異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

165 貧困層の実態

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「それじゃあシンとハルで家の場所案内してやって。俺たちは商工ギルドとスキル神殿、あとは救貧院にも話通しておこうかな。
 栄光の運び手は明日からうちで寝泊りしてもらおうと思ってるんだけど、なにか困ることはあるか?」

「な、ないよ!なんにもない!大丈夫、全員いけるよ!」


 全員が壊れた玩具みたいに全力で首を縦に振って肯定してくる。いやなんでそんな緊張してんだこいつら?


「それじゃシン、寝具を、……そうだな、20組ほど注文しておいて。それとジーンさんたちにも話をしておいて欲しい。食事の問題とかもあるしね。こっちの用事が済んだら俺たちも一度家に戻るから、そこで合流しよう」

「了解だ。多分こっちのほうは問題なく終ると思うから、このまま寝具を買ってから家に案内することにするよ。そうすれば配達の手間もないしね。
 じゃあまたあとで。みんな付いてきてくれ。まずは自分の寝具を運んでもらうよ」


 シンとハル、栄光の運び手の子供と別れる。


「トルネはスキル神殿に行って、今日の日没前に25人で祝福の儀を受けたいって伝えてきてくれる?多分3回くらい連続で祝福の儀をやってもらうことになるだろうし」

「わかりました。連絡が終ったら商工ギルドに行けば良いですよね?もし居なければ救貧院で合流ですね」

「あ、私も一緒に行くよ。多分商工ギルドに行っても私やることないしー。まぁこっちの用事の方が早く終るとは思うけどねー」


 リーンとトルネもスキル神殿に向かった。

 ふむ。俺1人だと色々抜けちゃう気がするけど大丈夫だろうか?カンパニーの設立自体は終ってるんだから大丈夫かな?大丈夫だと信じよう。


「ポポリポさーん。カンパニー作ってきたから口座の開設よろしくー。運用許可メンバーはあとから追加できるよね?」

「ああ、後からでも大丈夫さ。
 それにしてもトーマさんがカンパニーをねぇ。頑張ってるみたいでなによりさ」

「それと、物件の購入を検討しててさ。カンパニーのメンバーが入れる、大きめの建物が欲しい。将来的には100人規模のものが欲しいんだけど、どのくらいのお値段かな?」

「トーマさん、前も家を買ったのに、また新しく家を買うってのかい?いやいや大した冒険者になったもんだねぇ。
 流石にそんな大きな建物は売りに出されてないと思うよ。トーマさんが以前買った家も商店用に大きく作ってあったけどねぇ。
 いくつか家を買って人を分散するか、建物を一度壊して、新しく大きな家を立てるってことも考えるべきかねぇ。
 ん~……、どんな方法を選んでも、安く見積もって白金貨5枚以上は必要だと思うよ?」


 装備も更新したいのに結構でかい出費だな。払えるけど。


「それじゃ近くにある建物を数軒買って、その土地に新しく建物を建てる方向で考えようかな?1つにまとめられそうな土地を探しておいてくれない?」

「あっさり買うって言っちゃえるのが凄いよ……。
 探しておくけど、予算はどの程度を想定しておかばいいんだい?」

「そうだね。んー、白金貨5枚くらいで頼もうかな。1つにまとめるのは後からでも出来るし。
 あ、建物の建て替えとかする時って、なにか許可が必要だったりする?」

「いやぁ特に必要ないねぇ。ただ壊したり建て替えたりしたあとに、商工ギルドに報告はしておくれ。個人で買った建物をどう扱おうと自由だけどね」


 土地に関しては所有権とかないのかな?まぁ土地は余ってるのかもしれない。冒険者の死亡率も低くないだろうし。

 ポポリポさんに土地や建物の話を聞いていたらリーンとトルネが到着した。どうやら問題なく祝福の儀は受けられるようだ。大規模パーティだと、一度に50人以上祝福の儀を受けに来るケースもあるらしく、事前に言ってもらえただけでもありがたいとのこと。


 商工ギルドを後にして、3人で救貧院に向かう。よくよく考えたら救貧院ってスキル神殿の後ろだったな。2人に無駄に歩かせてしまった。ちょっと反省。

 スキル神殿を利用する度に銀板5枚寄付しているので、受付のお爺さんとは既に顔見知りである。
 子供を引き取りたいので救貧院の責任者と話をしたいと告げると、救貧院の客室のような場所に通された。


「ちょっとここで待っててくれ。今シスターを呼んで来るからな」


 シシシシ、シスターですとぅ!?
 スキル神殿には居なかったがこっちに居たのかシスタァァァァ!


「お待たせしましたね。私が当救貧院の運営を任されている『クレーレ』と言います。なんでも子供を引き取ってくださるとか?」


 本物のシスターキタアアアアアアア!ただしお婆ちゃんでしたあああああああ!
 クソが!神も魔法も存在しているくせに、なんて世界だリンカーズは!

 深呼吸して冷静になる。ここになにしに来たんだっていう。


「厳密に言うとただ引き取るだけではないんです。出来れば救貧院とも協力していきたいと思って、今日は伺わせて頂きました」


 カンパニーを設立し、困窮している冒険者に支援したいということ。まだ戦えないような子供は引き続き救貧院で世話して欲しいことなどを説明する。


「それは……、こちらとしては願ってもないことですね。
 今の救貧院では子供達を本当の意味で救えていないというのは、私共も感じておりました。まだ自立も出来てない子供を、空きがないからと追い出すことも何度もありました。
 迷宮に潜れない子の面倒だけを見れば良いのであれば、こちらとしては非常に助かります。予算にも余裕が出ると思いますし。救貧院を出た後の道が提示されているのは、子供達にとって希望となるでしょう。
 幼い子供の世話をみてくれる子が居なくなると、人手が少しだけ心配ではありますが、救貧院に助けを求めてやってくる人は子供だけではありませんから。そういう方に仕事を与えるという意味でも、大変ありがたい提案です」

「とりあえずは栄光の運び手だけ引き取る形になります。今後の判断は彼らを見て判断してもらえたら、と思っています。
 あ、このベイクに困窮している子供達って、どの程度いるか分かりますか?予想でも構いませんが、こちらの受け入れ準備にも影響が出る話なので」

「そう……、ですね。まだ自立していないと思われる子供は、100人は下らないと思います。
 ……恐らく既に命を落とした子も、少なくないでしょうね」


 うっわ~。思った以上に酷い状況だったみたいだな。

 ヴェルトーガではそこまで酷い状況だったんだろうか?1階層から結構普通に戦えてるように見えたよな。ディオーヌ様が上手いことやってるんだろうか?

 目に見える子供だけを助けてもやっぱ不十分か。
 別に慈善事業なんてやる気はないけど、流石にこれは見逃せる状況ではないよなぁ。
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