僕は隣国王子に恋をする

泡沫の泡

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第3章 僕は誕生会の後に誘拐されるなんて聞いていない

4 ★R18

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「父様、酷いじゃありませんか。俺を呼んでくださらないなんて」

突然響いた声にイーサンは顔を上げる。
結月はぐったりとベッドに横たわったままだ。

「美しい白銀の妖精を攫ってきたと聞いてますよ」

「ノア」

声の主はノアというらしい。
イーサンの一人息子であり、かなり甘やかされて育ったとのことで有名であった。

薄いブルーの長髪を翻し、結月の傍に寄る。

「ほぅ、美しいですね。白銀の妖精は」

結月はぼんやりとした瞳でノアを映す。
おもむろにノアは自身の指を結月の口に突っ込み、上顎を撫でる。
ぞわぞわした感覚に結月は腰を揺らした。

「ねぇ、父様。俺も一緒に遊んでも構いませんよね」

たった一人の息子であるノアの言うことは叶えてやりたいが、こればかりはとイーサンは考える。

「ね、父様」

ダメ押しのように訴えると、イーサンはしばらく唸ったのち可との返事を返した。





「あぁあぁあぁー!! ……やだ、やぁ! 」

イーサンに寄っかかる姿勢で座らされ、目の前にはノアが座っている。
ふたりからのしつこい愛撫と、肉棒を扱く手に耐える。
ふと後孔にノアの指先が触れた。

「ん……なに、するの」

恐怖で震える。
前にも、こんなことが、あったような。
でも、おもいだせない。

「大丈夫ですよ。痛くないようにしますから」

人の良さそうな笑みであるのに、結月にはそれが悪魔に見えた。

「あ、や、やだ……!!」

悲鳴虚しく、後孔に当てられた指が押し入れられていく。
痛くはないが、変な圧迫感と気持ち悪さがあった。

いやだ、いやだ。
残った力を振り絞って、結月は大声を上げた。
それと同時に記憶がフラッシュバックする。
まえにも、あった。
ちいさいころ、誰かに襲われて、服を剥ぎ取られて、それで。

プツンと弾けるように、結月の意識はそこで途絶えた。

「なんだ、もう気絶してしまったのか」

イーサンはつまらなそうに呟いた。
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