異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

239 10日間の成果

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 この10日間、結構頑張った。

 朝のソロ探索も2周のつもりで頑張ったんだけど、結局2周いけたのは55、56階層の2つだけで、スカイサーペントが出てきた57階層からは結局1周ペースに戻ってしまった。
 それでもパーティ探索のペースは落ちなかったので、1日10周ほど探索を繰り返してSPを稼ぎまくった。資金のほうはもう怖くて確認していない。なるべく各地にばら撒いているつもりではあるんだけど。

 とにかくリーンのスネークソードと攻撃範囲拡張のコンボがヤバい。
 切れ味自体もシルバーライト製品と遜色ないというのに、その威力で攻撃範囲が20メートル近いのはやば過ぎると思うんだ。
 その代わりに消費魔力はかなり大きいらしいけど。

 超大型をリーンが優先して落としてくれるし、ジェネレイトを覚えたことで魔力の自然回復量も上がっているからな。
 というか64階層まで潜った今でも、グリーンドラゴンの別格感が凄まじい。


 結局ソロ探索を合わせて、10日間で248624SPまで到達してしまった。
 ミルズレンダで4回襲撃されたようなもんだな。

 こう考えると、この世界の冒険者と俺とでは、迷宮探索のペースが明らかに違いすぎるよな?
 俺って今までで30万SP以上は稼いでいるわけだし、数年以上戦っていた割には蓄積されているSPの量が少なすぎないか?

 あ、蓄積された経験値を全て奪えているワケではない可能性はあるのか。
 それに俺はゲート、スキップ、ストレージという3大空間魔法が使えるわけだしな。
 移動と運搬にかかる人手と時間を節約できている分、他の冒険者よりもかなり効率がいいのか。

 実際、ヴェルトーガに行く前に20階層まで潜っていたころは、攻略階層まで辿り着くだけでも大変だったもんなぁ。
 
 このSPはボールクローグで消費することにする。
 

 これだけ戦ったおかげで、スクロールも結構ボロボロ落ちてくれた。

 新しく手に入った魔法だけでも、範囲攻撃魔法の『落石ロックフォール』『水圧ハイドロプレッシャー』、支援魔法の『運搬キャリー』、『防護プロテクション』、『強化ブースト』、『隔離アイソレーション』、そして待望だった治療魔法の『治癒促進リペア』と『疲労回復リカバリー』と、非常に大量だった。

 キャリーは持ち物の重量軽減、プロテクションは防御力アップ、まぁフラジャイルの逆バージョンだな。ブーストは一時的に身体能力強化の補正を高める効果。
 リペアは自然治癒力上昇効果、リカバリーは怪我や病気は治せないけど、体力を一気に回復させることが出来る。

 シンがキャリーを、リーンがハイドロプレッシャー、トルネがロックフォール、ハルがブーストとプロテクション、そして俺はアイソレーションとリペアとリカバリーを覚えることになった。



◆◆◆◆◆◆

隔離アイソレーション
対象の潜伏を目的とした、支援魔法の1つ。
術者の魔力を代償に、対象の魔力に干渉し、一定時間『隔離』の特殊効果を付与する。
隔離を付与された者は、魔力によるあらゆる感知能力を受け付けなくなる。
五感による感知は無効化できない。
効果持続中に再度魔法を行使すると、効果時間を上書きできる。


治癒促進リペア』  
自然治癒力の促進を目的とした、治療魔法の1つ。
術者の魔力を代償に、対象の自然治癒力を促進させる。
病気の治療は対象外。
欠損の復元は出来ない。
毒・生物などの、体内に入り込んだ異物の除去は出来ない。


疲労回復リカバリー』  
肉体疲労からの回復を目的とした、治療魔法の1つ。
術者の魔力を代償に、対象の失った体力を回復する。
病気の治療、肉体的損傷の治療は対象外。

◆◆◆◆◆◆



 そしてアイソレーションなんだけど、これこそ複合センサーを掻い潜っている能力そのものっぽいな。スキルじゃなくて魔法だったか。
 これは普段使わないで隠しておくほうが良さそうだ。いざって時に頼りたい。

 それに加えて、今まで出たことのあるスクロールも追加でいくつか拾う。
 特筆すべきは俺がエアスクリーンを、トルネがアクアヴェールを覚えたことで、全員が防御魔法を使えるようになったことと、リーネにジェネレイトを覚えてもらったことか。
 魔力が多いリーネとジェネレイトの相性は抜群だし、何日間も遠征する狩人の活動とも親和性が高そうだ。



◆◆◆◆◆◆

風の幕エアスクリーン
風属性の防御魔法の1つ。
術者の魔力を代償に、風属性の幕を生成し、一定範囲を防衛する。
生成された風属性の幕は、一定期間で魔力に還元される。

◆◆◆◆◆◆


 俺たちの他には、栄光の運び手がとうとう8階層まで進出して、カンパニー資金への入金が加速し始めた。他の参加者も少しずつ5階層に進出し始めて、カンパニーの活動はかなり順調と言えそうだ。

 そろそろ別の街でも本格的に支援活動を始めて行きたいところだけど、まずは間近に迫る問題を片付けないとな。
 生活魔法のスクロールもかなり貯まったので、ボールクローグに行く際に銀の乙女へのお土産になりそうだ。


 64階層のソロ探索を終えて帰宅すると、家の前でスカーさんが待っていた。
 旋律の運び手でごった返す家の中には入り辛かったそうで、家の前で簡単に対応することになった。


「やはり異風の旋律の皆さんにはボールクローグに行って頂きたいと思います。
 正直、人為的なものと言われても納得できかねる事態ではあるのですが、偶然でこんなことが起きるとも考えにくく……。
 アリスさんの件を踏まえると、やはり異邦人の特殊能力の可能性が低くないと判断しました」

「ボールクローグに行くのは構わないよ。前もって聞いてたし。
 それで、いったいどんな異変が起こっているのか教えてもらえる?
 そして、俺たちがなにをすればいいのか、または俺たちになにをさせたいのか教えてほしい」


 スカーさん自身まだ半信半疑なのか、少し言い辛そうに口を開いた。


「ボールクローグ周辺で、通常ではありえない速度で迷宮が大量に発生しております……。
 3等級以上の冒険者パーティには既に協力してもらい、迷宮殺しを進めておりますが、対処が追いつかなくなりつつあります。
 異風の旋律には原因の究明と、迷宮殺しへの協力をお願いしたいと思っております」


 迷宮の、大量発生っすかぁ……。

 これが人為的に行えるのが可能になってしまうのはかなりヤバいなぁ。
 迷宮って管理が間に合わなくなると、魔物の氾濫と、周辺地域の魔力の枯渇が起こってしまうんだったか。

 銀の乙女のことがなくても、放置しておける案件ではなさそうだ……。
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