ゲーム的異世界で生きていく

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損はさせません!

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さて、ここで使えるのが体術スキルだよね。
思い通りに体を動かせるなら、さっきのニーナさんの撃ち方をうまく真似できるはず。

スキルを取った後から少し体が動きやすくなったような気がしてるし、やってみようか。

ニーナさんの動きを真似るように体を動かす。

9回引き金を引く。

引き金の引き方、発砲音、手に伝わる反動、どれもこれも初体験でイメージと違う感覚だ。

「それでリロード」

どこからともなく手に、代わりのマガジンが現れ、それを空になったマガジンと入れ替える。
リロードしようと思うと空いている左手に弾倉が現れるのが不思議と理解できた。

「ふぅっ、やっぱりあまり当たらなかった」

標的の外側にばらつきながらなんとかほとんどは当たりはしたようだった。
銃の反動のイメージとか体格の違いとかニーナさんみたいには出来なくて当然か。

少し残念にしていると。

「すごいわね、初めて銃を持ったとは思えなかったわ、才能があるかもね」

そう、ニーナさんは言ってくれた。
才能はないと思うけど、僕もそう思う。

「スキルのおかげですよ。もう一回やってみても?」

「ええ、良いわよ」

今度は前世でのドラマのように構える。
手首を握ったり、横撃ちしたり、銃口を上に向けてフッとかはしない、ちゃんとした構え方だ。

包むように両手で握って構える。
イメージは出来てる。
前世で軍人がピストルを撃ってる動画だってみたことはあるんだから。

「両手…?」

後ろでニーナさんが驚いてるのが伝わってくる。
僕にとっては両手で持つ方が当たり前だと思うけど、どうやらこの世界だと違ったらしい。

肩幅ぐらいに脚を開いて、左足を少し引く、腕を少し曲げて、顎を少し引いて、銃口を下げすぎないし上げすぎない、並行にする。

パンッパンッ!パンッパンッパンッパンッ!パンッパンッパンッ!

9回撃つ。

そしてリロード。

「よしっ!」

さっきよりも的の中心に当たっていた。

「本当に銃に触ったのは初めてなの?」

そう呟くニーナさんの声が印象的だった。

こうして僕ははじめての武器を手に入れた。

次は防具屋シジミだ。


「これね、これにしとくべきよ!」

そう言ってニーナさんが渡してきたのは出力は低いながらも実弾や光学兵器も防げて、弓矢やダガーも防げるという服を覆うように展開する個人用シールド発生装置。
色は緑色で形はひし形、手のひらサイズで謎技術で胸にくっつく。
シールド展開中は食事ができないのがデメリットな代物。

お値段なんと13万クレジットほど

「でもそんなの買えませんよ。持ってるお金は1万クレジットとちょっとですよ」

「他のなんてゴミに失礼なレベルよ!まさかここまでとは思わなかったわ」

「あのーゴミっていうのはちょっとこまるんだけどなー」

後ろで店主がボソリと言ってるがニーナさんには強く言えないらしい。

「シジミ! いたのね。これどうなってるのよ。あなたならもうちょっと良い品を扱っていると思ったのだけど?」

いやーなんだか、受付の時と話す時のニーナさんは全然違う雰囲気がするということにだんだん気づいたよ。

「昨日かしらね、殆どの防具が徴用されちゃってね……明後日ぐらいには殆どは返してくれるみたいだけど、それまで品揃えがね……」

シジミさんがそう言う。

「そうなの……」

ふむ、どうやら勇者()のせいで防具をかなり持ってかれたのだろう。
僕が使えそうな武器なんかは持ってかれないで済んだからさっきは気づかなかったんだろうけど防具は別だよね。
ステータス3桁野郎どもに防具は必要なのかって話だけど必要らしい。
急所に当たればダメージも多くなるみたいだから。

まったくあの王様何してんだか。

「あのクソ王死ね」

「え?」

「え?」

やばっ、思わず口に出してしまった。

「え、僕何か言いました?」

「いや、聞き逃したわ。何て言ったのか聞こえたシジミ?」

「いやー私も聞こえなかったですよ」

よかったー危うく死ぬところだった。
今度から気をつけよう。
王国は王が神みたいなものだろう。

「まぁ、徴用なら仕方ないわね。また何かグラ……ノイエル王はやろうとしてるのかしら?」

「うーん、どうでしょうかね。私も詳しく知らないんだよねー」

「そう……じゃあ、これ買ってくから」

「あ、まいどありっ!ニーナありがとうー」

クソ王死ねと思ってるあいだにニーナさんとシジミさんの会話が勝手に進んでいた。

「防具も必要だけどこのシールドで当分は大丈夫なはずよ。はいどうぞ」

「はい、ありがとうございます。っていただけませんよ!」

「これは投資よ。ギルドで頑張って返してくれればいいのよ。これでシェルターの害獣駆除ぐらいはできるでしょうし」

人の善意には涙が出てくる。
クラスメイトやあの王に、女神にこんな優しさがあればなぁ。

「はい!ありがとうございます! 損はさせません!」

こうして僕の装備が整ったのだった。
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