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7章 更なる強さを求めて
197 平行線
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「俺、マーサルさんのことが好きなんだよ!!ミルズレンダから居なくなるなんて言わないでよ!!
暮らしていけないなら俺がその分稼ぐから!!俺と一緒に生きていこうよっ!!」
ぶはっ!マジかよアル!
……アルさんや。このタイミングのプロポーズは最悪だと思うんじゃよ。
「だからよぉ。今言ったばっかだろ?私にとって鍛冶は呼吸と一緒なんだよ。
鍛冶をしないで生きていくってのは、私にとっては生きてるって言わねぇんだ。
私は物心がつく前から、金槌握らされて生きてきたんだよ。もう鍛冶無しじゃ生きていけねぇんだ。そういう生きモンなんだよ。職人ってやつぁよ。
ミルズレンダじゃなけりゃあ、アルと生きる未来もあったかも知れねぇがよ。私から鍛冶を奪ったこの街で生きる未来はねぇんだよ。
だって今の私は、生きてるって言えねぇんだからな」
「じゃあ……!じゃあ俺がギルドに掛け合って、マーサルさんに素材を回してもらえるようにしてみせるからさぁ!」
「無理だな。そんなことしたって、お前が首切られて終わるだけだ。
それにさアル。お前にゃ悪いけど、私だって待ってたつもりなんだぜ?シルバーライト級になったのに、仕事を回してもらえなくてさ。それでももう何年も我慢して生きてきたんだよ。
悪いけどさアル。私はもう、待ちくたびれちゃったんだよ。
さっきトーマと話してたとき、久々に、本当に何年振りかに、思いっきり息を吸ったような気分だったんだ。やっぱり私は自由に鍛冶がしたいんだよ。
アルは頑張ってくれたのかも知れねぇ。でももうずっと、私は鍛冶をしてねぇんだよ。もう限界なんだよ。もう待てねぇんだよ。もう耐えられねぇんだよ。
……もう許せねぇんだよ。絶対に許せねぇんだよアル。私から鍛冶を奪ったこのミルズレンダを、私はもう絶対に許せねぇんだ。
アルにはアルの言い分があるんだろうが、私にだって私の言い分があるんだよ。
アルが今まで私を気にかけてくれてた事は感謝してっけどよ。それこそ、それとこれとは話が別なんだよ」
「じゃあ……、じゃあどうすればいいの!?どうすればいいのさ!?どうすればマーサルさんはミルズレンダに居てくれるのさ!?
鍛冶が出来ればいいんでしょ!?だったら絶対に素材回してもらえるようにしてみせるから!!」
「なぁアル。なんでお前は私と一緒にミルズレンダを出て行くって言ってくれないんだ?私が大切なら、お前こそ私についてくればいいだろうが。
それが答えだよアル。お前はミルズレンダを捨てられないんだろう?
私はミルズレンダに捨てられたから、今度は私もミルズレンダを捨てるだけだ。
どれだけ私が苦しんでいるのか知っておきながら、それでも今なお私をミルズレンダに縛り付けることしか考えて無いアルとなんて、一緒に生きていけるわけがないだろ」
ふむ。俺がここにいる意味あるんだろうか?
ただただ気まずいだけなんですけど?なんかアルには申し訳ないことしたなぁって。
ただマーサも言っていた通り、アルがここまでミルズレンダに拘るのも意味わからないんだよな。
ここまで縋りつくくらいなら、マーサが言ったように、マーサと一緒にこの街を出るって選択肢はないんだろうか?
「こんな、こんなことになるなら……。こんなオッサン、紹介するんじゃなかったよ……」
「だからそれもお前の言い分でしかねぇんだよアル。私の言い分もトーマの言い分も無視した、お前のわがままでしかねぇんだ。
お前が私にどんな想いを抱こうがお前の自由だけどよ。それを私が受け止めるかどうかは私の自由なんだよ。私と生きるならミルズレンダを一緒に出よう。そうじゃなければお前の気持ちに私が応えることはありえねぇ」
「それこそ!それこそマーサルさんの言い分だろ!?
俺の気持ちを無視してマーサルさんがわがまま言ってるだけじゃないか!!」
「そうだぜ?私とお前の願いが重なってないってだけだ。それで、お前が私の願いに合わせてくれる気が無いのと同じで、私もお前の願いに譲ってやる気が無いだけだ。
もう今日は帰れよアル。今ここで話したってどうせ平行線だろ。頭冷やして出直して来い」
会話が途切れる。
アルも今これ以上話していても仕方ないと思ったのか、出直すことにしたようだ。
「……マーサルさん。俺は絶対に諦めないからね。ミルズレンダを出て行けるなんて思わないでよ?」
「うるせぇ!とっとと帰れ!
同じことしか言えねぇなら聞く価値もねぇんだよ。私が大人しくしてるうちに帰れっつってんだ」
一度大きく息を吐いて、アルは帰っていった。
なんなんこれ?
ミルズレンダの商工ギルド、めっちゃ利用しにくいんですけど?
「悪かったなトーマ。みっともねぇところを見せちまった」
「全くだよ。勘弁して欲しいわ。
しっかしよ、マーサの言い分は分かるんだけど、なんでアルはあそこまで頑なにミルズレンダを出ようとしないんだ?
横から見ててもちょっと不気味だったんだけど、なにあれ?」
「ああ、簡単な話さ。あいつはギルド員ではあるが、職人でもあるんだよ。
私とアルは幼馴染でな。よく一緒に鍛冶をしたもんさ。
アルも伝統ある工房の跡継ぎの1人で、腕も悪くないんだけどな。ミルズレンダを捨てるって発想がねぇんだよ。そういうモンなんだ。ミルズレンダの職人ってやつぁ」
「……好きな人を諦めてでもミルズレンダにしがみつく気持ちってのは、悪いけど俺にゃあ理解できんな」
「それにさ。アルも鍛冶師なんだよ。今でも家に帰れば普通に鍛冶をしてるんだ。
分かるか?トーマ。あいつ自身が職人のクセに、あいつ自身は毎日なに不自由なく鍛冶をしているのに、それなのにあいつは私にもう少し待っててくれ、今は鍛冶を出来なくても我慢してくれって言うんだぜ?
アルも結局はミルズレンダの鍛冶師なんだよ。私が憎くて憎くてたまらない、この街の職人でしかねぇのさ。
そもそもの話よ。俺のことが好きって言うなら、とっとと俺を貰ってくれりゃあ良かったんだ。そうすれば俺だってアイツの家で、また鍛冶が出来るんだぜ?
…………それなのにアルは、待ってて、待ってて、としか言わないんだよ。
私がこの街でハブられてて、素材を回してもらえないのをアイツは知ってる。職人にとって素材を回してもらえないのは致命的だ。
だからアイツは私を娶るのを拒んでいるんだよ。あいつ自身が干されるのを嫌ってな」
「あー……、そりゃあ流石に、うん、ないな。
アルが可哀想だと思ってたけど、情状酌量の余地は無さそうだわ」
……だからか?さっきから違和感あったんだよ。
アルはマーサと面識があるようなことを言いながらも、どこか距離がある関係のように俺に説明していた。
実際は幼馴染なのに、マーサと仲が良いと思われると困るから、関係が浅い振りをしていた……?
「私自身、素材がなくて鍛冶が出来ない苦しみは分かるからよ。アルを責める気はねぇ。責める気はねぇがよ。
トーマの話を聞いてて思ったんだよ。別にミルズレンダに拘らなくても、鍛冶なんてどこででも出来るんだってな。
もしアルが、じゃあ俺も付いていくよ、なんて言ってくれていたら、アルと生きる未来もあったんだろうがよ。
アルがここでしか生きられねぇってんだから、ここで生きられない私と一緒になるのは無理ってもんだろ」
そうだなぁ。実際マーサは素材を回してもらえなくなっても、ずっとここで耐えてきたわけだ。つまり、アルが貰ってくれるのを待っていたと言ってもいい。
言えば確実にOKが貰える状況で、自分の都合を優先させてしまったのが、アルの間違いだったわけだ。
マーサは俺と話しながらもずっと、アルが帰っていった方向を睨み続けていた。
大粒の涙を流しながら。
暮らしていけないなら俺がその分稼ぐから!!俺と一緒に生きていこうよっ!!」
ぶはっ!マジかよアル!
……アルさんや。このタイミングのプロポーズは最悪だと思うんじゃよ。
「だからよぉ。今言ったばっかだろ?私にとって鍛冶は呼吸と一緒なんだよ。
鍛冶をしないで生きていくってのは、私にとっては生きてるって言わねぇんだ。
私は物心がつく前から、金槌握らされて生きてきたんだよ。もう鍛冶無しじゃ生きていけねぇんだ。そういう生きモンなんだよ。職人ってやつぁよ。
ミルズレンダじゃなけりゃあ、アルと生きる未来もあったかも知れねぇがよ。私から鍛冶を奪ったこの街で生きる未来はねぇんだよ。
だって今の私は、生きてるって言えねぇんだからな」
「じゃあ……!じゃあ俺がギルドに掛け合って、マーサルさんに素材を回してもらえるようにしてみせるからさぁ!」
「無理だな。そんなことしたって、お前が首切られて終わるだけだ。
それにさアル。お前にゃ悪いけど、私だって待ってたつもりなんだぜ?シルバーライト級になったのに、仕事を回してもらえなくてさ。それでももう何年も我慢して生きてきたんだよ。
悪いけどさアル。私はもう、待ちくたびれちゃったんだよ。
さっきトーマと話してたとき、久々に、本当に何年振りかに、思いっきり息を吸ったような気分だったんだ。やっぱり私は自由に鍛冶がしたいんだよ。
アルは頑張ってくれたのかも知れねぇ。でももうずっと、私は鍛冶をしてねぇんだよ。もう限界なんだよ。もう待てねぇんだよ。もう耐えられねぇんだよ。
……もう許せねぇんだよ。絶対に許せねぇんだよアル。私から鍛冶を奪ったこのミルズレンダを、私はもう絶対に許せねぇんだ。
アルにはアルの言い分があるんだろうが、私にだって私の言い分があるんだよ。
アルが今まで私を気にかけてくれてた事は感謝してっけどよ。それこそ、それとこれとは話が別なんだよ」
「じゃあ……、じゃあどうすればいいの!?どうすればいいのさ!?どうすればマーサルさんはミルズレンダに居てくれるのさ!?
鍛冶が出来ればいいんでしょ!?だったら絶対に素材回してもらえるようにしてみせるから!!」
「なぁアル。なんでお前は私と一緒にミルズレンダを出て行くって言ってくれないんだ?私が大切なら、お前こそ私についてくればいいだろうが。
それが答えだよアル。お前はミルズレンダを捨てられないんだろう?
私はミルズレンダに捨てられたから、今度は私もミルズレンダを捨てるだけだ。
どれだけ私が苦しんでいるのか知っておきながら、それでも今なお私をミルズレンダに縛り付けることしか考えて無いアルとなんて、一緒に生きていけるわけがないだろ」
ふむ。俺がここにいる意味あるんだろうか?
ただただ気まずいだけなんですけど?なんかアルには申し訳ないことしたなぁって。
ただマーサも言っていた通り、アルがここまでミルズレンダに拘るのも意味わからないんだよな。
ここまで縋りつくくらいなら、マーサが言ったように、マーサと一緒にこの街を出るって選択肢はないんだろうか?
「こんな、こんなことになるなら……。こんなオッサン、紹介するんじゃなかったよ……」
「だからそれもお前の言い分でしかねぇんだよアル。私の言い分もトーマの言い分も無視した、お前のわがままでしかねぇんだ。
お前が私にどんな想いを抱こうがお前の自由だけどよ。それを私が受け止めるかどうかは私の自由なんだよ。私と生きるならミルズレンダを一緒に出よう。そうじゃなければお前の気持ちに私が応えることはありえねぇ」
「それこそ!それこそマーサルさんの言い分だろ!?
俺の気持ちを無視してマーサルさんがわがまま言ってるだけじゃないか!!」
「そうだぜ?私とお前の願いが重なってないってだけだ。それで、お前が私の願いに合わせてくれる気が無いのと同じで、私もお前の願いに譲ってやる気が無いだけだ。
もう今日は帰れよアル。今ここで話したってどうせ平行線だろ。頭冷やして出直して来い」
会話が途切れる。
アルも今これ以上話していても仕方ないと思ったのか、出直すことにしたようだ。
「……マーサルさん。俺は絶対に諦めないからね。ミルズレンダを出て行けるなんて思わないでよ?」
「うるせぇ!とっとと帰れ!
同じことしか言えねぇなら聞く価値もねぇんだよ。私が大人しくしてるうちに帰れっつってんだ」
一度大きく息を吐いて、アルは帰っていった。
なんなんこれ?
ミルズレンダの商工ギルド、めっちゃ利用しにくいんですけど?
「悪かったなトーマ。みっともねぇところを見せちまった」
「全くだよ。勘弁して欲しいわ。
しっかしよ、マーサの言い分は分かるんだけど、なんでアルはあそこまで頑なにミルズレンダを出ようとしないんだ?
横から見ててもちょっと不気味だったんだけど、なにあれ?」
「ああ、簡単な話さ。あいつはギルド員ではあるが、職人でもあるんだよ。
私とアルは幼馴染でな。よく一緒に鍛冶をしたもんさ。
アルも伝統ある工房の跡継ぎの1人で、腕も悪くないんだけどな。ミルズレンダを捨てるって発想がねぇんだよ。そういうモンなんだ。ミルズレンダの職人ってやつぁ」
「……好きな人を諦めてでもミルズレンダにしがみつく気持ちってのは、悪いけど俺にゃあ理解できんな」
「それにさ。アルも鍛冶師なんだよ。今でも家に帰れば普通に鍛冶をしてるんだ。
分かるか?トーマ。あいつ自身が職人のクセに、あいつ自身は毎日なに不自由なく鍛冶をしているのに、それなのにあいつは私にもう少し待っててくれ、今は鍛冶を出来なくても我慢してくれって言うんだぜ?
アルも結局はミルズレンダの鍛冶師なんだよ。私が憎くて憎くてたまらない、この街の職人でしかねぇのさ。
そもそもの話よ。俺のことが好きって言うなら、とっとと俺を貰ってくれりゃあ良かったんだ。そうすれば俺だってアイツの家で、また鍛冶が出来るんだぜ?
…………それなのにアルは、待ってて、待ってて、としか言わないんだよ。
私がこの街でハブられてて、素材を回してもらえないのをアイツは知ってる。職人にとって素材を回してもらえないのは致命的だ。
だからアイツは私を娶るのを拒んでいるんだよ。あいつ自身が干されるのを嫌ってな」
「あー……、そりゃあ流石に、うん、ないな。
アルが可哀想だと思ってたけど、情状酌量の余地は無さそうだわ」
……だからか?さっきから違和感あったんだよ。
アルはマーサと面識があるようなことを言いながらも、どこか距離がある関係のように俺に説明していた。
実際は幼馴染なのに、マーサと仲が良いと思われると困るから、関係が浅い振りをしていた……?
「私自身、素材がなくて鍛冶が出来ない苦しみは分かるからよ。アルを責める気はねぇ。責める気はねぇがよ。
トーマの話を聞いてて思ったんだよ。別にミルズレンダに拘らなくても、鍛冶なんてどこででも出来るんだってな。
もしアルが、じゃあ俺も付いていくよ、なんて言ってくれていたら、アルと生きる未来もあったんだろうがよ。
アルがここでしか生きられねぇってんだから、ここで生きられない私と一緒になるのは無理ってもんだろ」
そうだなぁ。実際マーサは素材を回してもらえなくなっても、ずっとここで耐えてきたわけだ。つまり、アルが貰ってくれるのを待っていたと言ってもいい。
言えば確実にOKが貰える状況で、自分の都合を優先させてしまったのが、アルの間違いだったわけだ。
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