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10章 壁外世界
391 自然環境
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『水中呼吸』の条件を見れば、今回新しく表示された理由は分かる。
でも『免疫力強化:大』『環境適応:大』の2つが唐突に現れた理由は何だ?
『5つの自然環境を体験すること』ってどういうことだ?
『環境適応:中』の取得条件は『リヴァーブ王国領の外に出ること』。自然環境なんて文言はない。
まぁ国境壁の外は全部別の自然環境だとは言えるよな。森林、山岳、砂漠、海。そして王国領は多分、平原とか平野に類する自然環境だと言える。
リヴァーブ王国領を出る事は、他の自然環境に触れること……?
自然環境って、エリアのことを指しているのか……?
そう考えると、今までヴェルトーガには何度も行ったけど海に入っていなかったので、条件を満たすことが出来てなかった……、のか?
ルイナスリームに行った時も、雪には触れても砂漠エリアから出ていなかったから、条件を満たせていなかった。
今回は明確にヴェルトーガから海に入ったもんな。あれがトリガーになったってわけか。
しかし神様。エリアごとに環境が固定されるとか、完全にゲームそのものじゃないですか。
ここは頑張って、オリジナリティ出すところだったんじゃないですかねぇ?
翌朝、朝食の時に新スキルについて報告する。
「シン。今日はヴェルトーガに行ったら祝福の儀を受けるぞ。『水中呼吸』『免疫力強化:大』『環境適応:大』の3つが出てた。シンも条件を満たしてるはずだ」
「『水中呼吸』はかなりありがたいね。それの有る無しじゃ、水中での戦闘が可能かどうかが変わってくるでしょ」
「すすす、『水中呼吸』って何すか!? まじっすか!? ボンベ要らずっすか!?」
「あー、アサヒって海大好きだったのよねぇ。確かにボンベ無しで無制限に潜れるのは魅力的ね。取得条件は教えてもらえるの?」
「ああ。『環境適応:中』を持ってて、水中で魔物を倒せばいいらしい。ただ必要SPが10万と、結構重いな」
「うん。私たちは完全に感覚が壊れちゃってるけど、10万SPって凄い量だもんね」
「確か50階層ソロで回って3000SPくらいだったはずだから、真面目に探索してる2人ならいずれ取れるさ。無理はしないでくれよ?」
「う~。まぁそうっすね。スキルは逃げないっすし、スキップのおかげでSP稼ぎも楽になってきたっすし、焦らずがんばるっすよ」
無理して2人に何かあったら、俺も立ち直る自信がないわ。
「あ、そう言えばスキップで思い出しました。どうやら栄光の運び手が30階層を越えたみたいですね。
オーサンのSP稼ぎも捗ってるみたいですよ」
「おー、栄光の運び手のペースも悪くないなー。オーサンもマジでもっとスキル取るつもりなんだ。スキップがあればこそだな」
「ヴェルトーガで騒動に巻き込まれたからこその、私達の急成長だったんだねー。あの時ハルを見つけてほんと良かったよー」
「院に居た子たちが30階層を越えるとか、実際に見ても信じられないくらいだよ……。
って、そういえば救貧院も建て替えて新しくするんだって、シスターが言ってたよ……」
あー。19人も30階層以上に、しかもスキップ使って潜ってるんだもんな。救貧院にはめちゃくちゃお金入ってそう。
一応救貧院って国の管轄だったと思うけど、増改築とかは勝手にやっていいのかな? それともちゃんと許可取ったのか。普通に考えれば許可取ったんだろうな。
「改めて考えると、スキップって必須魔法だったよなぁ? トーマの言う事を疑ってたわけじゃねぇけどよ。スキップオーブの登場は大袈裟じゃなく、冒険者の常識を激変させる出来事だったと思うぜ?」
ふわわとつららを肩に乗せたマーサの言う通り、スキップオーブがなかったら、冒険者達を強化するのって難しかっただろうな。
他の冒険者サボりすぎとか思っててマジ申し訳ない。毎回の上り下りがないことがどれ程恵まれていたか、スキップオーブを作って改めて実感することになってしまった。
しかしふわわとつららがマーサの装備品みたいになってるな。この2匹、魔装術対応武器も身につけてるし。
朝の雑談も終わり、女性陣と男性陣で分かれる。
俺とシンはヴェルトーガのスキル神殿に行き、該当スキルをぽいぽいっと取得する。
毎日2人ともソロ探索するからSPが余ってたわけだが、ユリバファルゴアってあれだけの化け物なのに、15万SPしかくれなかったんだよね。
いや単体の魔物としては史上最高だったけど、難易度を考えると納得いかねぇわ。100万くらい寄越せと言いたい。
3つともスキルを取得すると、任意切り替え型スキルに新しいスキルが出現した。
◆◆◆◆◆◆
『水中視』 (必要SP100000)
水中でも地上と同じ視界を得る。
任意切り替え型。
取得条件
『水中呼吸』、『遠見』の2つを取得すること。
◆◆◆◆◆◆
『水中視』来た! というか、やっぱり環境適応とは別の専用スキルがあったのか。
「シンって『遠見』持ってたっけ? 持ってなかったら『遠見』と『水中視』も意識してくれ。
これらが取れれば、水中戦闘の難易度がぐっと下がる」
「『水中視』だね。了解。なんだか水の中は専用スキルが多いんだねぇ」
まったくだな。もしかしたら他にも、限定環境下で影響するスキルもあるのかな?
吹雪エリアは環境適応で寒くなかったしなぁ。線引きがわからん。
『水中視』、『水中呼吸』、『環境適応:大』の3つで、恐らく深海まで引っ張られても即死はしなくなったと思う。『暗視』が水中でも適用されてたのは検証済み。あとは『水中視』とも一緒に使えるのであれば、深海での戦闘も一気に現実味を帯びる。
識別で、シンも問題なくスキルを取得できた事を確認。
しかし生身で潜って深海生物と戦うことになるとはなぁ。
水圧は環境適応で防げると信じたい……!
でも『免疫力強化:大』『環境適応:大』の2つが唐突に現れた理由は何だ?
『5つの自然環境を体験すること』ってどういうことだ?
『環境適応:中』の取得条件は『リヴァーブ王国領の外に出ること』。自然環境なんて文言はない。
まぁ国境壁の外は全部別の自然環境だとは言えるよな。森林、山岳、砂漠、海。そして王国領は多分、平原とか平野に類する自然環境だと言える。
リヴァーブ王国領を出る事は、他の自然環境に触れること……?
自然環境って、エリアのことを指しているのか……?
そう考えると、今までヴェルトーガには何度も行ったけど海に入っていなかったので、条件を満たすことが出来てなかった……、のか?
ルイナスリームに行った時も、雪には触れても砂漠エリアから出ていなかったから、条件を満たせていなかった。
今回は明確にヴェルトーガから海に入ったもんな。あれがトリガーになったってわけか。
しかし神様。エリアごとに環境が固定されるとか、完全にゲームそのものじゃないですか。
ここは頑張って、オリジナリティ出すところだったんじゃないですかねぇ?
翌朝、朝食の時に新スキルについて報告する。
「シン。今日はヴェルトーガに行ったら祝福の儀を受けるぞ。『水中呼吸』『免疫力強化:大』『環境適応:大』の3つが出てた。シンも条件を満たしてるはずだ」
「『水中呼吸』はかなりありがたいね。それの有る無しじゃ、水中での戦闘が可能かどうかが変わってくるでしょ」
「すすす、『水中呼吸』って何すか!? まじっすか!? ボンベ要らずっすか!?」
「あー、アサヒって海大好きだったのよねぇ。確かにボンベ無しで無制限に潜れるのは魅力的ね。取得条件は教えてもらえるの?」
「ああ。『環境適応:中』を持ってて、水中で魔物を倒せばいいらしい。ただ必要SPが10万と、結構重いな」
「うん。私たちは完全に感覚が壊れちゃってるけど、10万SPって凄い量だもんね」
「確か50階層ソロで回って3000SPくらいだったはずだから、真面目に探索してる2人ならいずれ取れるさ。無理はしないでくれよ?」
「う~。まぁそうっすね。スキルは逃げないっすし、スキップのおかげでSP稼ぎも楽になってきたっすし、焦らずがんばるっすよ」
無理して2人に何かあったら、俺も立ち直る自信がないわ。
「あ、そう言えばスキップで思い出しました。どうやら栄光の運び手が30階層を越えたみたいですね。
オーサンのSP稼ぎも捗ってるみたいですよ」
「おー、栄光の運び手のペースも悪くないなー。オーサンもマジでもっとスキル取るつもりなんだ。スキップがあればこそだな」
「ヴェルトーガで騒動に巻き込まれたからこその、私達の急成長だったんだねー。あの時ハルを見つけてほんと良かったよー」
「院に居た子たちが30階層を越えるとか、実際に見ても信じられないくらいだよ……。
って、そういえば救貧院も建て替えて新しくするんだって、シスターが言ってたよ……」
あー。19人も30階層以上に、しかもスキップ使って潜ってるんだもんな。救貧院にはめちゃくちゃお金入ってそう。
一応救貧院って国の管轄だったと思うけど、増改築とかは勝手にやっていいのかな? それともちゃんと許可取ったのか。普通に考えれば許可取ったんだろうな。
「改めて考えると、スキップって必須魔法だったよなぁ? トーマの言う事を疑ってたわけじゃねぇけどよ。スキップオーブの登場は大袈裟じゃなく、冒険者の常識を激変させる出来事だったと思うぜ?」
ふわわとつららを肩に乗せたマーサの言う通り、スキップオーブがなかったら、冒険者達を強化するのって難しかっただろうな。
他の冒険者サボりすぎとか思っててマジ申し訳ない。毎回の上り下りがないことがどれ程恵まれていたか、スキップオーブを作って改めて実感することになってしまった。
しかしふわわとつららがマーサの装備品みたいになってるな。この2匹、魔装術対応武器も身につけてるし。
朝の雑談も終わり、女性陣と男性陣で分かれる。
俺とシンはヴェルトーガのスキル神殿に行き、該当スキルをぽいぽいっと取得する。
毎日2人ともソロ探索するからSPが余ってたわけだが、ユリバファルゴアってあれだけの化け物なのに、15万SPしかくれなかったんだよね。
いや単体の魔物としては史上最高だったけど、難易度を考えると納得いかねぇわ。100万くらい寄越せと言いたい。
3つともスキルを取得すると、任意切り替え型スキルに新しいスキルが出現した。
◆◆◆◆◆◆
『水中視』 (必要SP100000)
水中でも地上と同じ視界を得る。
任意切り替え型。
取得条件
『水中呼吸』、『遠見』の2つを取得すること。
◆◆◆◆◆◆
『水中視』来た! というか、やっぱり環境適応とは別の専用スキルがあったのか。
「シンって『遠見』持ってたっけ? 持ってなかったら『遠見』と『水中視』も意識してくれ。
これらが取れれば、水中戦闘の難易度がぐっと下がる」
「『水中視』だね。了解。なんだか水の中は専用スキルが多いんだねぇ」
まったくだな。もしかしたら他にも、限定環境下で影響するスキルもあるのかな?
吹雪エリアは環境適応で寒くなかったしなぁ。線引きがわからん。
『水中視』、『水中呼吸』、『環境適応:大』の3つで、恐らく深海まで引っ張られても即死はしなくなったと思う。『暗視』が水中でも適用されてたのは検証済み。あとは『水中視』とも一緒に使えるのであれば、深海での戦闘も一気に現実味を帯びる。
識別で、シンも問題なくスキルを取得できた事を確認。
しかし生身で潜って深海生物と戦うことになるとはなぁ。
水圧は環境適応で防げると信じたい……!
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