異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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6章 波乱のヴェルトーガ

128 開放型迷宮

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「……そうか。ヴェルトーガに来たんだったな」


 目を開けると知らない天井。最近は自宅の天井見慣れたからなぁ。

 とりあえず目に入った色々なものに洗浄をかけて、身支度を始める。
 朝食の準備は宿に任せられるので、もうちょっと二人は寝かせてあげててもいいかな。


 二人のことは愛しているけど、毎日二人がかりで来られると普通に大変だ。
 こればっかりは生活魔法でどうにかできるものでもないし。

 精力強化とかそういうスキル生えてないかな?生えてないな。当たり前か。


 しかし夜の行為って消音しながらやってるから、何気に音魔法の制御訓練にはなってるんだよねぇ。
 肉体的にも意識的にも、極限の状態で音魔法を精密に制御する訓練。

 流石に二人に伝えたらぶん殴られそうだから言わないけど。
 言わないけど、消音しないとそれはそれで怒られるんだよなぁ。恥ずかしいとかで。


 身支度を整えてからもう一度ベッドに戻り、二人の寝顔を見ながら頭を撫でる。
 もう出すものも残ってないので、ただただ愛おしいな。
 まさか俺がこんな可愛い子達と結婚することになるなんてなぁ。
 

「ん、トーマぁ?もう起きたの……?」 

「んん、おはようございますトーマ」


 この二人は毎回ほぼ同時に起きるんだよな。というかリーンの起床に合わせてトルネが目覚めてる感じだ。
 トルネは元々眠りは深くないそうで、むしろ俺たちと一緒に寝るようになってからのほうがぐっすり眠れているらしい。
 まぁカルネジア家に居た頃は、安心して休めなかったんだろうなぁ。

 二人と朝の口付けを交わす。
 こういうとき洗浄魔法先生に感謝せずにはいられない。
 おっさんの寝起きとか、絶対口臭やばいだろうし。
 洗浄魔法先生。いつもありがとうございます。


「むー。トーマだけもう身支度済ませてるー」

「トーマ。明日からは私達が起きるまで待ってるか、私達も一緒に起こしてくれません?」

「ふふ、分かったよ。明日からは二人が起きるまでのんびり待つさ」


 それはそれで楽しそうだ。


 身支度を済ませ、俺はシンを、二人がハルを呼びに行き、食堂で合流する。
 ハルは不安からかぐっすりは眠れなかったようで、二人が呼びに行ったときには心底安心したそうだ。

 いや流石に、寝てる間に置いていくとか鬼畜過ぎる事はしないっての。


 冒険者ギルドで迷宮の地図を購入する。
 なんと1階層だけで。5枚もの地図を購入することになった。
 しかも価格が地図1つに銀貨2枚。
 1階層の地図揃えたら金貨が飛んでいくとかマジかよ。

 1階層からかなり広い。
 開放型迷宮。
 かなり勝手が違うらしいな。


「6等級なら心配要らないと思うがね。
 ベイクとは勝手が違うから油断するんじゃないよ!」


 ウサギさんの激励を受けて、ヴェルトーガの迷宮に向かった。


 ヴェルトーガの迷宮は、入り口からしてベイクと違う。
 ベイクの入り口は下り階段だったが、ヴェルトーガの迷宮入り口は祠のような建物で、中に魔法陣が設置してある。


「ヴェルトーガの迷宮は初めてだな?
 その魔方陣に乗ると迷宮の1階層に転移するぞ。
 全員同じ場所に出るから安心していい。
 魔法陣には一人ずつ乗るようにしてくれ。転移事故防止のためにな。
 まぁ今まで問題が起きたことはないんだが、念のためだ」


 入り口を警備してる兵士に簡単な説明を受けた。


「よし、じゃあ行こうか。
 入り口に敵がいるとは思わないけど、一応俺から行くか。
 ハルは2番目な。最後にすると不安だろうし」


 よし、これからヴェルトーガの迷宮の攻略開始だ。

 魔方陣に乗ると、すぐに魔法陣が光りだす。
 っと思ったときには、目の前が開けた草原に変わっていた。

 思わず振り返ると、まるで世界の境界線のように続く岩の壁と、恐らく帰還用の魔法陣が設置されていた。

 そしてハルが転移してきて、恐らく俺と同じように、目の前の光景に驚愕している。
 俺とハルが驚いている間に、仲間も全員転移してきた。


「これは……、すごいね。ベイクとは全く違う」

「なんで迷宮に入ったのに空があるの?」

「この草原も屋外にしか思えませんね。風も感じられます」

「これが異世界のダンジョン……。常識では考えられないわね……」


 迷宮によってここまで勝手が違うとなると、ベイクに集中するよりも、色んなダンジョンを回ったほうが対応力が身につきそうだ。
 ベイクの迷宮は、狭い、暗いだったけど、ヴェルトーガの迷宮は、広くて明るい。
 階層を進めば暗くなっていくんだろうか?


「よし、ここで呆けていても仕方ないからな。進んでみよう。
 ハルは魔物が現れてもパニックにならないようにな。
 これでも俺たちはそれなりに戦えるから、下手に動かれる方が危険だから気をつけて」

「は、はい!
 そうよね、魔物が出るのよね。絶対指示には従うわ」

「リーン、案内頼みたいけど、この草原に地図って意味あるのか?」

「うん。地図を見ると目印が幾つもあるみたい。
 それに草原も果てしなく続いているように見えて、実は近付くと入り口の壁みたいなのが見えるんだって。
 屋外にしか見えないんだけど、間違いなく迷宮の内部なんだ、って地図に載ってるー」

「本当にベイクの迷宮とは勝手が違うね……。
 まずは開放型迷宮に慣れることが大切そうだね」


 同じ迷宮でここまで勝手が違うとは思わなかったけど、流石に1階層でビビッてる訳にも行かない。
 ハルに無理のないペースで、ヴェルトーガ迷宮の攻略スタートだ。
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