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7章 更なる強さを求めて
198 ヴェルトーガ再訪
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「ま、今日のところは帰るよ。マーサも頭ぐちゃぐちゃだろ?」
失恋した女性は落としやすいとか聞いたことあるけど、もう嫁を増やす気も無いしな。放置するに限る。
「ああ、実際私も今日すぐにここを出るってワケにはいかねぇからな。この街で育った職人として、ちゃんと筋は通さなきゃなんねぇ。
わりぃけど、また明日来てくんねえかな。できれば早い時間の方がいい。
それまでに話つけとくからよ」
「一応確認しておくか。話をつける相手って、どこに話をつけに行くんだ?」
「ああ?挨拶にジジイのところに顔出して、商工ギルドで職人等級を返上してくるんだよ。
これをすっと、もう素材を卸して貰えなくなるんだがよ。今だって素材が回ってこねぇんだから同じだ。
どっちにしてもトーマにゃあ自力で素材を集めさせることになっちまってわりぃんだけどな」
「それは気にしなくていいよ。俺の作業量としては変わらないわけだし。
じゃあもしも明日尋ねてきた時にマーサが居なかった場合は、トレポール工房だったかと、商工ギルドのどっちかに居ると思えばいいんだな?」
「不穏なことを言うんじゃねぇよ。まぁそのどっちかに居るだろうぜ」
明日また来るということで、今日のところは退散することにした。
いやはや、まさかこんな展開になるとは、おっさんびっくりだよ。
なんかなぁ。さっきの話を聞いてしまうと、今までは気持ちよく聞いていた金槌の音も気分悪くなっちゃうよ。消音しちゃおう。
こんな街に長居してもしゃーないな、もうとっととゲート使ってみっか。実は初使用だしな。
ゲートを発動する。
うおおおお!?
これってゲートが開くまで結構時間かかるのに、その間ずっと魔力が消費され続けんのかよ!?
多分もつとは思うけど、結構な消費量じゃねぇのかこれは。
ゲートが開く。まぁ気持ち悪さを感じる手前くらいで開いたな。スキップ2回以上の魔力消費な気がする。
ここから更に通過するほど魔力減るってマジ?
意を決してゲートを通過する。
あ、あれ?思ったほどの消費じゃないな。攻撃魔法1発分以下だ。
確か通行人数が増えるほどに魔力消費も増えるんだったな。
1人で移動するのは問題なかったけど、パーティで移動するのはどうなんだろうなぁ……。
ま、そんなこんなでヴェルトーガに到着しました。
いきなりタイデリア家を訪れるのは失礼にあたりそうだからな。冒険者ギルドにいって連絡取ってもらうのがいいか。
「おお、トーマじゃねぇか!また来いよたぁ言ったけどよ。来るの早すぎだろ!」
がっはっは!と豪快に笑うピリカトさんに、タイデリア家への伝言を頼むことにしよう。
「ちょっと用事があってね。出来ればタイデリア家に連絡を取りたいんだ。訪問の約束を取り付けてもらえないかな?」
「その必要はありませんよトーマさん」
唐突な返事に目を向けると、なんとスカーさんが出てくるではないか。
センサーに引っかからないのはもういいとして、タイミング良過ぎだろ。
絶対監視されてたんだろうな。多分ターミナルに出た人間をチェックしてるんだろう。
「どうもスカーさん。ちょっとディオーヌ様にお願いがあってね。出来れば会う約束を取り付けたいんだけど、大丈夫かな?」
「シンくんが一緒じゃないと嫌がりそうではありますけどね。一応先に、どのようなご用件か伺っても?」
「ああ、ちょっと王国中の魔物素材を集める必要性が出てきてね。魔物の種類や分布に詳しい、研究者とか学者みたいな人を紹介してもらえないかなぁと思ってさ。
俺の知り合いの中では、ディオーヌ様が間違いなく一番顔が広いだろうって思ってね」
「魔物素材が必要ならば、ミルズレンダに行けば良いのでは?あそこには王国全土から最高級の素材が集まりますよ」
「いやいやそれがさぁ。聞いてくれる?」
スカーさんにマーサの話を簡単に説明する。
最高峰の腕を持っているのに、街に嫌われて素材を卸してもらえない一流の職人が居ると。
ちなみにスキルのためだとは言わない。
「そんな話があるのですねぇ……。
まぁ普通の冒険者なら自力での素材集めなんて無謀すぎますけど、トーマさんはゲートが使えますからね。むしろ欲しい素材があれば、入荷するよりも狩りに行った方が効率が良いかもしれませんね。
それではこれから一緒に屋敷へ参りましょうか」
「へ?流石に今日いきなり会えるとは思ってなかったんだけど?」
「いやそれがですね。トーマさん、ベイクで何かやってるでしょう?ディオーヌ様が関心を持っておられましてね。機会があればお話を伺いたいと仰っていたんですよ。
それに……、ちょっとトーマさんの耳に入れておいたほうが良さそうな情報もありまして」
最後の一言だけ、露骨に声を潜めて伝えてくる。
「うっへぇ……。絶対異邦人絡みの厄介事っしょ。
ただまぁ、俺が来るまで待ってたって事は緊急性は無いのかな?
ま、ディオーヌ様に会えるならこっちもありがたいし、お願いしていいかなスカーさん」
「ええ、まだ何かが起こっているという話ではありませんからね。私たちのほうで調査をしているという段階ですので、多分に予想も含まれる情報ですから。
現段階でトーマさんに動いて欲しい訳ではないですし、どう動いてもらうべきかも分かりませんから。
ですが一応、お耳にだけは入れておくべきかな、と。
では表に馬車がおりますので、早速向かいましょう」
連行する気満々じゃねーか!だったら普通にそっちから声かけてくればいいじゃんもう!
はぁ~なに聞かされるんだろうなぁ……。
馬車に乗る前にもう1回ジェネレイトかけ直しとこ。
バフが切れないように、無駄に上書きしまくるバッファーっているよね。俺です。
失恋した女性は落としやすいとか聞いたことあるけど、もう嫁を増やす気も無いしな。放置するに限る。
「ああ、実際私も今日すぐにここを出るってワケにはいかねぇからな。この街で育った職人として、ちゃんと筋は通さなきゃなんねぇ。
わりぃけど、また明日来てくんねえかな。できれば早い時間の方がいい。
それまでに話つけとくからよ」
「一応確認しておくか。話をつける相手って、どこに話をつけに行くんだ?」
「ああ?挨拶にジジイのところに顔出して、商工ギルドで職人等級を返上してくるんだよ。
これをすっと、もう素材を卸して貰えなくなるんだがよ。今だって素材が回ってこねぇんだから同じだ。
どっちにしてもトーマにゃあ自力で素材を集めさせることになっちまってわりぃんだけどな」
「それは気にしなくていいよ。俺の作業量としては変わらないわけだし。
じゃあもしも明日尋ねてきた時にマーサが居なかった場合は、トレポール工房だったかと、商工ギルドのどっちかに居ると思えばいいんだな?」
「不穏なことを言うんじゃねぇよ。まぁそのどっちかに居るだろうぜ」
明日また来るということで、今日のところは退散することにした。
いやはや、まさかこんな展開になるとは、おっさんびっくりだよ。
なんかなぁ。さっきの話を聞いてしまうと、今までは気持ちよく聞いていた金槌の音も気分悪くなっちゃうよ。消音しちゃおう。
こんな街に長居してもしゃーないな、もうとっととゲート使ってみっか。実は初使用だしな。
ゲートを発動する。
うおおおお!?
これってゲートが開くまで結構時間かかるのに、その間ずっと魔力が消費され続けんのかよ!?
多分もつとは思うけど、結構な消費量じゃねぇのかこれは。
ゲートが開く。まぁ気持ち悪さを感じる手前くらいで開いたな。スキップ2回以上の魔力消費な気がする。
ここから更に通過するほど魔力減るってマジ?
意を決してゲートを通過する。
あ、あれ?思ったほどの消費じゃないな。攻撃魔法1発分以下だ。
確か通行人数が増えるほどに魔力消費も増えるんだったな。
1人で移動するのは問題なかったけど、パーティで移動するのはどうなんだろうなぁ……。
ま、そんなこんなでヴェルトーガに到着しました。
いきなりタイデリア家を訪れるのは失礼にあたりそうだからな。冒険者ギルドにいって連絡取ってもらうのがいいか。
「おお、トーマじゃねぇか!また来いよたぁ言ったけどよ。来るの早すぎだろ!」
がっはっは!と豪快に笑うピリカトさんに、タイデリア家への伝言を頼むことにしよう。
「ちょっと用事があってね。出来ればタイデリア家に連絡を取りたいんだ。訪問の約束を取り付けてもらえないかな?」
「その必要はありませんよトーマさん」
唐突な返事に目を向けると、なんとスカーさんが出てくるではないか。
センサーに引っかからないのはもういいとして、タイミング良過ぎだろ。
絶対監視されてたんだろうな。多分ターミナルに出た人間をチェックしてるんだろう。
「どうもスカーさん。ちょっとディオーヌ様にお願いがあってね。出来れば会う約束を取り付けたいんだけど、大丈夫かな?」
「シンくんが一緒じゃないと嫌がりそうではありますけどね。一応先に、どのようなご用件か伺っても?」
「ああ、ちょっと王国中の魔物素材を集める必要性が出てきてね。魔物の種類や分布に詳しい、研究者とか学者みたいな人を紹介してもらえないかなぁと思ってさ。
俺の知り合いの中では、ディオーヌ様が間違いなく一番顔が広いだろうって思ってね」
「魔物素材が必要ならば、ミルズレンダに行けば良いのでは?あそこには王国全土から最高級の素材が集まりますよ」
「いやいやそれがさぁ。聞いてくれる?」
スカーさんにマーサの話を簡単に説明する。
最高峰の腕を持っているのに、街に嫌われて素材を卸してもらえない一流の職人が居ると。
ちなみにスキルのためだとは言わない。
「そんな話があるのですねぇ……。
まぁ普通の冒険者なら自力での素材集めなんて無謀すぎますけど、トーマさんはゲートが使えますからね。むしろ欲しい素材があれば、入荷するよりも狩りに行った方が効率が良いかもしれませんね。
それではこれから一緒に屋敷へ参りましょうか」
「へ?流石に今日いきなり会えるとは思ってなかったんだけど?」
「いやそれがですね。トーマさん、ベイクで何かやってるでしょう?ディオーヌ様が関心を持っておられましてね。機会があればお話を伺いたいと仰っていたんですよ。
それに……、ちょっとトーマさんの耳に入れておいたほうが良さそうな情報もありまして」
最後の一言だけ、露骨に声を潜めて伝えてくる。
「うっへぇ……。絶対異邦人絡みの厄介事っしょ。
ただまぁ、俺が来るまで待ってたって事は緊急性は無いのかな?
ま、ディオーヌ様に会えるならこっちもありがたいし、お願いしていいかなスカーさん」
「ええ、まだ何かが起こっているという話ではありませんからね。私たちのほうで調査をしているという段階ですので、多分に予想も含まれる情報ですから。
現段階でトーマさんに動いて欲しい訳ではないですし、どう動いてもらうべきかも分かりませんから。
ですが一応、お耳にだけは入れておくべきかな、と。
では表に馬車がおりますので、早速向かいましょう」
連行する気満々じゃねーか!だったら普通にそっちから声かけてくればいいじゃんもう!
はぁ~なに聞かされるんだろうなぁ……。
馬車に乗る前にもう1回ジェネレイトかけ直しとこ。
バフが切れないように、無駄に上書きしまくるバッファーっているよね。俺です。
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