異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

188 乱獲

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 世界が変わった。大袈裟でもなんでもなく、完全に事情が変わった。
 今まで50階層の戦闘は、安定はしていた物の決して楽なものではなかった。

 グランドドラゴンを始めとした大型の魔物たちを仕留めるのは簡単ではなく、どうしても戦闘時間は長引いてしまっていた。

 それにシンがあまり戦えなかったのも痛かった。ハルの護衛は必ず必要だが、シンをほぼ完全に遊ばせてしまっている状態だった。そのシンが開放されたのはかなり大きい。

 攻撃範囲拡張で一番変わったのは、シンが動けるようになったことに他ならない。

 
 俺とシンでハルの護衛を交代で行えば、俺たち2人は交互に休憩を挟めるようなものだ。スキップを使って大量の魔力を消費しても、ある程度回復するまでシンにアタッカーを任せれば、割と安全かつ迅速に魔力を回復できるようになった。

 そして俺がハルの護衛を担当する場合、俺とハルは2人とも弓を扱えるのだ。シンが護衛で動けなかった時と比べて、魔物の殲滅速度が段違いだ。
 使っている弓の性能は、他の武器と比べると片手落ちなのだが、耐久力の低いエレメント系を倒すのに非常に向いている。レイジードッグやレッサーワイバーンも弓で担当すると、前衛が自由に動けるようになる。
 
 戦闘時間の短縮が著しい。30階層以下の時と同じくらいに短縮されている。それでいて俺の魔力回復の効率も上がっているのだ。


 拡張されたストレージと全員の背嚢が一杯になるまで、あっという間だった。そしてそんな短い時間でも、ジェネレイト込みで後衛を担当していれば、スキップで消費した魔力を充分回復できた。
 今までと比べて探索時間が大幅に短縮されているのに、討伐できる数は今の方が増えているのだ。やばい、笑いが止まらない!

 だって探索時間が圧倒的に短くなってるのに、SPは最低でも540くらいは稼げるんだぜ?
 

 2つ目に、俺の魔力量増加が中になったことと、トルネがジェネレイトを覚えてくれたことで、帰還のときにスキップを使用して、換金が終わってすぐにまたもう一度スキップを使用しても、魔力切れを起こさなくなったのだ。
 流石に短時間での2連続スキップ使用は結構きついけど、魔力切れさえ起こさなければ安いもんだ。50階層に到着直後はシンに前衛を任せていれば魔力が回復できるわけだし。旨過ぎかよ50階層!

 探索2回を1セットとして、1セット終わるごとに俺は仮眠を取って魔力を回復する。その間に他のメンバーは模擬戦をしたり矢を補充したりする。ホムロが切れるくらい矢を買い占めてしまった。


 攻撃範囲拡張を覚えてから、1日に探索2回を3セット、つまり6回ほど50階層を回ることが出来るようになっていた。しかも日没前に戻ってこれるし。
 1日に3200オーバーのSPが獲得できるとか笑ってしまう。いや笑いが止まらない。ガハハ!
 攻撃範囲拡張:中の20000SPを見た時は遠いなぁと思ったけど、今となっては全然射程内だから困る。


 そしてハルの覚えたウィンドストームである。アイアンゴーレムやグランドタートル、アーマーオーガなんかの防御力に特化した魔物以外には、絶大な効果を発揮してくれた。

 威力的にはエアスラッシュより少し弱い程度に思えたが、範囲魔法なので巻き込める敵が多い。ハルを中心に扇形の範囲で射程は20メートルくらい。小型の魔物が一気に数を減らす。
 流石に魔力消費が大きいので、1セットに1度しか放てないが、殲滅速度の短縮に一役買っている。
 次の祝福の儀では魔法威力上昇と魔力量増加を取ろうと、今から張り切っている。


 資金的にもアホほど稼げているし、探索ごとに異風の旋律で金貨5枚ずつ入金した結果、カンパニー資金も1日150万リーフ貯まってしまう。宿舎の購入費なんてどうでも良くなるくらいの収入だ。まぁそこはけじめとしてちゃんと回収するつもりだけど。

 
 次の日も6回探索したものの、SPを7000にして試験日の朝に祝福の儀を受けたかったので、メンバーに協力してもらってもう1セット探索に付き合ってもらった。SP7546也。これで過剰強化と深層集中の2つとも取れそうだ。

 
 2日間で拾ったスクロールの中にはいくつか新しい魔法も含まれていた。
 まずはここに来て新しい生活魔法の『乾燥』。これは勿論俺が優先させてもらった。



◆◆◆◆◆◆

乾燥魔法
火と風属性の影響が強い、生活魔法の1つ。
自身の魔力を代償に、対象の水分を魔力に還元することが出来る。
生命に危険を及ぼすことは出来ない。
一定量の液体には干渉できない。

◆◆◆◆◆◆



 リンカーズには洗浄があるから洗濯は要らないんだよな。となると調理用かな?
 もしかしたら魔法薬の調合や錬金術に使う可能性もあるけど、みんなも知らないようだ。



 そしてウインドストームに続く範囲攻撃魔法の『爆裂デトネイション』。
 
 火属性で、熱と衝撃でダメージを与えるタイプの魔法らしい。
 まだ試していないので詳細は不明。

 覚えたのはシン。順調に魔法剣士として育ってる気がする。


 防御魔法も1つ落ちた。土属性の『土の盾アースシールド』。

 4属性の防御魔法の中では最高の防御性能を誇り、物理、魔法のどちらにも非常に高い防御能力を発揮する。
 反面、発動すると視界が遮られて反撃に転じにくく、消費魔力も最も高い。

 パーティメンバーの中では最も耐久力が低いと思われるリーンが習得した。


 支援魔法はジェネレイトが1つと『脆弱化フラジャイル』。これは両方俺が貰った。



◆◆◆◆◆◆

魔力生成ジェネレイト
魔力の回復を目的とした、支援魔法の1つ。
術者の魔力を代償に、対象の魔力に干渉し、一定時間『魔力自然回復量増加』の特殊効果を付与する。
効果持続中に再度魔法を行使すると、効果時間を上書きできる。

◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆

脆弱化フラジャイル
対象の防御能力の低下を目的とした、支援魔法の1つ。
術者の魔力を代償に、対象の魔力に干渉し、一定時間『脆弱化』の特殊効果を付与する。
脆弱化を付与された者は、魔力に対する抵抗力が低下する。
一度付与すると、一定期間上書きできない。

◆◆◆◆◆◆



 小細工じゃない、本当のデバフだ。まぁ防御低下魔法だな。
 一定期間上書き不可能ってのはちょっと気になるところ。

 魔力による抵抗力減少って事は、恐らく魔装術にも適用される文言のはず。今のところ火力に不足を感じないけど、デバフがあるのは切り札になりそうだ。


 明日は朝イチで祝福の儀を受けて、その後昇級試験とミルズレンダ行きの俺とで別れる予定だ。
 結果次第では50階層の先に進むのも吝かではないが、どうなることやら。
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