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プロローグ〜雪の精霊との出会い
雪の精霊
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ガリ、ガリと音を立てながら乾いた雪と少しの氷を踏みながら歩く。
辺り一面真っ白で家の屋根の端からは氷柱が垂れ下がっている。
右に曲がり、真っ直ぐ進めば人一人いない静寂に包まれた住宅街の路地を抜け、バスや車や人が行来する道路に出ることが出来るが、その前静かな路地を真っ直ぐ進む。
「おはよう、雪斗。」
白い息を吐き、誰もいない筈の道で声をかける。
「おはよう、凛。」
少し雪が舞い上がる程の風が吹く。
すると、真っ白な髪と灰色の瞳をした少年が現れて、にっこりと微笑む。
雪斗はいわゆる雪の精霊と言われる存在らしい。
彼とは私がこの街に引っ越して最初の冬に出会った。
私、佐野凛がこの半年くらい冬が続く街に引っ越して来てもう3度目の冬を迎える。
ここに来るまであまり雪の降らない暖かい街に住んでいたから、最初は雪が珍しくて、嬉しくなって雪だるまを作ったりして遊んだが、一週間で飽きた。
そもそも、雪の所為で歩きにくいし、なによりとても寒い。
それに、中学2年生と言うもう友達のグループが出来てしまった時期に現地の中高一貫の学校に転入してきた為、中々クラスの輪に入れなかったのだ。
だから、正直この街を好きになれなかった。
「何を考えているの?」
「雪斗と初めて会った日の事。」
「懐かしいなぁ。もう直ぐ凛と出会って3年になるのか。
今年もお祝いしようね。」
彼はそう言い笑う。
「そうね。」
では、雪の精霊との不思議な出会いをお話しましょう。
そのためには今から3年前の12月に遡ります。
---- 12月下旬
「凛、部屋に籠ってないで偶には外に出なさい。」
お母さんが部屋の前で言う。
「せっかく写真部に入ったんだから、ほら、写真でも撮っておいで。」
写真部と言っても、殆ど部員のいない来年には廃部になるだろう部活だ。
「嫌だ。外寒いし、家の中でゲームしてたい。」
「ゲームばっかりしてたら視力落ちるわよ!
さ、早く行きなさい!」
私はその日カメラを片手に問答無用で家から追い出されたのだ。
「はぁ。」
思わずため息が出た。
どうしよう。
お母さんには夕飯までに帰ってくるなと言われたし、家に遊びに行けるような友達もいない、そして喫茶店に一人で入る勇気も勿論無い。
「しょうがない。
真面目に写真でも撮ろう。」
私はそう決めてレンズ越しに辺りを見回す。
そうすると、曇った灰色の空も、踏まれて茶色っぽくなった地面の雪も少し綺麗に見えた。
私は学校の知り合いに会わない様に人目を避けて散歩するうち(その頃は友達もいなく、一人で散歩しているのを見られるのが少し恥ずかしかった。)に樹々に囲まれた小さい神社の前にいた。
余り綺麗じゃない古い神社なのに、美しく見えて思わずシャッターを押したのを鮮明に覚えている。
「綺麗な場所でしょ。」
「わ!」
急に後ろから声を掛けられて、私は飛び上がった。
そして、かっこ悪く雪に足を滑らせて転んでしまった。
「驚かせてごめん。
大丈夫?」
彼は謝りながら手を伸ばす。
雲の間から微かな光が差し込むで、その光を反射してキラキラと光る髪と瞳はとても綺麗で、私には彼が人間ではないように見えた。
辺り一面真っ白で家の屋根の端からは氷柱が垂れ下がっている。
右に曲がり、真っ直ぐ進めば人一人いない静寂に包まれた住宅街の路地を抜け、バスや車や人が行来する道路に出ることが出来るが、その前静かな路地を真っ直ぐ進む。
「おはよう、雪斗。」
白い息を吐き、誰もいない筈の道で声をかける。
「おはよう、凛。」
少し雪が舞い上がる程の風が吹く。
すると、真っ白な髪と灰色の瞳をした少年が現れて、にっこりと微笑む。
雪斗はいわゆる雪の精霊と言われる存在らしい。
彼とは私がこの街に引っ越して最初の冬に出会った。
私、佐野凛がこの半年くらい冬が続く街に引っ越して来てもう3度目の冬を迎える。
ここに来るまであまり雪の降らない暖かい街に住んでいたから、最初は雪が珍しくて、嬉しくなって雪だるまを作ったりして遊んだが、一週間で飽きた。
そもそも、雪の所為で歩きにくいし、なによりとても寒い。
それに、中学2年生と言うもう友達のグループが出来てしまった時期に現地の中高一貫の学校に転入してきた為、中々クラスの輪に入れなかったのだ。
だから、正直この街を好きになれなかった。
「何を考えているの?」
「雪斗と初めて会った日の事。」
「懐かしいなぁ。もう直ぐ凛と出会って3年になるのか。
今年もお祝いしようね。」
彼はそう言い笑う。
「そうね。」
では、雪の精霊との不思議な出会いをお話しましょう。
そのためには今から3年前の12月に遡ります。
---- 12月下旬
「凛、部屋に籠ってないで偶には外に出なさい。」
お母さんが部屋の前で言う。
「せっかく写真部に入ったんだから、ほら、写真でも撮っておいで。」
写真部と言っても、殆ど部員のいない来年には廃部になるだろう部活だ。
「嫌だ。外寒いし、家の中でゲームしてたい。」
「ゲームばっかりしてたら視力落ちるわよ!
さ、早く行きなさい!」
私はその日カメラを片手に問答無用で家から追い出されたのだ。
「はぁ。」
思わずため息が出た。
どうしよう。
お母さんには夕飯までに帰ってくるなと言われたし、家に遊びに行けるような友達もいない、そして喫茶店に一人で入る勇気も勿論無い。
「しょうがない。
真面目に写真でも撮ろう。」
私はそう決めてレンズ越しに辺りを見回す。
そうすると、曇った灰色の空も、踏まれて茶色っぽくなった地面の雪も少し綺麗に見えた。
私は学校の知り合いに会わない様に人目を避けて散歩するうち(その頃は友達もいなく、一人で散歩しているのを見られるのが少し恥ずかしかった。)に樹々に囲まれた小さい神社の前にいた。
余り綺麗じゃない古い神社なのに、美しく見えて思わずシャッターを押したのを鮮明に覚えている。
「綺麗な場所でしょ。」
「わ!」
急に後ろから声を掛けられて、私は飛び上がった。
そして、かっこ悪く雪に足を滑らせて転んでしまった。
「驚かせてごめん。
大丈夫?」
彼は謝りながら手を伸ばす。
雲の間から微かな光が差し込むで、その光を反射してキラキラと光る髪と瞳はとても綺麗で、私には彼が人間ではないように見えた。
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