僕は隣国王子に恋をする

泡沫の泡

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第6章 僕は隣国王子に溺愛される

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オリヴァー王国で過ごして一ヶ月。
気温も下がり始め、寒い季節に切り替わる。
木々の葉はすっかり落ちてしまった。

「ユヅ、体を冷やすぞ」

隣に座ったルークが僕の肩にブランケットをかけた。
寒いのに、胸の中がじわりと温かくなる。

最近ルークを見ているだけで、胸がいっぱいになり、心臓の鼓動が早まるのだ。
目があったときなんて、もう顔まで熱くなってしまう。

「……どうしたんだ? 」

ルークは挙動不審な僕を見て目を細めて笑った。
その優しい笑みにドクリと胸が音を立てた。

あ、好きだ。
気がついてしまった。
僕は、ルークが、好き。

意識してしまったら、ルークの顔がまともに見れなくなってしまった。
僕の頬を撫でるルークの手つきに目線を彷徨わせた。







近頃、ユヅが顔を合わせてくれなくなった。
それどころか、最近では私を避けている様子であった。

顔を赤くしたり、挙動不審になったり忙しそうなユヅ。
私のことが嫌いになったわけではないと思うが、確証はない。
流石の私も、少し心を削られた。

噂では、最近ユヅは王宮図書館に入り浸っているらしい。
王宮図書館は城の中にある図書館で、限られた人しか入れない場所だ。しかも、珍しい本も取り揃えているので、ユヅにとっては恰好かっこうの場所と言えた。

ユヅがいるなら、と私は王宮図書館に向かうこととした。
会って、聞きたいことがあった。

「ユヅ、」

名前を呟いたら胸が切なくなった。
ユヅに会いたい。
会って、その可愛い顔に触れたかった。

静まり返った図書館内に、ユヅの姿があった。
腕枕で寝ていた顔を上げ、なにやら難し気な本を読み始める。
寝癖で少し跳ねた髪の毛が可愛い。
館内のステンドグラスの光が七色にキラキラとユヅを照らしていた。
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