僕は隣国王子に恋をする

泡沫の泡

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第6章 僕は隣国王子に溺愛される

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俺はユヅキの後を追いかけた。
玄関で男と抱き合うユヅキ。
嫌だった。好きな人が俺以外の男と仲睦まじくしているところなんて、見たくなかった。

「ユヅキ、」

俺に気がついたユヅキは耳まで真っ赤に染めて、その男から離れた。
ユヅキの顔に男の手が伸びる。
その真っ赤な耳を撫でる男に俺は嫉妬した。

「ルーク、やめて……」

恥ずかしそうに相手の胸元を押すユヅキ。
男はようやくユヅキから手を離した。

「……いい加減にしてくれ、」

君なんかより、俺のほうがユヅキを好きだ。
俺は怒気を含ませて、相手を見た。

「ユヅキは、俺のだ」

俺の震えた声に、相手は顔を顰めた。









久しぶりにユヅキに会えた。
嬉しそうなユヅキの表情に、張り詰めていた心が解けていった。
あぁ、やっぱり好きだ。

照れるユヅキが可愛くて、周りに目をくれずひたすらユヅキを愛でる。

「ルーク、やめて……」

ついにユヅキは我慢の限界が来たようで真っ赤になって俯いてしまった。
仕方なく、手を離す。

「……いい加減にしてくれ、」

その声を聞いて、顔を上げた。
彼がレオナルド伯爵か。

「ユヅキは、俺のだ」

相手の怒気がひしひしと伝わった。
それでも、私は怯まず睨み返す。
ユヅはお前に渡さない。

「……悪いが、ユヅは私が連れ帰る」

ユヅを連れて彼に背を向ける。
しかし、数歩進んだところでレオナルド伯爵に肩を掴まれた。
冷たい視線を相手に向ける。

「……お前の屋敷でユヅを守るか、私の城でユヅキを守るか。どちらが安全か考えろ」

何も言えなくなった相手に今度こそ背を向け、レオナルド邸を後にした。
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