異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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4章 2人のために出来ること

076 今後に向けて

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 冒険者ギルドに到着。
 いつも通りオーサンと打ち合わせをすることに。

 っていうかオーサンって、俺達の相手以外に仕事してるんだろうか?

 受付カウンターの上にふわわとつららを乗せて、遊びながら話をする。


「そんじゃ余った音魔法のスクロールは買取で。5本とも、いや4本買取で頼む。
 あと訓練指導をなるべく沢山受けたいんだけど、最短のスケジュール組んでくんない?」


 全部売却しようと思ったけど、念のため1つだけ残しておく。


「最短のペースで組むなら5日ごとくらいかぁ?実際に上に確認しねぇとすぐに返事は出来ねぇかな。
 スクロール代はどうする?持ってくか振り込むか」

「あー、結構金使ったし今貰うよ。
 あとは10階層より先に進むために斥候系の技術が学びたい。組織単位でも個人冒険者でもいいから、トラップ関係の知識と技術を教えてくれる人って、紹介してもらえないか?」

「へぇ?メンバーを増やす気があるのか?」


 2人の立場を考えると、あまり人は増やしたくないのが本音なんだけど。


「必要なものを揃えるだけだよ。出来れば俺達が必要な技術を身に付けるのが一番だけどね。
 手探りでやるよりも教わった方が早いのはオーサンの指導で身に染みてるし、だれか適当な人を紹介してもらえないかな?」

「あー……、一応探してはやるけどよ、正直難しいかも知れねぇ。
 話をする際にメンバーに犯罪奴隷がいることを隠すわけにはいかねぇから、その時点で断られる可能性が高いかもしれん」


 はいはい犯罪奴隷犯罪奴隷っと。
 2人もいちいち落ち込むなってぇの。


「まぁダメ元で頼むよ。見つからなかったら仕方ないさ」


 望み薄って感じかな。11階層に乗り込む前になんとかしたいところなんだけど。
 金貨2枚と銀板4枚を受け取って、冒険者ギルドを後にする。



 本日最後の目的地は、商工ギルドである。


「ポポリポさんちっすちっす」

「ああトーマさん来てくれたのかい。
 こっちもいくつか用件があるから助かったよ」


 ほう?商工ギルドが俺に用事とな?


「まずは職人さんから、これを預かってるよ。
 昨日来た時に渡せば良かったんだけど、私も忘れちゃっててね」


 と、5キロで売ってるみかん箱くらいのサイズの、木製の箱を見せてくれた。
 ああ、そういえばこれも頼んでたんだったな。

 ちゃんと上部に取っ手も付いている。


「問題があったら連絡して欲しいとさ。
 要望通りならこれで依頼完了にしてしまうけど、どうするんだい?」

「うん、依頼完了でいいよ」


 作ってもらったのは、ふわわとつららの運搬用の籠だ。

 見た目木箱なのに結構軽い。
 中に柔らかめの布が敷いてあって、快適そうである。


 けど、2匹も迷宮に入れることになった今だと、あまり使い道がないかもなぁ。
 クリリクさんに預けることを前提に作ってもらったもんだからなー。

 まぁ無駄にはなるまい。最悪オードルへの貢物にしよう。


「次にスレイさんから伝言だね。
 トーマさんに合わせるから、なるべく早い段階で話がしたいそうだよ」


 お、グッドタイミングってやつだ。俺もスレイに話があるからな。


「それじゃあ明日の日没後、夕食食べた後に商工ギルドの個室を用意してもらっていいかな?
 スレイにもそう伝えて欲しい」

「はいはい了解しましたよ、っと」


 ポポリポさんが木板にメモ書きしながら返事をする。


「それで、昨日トーマさんに言われた物件だけど、どうやら85万リーンで売りに出されてるみたいだね。
 今のところ、他の買い手はついてないみたいだねぇ」

「じゃあ口座からの支払いってことで、購入手続きしておいてくれる?
 あと金板2枚……は残ってないか」


 なら引き出しは控えておくとしよう。
 カズラさんには明日持ってくって言っちゃった手前、明日払えないとちょっとかっこ悪いけど。
 1日くらい延長してもらっても許してくれるだろう、きっと。

 3階層の稼ぎっていくらだったっけ?
 もう遠い昔みたいに感じるけど、なんか数日間で金貨1枚に行くくらいだったような?


「ああっと、ポポリポさん。
 白金貨3枚はあの2人に化けました、ってことで納得しておいて」


 今回の件にさほど絡んでないポポリポさんには、最低限の説明だけをザックリ伝える。
 ポポリポさんは2人とは面識なかっただろうしね、って商売人として面識あったりするのかな?

 ポポリポさんからは特にリアクションが無かったので、そのまま商工ギルドを後にする。




「さて、じゃあ今日はこれから慣らしも兼ねて、2人には3階層をずっと回ってもらうぞ。
 休憩は挟むけど、明日の夜明けまで探索し続けるから、そのつもりでな」

「え~?一晩中回るの~?」

「構わないけど、理由があるなら教えてもらえるかな?」

「1つは今言ったように2人の慣らしだな。今までずっと軟禁状態だったんだろうし、多少は鈍ってると思うべきだ。
 2つ目に、今後夜間での戦闘や逃走が必要になってくる可能性があるから、一度は夜通し動き続けるってのを経験しておくべきだと思う。
 3つ目。夜間に戦闘を行うことが暗視スキルを取得する条件だから、先に達成しておきたい」

「……スキルの、取得条件???」


 やっぱりピンと来てないな。
 ステータスで詳細を見れるのは、アドバンテージになり得そうだ。


「わからないなら気にするな。俺としても今は話せる情報じゃない。
 結局は今晩ずっと3階層回るってだけの話だ。
 つまんないミスはしないでくれよ」

「うん。3階層なんかで後れを取るわけには行かないよ」

「がんばるねっ!」


 3階層なんて本当に慣らしにしかならないだろうけれど、まぁリハビリには良いだろう。

 なんかうんざりするほど色々あったけど、ようやく普通の冒険者ライフが戻ってきたような気がするわ。
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