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19 重ねる背中
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前を歩く背中を眺める。
いつも何か考えている風の背中。
ただ、いつも遠くの事を考えている背中。
(……あんまり、触れてほしくなかったな…)
深く関わってこないだろう,と高を括っていたところはあった。
別にそんな約束をしなくても,暗黙の了解という感じで付かず離れずを保つものだと。
(や、別に付いてもないし離れてもないのか…)
どちらかというと,最初から認識されていない感じ。
いてもいなくても、私でなくても私であっても変わらない。
ーーー多分、あの人もそう
耳の奥で,声が聞こえた。
時々,深く考え込むと聞こえてくる、あの声。
人は自分自身の心の声だと、幼い私に言い聞かせた。
ただ,私はフローリアが語りかけてくれているものだと思う。
花と人。
私でも,私だからこそ意思疎通ができるものではないと思う。
それでも今まで仲良くやっていけているのは、こうして話しているから。
(あの人って……,サディシャさん?)
返答は,ない。
でも、合っていることは分かった。
(あの時、……サディシャさんは確かに言った)
そうだね、今回は君にしよう。
瓦礫の中、煙に巻かれて意識が遠のいていた時。
サディシャさんに抱えられる感覚の中、朧気に聞いたあの言葉。
(……あれがあるから、強く生きていけているんだけど)
一番辛いとき、生きていけたのは、あの人がやる事を与えてくれたから。
それでもあの人に依存しなかったのは、あの言葉が脳裏の残っているから。
(この人は、…私にどんな影響を与えるのだろう)
付かず離れず、
私という個人を意識しない人に、大きな影響を与えられてきた。
多分,今回も例外なく、良い方向へ進ませてくれるだろう。
願わくば
(全てを終えた、その後も良い方向へ)
さすがに欲張りだろうか。
それでも、期待するだけならば、良いはずだ。
いつも何か考えている風の背中。
ただ、いつも遠くの事を考えている背中。
(……あんまり、触れてほしくなかったな…)
深く関わってこないだろう,と高を括っていたところはあった。
別にそんな約束をしなくても,暗黙の了解という感じで付かず離れずを保つものだと。
(や、別に付いてもないし離れてもないのか…)
どちらかというと,最初から認識されていない感じ。
いてもいなくても、私でなくても私であっても変わらない。
ーーー多分、あの人もそう
耳の奥で,声が聞こえた。
時々,深く考え込むと聞こえてくる、あの声。
人は自分自身の心の声だと、幼い私に言い聞かせた。
ただ,私はフローリアが語りかけてくれているものだと思う。
花と人。
私でも,私だからこそ意思疎通ができるものではないと思う。
それでも今まで仲良くやっていけているのは、こうして話しているから。
(あの人って……,サディシャさん?)
返答は,ない。
でも、合っていることは分かった。
(あの時、……サディシャさんは確かに言った)
そうだね、今回は君にしよう。
瓦礫の中、煙に巻かれて意識が遠のいていた時。
サディシャさんに抱えられる感覚の中、朧気に聞いたあの言葉。
(……あれがあるから、強く生きていけているんだけど)
一番辛いとき、生きていけたのは、あの人がやる事を与えてくれたから。
それでもあの人に依存しなかったのは、あの言葉が脳裏の残っているから。
(この人は、…私にどんな影響を与えるのだろう)
付かず離れず、
私という個人を意識しない人に、大きな影響を与えられてきた。
多分,今回も例外なく、良い方向へ進ませてくれるだろう。
願わくば
(全てを終えた、その後も良い方向へ)
さすがに欲張りだろうか。
それでも、期待するだけならば、良いはずだ。
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