異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

169 再会のシャドウボア

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 土魔法も中々便利なことが分かった。
 リンシアさんと一緒に朝食の準備をしていたのだが、やはり一般家庭レベルの厨房で大量の料理を作るのは大変だ。そもそもスペースが足りない。そこで土魔法の出番だ。

 勿論厨房を改築したりは出来ない。だが土魔法で即席のまな板や置き場を作ることで、どこに居ても調理が出来るのだ!水魔法や火魔法も併用すると、マジでどこでもキッチン!って感じだ。生活魔法楽しすぎ!


「明日からは3人くらいずつ交代で、朝晩の食事の手伝いもしてくれ。食材の買出しも適当に手伝ってほしい。
 俺たちは商工ギルドに寄ってから迷宮に入るから、先に3階層に入って、稼ぎながら4階層の入り口で待っててくれてもいいぞ」


 栄光の運び手と別れ、みんなで商工ギルドに。


「ポーポリーポさーん。このメンバーにカンパニー用口座の運用許可をお願いしゃーす」

「はいはい了解っとね。あ、探してた物件、密集した場所に4軒空き家が集まってる場所があったんだよ。
 どうやら以前にパーティメンバーで固まって家を建てたらしいんだけどね。その後解散しちまって、全部の家が売りに出されたみたいなのさ。
 家自体はそれぞれ1家族が住むためのものだから、さほど大きくないんだけど、4軒とも隣接してるし、悪くないんじゃないかしらってね。ちなみに4軒全部買うとしたら、386万リーンになるはずだねぇ」

「お、いいね。じゃあこの後迷宮に行くからさ、戻ったら案内してくれる?」

「はー、あっさりしたもんだねぇ。案内は了解したよ。直ぐ案内できるようにしておくよ」


 物件次第だけど、直ぐに次の受け入れを始めてもいいかもしれない。世話は全部栄光の運び手に押し付けるけどな!正に外道!


 ジーンさんリンシアさんと別れ、久々に徒歩で4階層に向かう。散々通ったから地図など要らぬっ。


「スキルってすっげぇなトーマ!暗視のおかげで昼間みたいに明るいしさ!魔装術のおかげで武器も全然壊れないんだよ!」


 おうおう興奮しておるわ。無理もないけど一応釘は刺しておくか。


「お前らは魔装術覚えたばっかだからな。調子乗って魔力切れなんて起こしたら死ぬから気をつけろよ。
 それと魔装術も武器に負担がかかってるから、見た目大丈夫そうでも今まで通り補修再生はしておけよ?戦闘中に武器が壊れてたら死ぬしかないからな」

「わ、分かってるよ。俺たちは絶対に無理をしない。生き残ることが一番大事なんだ。分かってるさ」


 ふむ。思ったよりも地に足がついてるな。魔力切れの兆候もまだ無さそうだし、さっさと4階層に行くとしようか。
 俺たちだって探索しないといけないわけだしね。


「それじゃ後ろからついてくからさ。シャドウボアと戦ってみてくれ」


 懐かしの4階層。シャドウボア狩りが安定したおかげで、収入がめっちゃ増えたんだよな。
 相変わらず遠くからでもブモーブモーと煩く鳴いてんなぁ。索敵しやすいんだよなシャドウボアって。


「前からシャドウボアが来るぞ!スランカとケルセンは後ろ見てろ!他のみんなで囲んで仕留めるんだ!」


 おお、センタルがちゃんとリーダーしてる。全員固さも見られないな。安心してみていられそうだ。

 確実に一撃目の突進を回避。他の相手を狙って、シャドウボアの突進の速度が落ちる。
 回避したメンバーは直ぐにシャドウボアの後を追い、7人目が回避したところで背後に追いつき攻撃開始。魔装術のおかげで問題なく後ろ足2本を切り落とす。
 移動を封じられたシャドウボアは、痛みからか闘志からか、残った前足と巨体を激しく動かし抵抗する。子供たちは無理に近寄らず、冷静に回避しつつも別のメンバーが攻撃を加えている。
 人数が多いってのは取れる手段が増えるってことなんだなぁ。それに解体の工程がないので、獲物を傷つけても問題ないのもいいよな。

 問題なくシャドウボアを討伐できた。危なげもなかったし4階層でなんの問題も無さそうだ。


「いいね。全く問題ないじゃん。コイツの肉は確か50リーフ?いや60リーフだったっけ?まぁそのくらいで買い取ってもらえるんだ。2体倒せば銀貨1枚だぜ?」


 俺もお世話になったよな。確か1日で銀板数枚稼げたんだよね。18人なら1日中探索できそうだし、下手すると金貨行くかもな。しかもこいつらって暗視ポーションも必要ないわけだし。

 やっぱ3階層で止めとく意味なんてねぇってばオーサンよ。


 その後3体ほど狩るのを見ていたが全く問題無さそうなので、栄光の運び手とは別れて、俺たちの探索に戻ることにする。


「あ、せっかくだからちょっと俺もシャドウボア1回倒させてちょうだいな」


 突進喰らう可能性を考えて、ちゃんと防具には魔装術を通す。
 シャドウボアの突進を正面から待ち構え、口から飛び出た牙を掴み、回しながら瞬間加速を使用する。

 ゴキュル、とちょっぴり嫌な音と感触が伝わってきたが、瞬間加速を使った首のねじ切り、どうやら上手いこといったらしい。突進の勢い自体は殺せなかったので、牙を持ったままちょっと押し込まれてしまったけど。
 首の骨が折れたと思われるシャドウボアは、目の前で迷宮に融けていった。


「よし、それじゃ41階層行こうか。みんなはやんなくてもいいよな?」

「ちょっと待って!なに今の!なんで素手でシャドウボア殺しちゃってるのさ!何したの!?」

「トーマー?流石に今のはちょっと引くよー?素手で魔物倒すとか、トーマはどこに向かってるのよー」

「今の瞬間加速ですよね?あんなこと出来るものなんですか?っていうかなんでやろうと思ったんですかこの人は」

「うん。トーマにチート能力は必要ないわ。トーマみたいな異邦人、絶対居ないからね?」


 なんか大ブーイングを食らってしまったけど、武器の無い状態でも戦える方法は常に模索しておきたいよね。異邦人のこともあるし、今後なにが起こるかなんて分かったもんじゃないし。

 みんなのブーイングをスルーしてスキップを発動、1人でさっさと41階層に移動した。
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