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7章 更なる強さを求めて
200 5等級冒険者
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「まだなにが起きたわけでもありませんし、当家としても調査以上のことが出来ませんからね。
ただなんとなく、トーマさんの耳に入れておくべき情報だと感じました。まぁ、勘ですわね」
「勘で人を巻き込まないで下さいよ……。でもまぁ情報提供感謝します。
何を出来るわけでも無いですけど、何か起こると覚悟することはできそうです」
実際出来る事は今のところ無い。ならば戦力の強化に時間を費やすしかないだろう。
マーサの引き抜きは重要だな。装備的な意味で。
結構話し込んでしまったせいか、ディオーヌ様は仕事が立て込んでしまったようだ。つまり俺のために急遽時間を作ってくれたわけだ。本当に完璧超人だなこの人は。
天は二物を与えずとは言うけれど、この人の場合は余計なものまで与えられたって感じだ。
話が終わったので長居は無用。早々に屋敷を出る。アリスと顔合わせるのもなんかヤだしな。
屋敷の外で即ゲートを発動。逃げるようにベイクに戻る。
ベイクに戻ってきて、ようやく人心地ついた気がする。
なんなんだよ今日は!修羅場の連続かよ!
ミルズレンダではプロポーズ失敗を見せ付けられて、ヴェルトーガでは異邦人絡みの事件を知らされて!もういっぱいいっぱいだっつうの!
なんか無性にリーンとトルネの顔が見たくてしょうがない。
もう試験終わったかな?冒険者ギルドに行こう。
冒険者ギルドに入ると、いつもの受付にオーサンがいるのが見えた。ってことは試験は終わってるってことだよな。確かオーサンが試験官って言ってたし。
「お疲れオーサン。みんなは訓練場?」
「おう、ちょうどいいタイミングで来たな。今試験が終わったばっかだ。
お前の予想通り、異風の旋律のメンバーは訓練場にいるぜ」
「そかそかどもどもー」
訓練場に向かう。
訓練場では4人が模擬戦をしているところだった。試験終わったばかりだっていうのに真面目だな。
「みんなお疲れさん。今戻ったよー」
「あ、トーマお帰り。試験は無事終わって、今結果待ちなんだ。そんなに時間はかからないって言われたから、すぐにお呼びがかかると思う。
トーマのほうはどうだった?」
「ぶっちゃけ最悪だったわ。リーントルネー。悪いけどちょっとこっちきてー」
寄ってきた2人をとりあえず抱きしめる。
あぁ、やっぱり落ち着くなぁ。
「ふふ、どうしたのトーマ?私がいなくてそんなに寂しかった?」
「んん……。トーマが甘えてくれることは嬉しいんですけど……。前回こうなったのって、アリスの能力の詳細を聞いた時ですよね。
これからトーマの話を聞くのがちょっと怖いんですけど」
「まぁアリスの話と比べりゃマシなんだけどさー。ほんと最悪だったわ今日1日。手短に話す自信がないから、先にみんなの試験の話聞かせてよ」
「うん。試験はそんなに変わった事はなかったかな。
見たことがないギルド職員さんが4人いてね。その人たちに見られながら、オーサンと模擬戦しただけなの」
「ハルも終始落ち着いて動けていたと思うし、まず合格してると思うよ。
ほらトーマ。そろそろギルドの人が来そうだし、一旦離れてよ。そういうのは帰ってから好きなだけやって」
シンに注意されたので、名残惜しいけど2人と離れる。
「まぁ後で皆にも全部話すけどさぁ。ほんと何なんだよって感じだったよ。
せめて皆が昇級してくれれば、なんだかんだあったけど、昇給出来て良かったね、って終われるんだけど」
「うん。それについてはあんまり心配してないかな?多分ご期待に添えると思う」
なんて言っていたらちょうど良くオーサンがやってきた。
「おう、待たせたなお前ら。ま、心配してないだろうが全員無事に5等級だ。
おめでとさん。これでお前らは俺と対等だ。トーマ以外はな。
5等級からは身分証が変わるぞ」
そう言ってオーサンは皆に身分証を返していく。
新しい身分証は水色っぽい見た目をしている。
今までの黒い身分証と比べて、単純に綺麗に見える。
「試験が必要な等級からは、この水色の『上級身分証』になるんだよ。
今までの身分証と違って、魔法素材入りで綺麗だろ?
これを持ってると社会的信用が全然変わってくるからな」
ま、試験を突破した証だからな。
6等級までは、極端な話をすればポーターだってなれる可能性があるんだもんなぁ。
「お前らなら4等級に上がれる可能性も充分あると思うからよ。気が向いたら申し込んでくれ。
じゃあ俺は戻るわ。試験ご苦労だったな。昇級おめでとう!」
オーサンはまだ勤務中だからか、さっさと戻っていった、
しかし4等級試験ねぇ。ハロイツァが3等級だったことを考えれば、確かに4等級くらいは受かるかもな。
「みんな昇級おめでとう。ま、順当な結果だよな。みんな50階層で戦ってるんだし」
「まぁねぇ。深階層域にいけるのが3等級からって認識だもの。4等級に受かるんじゃないかって言われるのも納得だよ」
「ふふ。トーマお待たせっ。昇級祝いってことで、いっぱい可愛がって欲しいなぁ?」
「そうですね。まだ日も落ちていませんし、かといって迷宮に行くほどの時間でもありません。ここはまた迷宮の安らぎ亭にいきましょうか」
「うん。私は2人と同じじゃなくていいからさ。シン、またあそこに2人で行かない?」
「そうだね。5等級に上がれたし、ハルと一緒にまたあそこに立ってみるのも悪くないかな?」
「あー……、じゃあ夕飯まで自由時間だな。まぁまぁ嫌な話が待ってるから、各々しっかり英気を養ってくるようにな」
シンとハルは手を繋いでどこかにいった。
なんだかんだであの2人も仲良くやってるようでなによりだ。
俺もたちも3人で迷宮の安らぎ亭にチェックインする。
「ふふふ。今日のトーマは本当にあまえんぼさんだね」
「それにしてもトーマっておっぱい好きですよね」
おっぱいを嫌いな男なんていません!
それにそういうトルネこそ手が大好きすぎだろ。
隙があれば手を握ってにぎにぎしてきやがってぇ。
ただなんとなく、トーマさんの耳に入れておくべき情報だと感じました。まぁ、勘ですわね」
「勘で人を巻き込まないで下さいよ……。でもまぁ情報提供感謝します。
何を出来るわけでも無いですけど、何か起こると覚悟することはできそうです」
実際出来る事は今のところ無い。ならば戦力の強化に時間を費やすしかないだろう。
マーサの引き抜きは重要だな。装備的な意味で。
結構話し込んでしまったせいか、ディオーヌ様は仕事が立て込んでしまったようだ。つまり俺のために急遽時間を作ってくれたわけだ。本当に完璧超人だなこの人は。
天は二物を与えずとは言うけれど、この人の場合は余計なものまで与えられたって感じだ。
話が終わったので長居は無用。早々に屋敷を出る。アリスと顔合わせるのもなんかヤだしな。
屋敷の外で即ゲートを発動。逃げるようにベイクに戻る。
ベイクに戻ってきて、ようやく人心地ついた気がする。
なんなんだよ今日は!修羅場の連続かよ!
ミルズレンダではプロポーズ失敗を見せ付けられて、ヴェルトーガでは異邦人絡みの事件を知らされて!もういっぱいいっぱいだっつうの!
なんか無性にリーンとトルネの顔が見たくてしょうがない。
もう試験終わったかな?冒険者ギルドに行こう。
冒険者ギルドに入ると、いつもの受付にオーサンがいるのが見えた。ってことは試験は終わってるってことだよな。確かオーサンが試験官って言ってたし。
「お疲れオーサン。みんなは訓練場?」
「おう、ちょうどいいタイミングで来たな。今試験が終わったばっかだ。
お前の予想通り、異風の旋律のメンバーは訓練場にいるぜ」
「そかそかどもどもー」
訓練場に向かう。
訓練場では4人が模擬戦をしているところだった。試験終わったばかりだっていうのに真面目だな。
「みんなお疲れさん。今戻ったよー」
「あ、トーマお帰り。試験は無事終わって、今結果待ちなんだ。そんなに時間はかからないって言われたから、すぐにお呼びがかかると思う。
トーマのほうはどうだった?」
「ぶっちゃけ最悪だったわ。リーントルネー。悪いけどちょっとこっちきてー」
寄ってきた2人をとりあえず抱きしめる。
あぁ、やっぱり落ち着くなぁ。
「ふふ、どうしたのトーマ?私がいなくてそんなに寂しかった?」
「んん……。トーマが甘えてくれることは嬉しいんですけど……。前回こうなったのって、アリスの能力の詳細を聞いた時ですよね。
これからトーマの話を聞くのがちょっと怖いんですけど」
「まぁアリスの話と比べりゃマシなんだけどさー。ほんと最悪だったわ今日1日。手短に話す自信がないから、先にみんなの試験の話聞かせてよ」
「うん。試験はそんなに変わった事はなかったかな。
見たことがないギルド職員さんが4人いてね。その人たちに見られながら、オーサンと模擬戦しただけなの」
「ハルも終始落ち着いて動けていたと思うし、まず合格してると思うよ。
ほらトーマ。そろそろギルドの人が来そうだし、一旦離れてよ。そういうのは帰ってから好きなだけやって」
シンに注意されたので、名残惜しいけど2人と離れる。
「まぁ後で皆にも全部話すけどさぁ。ほんと何なんだよって感じだったよ。
せめて皆が昇級してくれれば、なんだかんだあったけど、昇給出来て良かったね、って終われるんだけど」
「うん。それについてはあんまり心配してないかな?多分ご期待に添えると思う」
なんて言っていたらちょうど良くオーサンがやってきた。
「おう、待たせたなお前ら。ま、心配してないだろうが全員無事に5等級だ。
おめでとさん。これでお前らは俺と対等だ。トーマ以外はな。
5等級からは身分証が変わるぞ」
そう言ってオーサンは皆に身分証を返していく。
新しい身分証は水色っぽい見た目をしている。
今までの黒い身分証と比べて、単純に綺麗に見える。
「試験が必要な等級からは、この水色の『上級身分証』になるんだよ。
今までの身分証と違って、魔法素材入りで綺麗だろ?
これを持ってると社会的信用が全然変わってくるからな」
ま、試験を突破した証だからな。
6等級までは、極端な話をすればポーターだってなれる可能性があるんだもんなぁ。
「お前らなら4等級に上がれる可能性も充分あると思うからよ。気が向いたら申し込んでくれ。
じゃあ俺は戻るわ。試験ご苦労だったな。昇級おめでとう!」
オーサンはまだ勤務中だからか、さっさと戻っていった、
しかし4等級試験ねぇ。ハロイツァが3等級だったことを考えれば、確かに4等級くらいは受かるかもな。
「みんな昇級おめでとう。ま、順当な結果だよな。みんな50階層で戦ってるんだし」
「まぁねぇ。深階層域にいけるのが3等級からって認識だもの。4等級に受かるんじゃないかって言われるのも納得だよ」
「ふふ。トーマお待たせっ。昇級祝いってことで、いっぱい可愛がって欲しいなぁ?」
「そうですね。まだ日も落ちていませんし、かといって迷宮に行くほどの時間でもありません。ここはまた迷宮の安らぎ亭にいきましょうか」
「うん。私は2人と同じじゃなくていいからさ。シン、またあそこに2人で行かない?」
「そうだね。5等級に上がれたし、ハルと一緒にまたあそこに立ってみるのも悪くないかな?」
「あー……、じゃあ夕飯まで自由時間だな。まぁまぁ嫌な話が待ってるから、各々しっかり英気を養ってくるようにな」
シンとハルは手を繋いでどこかにいった。
なんだかんだであの2人も仲良くやってるようでなによりだ。
俺もたちも3人で迷宮の安らぎ亭にチェックインする。
「ふふふ。今日のトーマは本当にあまえんぼさんだね」
「それにしてもトーマっておっぱい好きですよね」
おっぱいを嫌いな男なんていません!
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