異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

文字の大きさ
219 / 580
7章 更なる強さを求めて

190 身体能力過剰強化

しおりを挟む
 瞬間加速と深層集中の同時使用は、かなり強力な能力ってことが分かった。
 瞬間加速の消費魔力が3倍になって威力が2倍になった、みたいなイメージかな?
 今後は瞬間加速単体で使うことはないだろうし、単純に瞬間加速が強化されたようなもんだな。

 今後は常に同時発動することを踏まえて、2つ同時に発動することを『加速アクセラレイト』とでも定義して、2つのスキルの同時使用じゃなくて、2つの効果を持つスキルを使用すると考えて、脳の処理情報を減らしていこう。


 過剰強化は肉体への負担が大きいらしいので、2度目の探索から帰還する時に試すことにして、本日の探索を開始する。

 みんなスキルを3つくらい取ったけど、今回は探索が速くなるようなことは特にないな。魔力量が増えたはずだから、探索可能時間は伸びてると思うけど、速度にはあまり影響しない方向での強化だったな。

 今回の強化でやばかったのはやっぱりアクセラレイトで、加速状態でウォーハンマー使ったら衝撃が全部重なって、グランドタートルの甲羅を破壊することが出来てしまった。
 今ならハロイツァと正面からやりあっても勝てる可能性あるかもな。

 アクセラレイトが如何に強力かを目の当たりにした仲間たちは、亜人の魔物を探すことにかなり積極的になってくれた。これがあるのとないのとでは戦力に差がありすぎる。


 本日2度目にして最後の探索。荷物もいっぱいになったのであとは帰還するだけ。ということで過剰強化を試してみることに。


 身体能力過剰強化、発動!


「お、おおお……?」


 体中に魔力が巡っているのがわかる。
 魔力消費も感じるが、全身に魔装術を使っているときの2倍くらいの消費量かな?
 5分以上は維持できそう。

 肉体に負担が、という割には痛みなども特に感じない。とりあえず動いてみるか。

 ロングソードやダガーを振って試してみる。
 自分ではどの程度変わっているのか、いまいち体感できないな。
 スキルを切ってみんなに聞いてみる。

 っと、能力を切った瞬間全身に鈍い痛みが走る。
 この痛みには覚えがある。オーサンの訓練を受けた後の全身筋肉痛だ。


「っててて。肉体に負担が大きいってのはこういうことか。
 それで、周りから見てどんな感じだった?」

「かなり早く動いていたよ。瞬間加速みたいに、目に追えないって程ではなかったけど。
 ん~、僕たちに分かりやすい基準とするなら、ハロイツァくらいのスピードに感じたよ」

「だねー。普段のトーマと比べても、相当早くなってたと思うよー。
 長時間維持できるなら、瞬間加速よりも使いやすいのかもねー?
 それで、体のほうはだいじょうぶだった?」

「ああ、瞬間加速が筋力に頼らない加速なのに対して、過剰強化は筋力を限界以上に押し上げるって感じだから、怪我とかじゃなくて筋肉痛を感じてるよ。
 瞬間加速との使い分けはいいかもだけど、こっちはこっちで長時間は使えなさそうだ」

「負担は大きいようですが、それに見合った効果だと思いますね。こちらもなるべく全員で取っておきたい所です。」

「うん。一瞬しか使えないけどリスクがなくて凄く早い瞬間加速と、負担は大きいけど魔力と体力の限り使える過剰強化。
 両方使えるとかなり戦い方に影響してきそうだね」


 それに、筋肉痛が起こるって事は、トレーニングにも使える気がするんだよな。
 う~ん、危険かなぁ?
 ま、自然回復アップを取るまでは、軽はずみに使うのはやめておくべきか。


 迷宮の外に出る。
 俺は試験は受けないけれど、ストレージの中のブツを換金しなければいけないので、結局冒険者ギルドに出向く必要がある。
 ちなみにゲートの利用は商工ギルドで待ち合わせて、なんかゲート利用専用のスペースから出発するらしい。


「お前ら試験前だってのに50階層回って来てんのかよ。俺、試験する意味あんのかね?」

「不正出来ない様に立会いが要る、って言ってるのはギルド側だろがまったく。
 そんで1つ聞きたんだけど、亜人みたいな魔物って知らないかな?
 若しくは魔物に詳しい人を紹介してもらうのでも良いんだけど」

「あぁ?亜人みたいなって言われても大雑把過ぎてよく分からんな。少なくとも俺は思いつかねぇ。
 魔物に詳しいっつったら、やっぱ上位冒険者か魔物学者だろうが、どっちもクセが強ぇからあんまり関わりたくねぇんだよな……」

「魔物学者!そういうのもあるのか!
 クセが強いってことは、オーサンも会ったことあんの?」

「いや、一般論だな。実際に会った事はねぇよ。ベイクには居ないしな。
 上位冒険者は、6等級冒険者に会ってくれるとは思えないしな……。そう考えると学者の方が可能性は高そうか?」

「なるほど。もうちょっと自分で調べてみるよ。さんきゅー。
 今日は皆のこと宜しくね」

「おう。贔屓する気はないがな。ま、ハルも含めて5等級試験で落ちることはないだろ」


 オーサンとの会話を終え、仲間に声をかける。


「多分みんな大丈夫だと思うけど、落ちても別になにも困らないからな。気軽に頑張ってくれ」

「僕たちのほうは問題ないよ。危険があるわけでもないしね。トーマのほうこそ気をつけて」

「トーマ。先輩なのに一緒に行けなくてごめんねっ。ふわわっ、つららっ、トーマを頼んだよっ」


 ふわわとつららは、昇級試験なんか見てても仕方ないだろうということで、俺と一緒にミルズレンダに行くことになった。
 もし追加料金が発生するとしても問題なく払えるし。


「トーマ。学者を探すのであれば、魔力に余裕があればですけど、ヴェルトーガに行ってディオーヌ様に聞いてみてはどうですか?
 ディオーヌ様の人脈なら、学者の知り合いがいてもおかしくないでしょう」


 なるほど。確かにあの人めっちゃ有能だからな。何のアテもないんだからだめもとで行ってみるか。


「うん。私も頑張るよ。深層集中の使い方が分かったおかげで、少し心に余裕も出来たし!」


 アクセラレイト使うのはオーサンが可哀想過ぎるから止めて差し上げて?
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

処理中です...