異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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3章 別れと出会い

053 スキルツリー

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 ここで文句を言っても仕方ない。3SPを消費して環境適応:小も取得する。
 そうすると更に取得可能スキルが表示される


◆◆◆◆◆◆

暗視 (必要SP5)
暗闇による視界への影響をなくす。
任意切り替え型。

取得条件
1日で最も暗い時間に魔物を倒す。

◆◆◆◆◆◆

魔装術 (必要SP10)
身につけた装備に己の魔力を通わせ、装備品の保護、強化を行うことが出来る。
任意発動型。

取得条件
15SP獲得すること。

◆◆◆◆◆◆


 暗視と魔装術が取得可能になった。流石に魔装術はコストが重いな。

 暗視はON、OFFの切り替えが任意に行えるってことか。そんで魔装術は任意発動タイプと。
 特に記述のなかった免疫力と環境適応は常時発動型って思って良いのかな?

 魔装術の取得条件はシンプルだなぁ。暗視の取得条件はちょっと捻ってある。いつこんなの満たしたんだっけ?と思ったけどあれだ。
 初めて迷宮に潜った日、宿代もなかったから徹夜でマッドスライム狩り続けてた時に条件クリアできたんだな。
 なんだかんだいってマッドスライムさんにはお世話になりっぱなしである。


 とりあえず15SP支払って両方とも取得。これでかなり経費が抑えられそう。


◆◆◆◆◆◆

取得可能スキル

魔法範囲拡張:小 (必要SP50)
魔法の効果範囲を拡張する。
任意切り替え型。

取得条件
発生型の魔法を使用すること。

◆◆◆◆◆◆

身体能力強化:小 (必要SP50)
体内の魔力を最適化し身体能力を向上する。

取得条件
魔装術を取得していること。

◆◆◆◆◆◆

魔力探知 (必要SP120)
他者の魔力を感知できるようになる。
任意切り替え型

取得条件
他者の魔力を何らかの方法で感知する。

◆◆◆◆◆◆

魔力量増加:小 (必要SP100)
自身の保有できる魔力の量が増加する。

取得条件
魔力切れを体験する。

◆◆◆◆◆◆

 暗視と魔装術を取得したことで、更に4つの取得可能スキルが表示された。どれもかなり強力そうなんだけど、単純にコストが重すぎて手が出せない。
 ま、今回のところは充分すぎる収穫だろう。魔装術まで取れるとは思ってなかったからね。


 しかし、ステータスが見れないリンカーズの人はどうやってSP割り振ってるんだろうな。もしかして自動振り分けでスキル取得なんだろうか?

 その後タイマーが0になると魔法陣の発光が止んだ。これで祝福の儀は終了したらしい。

 続いて隣の魔法陣の上に移動し、グレンガは先ほどと同じように跪いた。


「リーゼリアよ!大いなるその力を今ここに示し給え!」


 それさっき聞きました。

 魔法陣が発光して視界がゼロになるのまでは一緒だったが、ステータスウィンドウが勝手に開いたりすることはなかった。時間も祝福の儀と比べるとかなり短く、体感3分くらいで光は収まった。

 そして魔法陣の光が収まると共に、俺の目の前に1枚の紙が浮いているのに気付く。


「それは『識別の書』と言って、お主の中に息づくスキルを記してくれているはずだ。
 内容を確認したらその紙に魔力を通すと良い。魔力が通った識別の書は、スクロールのように霧散し消失する。己のスキルが他人に知られることを防げるだろう」


 なるほどね。プライバシー保護ってやつか。
 ステータスが表示できる俺には必要ないし、リンカーズ会話理解スキルを見られるのはよろしくないだろう。さっさと魔力を通して識別の書を処分する。


「うむ、これで祝福の儀、識別の両儀式の終了とする。お主が神の恩寵を賜れたであろうことを祝福しよう」


 グレンガはなんかやりきったという感じの清々しい顔をしている。鳥顔だけど。


「今日は有難う。また宜しく頼むよ。
 ちなみにリーゼリアとラーゼリアってのは神様のことなのかい?」

「その通りだ。祝福の神ラーゼリア、識別の神リーゼリアは双子の女神で、人々に魔物と戦う力を授けてくれる偉大なる神々だ。
 スキルを授かっていなかったら、人類などとうに魔物に滅ぼされていたことだろうな」


 魔物と人類とはそれほどの戦力差があるってことか。


「なるほど、立派な神様なんだな。ここは1つ感謝の意を込めて、寄進の1つでもしておいた方が良いか?」


 それを神殿に勤めている人に聞くのもどうかと思うけど。


「ハハハハ、気持ちだけで充分だ。
 これでも我らがスキル神殿は、リヴァーブ王国民ほぼ全てから高額な利用料金を接収させてもらっているからな。神殿の維持費はそこから賄われているのだ。
 スキルは魔物と戦う力。神殿は全ての民に平等でなければならん。ゆえに寄付などは一切受け取らないことに決まっているのだよ。癒着や腐敗に繋がるだけだからな」


 平等ではあるけれど高額な利用料金は取るのね。営利団体なんだか非営利団体なんだかわからんな。


「もしどうしても気が済まないのであれば、裏手にある救貧院にでも寄付するといい。
 リーゼリア、ラーゼリアの双子の女神像は入り口の礼拝堂に収めてあるからな。感謝の祈りを捧げたければ自由にして良いぞ」


 そう言い残してグレンガはさっさと戻ってしまった。俺も戻るか。


 礼拝堂に戻ってきたので双子の女神像とやらを確認する。
 美しい2人の女神が手を繋いで支えあっているデザインだった。

 女神像の前に、グレンガの真似をして跪き、スキルを授けてくださったお礼の祈りを捧げる。リーゼリア様、ラーゼリア様、本日はスキルを授けてくださって、本当にありがとうございました。

 今後も何度もお世話になるだろうしね。なにより美人姉妹だったし仲良くしていくべきだろう。


 グレンガに言われた救貧院は、名前のイメージと違って、結構立派な建物だった。

 普通に受付窓口があったので、寄付したいのでどんな施設なのか説明してほしいと告げると、受付のお爺さんは喜んで色々教えてくれた。

 救貧院は言ってみれば孤児院や児童養護施設に近い。この世界は危険が多く、子供を残して死んでしまう親が後を絶たないそうだ。

 子供が成長できなければ国の未来もない、しかし働き手として未熟な子供の面倒を見る余裕がある人も多くない。なので国が主導して親を失くした子供を集めて生活を支援することにしたらしい。
 最低限の衣食住を保障しつつ、子供たちに少しずつ仕事を教えることで、子供たちの自立を促すのが最終目標らしい。

 2階層ですれ違った子供たちは、もしかしたらここの子たちなのかもしれないなぁ。

 銀板5枚ほどを寄付して救貧院を後にした。
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