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9章 異邦人が生きるために
閑話030 悪女 ※?視点
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いつも器用貧乏だと言われてきた。
自分でもそう思う。他人って意外と見る目あるよね。
なんでもそつなくこなせるけれど、特に目を引くような力もない。
コツを掴むのは早いけれど、その先には中々進めない。
まさに器用貧乏だよね。別にそれを不満に思った事はないけど。
私には沢山の兄と姉がいて、うちは所謂大家族って奴だった。
殴り合いの喧嘩は当たり前。オモチャもオヤツも早い者勝ち。日常が弱肉強食。
大家族の末っ子だった私は、兄妹達に力ではどうやっても勝てないので、必然的に空気を読むのが得意になった。
正攻法では勝てないので、気付かれないように足を引っ張るのが楽しくなった。
兄弟仲は悪くなかったと思う。
私が器用貧乏になったのは、間違いなく家族のせいだ。
恐ろしい兄妹たちの不興を買わないように過ごさなければならなかったし、どうやっても太刀打ち出来ない歳の離れた兄、姉の存在は、私から挑戦する意欲を奪ってしまったんだと思ってる。
そんな私は日本で命を落としてしまって、異世界で新たな人生を歩める権利を得たらしい。
さて、日本が嫌いだったわけでもないし、特に未練があったわけでもない。
異世界なんてどんなところかも分かったものじゃないし、異世界なんて行かなくても良いかなと思った。
断ろうと思ったときに、ふと思ってしまった。
私の事を誰も知らない世界って、どんな生活が待ってるんだろうって。
思えば我が家はご近所でも有名な大家族だったし、どこに行っても声をかけられた。
学校の先生も、上級生も、私が出会う前から私の評価は定まっていた。
正直な話、器用貧乏で特筆すべき才能もない私にとって、一方的に相手だけに認識されているのは苦痛だった。
似てるとか似てないとか、悪意のない物差しで測られ続ける日々にはウンザリだった。
異世界に行けば、私を知っている人なんて居るわけがない。
我が家の家族と繋がりのある人なんているはずもない。
そう考えると、異世界生活がとても魅力的なものに思えたのよね。
「へぇ? それじゃアンジェは、あまり異世界転移に乗り気じゃなかったんだ?」
「そうなの。今は来て良かったと思ってるよ?
それに名前を変更できたのは有難かったよ~。自分の名前好きじゃなくてさ~」
「アンジェって名前変更してたんだね。僕は名前を変えようとか思わなかったな」
「アラタは別に変な名前じゃないでしょっ。私は天使って書いてエンジェルって名前だったのよ?
キラキラネームって言われるし名前負けって言われるし、ホント良いことなかったのっ」
「あー日本ではちょっと浮いてるかもねぇ。なるほど。だからアンジェって名前にしたんだね」
最近知り合ったアラタは私と同じく日本からの転移者で、歳も近くて話しやすい。
神様から貰った能力も強力で、パートナーとして申し分ない存在だった。
アラタと出会えたのはラッキーだったわ。ま、私の能力のおかげでもあるんでしょうけど。
「それで、ほんとにベイクには行かなくていいの? なんか色々教えてもらえるらしいじゃん?」
「私達には必要ないんじゃない? アラタがどうしても行きたいなら行ってきても良いけど、私は遠慮させてもらうわよ? 必要性を感じないし、アラタさえいれば戦力的にも不安はないし」
「ま、僕たちは生活に困ってるわけじゃないもんね。むしろ順調なくらいだと思うし、必要ないか。
でもアンジェが頑なに行きたがらない理由は聞いてもいいかな?」
「ん。大した理由じゃないよ? 私は単に集団生活が好きじゃないだけなの。
家族も多かったし、集団生活に慣れてはいるんだけどね。好きじゃないのよ」
アラタはぽかんとした顔で私を見る。
そんなに変なこと言ってないしょ? なんなのそのリアクション。
「いや意外だなって思ってさ。 アンジェっと凄い周りに気を遣ってるし、細かい気配りも出来るじゃん。
だから集団生活の方が向いてると思ってたんだけど、アンジェが嫌がったのがイメージと違って驚いた」
「そう! まさに細かい気配りとかそういうの嫌いなのよねー。
私が細かいところに目を走らせるのは、家族達を出し抜くためだったからさぁ。集団の中にいると、そういうの目に入っちゃって落ち着かないのよ」
「ははは! 気が利くっていうのも考えものだね。僕は割と大雑把だから、そういうのわかんないかな」
「アラタが大雑把とかなんの冗談? 貴方は興味がない事にとことん興味を持たないだけでしょう。
貴方の集中力は怖いとさえ思うわよ? SP稼ぎも順調なんでしょ?」
「まぁねー! 40階層は超えたし、これからもっと早くなると思うよ!
アンジェを守りながらでも、30階層は余裕かなー?」
器用貧乏の私には、アラタの成長速度には追い縋る事さえ出来ない。
私はそれでもいいと思ってるし、アラタも不満を言ってきた事はない。
私達はウマが合うというか、相性が良い。
「まずは迷宮の1番奥くらいまでは行けるようにならないとね。
スタンピードの時に見たドラゴン、アイツを倒せるようにならないと、1番になんてなれない」
「そうね。まずは実力不足を補いましょう。何をするにしても戦闘力は大切よ。
作戦を立てても実行できる実力がなければ無意味だし、実力があれば立てられる作戦もグンと増える。
――――ベイクに異邦人を集めている人は、恐らくこれから大きな事を計画しているはずよ。その時に備えて、今は少しでも戦闘力の向上を目指しましょ」
「そうだね。別に焦りも後悔もないけど、僕にはあまり無駄に出来る時間がない。準備に時間をかけるのは我慢できるけど、敗北者として過ごす時間は許容できない。
ま、時間がないからこそ、後先考えずに自分の欲求に従って生きれるってものだよ。はは」
「相変わらずアラタの割り切り方は凄いわね。尊敬するわ。
それと、感謝もしてる。私みたいな異常者、きっと理解してくれる人は現れないって思ってたもの。
あの日アラタと会えたのは、私にとっての最大の幸運だったわ」
「ははは。あまり買いかぶられても困るよ? 君の事をちゃんと理解出来ている自信もないしね。
でも君の話を聞いたとき、楽しく生きられそうだって思ったんだ。どうせ2度目の人生だし、君と一緒に太く短く生きるのも悪くないってね」
「私1人じゃ大したことも出来ずに、ひっそりと死んでたんじゃないかしら?
アラタみたいな人、本当なら私みたいな悪女に引っかかって欲しくないんだけどね。
本人が納得してくれてるみたいだし、有難く協力してもらうことにしたの」
「悪女! 面白いね! 天使って名前の悪女なんて、洒落が聞いてるよ!」
「ええ。だから名前はずっとコンプレックスだったのよねぇ……。
人の足を引っ張るのが好きで好きで堪らない、私みたいな悪女の名前が天使だなんて、ねぇ?」
歳の離れた兄と姐の存在は、幼い私にとって絶対的な強者だった。
私はもう覚えていないくらい幼い頃に、自分の成長を諦めた。
私がどれだけ努力しても、この人たちには絶対に勝てないんだろうって。
そこで終わっておけばいいものを、私は違う方向に答えを見つけてしまった。
私が勝つことが出来ないのなら、相手に負けてもらえば良いんだって。
我ながら嫌になる。最低の人間だと思う。
他人に迷惑をかけたいわけではないのだけれど、どうしてもこの衝動を抑えられない。
絶対的強者を、私に負けさせる。
日本には、私の興味を引く存在は残っていなかった。
異世界に来て、スタンピードで死者を出さず、伝説の竜王さえ退けた最強のパーティ……。
ああ、想像しただけでゾクゾクしちゃう!
そんな絶対的なパーティを、私の手で負けさせたい……!
はぁ。私って、なんて社会不適合者なんだろ……。
こんなだから異世界に飛ばされちゃったのかも知れないなぁ……。
自分でもそう思う。他人って意外と見る目あるよね。
なんでもそつなくこなせるけれど、特に目を引くような力もない。
コツを掴むのは早いけれど、その先には中々進めない。
まさに器用貧乏だよね。別にそれを不満に思った事はないけど。
私には沢山の兄と姉がいて、うちは所謂大家族って奴だった。
殴り合いの喧嘩は当たり前。オモチャもオヤツも早い者勝ち。日常が弱肉強食。
大家族の末っ子だった私は、兄妹達に力ではどうやっても勝てないので、必然的に空気を読むのが得意になった。
正攻法では勝てないので、気付かれないように足を引っ張るのが楽しくなった。
兄弟仲は悪くなかったと思う。
私が器用貧乏になったのは、間違いなく家族のせいだ。
恐ろしい兄妹たちの不興を買わないように過ごさなければならなかったし、どうやっても太刀打ち出来ない歳の離れた兄、姉の存在は、私から挑戦する意欲を奪ってしまったんだと思ってる。
そんな私は日本で命を落としてしまって、異世界で新たな人生を歩める権利を得たらしい。
さて、日本が嫌いだったわけでもないし、特に未練があったわけでもない。
異世界なんてどんなところかも分かったものじゃないし、異世界なんて行かなくても良いかなと思った。
断ろうと思ったときに、ふと思ってしまった。
私の事を誰も知らない世界って、どんな生活が待ってるんだろうって。
思えば我が家はご近所でも有名な大家族だったし、どこに行っても声をかけられた。
学校の先生も、上級生も、私が出会う前から私の評価は定まっていた。
正直な話、器用貧乏で特筆すべき才能もない私にとって、一方的に相手だけに認識されているのは苦痛だった。
似てるとか似てないとか、悪意のない物差しで測られ続ける日々にはウンザリだった。
異世界に行けば、私を知っている人なんて居るわけがない。
我が家の家族と繋がりのある人なんているはずもない。
そう考えると、異世界生活がとても魅力的なものに思えたのよね。
「へぇ? それじゃアンジェは、あまり異世界転移に乗り気じゃなかったんだ?」
「そうなの。今は来て良かったと思ってるよ?
それに名前を変更できたのは有難かったよ~。自分の名前好きじゃなくてさ~」
「アンジェって名前変更してたんだね。僕は名前を変えようとか思わなかったな」
「アラタは別に変な名前じゃないでしょっ。私は天使って書いてエンジェルって名前だったのよ?
キラキラネームって言われるし名前負けって言われるし、ホント良いことなかったのっ」
「あー日本ではちょっと浮いてるかもねぇ。なるほど。だからアンジェって名前にしたんだね」
最近知り合ったアラタは私と同じく日本からの転移者で、歳も近くて話しやすい。
神様から貰った能力も強力で、パートナーとして申し分ない存在だった。
アラタと出会えたのはラッキーだったわ。ま、私の能力のおかげでもあるんでしょうけど。
「それで、ほんとにベイクには行かなくていいの? なんか色々教えてもらえるらしいじゃん?」
「私達には必要ないんじゃない? アラタがどうしても行きたいなら行ってきても良いけど、私は遠慮させてもらうわよ? 必要性を感じないし、アラタさえいれば戦力的にも不安はないし」
「ま、僕たちは生活に困ってるわけじゃないもんね。むしろ順調なくらいだと思うし、必要ないか。
でもアンジェが頑なに行きたがらない理由は聞いてもいいかな?」
「ん。大した理由じゃないよ? 私は単に集団生活が好きじゃないだけなの。
家族も多かったし、集団生活に慣れてはいるんだけどね。好きじゃないのよ」
アラタはぽかんとした顔で私を見る。
そんなに変なこと言ってないしょ? なんなのそのリアクション。
「いや意外だなって思ってさ。 アンジェっと凄い周りに気を遣ってるし、細かい気配りも出来るじゃん。
だから集団生活の方が向いてると思ってたんだけど、アンジェが嫌がったのがイメージと違って驚いた」
「そう! まさに細かい気配りとかそういうの嫌いなのよねー。
私が細かいところに目を走らせるのは、家族達を出し抜くためだったからさぁ。集団の中にいると、そういうの目に入っちゃって落ち着かないのよ」
「ははは! 気が利くっていうのも考えものだね。僕は割と大雑把だから、そういうのわかんないかな」
「アラタが大雑把とかなんの冗談? 貴方は興味がない事にとことん興味を持たないだけでしょう。
貴方の集中力は怖いとさえ思うわよ? SP稼ぎも順調なんでしょ?」
「まぁねー! 40階層は超えたし、これからもっと早くなると思うよ!
アンジェを守りながらでも、30階層は余裕かなー?」
器用貧乏の私には、アラタの成長速度には追い縋る事さえ出来ない。
私はそれでもいいと思ってるし、アラタも不満を言ってきた事はない。
私達はウマが合うというか、相性が良い。
「まずは迷宮の1番奥くらいまでは行けるようにならないとね。
スタンピードの時に見たドラゴン、アイツを倒せるようにならないと、1番になんてなれない」
「そうね。まずは実力不足を補いましょう。何をするにしても戦闘力は大切よ。
作戦を立てても実行できる実力がなければ無意味だし、実力があれば立てられる作戦もグンと増える。
――――ベイクに異邦人を集めている人は、恐らくこれから大きな事を計画しているはずよ。その時に備えて、今は少しでも戦闘力の向上を目指しましょ」
「そうだね。別に焦りも後悔もないけど、僕にはあまり無駄に出来る時間がない。準備に時間をかけるのは我慢できるけど、敗北者として過ごす時間は許容できない。
ま、時間がないからこそ、後先考えずに自分の欲求に従って生きれるってものだよ。はは」
「相変わらずアラタの割り切り方は凄いわね。尊敬するわ。
それと、感謝もしてる。私みたいな異常者、きっと理解してくれる人は現れないって思ってたもの。
あの日アラタと会えたのは、私にとっての最大の幸運だったわ」
「ははは。あまり買いかぶられても困るよ? 君の事をちゃんと理解出来ている自信もないしね。
でも君の話を聞いたとき、楽しく生きられそうだって思ったんだ。どうせ2度目の人生だし、君と一緒に太く短く生きるのも悪くないってね」
「私1人じゃ大したことも出来ずに、ひっそりと死んでたんじゃないかしら?
アラタみたいな人、本当なら私みたいな悪女に引っかかって欲しくないんだけどね。
本人が納得してくれてるみたいだし、有難く協力してもらうことにしたの」
「悪女! 面白いね! 天使って名前の悪女なんて、洒落が聞いてるよ!」
「ええ。だから名前はずっとコンプレックスだったのよねぇ……。
人の足を引っ張るのが好きで好きで堪らない、私みたいな悪女の名前が天使だなんて、ねぇ?」
歳の離れた兄と姐の存在は、幼い私にとって絶対的な強者だった。
私はもう覚えていないくらい幼い頃に、自分の成長を諦めた。
私がどれだけ努力しても、この人たちには絶対に勝てないんだろうって。
そこで終わっておけばいいものを、私は違う方向に答えを見つけてしまった。
私が勝つことが出来ないのなら、相手に負けてもらえば良いんだって。
我ながら嫌になる。最低の人間だと思う。
他人に迷惑をかけたいわけではないのだけれど、どうしてもこの衝動を抑えられない。
絶対的強者を、私に負けさせる。
日本には、私の興味を引く存在は残っていなかった。
異世界に来て、スタンピードで死者を出さず、伝説の竜王さえ退けた最強のパーティ……。
ああ、想像しただけでゾクゾクしちゃう!
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