異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

220 銀の乙女

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「トーマさん。ギルドからはこの人たちを推薦するよ。
 そちらのパーティは女性が多いみたいだから、男が多いと不便だろ。
 それにこの人たちは何度も前線に出たこともある実力派だ。トーマさんの依頼も確実にこなせると思う」


 ギルドに紹介されたのは、女性ばかりで構成されたパーティだった。


「えーと、依頼人のトーマだ。初めて国境壁外に行くので、色々分からないことも多い。よろしく頼む」

「へぇ?思ったよりも腰が低いじゃないか。
 私らは女だけ26人も集まって出来た狩猟団『銀の乙女』だよ。
 私はリーダーの『サリサリ』だ。よろしく頼むよ依頼主殿っ!」


 狩猟団に銀の乙女にサリサリね。なんか覚えやすい名前だな。


「なにもわかんないから聞いちゃうけどさ、グリーントーチを狩りにいくのってどのくらい時間かかるのかな?
 数日とかかかるんであれば、こっちも準備したりしなきゃだめなんだけど」

「あっはっは!初々しい質問じゃないか!
 グリーントーチ、っていうかハイブリッドは国境壁の近くにしかいないからね。急げば日没までには帰れるんじゃないかい?」

「えっほんと!?それじゃあこれからすぐ向かって貰ったりとか出来る!?」

「団員全員に通達と、ウチで持ってる馬車の用意があるから少しだけ時間を貰うよ。
 でも日没までに帰ってこれるのは保証してやるよ。グリーントーチなんて大した魔物じゃないしね。
 むしろたった1日で白金貨3枚なんて、破格過ぎて涎が止まらないってもんだ!」


 おおすげぇ。馬車とか所有してるんだ。
 そうだよな。迷宮と違って解体も運搬もしなけりゃ行けないんだから、持ってて当たり前なんだよな。実力派の狩猟団らしいし。

 馬車は勝手に街中を走ることは出来ないそうなので、銀の乙女が準備出来次第、街の入り口で合流することになった。
 銀の乙女の団員の1人に入り口まで案内してもらい、彼女達の準備を待った。

 暇だったので、色々目に付いた食べ物を買い込んでしまったが。


「待たせたねトーマ!さぁ乗んなよ!」


 颯爽と現れたサリサリだったが、俺としては馬車の方に驚いた。
 馬車を引いているのは大型の猫っぽい生き物で、なんかアサルトドラゴンくらいでかい。
 そして引いている馬車もでかくて、26人の女性が乗り込んでいてもまだまだ余裕がある。超巨大馬車だ。
 もう馬車っていうかバス?猫バス?なんか10トントラックの荷台に乗る気分だな。乗ったこと無いけど。

 とりあえず乗り込むか。
 内装はシンプルで、ほとんど荷車に近い。でかい荷車だ。屋根と扉はついてるけど。


「すっげぇな。俺って冒険者だから、こんなでかい馬車初めて見たぜ」

「ああ、冒険者に馬車は必要ないもんねぇ。狩人にだって、こんだけでかい馬車を持ってる奴はそんなにいないよ!
 私達は狩人等級が3等級まで上がってる子も結構居るからね。女しかいないけど結構稼いでるんだよ。
 ま、今回ほど報酬のいい仕事は請けたこと無いけどね。あっはっはっは!」

「狩人等級って、冒険者等級とは別なのか?」


 ベイクでギルドを利用するために登録はしたけど、情報提供だけで満足しちゃって聞くの忘れてたんだよな。


「ああ、狩人等級は5等級から始まるんだよ。冒険者等級が5等級くらいになって初めて、狩人が始められるって言われてるからね。
 とはいえ冒険者を馬鹿にするつもりはないよ。あんたらと私らじゃ狩場が違うってだけさ」


 まぁ確かに迷宮と比べれば、フィールドで戦う狩人のほうが危険度は高いだろうな。

 しっかしこの馬車めっちゃ早いな!?馬が全速力で走ってるような感じなんだけど!?
 しかも恐ろしいことに御者がいないんだよな。まぁ銀の乙女の団員も全く落ち着いてるし問題ないんだろうけど。

 道も大森林って言うくらいだから整備されてないし、大型猫様は猛スピードで失踪するしで馬車の揺れが半端じゃない。
 環境適応のおかげか不快感はないけど、スキルがなかったら何度吐いたかわからんなこれは。


「しっかしすげぇな。こんな悪路を疾走してることもだけど、御者なしで走ってくれるってのはびっくりだよ」

「あはははは!この子は『ペル』って言うんだけどね。うちの27人目の団員ってワケさ!
 先代の団長が大森林の中で、まだ小さかったペルを拾ってね。私達と一緒に育てられたんだよ。
 ま、こんなにでかくなるとは先代も思ってなかったみたいだけどねっ。アハハハハハハハ」


 サリサリは髪もかなり短めに刈り込んでいて、身長も高く筋肉質だ。
 赤い髪をしていて、スタイルはかなり良さそうだ。ただし肌の露出はあまりしていないんだよな。

 銀の乙女の団員はみんな長袖、長ズボンで、スカートだったりビキニアーマーだったりを装備している人は誰もいない。
 まぁ当たり前なんだよな。森の中に入るのに肌を露出させていたら虫とか寄ってくるだろうし。いくら免疫力強化があるとはいえ、自殺行為には変わりないだろう。


「あ、そういえばさ。依頼内容をギルドの人は護衛って言ってたけど、グリーントーチは直接戦わせてくれよ。
 銀の乙女の皆には負担をかけると思うけど、そこだけはよろしく頼むよ」

「あ、そうなのかい?まぁ依頼主殿も6等級だし、ある程度戦えるんだろ。構わないさ。
 ただ危ないと思ったら介入させてもらうからね?
 負担っちゃあ負担だけどさ。白金貨2枚分の内容だと思えば、全然大したことないよ!」


 お、6等級がでしゃばんな!とか言われなくて良かった。ほんとあの豚さんなんなんだよ。


「あ、一応グリーントーチの注意点とか聞いていい?解体して素材が出るなら、そっち系の注意もお願い」

「ん、グリーントーチは動きが早くて集団だってこと以外はさほど怖い相手では無いねぇ。
 素材は毛皮だから、なるべく傷が少ないように仕留められれば、それだけ買い取り額も良くなるよ。
 ハイブリッドやヒュームの肉は食えないから、皮を剥ぎ取ったら埋めていくてところかね?」

「あ、余裕があれば解体も教えてくれよ。もしかしたら狩人の道を志すかもしれないし」

「はは、その歳から狩人を始めるのはキツくないかい?
 まぁ解体を教える分にゃ構わないよ。団の新入りに毎度教えてるからね。慣れたもんさ」


 まだ実力は分からないけど、少なくとも人柄はいいな。
 気安く接してくれるし、かといってぞんざいに扱われているわけでもない。


 ギュ!

 短く何かの鳴き声がした。


「今のはペルの声さ。どうやら近くの魔物がこっちに来てるらしいね。
 グリーントーチだったら、早くも依頼達成で万々歳なんだけどねぇ」


 おお、とうとう初の屋外戦だわ。

 油断しないように油断しないように。
 でもちょっとわくわくするのは止められないな。

 しかし、グリーントーチをはじめ、ハイブリッドの見た目が気になるなぁ。
 猫の亜人まんまだったら、流石に躊躇しちゃいそうだ。
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