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父親
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探検艦ホープ、宇宙艦隊が初の有人探査に向けて建艦した最新鋭の探検艦。
形としては細長い円筒形である。
その船内。
「よろしく、よろしくね」
ある一人のオトコが艦内を歩いていた。
鍛え上げられた筋肉が士官制服から浮き上がる。
「埃一つないピカピカの新品ね」
オトコは艦内エレベーターにたどり着く。
「ブリッジへ、よろしくね」
扉が閉まり、音声認識でエレベーターはブリッジへと向かう。
「艦長、入られます!」
作業中だというのに、つかさず反応できるのは流石ね。
とオトコは思う。
「コンピュータ、艦内放送。こんにちは皆さん。艦長のタイタス、タイタス・キミーよ。これは着任の挨拶。手を止めなくてもいいわ」
オトコ、タイタスはブリッジにいる者達を見ながら語り出す。
「私はいますっごく緊張してるわ。でもそれと同じくらいとってもドキドキワクワクしてるもいるわ」
微笑むタイタス。
「もうなんども言っているけれどあなたたちは人類の中から選ばれたとてつもないエリート達よ。そんな貴方達と共にこの宇宙を探検できる事が本当に嬉しいの」
そこで一息入れる。
「出発まであと14時間ほどあるわ。だから早めに仕事が終わった者には家族や友人と会話ができるように司令部に許可を取っておいたわ。ついでに転送許可もね。贈り物や忘れ物があったりする人もいたみたいだから」
ブリッジの船員達が笑顔になる。
「それじゃあ皆、これからよろしくね」
その後の作業効率が上がったのは言うまでもない。
またある男が作業を終え、通信室へ、家族の元に連絡を取りに来た。
転生者であるカケルの父、大和遥胤だ。
「ヨウイン機関長、入られます!」
通信室へと足を踏み入れると結構な人数がいて、ヨウインは敬礼を受けた。
この通信室は非常事態に備えて船内の制御を全てを行えるよう設計された部屋の為多数のコンソールがある。
船員達は仕切りを別けられたコンソールに向かって皆思い思いに語りかけていた。
何を話しているかや誰と話しているかは仕切りとシールドに塞がれてわからない。
探査船ホープは艦内シールド発生機能があった。
この機能は最新鋭艦の戦艦ドレッドノート級を除けば今のところ連邦ではこの船だけの機能だ。
ただの仕切りでいいものをエネルギーの無駄じゃないかと内心ヨウインは思っていた。
シールド越しにヨウインの姿を認めたクルーも敬礼を返してくれる。
そんな風景を見ながら皆優秀だなとヨウインは思う。
「おっと、邪魔してすまない。息子が生まれたらしいんだ。顔を見ておきたくてね」
ヨウインは優しくそういうと通信スポットへ向かう。
「そうなんですか!おめでとうございます! 俺も見させてもらっていいですか!」
シールドを起動していないクルーが次々にヨウインに話しかける。
「おい、やめろよ。そんな大事な時間を邪魔するもんじゃないだろ」
「でもヨウイン機関長の息子さんだろ!俺たちも見ておかないと!」
「そうだな、確かにその通りだ!」
「いやなんだよそれ!」
等々、次々に騒ぎ出すクルー。
「あぁ、いいとも。これから一緒に過ごす君たちは家族同然さ」
ヨウインは笑顔で答えた。
「あら、貴方、とってもにぎやかね」
「すまない、飛鳥。みんなにも見て欲しくてな」
「ふふっ、良いわ。この子がカケルよ」
そう言われた赤ん坊はじっとヨウインを見つめそっと涙を流したのだった。
形としては細長い円筒形である。
その船内。
「よろしく、よろしくね」
ある一人のオトコが艦内を歩いていた。
鍛え上げられた筋肉が士官制服から浮き上がる。
「埃一つないピカピカの新品ね」
オトコは艦内エレベーターにたどり着く。
「ブリッジへ、よろしくね」
扉が閉まり、音声認識でエレベーターはブリッジへと向かう。
「艦長、入られます!」
作業中だというのに、つかさず反応できるのは流石ね。
とオトコは思う。
「コンピュータ、艦内放送。こんにちは皆さん。艦長のタイタス、タイタス・キミーよ。これは着任の挨拶。手を止めなくてもいいわ」
オトコ、タイタスはブリッジにいる者達を見ながら語り出す。
「私はいますっごく緊張してるわ。でもそれと同じくらいとってもドキドキワクワクしてるもいるわ」
微笑むタイタス。
「もうなんども言っているけれどあなたたちは人類の中から選ばれたとてつもないエリート達よ。そんな貴方達と共にこの宇宙を探検できる事が本当に嬉しいの」
そこで一息入れる。
「出発まであと14時間ほどあるわ。だから早めに仕事が終わった者には家族や友人と会話ができるように司令部に許可を取っておいたわ。ついでに転送許可もね。贈り物や忘れ物があったりする人もいたみたいだから」
ブリッジの船員達が笑顔になる。
「それじゃあ皆、これからよろしくね」
その後の作業効率が上がったのは言うまでもない。
またある男が作業を終え、通信室へ、家族の元に連絡を取りに来た。
転生者であるカケルの父、大和遥胤だ。
「ヨウイン機関長、入られます!」
通信室へと足を踏み入れると結構な人数がいて、ヨウインは敬礼を受けた。
この通信室は非常事態に備えて船内の制御を全てを行えるよう設計された部屋の為多数のコンソールがある。
船員達は仕切りを別けられたコンソールに向かって皆思い思いに語りかけていた。
何を話しているかや誰と話しているかは仕切りとシールドに塞がれてわからない。
探査船ホープは艦内シールド発生機能があった。
この機能は最新鋭艦の戦艦ドレッドノート級を除けば今のところ連邦ではこの船だけの機能だ。
ただの仕切りでいいものをエネルギーの無駄じゃないかと内心ヨウインは思っていた。
シールド越しにヨウインの姿を認めたクルーも敬礼を返してくれる。
そんな風景を見ながら皆優秀だなとヨウインは思う。
「おっと、邪魔してすまない。息子が生まれたらしいんだ。顔を見ておきたくてね」
ヨウインは優しくそういうと通信スポットへ向かう。
「そうなんですか!おめでとうございます! 俺も見させてもらっていいですか!」
シールドを起動していないクルーが次々にヨウインに話しかける。
「おい、やめろよ。そんな大事な時間を邪魔するもんじゃないだろ」
「でもヨウイン機関長の息子さんだろ!俺たちも見ておかないと!」
「そうだな、確かにその通りだ!」
「いやなんだよそれ!」
等々、次々に騒ぎ出すクルー。
「あぁ、いいとも。これから一緒に過ごす君たちは家族同然さ」
ヨウインは笑顔で答えた。
「あら、貴方、とってもにぎやかね」
「すまない、飛鳥。みんなにも見て欲しくてな」
「ふふっ、良いわ。この子がカケルよ」
そう言われた赤ん坊はじっとヨウインを見つめそっと涙を流したのだった。
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