220 / 580
7章 更なる強さを求めて
191 職人都市ミルズレンダ
しおりを挟む
いぬねこコンビも大きくなってきて、移動の際もあまりフードを使わなくなってきた。身体能力強化も中だしな。ぶっちゃけ6等級冒険者よりスキル持ってるだろコイツら。
商工ギルドに到着。陽天の報せはまだ鳴ってないので、予約した時間にはまだ早いはず。
「あらトーマさん。相変わらず早めに来るもんだね。
あ、そうそう!トーマさんのおかげで私に臨時のお給金が出たんだよ!
トーマさんってば短期間で白金板くらい使っちゃうんだものねぇ。いやぁありがとさん!」
「お、そうなんだ。ポポリポさんにはいつもお世話になってるからね。少しでも還元できたのなら俺も嬉しいよ。
ゲートの利用はギルドの専用の場所からって聞いてたけど、場所教えてくれる?」
「ん?それなら時間には早いけどもう行くかい?
ゲートの使い手は、予約が入ってたらギルドで待機するのが慣習だからね。朝から居るんだ。
仕事が終わればあっちもギルドから離れられるし、早い分には喜ばれると思うよ」
「あ、そうなんだ?相手に迷惑じゃないならお願いしようかな。
ああっと、この2匹の分も料金ってかかる?」
「犬猫を連れてゲート使うなんて聞いたことがないけど、魔力の消費量は増えちゃうから、料金は必要だと思ったほうがいいね。金板6枚引き出しておこうかい?」
「だね。言われてから用意するのは面倒だし。余裕をみて……、金板10枚出してくれる?」
口座から白金貨1枚を引き出し、ゲートの使用場所に案内してもらう。
ポポリポさんに連れられてきた場所は、なんと商工ギルドの屋上だった。こうきたかぁ。
要人も利用するゲートはあまり人目に触れさせるべきではなくて、でも開けた場所じゃないと使用できない。その2つの条件を満たしたのが商工ギルドの屋上ってワケだ。
3階建ての建物自体が珍しいベイクでは、商工ギルドの屋上を見られる心配は無さそうだ。
ポポリポさんは俺を屋上に案内するとさっさと戻っていった。
「本日はゲートのご利用ありがとうございます。ベイク警備隊ゲート担当官の『ヨルド』です。よろしく」
警備隊所属の割には物腰が丁寧だな。って言ったら警備隊に失礼か。
要人の移動にも利用されるって話だし、しっかり教育されたんだろうな。
ヨルドさんは耳が丸いからなんかの亜人らしい。
あれって何の耳だろ?某有名テーマパークにあんなの売ってた気がする。
「あ、こっちは冒険者のトーマです。本日はよろしくお願いします。で、この2匹の分の料金も必要ですよね?」
「……そう、ですね。魔力の消費量が変わってしまうので。済みませんがお願いします」
「いえいえ大丈夫。3人分で金板9枚でいいですよね?どうぞ」
ヨルドさんに金板9枚を支払う。移動さえ出来れば、ミルズレンダの商工ギルドでお金の引き出しも出来るから、あとは問題ない。
「確かに。それでは確認です。行き先は商業都市ミルズレンダ。間違い御座いませんか?」
「間違いないです。よろしくお願いします」
「畏まりました。ゲートの使用には少々お時間を頂きます。少しだけお待ちください」
日本のサービス業かってくらい腰低いな!
ゲート発動中はヨルドさんの邪魔をするわけにはかないので、ふわわとつららをなでくりなでくりして暇を潰す。
それにしてもお前らも大きくなったなぁ。成体になってもあまり大きくならないって話だったから、ずっと小さいままなのかと思ってたけど、それなりに成長してくれたな。
「お待たせ致しました。ミルズレンダ行きのゲートが開いております。どうぞお通り下さい」
っと、遊んでる場合じゃなかった。2匹を抱いてゲートを通過する。
ゲートの出口はターミナルのある広場だ。ゲート使用の関係上、ターミナルも屋外に置くしかないんだよな。
「皆様通行されましたか?」
「大丈夫です。ありがとうございました」
「それではゲートを閉じさせて頂きますね。今回はご利用頂きまして、誠にありがとうございました」
ヨルドさんはゲートを引き返し、すぐにゲートは閉じられた。
わざわざ確認のためだけにゲート通ってきたのか。その分の魔力だって魔力使うだろうに。流石は高額サービスって所か。
ゲートを利用するとちょっとお得なことに、街への通行料を払わなくて良かったりする。
街の出入り口と比べると兵士はこちらの方が多く、警備はこっちのほうが厳重なくらいなんだけど、特になにもなければ呼び止められることもない。
まぁゲートの利用料金がくっそ高額だからな。更に通行料も、とはいかないのかも知れない。
忘れずにターミナルに触れて、ジェネレイトも一応かけ直してと。それじゃ街に繰り出しますか。
職人都市だからなのか、石造りの建物が多い、というか木造の建物がかなり少ないな。
鍛冶とかで火を使うことが多いからなんだろうか?
煩いというほどではないけど、街のあちこちから金属を叩くような、トントンカンカンって音が聞こえてくる。わりと俺は好きな雰囲気だな。活気を感じられるというか。職人が出す音ってのはリズムもいい。
明らかに腹を空かせてそうな子供を見つけたので、銅板1枚渡して商工ギルドへの案内を頼む。途中の屋台で焼き串を買って、もぐもぐしながら商工ギルドに到着。
成功報酬な、ってことでもう1枚銅板を渡して別れた。めっちゃ手を振られたけど多分もう会うことはないだろ。
なんかフラグ立ててしまった気がしないでもないが。
流石職人都市。商工ギルドが結構賑ってる。
美人受付さんを探したかったんだけど、並ばれてるから顔が見えないな。ま、どこでもいっか。
「お?アンタ見ない顔だな。ミルズレンダは初めてかい?」
受付ガチャは、チャラ男でした。いや実際にチャラいかは知らんけど。
金髪褐色の男性職員で普通の人種っぽい。年齢は20代後半くらいかな?
「ああ、さっき着いたばかりだよ。
見た通り冒険者でね。装備職人を探しに来たんだよ」
「お、いいね~。ミルズレンダには腕の良い職人がいっぱい居るからな!
アンタの冒険者等級と、どの程度の品質の装備が欲しいのか教えてちょーだい!」
「冒険者は6等級。求める品質は、最高級品ってところかな?」
さてさて、ここではどんな出会いが待ってるかなぁ。
なんだかんだいって、俺ってリンカーズを満喫してるわ。
商工ギルドに到着。陽天の報せはまだ鳴ってないので、予約した時間にはまだ早いはず。
「あらトーマさん。相変わらず早めに来るもんだね。
あ、そうそう!トーマさんのおかげで私に臨時のお給金が出たんだよ!
トーマさんってば短期間で白金板くらい使っちゃうんだものねぇ。いやぁありがとさん!」
「お、そうなんだ。ポポリポさんにはいつもお世話になってるからね。少しでも還元できたのなら俺も嬉しいよ。
ゲートの利用はギルドの専用の場所からって聞いてたけど、場所教えてくれる?」
「ん?それなら時間には早いけどもう行くかい?
ゲートの使い手は、予約が入ってたらギルドで待機するのが慣習だからね。朝から居るんだ。
仕事が終わればあっちもギルドから離れられるし、早い分には喜ばれると思うよ」
「あ、そうなんだ?相手に迷惑じゃないならお願いしようかな。
ああっと、この2匹の分も料金ってかかる?」
「犬猫を連れてゲート使うなんて聞いたことがないけど、魔力の消費量は増えちゃうから、料金は必要だと思ったほうがいいね。金板6枚引き出しておこうかい?」
「だね。言われてから用意するのは面倒だし。余裕をみて……、金板10枚出してくれる?」
口座から白金貨1枚を引き出し、ゲートの使用場所に案内してもらう。
ポポリポさんに連れられてきた場所は、なんと商工ギルドの屋上だった。こうきたかぁ。
要人も利用するゲートはあまり人目に触れさせるべきではなくて、でも開けた場所じゃないと使用できない。その2つの条件を満たしたのが商工ギルドの屋上ってワケだ。
3階建ての建物自体が珍しいベイクでは、商工ギルドの屋上を見られる心配は無さそうだ。
ポポリポさんは俺を屋上に案内するとさっさと戻っていった。
「本日はゲートのご利用ありがとうございます。ベイク警備隊ゲート担当官の『ヨルド』です。よろしく」
警備隊所属の割には物腰が丁寧だな。って言ったら警備隊に失礼か。
要人の移動にも利用されるって話だし、しっかり教育されたんだろうな。
ヨルドさんは耳が丸いからなんかの亜人らしい。
あれって何の耳だろ?某有名テーマパークにあんなの売ってた気がする。
「あ、こっちは冒険者のトーマです。本日はよろしくお願いします。で、この2匹の分の料金も必要ですよね?」
「……そう、ですね。魔力の消費量が変わってしまうので。済みませんがお願いします」
「いえいえ大丈夫。3人分で金板9枚でいいですよね?どうぞ」
ヨルドさんに金板9枚を支払う。移動さえ出来れば、ミルズレンダの商工ギルドでお金の引き出しも出来るから、あとは問題ない。
「確かに。それでは確認です。行き先は商業都市ミルズレンダ。間違い御座いませんか?」
「間違いないです。よろしくお願いします」
「畏まりました。ゲートの使用には少々お時間を頂きます。少しだけお待ちください」
日本のサービス業かってくらい腰低いな!
ゲート発動中はヨルドさんの邪魔をするわけにはかないので、ふわわとつららをなでくりなでくりして暇を潰す。
それにしてもお前らも大きくなったなぁ。成体になってもあまり大きくならないって話だったから、ずっと小さいままなのかと思ってたけど、それなりに成長してくれたな。
「お待たせ致しました。ミルズレンダ行きのゲートが開いております。どうぞお通り下さい」
っと、遊んでる場合じゃなかった。2匹を抱いてゲートを通過する。
ゲートの出口はターミナルのある広場だ。ゲート使用の関係上、ターミナルも屋外に置くしかないんだよな。
「皆様通行されましたか?」
「大丈夫です。ありがとうございました」
「それではゲートを閉じさせて頂きますね。今回はご利用頂きまして、誠にありがとうございました」
ヨルドさんはゲートを引き返し、すぐにゲートは閉じられた。
わざわざ確認のためだけにゲート通ってきたのか。その分の魔力だって魔力使うだろうに。流石は高額サービスって所か。
ゲートを利用するとちょっとお得なことに、街への通行料を払わなくて良かったりする。
街の出入り口と比べると兵士はこちらの方が多く、警備はこっちのほうが厳重なくらいなんだけど、特になにもなければ呼び止められることもない。
まぁゲートの利用料金がくっそ高額だからな。更に通行料も、とはいかないのかも知れない。
忘れずにターミナルに触れて、ジェネレイトも一応かけ直してと。それじゃ街に繰り出しますか。
職人都市だからなのか、石造りの建物が多い、というか木造の建物がかなり少ないな。
鍛冶とかで火を使うことが多いからなんだろうか?
煩いというほどではないけど、街のあちこちから金属を叩くような、トントンカンカンって音が聞こえてくる。わりと俺は好きな雰囲気だな。活気を感じられるというか。職人が出す音ってのはリズムもいい。
明らかに腹を空かせてそうな子供を見つけたので、銅板1枚渡して商工ギルドへの案内を頼む。途中の屋台で焼き串を買って、もぐもぐしながら商工ギルドに到着。
成功報酬な、ってことでもう1枚銅板を渡して別れた。めっちゃ手を振られたけど多分もう会うことはないだろ。
なんかフラグ立ててしまった気がしないでもないが。
流石職人都市。商工ギルドが結構賑ってる。
美人受付さんを探したかったんだけど、並ばれてるから顔が見えないな。ま、どこでもいっか。
「お?アンタ見ない顔だな。ミルズレンダは初めてかい?」
受付ガチャは、チャラ男でした。いや実際にチャラいかは知らんけど。
金髪褐色の男性職員で普通の人種っぽい。年齢は20代後半くらいかな?
「ああ、さっき着いたばかりだよ。
見た通り冒険者でね。装備職人を探しに来たんだよ」
「お、いいね~。ミルズレンダには腕の良い職人がいっぱい居るからな!
アンタの冒険者等級と、どの程度の品質の装備が欲しいのか教えてちょーだい!」
「冒険者は6等級。求める品質は、最高級品ってところかな?」
さてさて、ここではどんな出会いが待ってるかなぁ。
なんだかんだいって、俺ってリンカーズを満喫してるわ。
1
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる