僕は隣国王子に恋をする

泡沫の泡

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第8章 僕は隣国王子に恋をする

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「ユヅ、大丈夫か」

飲み始めてから1時間。
3杯程度しか飲んでいないが、結月は酔ってしまった。
頭がふわふわとして、ルークの顔がニ重に見える。

ふと、浮遊する感覚に結月は驚く。
ルークに抱きあげられたのだと理解したのはすぐであった。








優しくベッドに結月を横たえるルーク。
ルークは結月の隣に寝そべると目を閉じた。
数分後には寝息が聞こえてくる。

(寝ちゃだめ! )

まだまだ甘え足りない結月はプクッと頬を膨らますと、静かに服を脱いだ。
現れたのは透け透けのランジェリー。
結月は布団を引っぺがし、ルークの上に馬乗りになった。

「るーく、ねちゃだめ」

アルコールのせいで呂律が回らない。
声をかけてもルークは起きてくれなかった。

結月はむー、と唸る。
思いつくままにルークのシャツボタンを外すと彼の顔や胸に、唇を落としていった。

「るーく、はやくおきてよ」

1回、2回、3回、

「だいすきだよ、」

4回、5回、

「るーくももっと、たくさん、ぼくをすきになって」

しつこいくらいに全身にキスをする結月。
しかし、6回目のキスでついに涙がこぼれた。

「……ばかぁ、なんで、ねちゃうの」

呟いた瞬間、突然反転した視界。
鋭い瞳光に見つめられ、結月は怖くなって震えた。

「……おこってるの?」

涙をはらはらと流す結月。
ルークは荒々しく結月に口付けた。

「なぜそんなに、かわいいこと、してくれるんだ」

色欲を隠しきれないルークの視線。
アルコールで上気した頬に、泣き晴らしたような瞼。
そして、あんな、かわいいキス。

「そんなに誘って、どうなっても知らないぞ」

耐えるようなルークの声に、結月は胸を高鳴らせた。

「るーくになら、ひどくされても、いいよ」

「煽ったのは、おまえだぞ……」

ふわりと笑う結月を、乱暴な口調とは裏腹にルークは優しく抱きしめた。
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