神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

王都

準備

ギルドに依頼達成の報告と売却を済ませたマリは、回復ポーションをいくつか雑貨屋や薬屋で買い足した。

武器屋のセリックの元にも行き武器のメンテナスをお願いしている間に魔道具屋にも行き、カンテラのマジックアイテム、テントなどをアーロンの店で買う。

「ああ、そうだマリさんこれ渡そうと思ってな」

アーロンがそう言ってマリの手にコロンと二人のリングを転がす。

「マリさんが奴隷…んー、あれだ。たまに一緒にいる人に面倒ごとをお願いしてるって聞いてな、作ったんだ。お互いどこにいるかわかるようになるマジックアイテム、お互いの魔力に反応する。きちんと交換するんだぞ。登録の仕方はそいつと契約した時と同じ方法でいい。他からは認識できないようになるやつを付与してある」

そっけなくきちんと理由と説明を受け受け取る。お金を払おうとすると断られた。

趣味と王都へ行く選別だそうで、そそくさと店の奥へといってしまい結局代金は支払えずに店を出る。

「いいのかなぁ」

貰った内側の中央に水色と濃い青のライン状の魔石がはめ込まれた指輪眺めな、鑑定を使って見ると伸縮が自由でどの指にも嵌められるようになっていた。

途中で干し果物や飴やパンなど食べ物也飲み物を買い家に戻るとキッチンではユリウスがいろんな種類の料理を大量に作っていた。

スープやサンドイッチ、串焼きなど様々。マリのアイテムスペースに入れておけば作り立ての状態が維持できる。野営する時にはありがたい魔法だ。

野営時ではマリの練習も兼ねて少しスープなどはたまに作ることになっている。
テントの貼り方など、野営に必要なことをネェージュの知識だけではなく実際に実践する練習も兼ねて王都へ向かう。

「ありがとうユリウス」

「料理はまあ、趣味というか楽しいから構わない」

「料理男子め……」

ククッと笑うとユリウスはスープの味を確かめ頷くと出来上がった料理をテーブルの上に置く。
それをマリが収納した。

これで必要なものを揃えた。

朝6時の鐘がなる時間に出発する予定だ。夕暮れに近い今でてもすぐに野営になってしまう。
少しだけネェージュに乗って移動すると言っても人に見られると今は厄介なため隣町につけば、ギルドが手配してくれた馬に乗り、王都に向かう。

ギルドにはしばらくソグムの街を離れる旨を伝えてある。馬を用意すると言われ、初めは断ろうと思ったがユリウスがいるため相乗りができる。

顔を引き攣らせたマリだが、移動手段としてはそれぐらいしかない。荷車だと御者をユリウス一人に結局やってしまう。

王都へ招待された形なので場所を用意してくれると、早馬できた使いの人が言っていたらしいがユリウスが断った。

理由としては彼自身が認識阻害があったとしても、余計な人に姿を見られたくないと言うことと、招待の場合、当人が派手さを求めておらず質素だと招待した側を貴族たちから何を言われるか分からず顔に泥を塗ってしまう可能性があるためだった。

マリはその説明の後半はなぜ責められるか分からず、ハテナを浮かべたが、目立ちたく何ので迎えの場所が断ていたことにホッとした。

変にそういうので行くと目立ちそうだしねー

過去に馬車で招待された有益者たちが向かっていったか知らないが目立ちそうと言う考えだった。

有益者に選ばれている時点でもう十分目立っているし注目されているので本当は今更なのだが当人たちが嫌がっているのであれば仕方がないと使いは王都へ戻っていった、

明日は早く起きなければならないのでくじの寝がなる頃には二人とも夢の世界へと向かっていった。