は旦那様が紹介した男を見た。
………え?アンドレ?いや…オーガスト…だよね?
オーガストはサティほどじゃないけど、“裏”の施設にいた時に僕の面倒を見てくれていた人だった。
僕が第2王子だということや、暗殺されそうになったこと、侍女が誘拐する形で僕を保護したこと、僕の両親と学園で同級生だった時の話などを僕に教えてくれた。
見る度に容姿が変わっていたけど、どんな姿になっていてもサティとオーガストなら、僕は分かる。
「うわあ、黒髪黒髭のモサモサ系だね。ちょっとマイクっぽい」
「う、うん」
フレッドに話しかけられた僕は慌てて答えた。
執事長から食堂の説明を受けた新親方は、僕たち庭師組の所に来て、挨拶をした。
「新しく庭師の親方になったアンドレだ。これからよろしく頼む。いろいろ教えてほしいことがあるから…フィルっていうのは誰かな?ああ、君か。食事の後で私の部屋に来てくれ」
そう言うと、新親方は食事を取りに行った。
まあ、ローランド先輩もいないし、フィル先輩は責任者的な立場ではあるからな。
よし、フィル先輩にくっ付いてってみようか。
「それ賛成。僕もね」
「あ…!しまった、うっかり…何か読んだか?」
「いや、特には?で、『オーガスト』って誰?」
「あ…!」
「それもこれも含めて後でだね。温かいうちに食べようよ」
全く修行が足りないよな、僕は。
サティとの連絡には限度があったから、それを補うためとかだったら助かるけど、そんなレベルの人じゃないんだよなあ。
オーガスト自らが表舞台で動くなんて。
食後、新親方の部屋へ行こうとするフィル先輩と僕とフレッドは、みんなに気付かれないようにそっと合流した。
コンコン!
「アンドレ親方、フィルです。入ってよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「「失礼します」」
フィル先輩に続いて僕とフレッドも部屋の中に入った。
新親方が僕とフレッドを見ても何も言わず、部屋に防音魔法を掛けたのが分かった。懐かしい、少し焦げたような匂いがする。
やっぱりオーガストだ。
心の奥で懐かしんでいる僕を、オーガストは前髪の下の目を細めて見ていた。
「あの、知りたいことってなんでしょうか?苗や温室のことは年間の計画表が出来ていたはずですけど」
「ああ、うん。それはいいんだ。イグナス・ドルトレッド伯爵から話は聞いている。私はオーガストだ、って言えばフィルは分かるよね?フレッドとは接触が無かったから知らなかったと思うが、私は“辺境伯の子供たち”の者だ。事が動きそうだから、私が介入することになった。フィル、改めて言わせてもらうが、フランを助けられなかったことを申し訳なく思う。追い詰められるのが早過ぎて間に合わなかった。君のことも見付けることが遅れて済まなかった」
「オーガストさん?!あ、いえ、そんな、頭を上げてください!姉のことは理解しています。姉は本望だったと思います。俺も結局助けてもらいましたし。あの…ずっと気になっていたんですが、俺の身代わりにした焼死体は何処の誰だったんでしょうか?」
「気にしなくてもいい。君のために誰かを始末したとかそんなことは無いから。需要と供給ってことで理解してもらえると助かる」
「分かりました。……マイラー様の屋敷が狙われたのは、俺を匿っていたせいですか?」
「フィル先輩?!」
フィル先輩の突然の告白に、フレッドは跳ねた。
「落ち着いて、2人とも」
見たことないような険しい顔のフィル先輩と、泣きそうな顔で狼狽えるフレッドに言い聞かせるように新親方は声をかけた。
「君が原因なのかと思った根拠があるのかい?」
フィル先輩は険しい顔のまま、思いを口にした。
「今日、マイラー様の屋敷に偵察に来ていたらしい男を尾行して素性を突き止めました。名はセドリック・ダン。先代国王の時に取り潰しになった子爵家の者でした。再び出掛けたので中に入って調べていたら、日記のような覚え書きのようなノートを見付けて…マイラー様の屋敷で重症の人間を看病している情報が漏れていました。俺の焼死の偽装が疑われていたのかもしれません。俺のせいでマイラー様が目を付けられたのかも…!」
「というよりも孤児だろうね、マイラー・ネルソンが狙われたのは。“辺境伯の子供たち”がそもそも戦争孤児から始まっているから、孤児院を世話している貴族を虱潰しにしたんだろう。その中で医者にかかった重症患者は目を引いたかもしれないが、遅かれ早かれ狙われていたと思うよ。で、マイラー氏に逃げられたからその子であるノーマン氏を狙った。ネルソン子爵家に恨みがあるとかじゃなくて、“辺境伯の子供たち”を潰すために誘き出したいんだろう。冤罪は許さないというのが“辺境伯の子供たち”の信条だからな」
フィル先輩は項垂れていたが、キリキリするような緊張感は、もう無かった。
「オーガスト。今だけはオーガストって呼ばせて。“事”って何?オーガストがここに来たってことは僕絡みだよね?王家?国?」
「マクロス第2王子殿下。この国が危機にあるとしたら、貴方は立ちますか?」
「………聞いてしまったらもうそれしか選択肢は無いってこと?サティは自分の目で見て選べって言った!一度“裏”の仕事を体験してみろって!…もう…そんな時間は無いってこと?」
「聞いてみただけだよ、マイク。今その気があるならそういう作戦も有りかと思ったけど無しだな。今更中途半端な覚悟で戻っても暗殺されるだけだ。レモネルが気鬱なのは振りだし、王太子のアーサーも傀儡の振りをしているだけだから、国民が憂いているような危機的状況じゃない。オランディーヌの仇を取るためだ」
「じゃあ、母は…」
「お前が誘拐された体で保護された後、フランもサティもいなくなった隙に殺された。産後で弱っている時を狙われて。
真っ当に生きていれば何の処分も受けなかったのに、私欲に走って糾弾された逆恨みの凶行を俺たちは許さない。姿は見えている。あとは動かして、固めて、潰すだけだ」
「(話は後で)だって」
フィル先輩と目を合わせたフレッドが僕に耳打ちしてくれた時、使用人用の食堂に旦那様と執事長ともう1人男の人が入ってきた。
「みんな、そのままで聞いてくれ。新しく庭師の親方に来てもらったアンドレだ。よろしく頼む。執事長、あとは案内してやってくれ」
僕は旦那様が紹介した男を見た。
………え?アンドレ?いや…オーガスト…だよね?
オーガストはサティほどじゃないけど、“裏”の施設にいた時に僕の面倒を見てくれていた人だった。
僕が第2王子だということや、暗殺されそうになったこと、侍女が誘拐する形で僕を保護したこと、僕の両親と学園で同級生だった時の話などを僕に教えてくれた。
見る度に容姿が変わっていたけど、どんな姿になっていてもサティとオーガストなら、僕は分かる。
「うわあ、黒髪黒髭のモサモサ系だね。ちょっとマイクっぽい」
「う、うん」
フレッドに話しかけられた僕は慌てて答えた。
執事長から食堂の説明を受けた新親方は、僕たち庭師組の所に来て、挨拶をした。
「新しく庭師の親方になったアンドレだ。これからよろしく頼む。いろいろ教えてほしいことがあるから…フィルっていうのは誰かな?ああ、君か。食事の後で私の部屋に来てくれ」
そう言うと、新親方は食事を取りに行った。
まあ、ローランド先輩もいないし、フィル先輩は責任者的な立場ではあるからな。
よし、フィル先輩にくっ付いてってみようか。
「それ賛成。僕もね」
「あ…!しまった、うっかり…何か読んだか?」
「いや、特には?で、『オーガスト』って誰?」
「あ…!」
「それもこれも含めて後でだね。温かいうちに食べようよ」
全く修行が足りないよな、僕は。
サティとの連絡には限度があったから、それを補うためとかだったら助かるけど、そんなレベルの人じゃないんだよなあ。
オーガスト自らが表舞台で動くなんて。
食後、新親方の部屋へ行こうとするフィル先輩と僕とフレッドは、みんなに気付かれないようにそっと合流した。
コンコン!
「アンドレ親方、フィルです。入ってよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「失礼します」
「「失礼します」」
フィル先輩に続いて僕とフレッドも部屋の中に入った。
新親方が僕とフレッドを見ても何も言わず、部屋に防音魔法を掛けたのが分かった。懐かしい、少し焦げたような匂いがする。
やっぱりオーガストだ。
心の奥で懐かしんでいる僕を、オーガストは前髪の下の目を細めて見ていた。
「あの、知りたいことってなんでしょうか?苗や温室のことは年間の計画表が出来ていたはずですけど」
「ああ、うん。それはいいんだ。イグナス・ドルトレッド伯爵から話は聞いている。私はオーガストだ、って言えばフィルは分かるよね?フレッドとは接触が無かったから知らなかったと思うが、私は“辺境伯の子供たち”の者だ。事が動きそうだから、私が介入することになった。フィル、改めて言わせてもらうが、フランを助けられなかったことを申し訳なく思う。追い詰められるのが早過ぎて間に合わなかった。君のことも見付けることが遅れて済まなかった」
「オーガストさん?!あ、いえ、そんな、頭を上げてください!姉のことは理解しています。姉は本望だったと思います。俺も結局助けてもらいましたし。あの…ずっと気になっていたんですが、俺の身代わりにした焼死体は何処の誰だったんでしょうか?」
「気にしなくてもいい。君のために誰かを始末したとかそんなことは無いから。需要と供給ってことで理解してもらえると助かる」
「分かりました。……マイラー様の屋敷が狙われたのは、俺を匿っていたせいですか?」
「フィル先輩?!」
フィル先輩の突然の告白に、フレッドは跳ねた。
「落ち着いて、2人とも」
見たことないような険しい顔のフィル先輩と、泣きそうな顔で狼狽えるフレッドに言い聞かせるように新親方は声をかけた。
「君が原因なのかと思った根拠があるのかい?」
フィル先輩は険しい顔のまま、思いを口にした。
「今日、マイラー様の屋敷に偵察に来ていたらしい男を尾行して素性を突き止めました。名はセドリック・ダン。先代国王の時に取り潰しになった子爵家の者でした。再び出掛けたので中に入って調べていたら、日記のような覚え書きのようなノートを見付けて…マイラー様の屋敷で重症の人間を看病している情報が漏れていました。俺の焼死の偽装が疑われていたのかもしれません。俺のせいでマイラー様が目を付けられたのかも…!」
「というよりも孤児だろうね、マイラー・ネルソンが狙われたのは。“辺境伯の子供たち”がそもそも戦争孤児から始まっているから、孤児院を世話している貴族を虱潰しにしたんだろう。その中で医者にかかった重症患者は目を引いたかもしれないが、遅かれ早かれ狙われていたと思うよ。で、マイラー氏に逃げられたからその子であるノーマン氏を狙った。ネルソン子爵家に恨みがあるとかじゃなくて、“辺境伯の子供たち”を潰すために誘き出したいんだろう。冤罪は許さないというのが“辺境伯の子供たち”の信条だからな」
フィル先輩は項垂れていたが、キリキリするような緊張感は、もう無かった。
「オーガスト。今だけはオーガストって呼ばせて。“事”って何?オーガストがここに来たってことは僕絡みだよね?王家?国?」
「マクロス第2王子殿下。この国が危機にあるとしたら、貴方は立ちますか?」
「………聞いてしまったらもうそれしか選択肢は無いってこと?サティは自分の目で見て選べって言った!一度“裏”の仕事を体験してみろって!…もう…そんな時間は無いってこと?」
「聞いてみただけだよ、マイク。今その気があるならそういう作戦も有りかと思ったけど無しだな。今更中途半端な覚悟で戻っても暗殺されるだけだ。レモネルが気鬱なのは振りだし、王太子のアーサーも傀儡の振りをしているだけだから、国民が憂いているような危機的状況じゃない。オランディーヌの仇を取るためだ」
「じゃあ、母は…」
「お前が誘拐された体で保護された後、フランもサティもいなくなった隙に殺された。産後で弱っている時を狙われて。
真っ当に生きていれば何の処分も受けなかったのに、私欲に走って糾弾された逆恨みの凶行を俺たちは許さない。姿は見えている。あとは動かして、固めて、潰すだけだ」
0
あなたにおすすめの小説
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる