異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

191 職人都市ミルズレンダ

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 いぬねこコンビも大きくなってきて、移動の際もあまりフードを使わなくなってきた。身体能力強化も中だしな。ぶっちゃけ6等級冒険者よりスキル持ってるだろコイツら。

 商工ギルドに到着。陽天の報せはまだ鳴ってないので、予約した時間にはまだ早いはず。


「あらトーマさん。相変わらず早めに来るもんだね。
 あ、そうそう!トーマさんのおかげで私に臨時のお給金が出たんだよ!
 トーマさんってば短期間で白金板くらい使っちゃうんだものねぇ。いやぁありがとさん!」

「お、そうなんだ。ポポリポさんにはいつもお世話になってるからね。少しでも還元できたのなら俺も嬉しいよ。
 ゲートの利用はギルドの専用の場所からって聞いてたけど、場所教えてくれる?」

「ん?それなら時間には早いけどもう行くかい?
 ゲートの使い手は、予約が入ってたらギルドで待機するのが慣習だからね。朝から居るんだ。
 仕事が終わればあっちもギルドから離れられるし、早い分には喜ばれると思うよ」

「あ、そうなんだ?相手に迷惑じゃないならお願いしようかな。
 ああっと、この2匹の分も料金ってかかる?」

「犬猫を連れてゲート使うなんて聞いたことがないけど、魔力の消費量は増えちゃうから、料金は必要だと思ったほうがいいね。金板6枚引き出しておこうかい?」

「だね。言われてから用意するのは面倒だし。余裕をみて……、金板10枚出してくれる?」


 口座から白金貨1枚を引き出し、ゲートの使用場所に案内してもらう。
 ポポリポさんに連れられてきた場所は、なんと商工ギルドの屋上だった。こうきたかぁ。

 要人も利用するゲートはあまり人目に触れさせるべきではなくて、でも開けた場所じゃないと使用できない。その2つの条件を満たしたのが商工ギルドの屋上ってワケだ。
 3階建ての建物自体が珍しいベイクでは、商工ギルドの屋上を見られる心配は無さそうだ。
 ポポリポさんは俺を屋上に案内するとさっさと戻っていった。


「本日はゲートのご利用ありがとうございます。ベイク警備隊ゲート担当官の『ヨルド』です。よろしく」


 警備隊所属の割には物腰が丁寧だな。って言ったら警備隊に失礼か。
 要人の移動にも利用されるって話だし、しっかり教育されたんだろうな。

 ヨルドさんは耳が丸いからなんかの亜人らしい。
 あれって何の耳だろ?某有名テーマパークにあんなの売ってた気がする。


「あ、こっちは冒険者のトーマです。本日はよろしくお願いします。で、この2匹の分の料金も必要ですよね?」

「……そう、ですね。魔力の消費量が変わってしまうので。済みませんがお願いします」

「いえいえ大丈夫。3人分で金板9枚でいいですよね?どうぞ」


 ヨルドさんに金板9枚を支払う。移動さえ出来れば、ミルズレンダの商工ギルドでお金の引き出しも出来るから、あとは問題ない。


「確かに。それでは確認です。行き先は商業都市ミルズレンダ。間違い御座いませんか?」

「間違いないです。よろしくお願いします」

「畏まりました。ゲートの使用には少々お時間を頂きます。少しだけお待ちください」


 日本のサービス業かってくらい腰低いな!
 ゲート発動中はヨルドさんの邪魔をするわけにはかないので、ふわわとつららをなでくりなでくりして暇を潰す。
 それにしてもお前らも大きくなったなぁ。成体になってもあまり大きくならないって話だったから、ずっと小さいままなのかと思ってたけど、それなりに成長してくれたな。


「お待たせ致しました。ミルズレンダ行きのゲートが開いております。どうぞお通り下さい」


 っと、遊んでる場合じゃなかった。2匹を抱いてゲートを通過する。

 ゲートの出口はターミナルのある広場だ。ゲート使用の関係上、ターミナルも屋外に置くしかないんだよな。


「皆様通行されましたか?」

「大丈夫です。ありがとうございました」

「それではゲートを閉じさせて頂きますね。今回はご利用頂きまして、誠にありがとうございました」


 ヨルドさんはゲートを引き返し、すぐにゲートは閉じられた。
 わざわざ確認のためだけにゲート通ってきたのか。その分の魔力だって魔力使うだろうに。流石は高額サービスって所か。

 ゲートを利用するとちょっとお得なことに、街への通行料を払わなくて良かったりする。
 街の出入り口と比べると兵士はこちらの方が多く、警備はこっちのほうが厳重なくらいなんだけど、特になにもなければ呼び止められることもない。
 
 まぁゲートの利用料金がくっそ高額だからな。更に通行料も、とはいかないのかも知れない。

 忘れずにターミナルに触れて、ジェネレイトも一応かけ直してと。それじゃ街に繰り出しますか。


 職人都市だからなのか、石造りの建物が多い、というか木造の建物がかなり少ないな。
 鍛冶とかで火を使うことが多いからなんだろうか?

 煩いというほどではないけど、街のあちこちから金属を叩くような、トントンカンカンって音が聞こえてくる。わりと俺は好きな雰囲気だな。活気を感じられるというか。職人が出す音ってのはリズムもいい。


 明らかに腹を空かせてそうな子供を見つけたので、銅板1枚渡して商工ギルドへの案内を頼む。途中の屋台で焼き串を買って、もぐもぐしながら商工ギルドに到着。

 成功報酬な、ってことでもう1枚銅板を渡して別れた。めっちゃ手を振られたけど多分もう会うことはないだろ。
 なんかフラグ立ててしまった気がしないでもないが。

 流石職人都市。商工ギルドが結構賑ってる。
 美人受付さんを探したかったんだけど、並ばれてるから顔が見えないな。ま、どこでもいっか。


「お?アンタ見ない顔だな。ミルズレンダは初めてかい?」


 受付ガチャは、チャラ男でした。いや実際にチャラいかは知らんけど。
 金髪褐色の男性職員で普通の人種っぽい。年齢は20代後半くらいかな?


「ああ、さっき着いたばかりだよ。
 見た通り冒険者でね。装備職人を探しに来たんだよ」

「お、いいね~。ミルズレンダには腕の良い職人がいっぱい居るからな!
 アンタの冒険者等級と、どの程度の品質の装備が欲しいのか教えてちょーだい!」

「冒険者は6等級。求める品質は、最高級品ってところかな?」


 さてさて、ここではどんな出会いが待ってるかなぁ。
 なんだかんだいって、俺ってリンカーズを満喫してるわ。
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