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5章 カルネジア・ハロイツァ
閑話008 第二陣 ※?視点
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「それでは異世界に転移するにあたって、何か1つ、私から特殊なスキルを授けましょう」
佐渡さんを通してリンカーズを調査した結果、人が生きていくには充分な環境が整っていると判断できた。
私が初めに設定した要素から、世界と人々が独自に発展を遂げて歴史が形成されていく様は、いつ見ても美しいと感じる。
人の営み。それが持つ圧倒的な力に、私はいつも驚かされる。
人はいつだって私の想像を超える存在だ。
美しく愛しい、愛すべき存在だ。
人は間違える。人は挫折する。人は奪う。時には人同士で殺しあう。
その歪さや醜さもまた、人の美しさの一面のように感じる。
佐渡さんをリンカーズに送ったときは、まだリンカーズも上手く定着しておらず、私の力が及ぼせる範囲も極僅かなものだった。
そんな状態で送り出すしかなかった佐渡さんには、今でも大変申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、佐渡さんは逞しく生き抜き、成長を続けているようだ。
リンカーズは地球以上に、個人の力が重要な世界だ。
欲望が渦巻き、絶望に心砕かれ、未来が奪われる。そんな悲劇は日常でしかない。
そう、実際に佐渡さんも、リンカーズの悲劇に巻き込まれたようだった。
しかし私が見たのは、欲望を退け、絶望こそを打ち砕き、あるべき未来を取り返した佐渡さんの姿だった。
なんという美しさだろう。
これこそまさに、人の誰もが持ち得る可能性そのものだ。
こういうことがあるから、何度裏切られ、何度恨まれ、何度殺されようとも、私は人を信じてしまう。人に期待するのをやめられないのだ。
人の美しさとは、可能性だ。
人はきっと、何でも成し得てしまうのだ。
きっといつかは神さえ凌駕してみせるだろう。
沢山の人が異世界への転生、移住を希望するようになってきていた。
正直、地球での人類は繁栄しすぎて、人の魂を少し減らすべき状態だった。
本人が希望するならと、彼らに新たな行き先を与えた。
人は美しい。人は愛しい。人に直接触れられぬ我が身が、憎らしくて堪らないほどに。
「それではどのような力をお望みなのか、出来るだけ詳しく教えていただけますか?」
佐渡さんのおかげで、リンカーズに人を送る準備が出来た。
あの時と比べて、私も少しは人に手を貸すことが出来るようになっている。
「何でも切れる能力が欲しい!」
「一瞬で、好きなところに移動できる能力が欲しい!」
「亜空間に物を収納できる能力が欲しい!」
「世界最強になりたい!」
「大魔法使いになりたい!」
「聖女に!」「貴族に!」「王族に!」「支配者になりたい!」
「ダンジョンマスターになりたい!」
「できるだけ目立ちたくない」
「料理さえ出来ればそれでいい」
「ネットに繋がれる能力が欲しい」
「静かに暮らせる力が欲しい」
「誰とも関わらずに生活できる力が欲しい」
「成長ボーナスが欲しい!」
「スキル成長にボーナスをつけて欲しい!」
「お金を生み出す力が欲しい!」
「ポーションを生み出す能力が欲しい!」
「地球と異世界を行き来できる能力が欲しい!」
皆さんとても目が輝いていて、とても愛おしい。
なんの力も与えられることなく、佐渡さんは生き延びてみせました。
きっと私が力を貸せば、皆さんも逞しく、リンカーズで生きてくれることでしょう。
今度行く皆さんは、私にどんな美しさをみせてくれることでしょう。
……私の力が足りずに、充分な助けになれないのだけが残念です。
どうぞ皆さん、憧れの異世界生活を、存分に楽しんでくださいね。
佐渡さんを通してリンカーズを調査した結果、人が生きていくには充分な環境が整っていると判断できた。
私が初めに設定した要素から、世界と人々が独自に発展を遂げて歴史が形成されていく様は、いつ見ても美しいと感じる。
人の営み。それが持つ圧倒的な力に、私はいつも驚かされる。
人はいつだって私の想像を超える存在だ。
美しく愛しい、愛すべき存在だ。
人は間違える。人は挫折する。人は奪う。時には人同士で殺しあう。
その歪さや醜さもまた、人の美しさの一面のように感じる。
佐渡さんをリンカーズに送ったときは、まだリンカーズも上手く定着しておらず、私の力が及ぼせる範囲も極僅かなものだった。
そんな状態で送り出すしかなかった佐渡さんには、今でも大変申し訳ない気持ちでいっぱいなのだが、佐渡さんは逞しく生き抜き、成長を続けているようだ。
リンカーズは地球以上に、個人の力が重要な世界だ。
欲望が渦巻き、絶望に心砕かれ、未来が奪われる。そんな悲劇は日常でしかない。
そう、実際に佐渡さんも、リンカーズの悲劇に巻き込まれたようだった。
しかし私が見たのは、欲望を退け、絶望こそを打ち砕き、あるべき未来を取り返した佐渡さんの姿だった。
なんという美しさだろう。
これこそまさに、人の誰もが持ち得る可能性そのものだ。
こういうことがあるから、何度裏切られ、何度恨まれ、何度殺されようとも、私は人を信じてしまう。人に期待するのをやめられないのだ。
人の美しさとは、可能性だ。
人はきっと、何でも成し得てしまうのだ。
きっといつかは神さえ凌駕してみせるだろう。
沢山の人が異世界への転生、移住を希望するようになってきていた。
正直、地球での人類は繁栄しすぎて、人の魂を少し減らすべき状態だった。
本人が希望するならと、彼らに新たな行き先を与えた。
人は美しい。人は愛しい。人に直接触れられぬ我が身が、憎らしくて堪らないほどに。
「それではどのような力をお望みなのか、出来るだけ詳しく教えていただけますか?」
佐渡さんのおかげで、リンカーズに人を送る準備が出来た。
あの時と比べて、私も少しは人に手を貸すことが出来るようになっている。
「何でも切れる能力が欲しい!」
「一瞬で、好きなところに移動できる能力が欲しい!」
「亜空間に物を収納できる能力が欲しい!」
「世界最強になりたい!」
「大魔法使いになりたい!」
「聖女に!」「貴族に!」「王族に!」「支配者になりたい!」
「ダンジョンマスターになりたい!」
「できるだけ目立ちたくない」
「料理さえ出来ればそれでいい」
「ネットに繋がれる能力が欲しい」
「静かに暮らせる力が欲しい」
「誰とも関わらずに生活できる力が欲しい」
「成長ボーナスが欲しい!」
「スキル成長にボーナスをつけて欲しい!」
「お金を生み出す力が欲しい!」
「ポーションを生み出す能力が欲しい!」
「地球と異世界を行き来できる能力が欲しい!」
皆さんとても目が輝いていて、とても愛おしい。
なんの力も与えられることなく、佐渡さんは生き延びてみせました。
きっと私が力を貸せば、皆さんも逞しく、リンカーズで生きてくれることでしょう。
今度行く皆さんは、私にどんな美しさをみせてくれることでしょう。
……私の力が足りずに、充分な助けになれないのだけが残念です。
どうぞ皆さん、憧れの異世界生活を、存分に楽しんでくださいね。
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