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4章 2人のために出来ること
060 助けるために助けを求める
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「カズラさん、初級暗視ポーションって1日に最大でいくつ卸してもらえる?」
スレイに話を聞いた俺は、まず始めにカズラの魔法薬屋に来ていた。
2人が犯罪奴隷になったので買い取るために協力して欲しいと、かなり簡単な説明だけを行って、必要事項の確認をしている。
事情を聞いたカズラさんは、ポーションの購入料金を3日間は待っても良いと申し出てくれたのだが、犯罪奴隷売買はかなりデリケートな取引らしいので、なるべく隙は作るべきではないだろう。
通常の取引でお願いする。ぶっちゃけ焼け石に水のような金額だしな。
1日に最大50本、1つ銀貨2枚だったから、1日の暗視ポーション代が金貨1枚か。
面倒なので金貨3枚先払いしてしまう。
次に冒険者ギルドに向かい、オーサンに会う。
「オーサン、俺の名前で依頼を出したい。
依頼内容は荷物持ちの募集。必要な道具と暗視ポーションはこちらで用意する。
等級に制限なし。仕事の期限は明日から3日間。募集人員は多いほど良い。用意できる暗視ポーションは1日50個なので、最大で50人かな。定員未満なら同じヤツが何度受けてくれても良い。
探索予定階層は8階層をメインに9階層と10階層も行くかもしれない。
最低限走れることと、人を1人背負える程度の力があれば他は不問。戦闘力も問わない。1回の探索ごとに1人銀板3枚出す。
ポーターの命は全力で守るが、こちらの指示に従わないやつは俺が殺してやる。
この内容で頼む」
「……まずは先に事情を話せ」
まぁオーサンならこう言うよな。
元々オーサンには事情を説明するつもりだったので、要点だけを簡潔に伝える。
「くっ……。ギルド職員の俺が犯罪奴隷の購入に直接手を貸すことは出来ねぇ……。
すまねぇ……」
「ハナから期待してねぇよそんなもん。オーサンに話したのは、このあとクリリクさんにふわわとつららを3日間預けなきゃいけないからだ。
俺がいちいちみんなに事情説明するのは時間の無駄だから、オーサンから説明してくれ」
2匹を預けたら、今日はひたすら迷宮で狩りを続ける予定だからな。
「トーマ、お前本当に1人で稼ぐ気か?」
「その気も何も、それ以外に方法が思いつかねぇんだよ。
とりあえずこの依頼で人が集まると思うか教えろ」
「あ、ああ分かった。つうか金を稼ぐのに1人銀板3枚も払って良いのか?
50人雇ったら金板1枚半とか正気かよ?」
「経費を惜しんでちまちま節約しても届かないんだよ。
払う以上に稼ぐから気にすんな。で?」
「この条件なら人は集まると思うぜ。
報酬としてもかなりでかいし、戦えないヤツがスキルを得るために深い階層に行きたがるだろうしな」
人が集まるならなんとかなるだろう。
暗視ポーション代は先払いで払い済みだし、人件費は3日間で最大450000リーフ。
今の俺の預金額でも賄える程度だ。
「それじゃさっき言った条件に加えて、ポーターの護衛は迷宮に入ってから迷宮をを出るまで。
迷宮を出た後はポーターに勝手に換金してもらって、報酬はそこから銀板3枚を支払う形に、ってことは出来るか?」
「ああ、それなら俺が担当してやるから問題ねぇ。ただしスクロールだけは自分で管理しろ。
仮にポーターが換金前に使っちまったらどうしようもねぇからな」
「なるほどスクロールか。なるべく自分で管理するけど、ギルドに持ってきたら3日間はオーサンが預かってくんない?
売却するのは最後の手段にしたいんだ」
「はっ、随分余裕あるこったな?まぁ預かるのは構わねぇぞ」
「そんじゃ頼んだよ……っと、クエスト発注には銀貨1枚でいいの?」
と銀貨を支払い、身分証も預けてしまってギルドを後にする。
「ホムロ、悪いけど協力して欲しいことがあるんだ」
次はホムロの店に顔を出す。
迷宮で金を稼ぐには、この店の協力が不可欠だ。
ホムロにも事情を説明し、協力を求める。
「俺はこのあと3日間、ひたすら迷宮で戦ってくる予定なんだ。
悪いけど一日中、深夜でも装備品の修理を頼まれてくれないかな。
あと修理待ちの間に休憩したいから、休憩スペースと軽食をその都度用意して欲しい。
報酬は修理代と手間賃全部込み込みで先払いの金板2枚、今払うよ」
正直20万リーフも払う必要はないかもしれないが、ホムロの協力は不可欠な上に、ホムロに強いる負担は誰よりも大きい。
ケチって嫌がられるよりも、こちらの誠意を示すべきだ。
「ちっ……事情が事情だし報酬も多すぎるくれぇだ。引き受けてやる。
今日から夜も鍵を開けておくから、明かりが消えていても気にせず入って来い。
深夜もここに居るから、寝てたら起こせ。
食い物は毎回軽くだな。寝床も簡単にだが用意してやる」
そして毒舌の雑貨屋で、普段使っているものと同程度の容量の背嚢を10個ほど購入する。
流石に同じ商品を揃えるのは無理だったので、デザインも品質もバラバラだったが。
そして最後に宿に戻り、3日間は宿に戻らないけど心配しないで欲しいと告げて、ふわわとつららをクリリクさんに預けに行く。
ついでに、購入した背嚢をオーサンに渡しておいてもらうようお願いする。
あとはオーサンに聞いてくれとその場を辞し、迷宮に向かう。
なにがマイホーム資金で底上げだよ。預金ほぼ全額使っちゃったじゃんか。
ただ俺の想定では必要な出費だと思うんだよな。
8等級冒険者の俺が3日間で300万リーフを稼がにゃならんなんて、元々無理難題なのだ。
上の階層に行って報酬の単価を上げることも考えたけれど、期間と目標額を考えると、ぎりぎりまでギャンブルには頼りたくない。
確実性と効率を考慮すると、多分慣れてる階層をぶん回した方が稼げると判断した。
さてこれからデスマーチが始まるわけですね。
デスマーチなんて日本でも経験したことねぇよ。
まぁやらないなんて選択肢はないんだけどさ。
スレイに話を聞いた俺は、まず始めにカズラの魔法薬屋に来ていた。
2人が犯罪奴隷になったので買い取るために協力して欲しいと、かなり簡単な説明だけを行って、必要事項の確認をしている。
事情を聞いたカズラさんは、ポーションの購入料金を3日間は待っても良いと申し出てくれたのだが、犯罪奴隷売買はかなりデリケートな取引らしいので、なるべく隙は作るべきではないだろう。
通常の取引でお願いする。ぶっちゃけ焼け石に水のような金額だしな。
1日に最大50本、1つ銀貨2枚だったから、1日の暗視ポーション代が金貨1枚か。
面倒なので金貨3枚先払いしてしまう。
次に冒険者ギルドに向かい、オーサンに会う。
「オーサン、俺の名前で依頼を出したい。
依頼内容は荷物持ちの募集。必要な道具と暗視ポーションはこちらで用意する。
等級に制限なし。仕事の期限は明日から3日間。募集人員は多いほど良い。用意できる暗視ポーションは1日50個なので、最大で50人かな。定員未満なら同じヤツが何度受けてくれても良い。
探索予定階層は8階層をメインに9階層と10階層も行くかもしれない。
最低限走れることと、人を1人背負える程度の力があれば他は不問。戦闘力も問わない。1回の探索ごとに1人銀板3枚出す。
ポーターの命は全力で守るが、こちらの指示に従わないやつは俺が殺してやる。
この内容で頼む」
「……まずは先に事情を話せ」
まぁオーサンならこう言うよな。
元々オーサンには事情を説明するつもりだったので、要点だけを簡潔に伝える。
「くっ……。ギルド職員の俺が犯罪奴隷の購入に直接手を貸すことは出来ねぇ……。
すまねぇ……」
「ハナから期待してねぇよそんなもん。オーサンに話したのは、このあとクリリクさんにふわわとつららを3日間預けなきゃいけないからだ。
俺がいちいちみんなに事情説明するのは時間の無駄だから、オーサンから説明してくれ」
2匹を預けたら、今日はひたすら迷宮で狩りを続ける予定だからな。
「トーマ、お前本当に1人で稼ぐ気か?」
「その気も何も、それ以外に方法が思いつかねぇんだよ。
とりあえずこの依頼で人が集まると思うか教えろ」
「あ、ああ分かった。つうか金を稼ぐのに1人銀板3枚も払って良いのか?
50人雇ったら金板1枚半とか正気かよ?」
「経費を惜しんでちまちま節約しても届かないんだよ。
払う以上に稼ぐから気にすんな。で?」
「この条件なら人は集まると思うぜ。
報酬としてもかなりでかいし、戦えないヤツがスキルを得るために深い階層に行きたがるだろうしな」
人が集まるならなんとかなるだろう。
暗視ポーション代は先払いで払い済みだし、人件費は3日間で最大450000リーフ。
今の俺の預金額でも賄える程度だ。
「それじゃさっき言った条件に加えて、ポーターの護衛は迷宮に入ってから迷宮をを出るまで。
迷宮を出た後はポーターに勝手に換金してもらって、報酬はそこから銀板3枚を支払う形に、ってことは出来るか?」
「ああ、それなら俺が担当してやるから問題ねぇ。ただしスクロールだけは自分で管理しろ。
仮にポーターが換金前に使っちまったらどうしようもねぇからな」
「なるほどスクロールか。なるべく自分で管理するけど、ギルドに持ってきたら3日間はオーサンが預かってくんない?
売却するのは最後の手段にしたいんだ」
「はっ、随分余裕あるこったな?まぁ預かるのは構わねぇぞ」
「そんじゃ頼んだよ……っと、クエスト発注には銀貨1枚でいいの?」
と銀貨を支払い、身分証も預けてしまってギルドを後にする。
「ホムロ、悪いけど協力して欲しいことがあるんだ」
次はホムロの店に顔を出す。
迷宮で金を稼ぐには、この店の協力が不可欠だ。
ホムロにも事情を説明し、協力を求める。
「俺はこのあと3日間、ひたすら迷宮で戦ってくる予定なんだ。
悪いけど一日中、深夜でも装備品の修理を頼まれてくれないかな。
あと修理待ちの間に休憩したいから、休憩スペースと軽食をその都度用意して欲しい。
報酬は修理代と手間賃全部込み込みで先払いの金板2枚、今払うよ」
正直20万リーフも払う必要はないかもしれないが、ホムロの協力は不可欠な上に、ホムロに強いる負担は誰よりも大きい。
ケチって嫌がられるよりも、こちらの誠意を示すべきだ。
「ちっ……事情が事情だし報酬も多すぎるくれぇだ。引き受けてやる。
今日から夜も鍵を開けておくから、明かりが消えていても気にせず入って来い。
深夜もここに居るから、寝てたら起こせ。
食い物は毎回軽くだな。寝床も簡単にだが用意してやる」
そして毒舌の雑貨屋で、普段使っているものと同程度の容量の背嚢を10個ほど購入する。
流石に同じ商品を揃えるのは無理だったので、デザインも品質もバラバラだったが。
そして最後に宿に戻り、3日間は宿に戻らないけど心配しないで欲しいと告げて、ふわわとつららをクリリクさんに預けに行く。
ついでに、購入した背嚢をオーサンに渡しておいてもらうようお願いする。
あとはオーサンに聞いてくれとその場を辞し、迷宮に向かう。
なにがマイホーム資金で底上げだよ。預金ほぼ全額使っちゃったじゃんか。
ただ俺の想定では必要な出費だと思うんだよな。
8等級冒険者の俺が3日間で300万リーフを稼がにゃならんなんて、元々無理難題なのだ。
上の階層に行って報酬の単価を上げることも考えたけれど、期間と目標額を考えると、ぎりぎりまでギャンブルには頼りたくない。
確実性と効率を考慮すると、多分慣れてる階層をぶん回した方が稼げると判断した。
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