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7章 更なる強さを求めて
192 チャラ男のアル
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「はぁ?もうちょっと具体的に言ってくんね?6等級の求める最高品質ってどの程度なのさ?
ここの職人は頭かったいおっさんばっかりでね~?こっちとしても気軽に紹介できねんだわ。ゴメンね?」
やっぱチャラ男じゃねーか!
まぁ口調は軽いけど、突っぱねるわけじゃなくて純粋に確認してきてる感じだな。
「そうだな。今使ってるこのロングソードよりは上の品質を求めたいと思ってるんだ。確認してくれ」
ロングソードをチャラ男に見せる。
「ど~れどれっと。…………はぁ!?うっそだろこれ!?シルバーライト製じゃんか!?
……って悪いおっさん!大声で叫んじまった!マジごめん!確認はもう充分だから仕舞ってちょうだい!」
おお、個人情報を叫んだのはマイナスだけど、すぐに気付いて謝ってきたのはポイント高いな。
気に入ったからミルズレンダではコイツに対応してもらおっと。今までいなかったタイプだし、話してて新鮮。
「気にしなくていいよ。これから更新しようって武器をバラされても問題ないさ。
まぁそういうワケで、コイツ以上の武器を探しに来たんだよ。職人を紹介してもらえるかな?」
「……っはぁ~。あんがとねおっさん。ほんと悪かったよ。
職人を紹介するのは俺が責任持ってやらせてもらうけどさ、予算とかどんなもんなの?
この武器以上の品質を求めんなら、とんでもない額がかかると思うぜ?」
「そうだな。最初から身分証渡した方が早かったわ。俺の口座確認してよ。あ、今度は叫ぶなよ?」
「ちょちょちょおっさん驚かすのやめてよ~?じゃちょっと身分証借りんね~?
…………えぇ~、おっさん、いやトーマって何者よ?間違いなく6等級なのにこの資金ってどこから生まれてんのよ?あ、もしかして貴族かなんかだったりして!
あ、身分証返しとくね。あんがとさん!」
コイツの喋り方、クセになりそう。
「俺自身は貴族ではないけど、ある依頼で貴族様と関わってな。成功報酬弾んでくれたんだよ。
俺はベイクの出身でさ。これ以上の武器を求めるならミルズレンダに行けって言われてな。
予算はそうだな、白金板5枚以内で頼むって感じだな。全身の装備を更新できるなら更新したいし」
「うっそぉ~ん。俺ってそんな高額な取引仲介したことねぇんだけど。
トーマが望むなら別の職員に替わっこともできっけど。というか俺的には替わるべきかなって思うわ」
「そこまでしなくてもいいよ。アンタで構わないさ。っつうか俺の名前は伝わっただろ?名前教えてくんない?」
「おっと俺としたことが!俺の名前は『アルグリーマ』ってんだよ。長いからアルでいいぜ。よろしくよろしくぅ~!」
「おう。改めて、6等級冒険者のトーマだ。よろしくなアル」
テンションが上がったり下がったり忙しいな。飽きないわ。
「そんでさ、俺に任せてくれんのはマジで嬉しんだけど、さっきも言った通りここの職人さんって頭かた~いおっさんばっかなんだよね。
俺って見ての通り、商工ギルドに入ってまだまだ日が浅いからさ。あんますっげ~職人さんたちとは面識がねーのよ。
つまり俺を選ぶとトーマの方が苦労しちゃうんだぜ?俺としちゃあギルド員として、担当を替えて貰った方がトーマのためになると思うわけさ」
っつってもな。どうせ職人と話をつけるのは俺自身って話だし、職人と顔見知りの職員かどうかって、あんまり意味無いと思うんだよね。なんか変わってくるのかな?
「もし問題があったら交代してもらえばいいさ。せっかくだしアルに頼みたいな。アルが嫌じゃなければお願いしていいか?」
「おいおいトーマ。そんなこと言われて嫌だなんて言うわけないっしょ!
ギルド員としてはまだまだ経験が浅いけどさ、全力で協力させてもらうに決まってんじゃんか!」
アルが右手を差し出してきたので握手する。
コイツ面白いし、面白い職人を紹介してくれそうで楽しみだ。
アルの提案で、金額が大きいし話も長くなりそうだということで、個室に移動して話の続きをすることになった。
商工ギルドでは、打ち合わせ中に軽く摘める程度の食べ物を注文することが出来るので、2人分注文する。
「俺の分までわりぃね!ありがたくご馳走になっとくよ!
ふわわちゃんもつららちゃんも美人さんだね~。これ食べてもいいよ~!」
アルが相手なら気を使わなくていいかなと、ふわわとつららをテーブルの上に乗せて、2人で構いながら話をすることにした。
つまらない打ち合わせも一気に華やぐね!
「そんでさ、装備職人っても沢山居るわけよ。シルバーライト製の装備を超えられる職人さんも少なくないわけ。
トーマっち的にはなんか希望はある?剣が得意とか槍が得意とか、大雑把でも構わないよ?」
「そうだなぁ。とりあえず職人さんの腕の心配はしなくていいんなら……。
最終的には全身の装備を更新するつもりってのはさっき言ったけど、まずは武器の更新を優先したいと思う。
あ、あとはあれだな。アルから見て、頭の柔らかそうな職人さんをお願いしたいかな。腕さえ良けりゃ、あとは発想が柔軟そうな人がいいわ」
「へぇ~?やっぱトーマっちって変わってんね。
普通の冒険者だったら、歴史や伝統がある工房とか、なんかの実績だったり肩書きだったりがある職人を希望するモンなんだけどね~。
2人ともなでなでしちゃうぞ~ほ~らなでなで~」
なんかトーマっち呼びになって、打ち合わせよりも2匹の方がメインになりつつある気がするけど、やっぱ職人にもなんか大会とか審査とかあるんだろうな。
「歴史や伝統を軽視する気はないんだけどさ。俺の注文って変なモンになりそうだから、常識とか前提に縛られると注文つけ辛いんだよね。
例えばその2匹は魔装術が使えるから、この機会になにか武器を用意してやりたいんだよ」
「うっそぉ!?君たちこんなに可愛いのに魔装術まで使えるなんて凄いでちゅね~うりうり~。
そーりゃ確かに頭の固い職人さんは紹介できねぇね。トーマっち的には年齢とか種族とか拘りない感じ?」
「その辺は全然気にしないな。
ま、仮に1人めが駄目だったら他の職人さん探すだけだし、アルもそんなに気負わないで探してよ」
「ん~。それなら1人紹介したい奴が居んだよね。変わった武器ばっかり作ってるからミルズレンダだと評判悪いんだけどさ。トーマの望む発想を理解してくれるんじゃねーかなぁ?」
へぇ?職人都市で評判の悪い、変わった発想の持ち主か。
やっぱアルに頼んで正解だったわ。面白くなってきた~!
ここの職人は頭かったいおっさんばっかりでね~?こっちとしても気軽に紹介できねんだわ。ゴメンね?」
やっぱチャラ男じゃねーか!
まぁ口調は軽いけど、突っぱねるわけじゃなくて純粋に確認してきてる感じだな。
「そうだな。今使ってるこのロングソードよりは上の品質を求めたいと思ってるんだ。確認してくれ」
ロングソードをチャラ男に見せる。
「ど~れどれっと。…………はぁ!?うっそだろこれ!?シルバーライト製じゃんか!?
……って悪いおっさん!大声で叫んじまった!マジごめん!確認はもう充分だから仕舞ってちょうだい!」
おお、個人情報を叫んだのはマイナスだけど、すぐに気付いて謝ってきたのはポイント高いな。
気に入ったからミルズレンダではコイツに対応してもらおっと。今までいなかったタイプだし、話してて新鮮。
「気にしなくていいよ。これから更新しようって武器をバラされても問題ないさ。
まぁそういうワケで、コイツ以上の武器を探しに来たんだよ。職人を紹介してもらえるかな?」
「……っはぁ~。あんがとねおっさん。ほんと悪かったよ。
職人を紹介するのは俺が責任持ってやらせてもらうけどさ、予算とかどんなもんなの?
この武器以上の品質を求めんなら、とんでもない額がかかると思うぜ?」
「そうだな。最初から身分証渡した方が早かったわ。俺の口座確認してよ。あ、今度は叫ぶなよ?」
「ちょちょちょおっさん驚かすのやめてよ~?じゃちょっと身分証借りんね~?
…………えぇ~、おっさん、いやトーマって何者よ?間違いなく6等級なのにこの資金ってどこから生まれてんのよ?あ、もしかして貴族かなんかだったりして!
あ、身分証返しとくね。あんがとさん!」
コイツの喋り方、クセになりそう。
「俺自身は貴族ではないけど、ある依頼で貴族様と関わってな。成功報酬弾んでくれたんだよ。
俺はベイクの出身でさ。これ以上の武器を求めるならミルズレンダに行けって言われてな。
予算はそうだな、白金板5枚以内で頼むって感じだな。全身の装備を更新できるなら更新したいし」
「うっそぉ~ん。俺ってそんな高額な取引仲介したことねぇんだけど。
トーマが望むなら別の職員に替わっこともできっけど。というか俺的には替わるべきかなって思うわ」
「そこまでしなくてもいいよ。アンタで構わないさ。っつうか俺の名前は伝わっただろ?名前教えてくんない?」
「おっと俺としたことが!俺の名前は『アルグリーマ』ってんだよ。長いからアルでいいぜ。よろしくよろしくぅ~!」
「おう。改めて、6等級冒険者のトーマだ。よろしくなアル」
テンションが上がったり下がったり忙しいな。飽きないわ。
「そんでさ、俺に任せてくれんのはマジで嬉しんだけど、さっきも言った通りここの職人さんって頭かた~いおっさんばっかなんだよね。
俺って見ての通り、商工ギルドに入ってまだまだ日が浅いからさ。あんますっげ~職人さんたちとは面識がねーのよ。
つまり俺を選ぶとトーマの方が苦労しちゃうんだぜ?俺としちゃあギルド員として、担当を替えて貰った方がトーマのためになると思うわけさ」
っつってもな。どうせ職人と話をつけるのは俺自身って話だし、職人と顔見知りの職員かどうかって、あんまり意味無いと思うんだよね。なんか変わってくるのかな?
「もし問題があったら交代してもらえばいいさ。せっかくだしアルに頼みたいな。アルが嫌じゃなければお願いしていいか?」
「おいおいトーマ。そんなこと言われて嫌だなんて言うわけないっしょ!
ギルド員としてはまだまだ経験が浅いけどさ、全力で協力させてもらうに決まってんじゃんか!」
アルが右手を差し出してきたので握手する。
コイツ面白いし、面白い職人を紹介してくれそうで楽しみだ。
アルの提案で、金額が大きいし話も長くなりそうだということで、個室に移動して話の続きをすることになった。
商工ギルドでは、打ち合わせ中に軽く摘める程度の食べ物を注文することが出来るので、2人分注文する。
「俺の分までわりぃね!ありがたくご馳走になっとくよ!
ふわわちゃんもつららちゃんも美人さんだね~。これ食べてもいいよ~!」
アルが相手なら気を使わなくていいかなと、ふわわとつららをテーブルの上に乗せて、2人で構いながら話をすることにした。
つまらない打ち合わせも一気に華やぐね!
「そんでさ、装備職人っても沢山居るわけよ。シルバーライト製の装備を超えられる職人さんも少なくないわけ。
トーマっち的にはなんか希望はある?剣が得意とか槍が得意とか、大雑把でも構わないよ?」
「そうだなぁ。とりあえず職人さんの腕の心配はしなくていいんなら……。
最終的には全身の装備を更新するつもりってのはさっき言ったけど、まずは武器の更新を優先したいと思う。
あ、あとはあれだな。アルから見て、頭の柔らかそうな職人さんをお願いしたいかな。腕さえ良けりゃ、あとは発想が柔軟そうな人がいいわ」
「へぇ~?やっぱトーマっちって変わってんね。
普通の冒険者だったら、歴史や伝統がある工房とか、なんかの実績だったり肩書きだったりがある職人を希望するモンなんだけどね~。
2人ともなでなでしちゃうぞ~ほ~らなでなで~」
なんかトーマっち呼びになって、打ち合わせよりも2匹の方がメインになりつつある気がするけど、やっぱ職人にもなんか大会とか審査とかあるんだろうな。
「歴史や伝統を軽視する気はないんだけどさ。俺の注文って変なモンになりそうだから、常識とか前提に縛られると注文つけ辛いんだよね。
例えばその2匹は魔装術が使えるから、この機会になにか武器を用意してやりたいんだよ」
「うっそぉ!?君たちこんなに可愛いのに魔装術まで使えるなんて凄いでちゅね~うりうり~。
そーりゃ確かに頭の固い職人さんは紹介できねぇね。トーマっち的には年齢とか種族とか拘りない感じ?」
「その辺は全然気にしないな。
ま、仮に1人めが駄目だったら他の職人さん探すだけだし、アルもそんなに気負わないで探してよ」
「ん~。それなら1人紹介したい奴が居んだよね。変わった武器ばっかり作ってるからミルズレンダだと評判悪いんだけどさ。トーマの望む発想を理解してくれるんじゃねーかなぁ?」
へぇ?職人都市で評判の悪い、変わった発想の持ち主か。
やっぱアルに頼んで正解だったわ。面白くなってきた~!
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