異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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6章 波乱のヴェルトーガ

122 装備の更新

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「おう準備は出来てるぞ。金は用意してきたんだろうな?」


 今日用意してもらった物が、ホムロの店で用意できる最高級品ということになるらしい。
 これ以上の品質を求めるならば、素材を用意し、職人と直接交渉しなければならないそうだ。

 大きい冒険者のパーティには、お抱えの職人などが居る場合もあるとか。


「まずはトーマ。ブラックメタルとミスリルの合金である月光銀シルバーライト製のロングソード。同じくシルバーライト製のダガーが2本。重岩亀グランドタートルの甲羅から削りだしたウォーハンマー。
 射撃武器はトーマの要望に応えられる水準のものが見つからなかった。わりぃな」


 非常に強度の高いブラックメタルと、魔力への親和性の高いミスリルを一定の割合で合金化すると、月光銀シルバーライトと言われる非常に強力な合金になるらしい。
 シルバーライト製の装備は、ベイクの最下層である89階層でも使えるはずだとホムロは太鼓判を押してくれた。
 ちなみに武器だけで230万リーフが飛んで行った。既製品としては最高級品なんだそうだ。


「次にシン。シルバーライト製のロングソードとショートソードのセットだ。今のシンならロングソードでも問題なく扱えるだろうしな」


 シンにはシルバーライト製の2本の剣。魔物が大型化していくこの先を考えると、武器の大型化も止むなしか。


「で、リーンはシルバーライト製のダガーを2本。
 それと使いこなすにはかなりの練習が必要になりそうだが、スネークソードってのが手に入った。
 刃が連結していて、魔力を通して鞭のように扱えるらしい。
 かなり広い距離をカバーできるらしいし、竜鱗ドラゴンスケイルで出来ているので、強度も魔力との親和性もトップクラスだ」


 おお!蛇腹剣ってやつか!これもまさにファンタジー武器の一つだよな!
 ただしめちゃくちゃ高かった。スネークソードだけで白金貨が飛んでいくくらいに。


「そしてトルネもシルバーライトダガーを2本。投擲用のナイフは消耗品だが金貨級のものを用意した。
 ……それと、頼まれたから用意してやったが正直お勧めはしねぇ。地竜グランドドラゴンの牙を加工して作った短槍だ。
 槍は習熟に時間がかかりすぎると思うんだがなぁ。今から始めて使い物になるのか?」


 ドラゴンスケイルとかグランドドラゴンとか、リンカーズには普通にドラゴンがいて、普通に討伐もされてるのね……。
 流石にドラゴン素材はめちゃくちゃ高い。白金貨を普通に超えてくる。
 短槍と言っても全長で1メートル以上、1.2メートルくらいはありそうだ。
 刃の部分も40センチくらいはありそうで、今までリーンが使っていたナイフと同じくらいの刃渡りに見える。


 今回リーンとトルネに新しい武器が用意されたのは、15階層あたりからの魔物の巨大化のせいで、ナイフやダガーで戦っていくのが辛くなったせいだ。
 以前から二人はリーチを補う方法をホムロに相談していた。
 リーンには具体的なビジョンがなかったが、トルネは自分から槍を希望した。
 もしかしたらカルネジア家で習ったことがあるのかもしれない。


「っていうか、扱いで言ったらリーンのスネークソードの方が難しそうじゃない?
 リーンには忠告しなくていいの?」

「まぁ確かにな。だがこの武器は、魔力次第で姿を変える武器だ。
 慣れないうちは普通にショートソードとして使っても充分な性能なんだよ。
 可変機能は少しずつ慣れていけばいいんじゃねぇかと思ってな」

「頑張って使いこなして見せるからね!」


 リーンセンパイ、ファイトっす。


「それで防具だがな。お前ら全員前衛の軽戦士タイプに思えるからな。同じものを揃えてみた。
 盾なんかも用意できるんだが、お前らが盾使ってるイメージが湧かなくてなぁ」


 まずは神聖絹ミスティックシルク素材の服とマフラーと手袋。素材を聞いても分からないが高級品っぽい響きだけは分かる。
 胸や腕、足などの関節じゃない部分には火竜のスケイルメイル。
 靴はジャイアントオーガの革で出来た靴。頭には兜ではなくてヘッドバンドを渡された。

 は?これ防御力あるの?


「こいつは祝福の精霊ブレスエレメントの素材で出来た防具でな。
 魔力の障壁を展開して、悪意ある攻撃から頭部全体を守ってくれるんだよ」

 
 あるらしい。


「まったく飛んでもねぇ装備を揃えたもんだなぁ。これから最下層にでも向かうのかって水準だぞ?
 これからもメンテナンスはしてやるが、装備の更新はウチじゃこれが限界だからな。
 ……ふ、棍棒1本で迷宮に向かったトーマが、随分立派になったじゃねぇか」

「いい加減棍棒は忘れろぉ!」


 ちなみに全部で13890000リーフ。白金板まで行ったわ!たっけぇ!

 金額が大きすぎるので、ホムロに明細を貰って、商工ギルドで口座から直接入金することにした。
 一人白金貨3枚と金板4枚。端数は俺が払うことでまとまった。


 これで出発前に出来る事は終わったかな?

 あとは揉め事にならないことだけ祈っておこう。
 はぁ~行きたくねぇ……。
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