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11章 新たな都市の建設
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翌日にルイナスリームを確認してみたところ、まだ迷宮は発生していなかった。
今のところタケルが通う必要はなさそうなので、ひとまずタケルは普通に過ごしてもらっている。
さてと、とりあえずグレンガに話を聞きにいくかな。
「ほう。新しい都市にスキル神殿をな。トーマ殿は凄い人物になったものだ。
とはいえスキル神殿もスキル担当官も、それぞれ独断では動けないからな。済まぬが王都にお伺いを立てて欲しい」
「王都の管轄なんだな。了解だ。
ちなみに知ってたら教えて欲しいんだけどさ。祝福の儀と識別に使う儀式魔法陣、もっと大きくする事は不可能なのかな?」
「ふむ? 魔法陣の大きさは変えられると聞いたことがあるが、ワシは詳しくは知らないな。
貴重な素材を使うらしく、1つの素材で最大まで広げたのが神殿に設置してある魔法陣だと記憶している。
逆説的に、素材さえ用意できれば広げられるのではないかな? そこも王都で聞いてみると良いだろう」
貴重な素材って、心核のことなんだろうか?
心核だと仮定するなら、儀式魔法陣を拡張できる可能性は高まるな。
「色々ありがとうグレンガ。利用者でもないのに朝っぱらからお邪魔して悪かった」
「なぁに。トーマ殿が広めたスキップオーブのおかげで、スキル神殿の利用者は増え続けているから心配ない。
それ以前にも救貧院の子供たちにも助力してくれたおかげで、以前と比べてベイクのスキル神殿の売り上げは多いからな。感謝しておるくらいだ。
問題があるとすれば、やはり人手であろうな。今はまだ大丈夫であるが、これ以上利用者が増えるとどうしても対応出来ん」
人手、か。今後異邦人が増えたりベビーブームが来るにしても、生活インフラを担う人手が足りないのは不味い。
これも何か考えないといけないんだろうな。
グレンガと別れ、まずはネヴァルドの冒険者ギルドから王家宛に、スキル神殿設立に関する対応をお願いしたいことを言付ける。流石に当日対応は申し訳ないので、返事は明日冒険者ギルドで受け取ることにする。
さて、少し手が空いてしまったなぁ。
せっかくだし、ディオーヌ様に依頼されている中継スポットの建設でもするか。
ベイクに寄って、マーサにターミナルを作ってもらう。
心核は確実に減ってはいるけど、まだまだ余裕がある。ルイナスリームに必要な分は手持ちで足りてくれるといいけど、儀式魔法陣の拡張に必要になってくると分からないな。
祝福の儀と識別、2つの儀式魔法陣が必要になるわけだし。
ターミナルを持って海の別荘へ。
う~ん。ターミナルを手に持ってゲートで移動するのってなんか変な感じ。
とりあえずターミナルは別荘に置いて、まずは設置場所を作らないとな。
別荘があるのとは反対側に行き、島の様子を確かめてみるも、やはりこちらも見事な断崖絶壁。
そのまま島の外周をぐるりと回ってみたけれど、まさに天然の要塞と呼ぶに相応しい、完全な断崖絶壁に覆われた島だった。
う~ん。これってどう捉えればいいかなぁ。
単に神様がこういう地形として設置したってだけなら話は簡単なんだけど、これくらい島が削れるほどの波が来る可能性があるのだとすると、少し考える必要がありそうだ。
そもそも船をつけれる場所もねぇんだよな。
断崖絶壁に船を寄せたら、停泊中にバラバラになってそうだ。
ここはリモデリングで、停泊場所から作る必要がありそうだなぁ……。
まず断崖絶壁に、大型船が複数入れるくらいの大きさをイメージして穴を開けていく。
リモデリングで余った岩を外側に寄せていき、強度の補強も狙う。補強されてたらいいなぁ。
あまり大穴を空けると強度的に厳しいかもしれないので、内部に比べて入り口は多少狭めておこうかな。波対策にもなるかもしれないし。
イメージするのは船のまま入れる洞窟。
青の洞窟みたいに出来ればいいけど、この世界は物理法則からして怪しいからな。あまり期待はしないでおこう。
奥の壁に階段を作って、ターミナルの設置場所は天井付近に作る。
この世界に波の浸食があるかわかんないんだよなぁ。
風は常に吹いてるんだろうけど、天候の変化とか嵐とか、この世界にあるんだろうか?
ま、用心に越した事はないだろうってことで、なるべく高い位置にターミナルを避難させたのだ。
さて、設置場所が出来たのはいいんだけど、ここまでどうやってターミナルを運び込むかなぁ。
船が入れるようにって結構な深さにしちゃったから、足なんて全然つかないし。
一か八かで海中に入れて運搬して、ターミナルをダメにしてしまう事態は避けたい。これからルイナスリームで心核を大量に消費する可能性があるんだからな。
まぁ……。迷宮の厳選作業でまた補充できるかもしれないけどさ。
「あ、そうか」
透月で氷を作って、そこに浮かべればいいのか。
俺とシンが乗っても大丈夫な氷は既に作ったことあるしな。
いや? もしかして、海面を全て凍らせたりとか、出来るんじゃ……?
ターミナル設置予定地に立ち、透月に魔力を込めていく。
海面を凍らせたいんだから、海に入って発動したらただの豪快な自殺だからな。
今回イメージするのは、斬った物を凍らせる斬撃ではなくて、触れた物を全て凍らせる凍てつく波動。
殺傷能力よりも凍結能力を優先。
狙った場所を凍らせるのではなく、なるべく広範囲の凍結を狙う。
目指すは、洞窟内の海面の凍結だ。
海の凍結。そう聞いて俺がイメージするのはあれしかないな。
透月に込めた魔力を、海面に向けてゆっくりと放つ。
「『ブライニクル』」
透月からゆったりとした魔力の塊が飛んでいく。
その魔力が海面に触れた途端、魔力を中心に海面が凍りついていく。
その凍結は、海面を伝わり洞窟内の壁を登って、俺が立っている場所まで迫って……、ってやっべ!?
熱魔法を全力で使用して、ブライニクルの凍結効果に抗う。
やべぇマジで魔力込めすぎた!
その後数分間、自分の放ったブライニクルと戦うことになってしまった。
凍結範囲も当然洞窟内で収まっておらず、かなりの広範囲の海面を凍結させてしまった。
ウミガメさんに怒られる前に、必要分を残して熱魔法で溶かしていく。
ダメだ。心核武器を軽い気持ちで使っちゃいけない。
その後、無事に洞窟内にターミナルを設置、有効化できたけれど、なんか無駄に疲れてしまった。
無駄に自殺しかけたわ……。
今のところタケルが通う必要はなさそうなので、ひとまずタケルは普通に過ごしてもらっている。
さてと、とりあえずグレンガに話を聞きにいくかな。
「ほう。新しい都市にスキル神殿をな。トーマ殿は凄い人物になったものだ。
とはいえスキル神殿もスキル担当官も、それぞれ独断では動けないからな。済まぬが王都にお伺いを立てて欲しい」
「王都の管轄なんだな。了解だ。
ちなみに知ってたら教えて欲しいんだけどさ。祝福の儀と識別に使う儀式魔法陣、もっと大きくする事は不可能なのかな?」
「ふむ? 魔法陣の大きさは変えられると聞いたことがあるが、ワシは詳しくは知らないな。
貴重な素材を使うらしく、1つの素材で最大まで広げたのが神殿に設置してある魔法陣だと記憶している。
逆説的に、素材さえ用意できれば広げられるのではないかな? そこも王都で聞いてみると良いだろう」
貴重な素材って、心核のことなんだろうか?
心核だと仮定するなら、儀式魔法陣を拡張できる可能性は高まるな。
「色々ありがとうグレンガ。利用者でもないのに朝っぱらからお邪魔して悪かった」
「なぁに。トーマ殿が広めたスキップオーブのおかげで、スキル神殿の利用者は増え続けているから心配ない。
それ以前にも救貧院の子供たちにも助力してくれたおかげで、以前と比べてベイクのスキル神殿の売り上げは多いからな。感謝しておるくらいだ。
問題があるとすれば、やはり人手であろうな。今はまだ大丈夫であるが、これ以上利用者が増えるとどうしても対応出来ん」
人手、か。今後異邦人が増えたりベビーブームが来るにしても、生活インフラを担う人手が足りないのは不味い。
これも何か考えないといけないんだろうな。
グレンガと別れ、まずはネヴァルドの冒険者ギルドから王家宛に、スキル神殿設立に関する対応をお願いしたいことを言付ける。流石に当日対応は申し訳ないので、返事は明日冒険者ギルドで受け取ることにする。
さて、少し手が空いてしまったなぁ。
せっかくだし、ディオーヌ様に依頼されている中継スポットの建設でもするか。
ベイクに寄って、マーサにターミナルを作ってもらう。
心核は確実に減ってはいるけど、まだまだ余裕がある。ルイナスリームに必要な分は手持ちで足りてくれるといいけど、儀式魔法陣の拡張に必要になってくると分からないな。
祝福の儀と識別、2つの儀式魔法陣が必要になるわけだし。
ターミナルを持って海の別荘へ。
う~ん。ターミナルを手に持ってゲートで移動するのってなんか変な感じ。
とりあえずターミナルは別荘に置いて、まずは設置場所を作らないとな。
別荘があるのとは反対側に行き、島の様子を確かめてみるも、やはりこちらも見事な断崖絶壁。
そのまま島の外周をぐるりと回ってみたけれど、まさに天然の要塞と呼ぶに相応しい、完全な断崖絶壁に覆われた島だった。
う~ん。これってどう捉えればいいかなぁ。
単に神様がこういう地形として設置したってだけなら話は簡単なんだけど、これくらい島が削れるほどの波が来る可能性があるのだとすると、少し考える必要がありそうだ。
そもそも船をつけれる場所もねぇんだよな。
断崖絶壁に船を寄せたら、停泊中にバラバラになってそうだ。
ここはリモデリングで、停泊場所から作る必要がありそうだなぁ……。
まず断崖絶壁に、大型船が複数入れるくらいの大きさをイメージして穴を開けていく。
リモデリングで余った岩を外側に寄せていき、強度の補強も狙う。補強されてたらいいなぁ。
あまり大穴を空けると強度的に厳しいかもしれないので、内部に比べて入り口は多少狭めておこうかな。波対策にもなるかもしれないし。
イメージするのは船のまま入れる洞窟。
青の洞窟みたいに出来ればいいけど、この世界は物理法則からして怪しいからな。あまり期待はしないでおこう。
奥の壁に階段を作って、ターミナルの設置場所は天井付近に作る。
この世界に波の浸食があるかわかんないんだよなぁ。
風は常に吹いてるんだろうけど、天候の変化とか嵐とか、この世界にあるんだろうか?
ま、用心に越した事はないだろうってことで、なるべく高い位置にターミナルを避難させたのだ。
さて、設置場所が出来たのはいいんだけど、ここまでどうやってターミナルを運び込むかなぁ。
船が入れるようにって結構な深さにしちゃったから、足なんて全然つかないし。
一か八かで海中に入れて運搬して、ターミナルをダメにしてしまう事態は避けたい。これからルイナスリームで心核を大量に消費する可能性があるんだからな。
まぁ……。迷宮の厳選作業でまた補充できるかもしれないけどさ。
「あ、そうか」
透月で氷を作って、そこに浮かべればいいのか。
俺とシンが乗っても大丈夫な氷は既に作ったことあるしな。
いや? もしかして、海面を全て凍らせたりとか、出来るんじゃ……?
ターミナル設置予定地に立ち、透月に魔力を込めていく。
海面を凍らせたいんだから、海に入って発動したらただの豪快な自殺だからな。
今回イメージするのは、斬った物を凍らせる斬撃ではなくて、触れた物を全て凍らせる凍てつく波動。
殺傷能力よりも凍結能力を優先。
狙った場所を凍らせるのではなく、なるべく広範囲の凍結を狙う。
目指すは、洞窟内の海面の凍結だ。
海の凍結。そう聞いて俺がイメージするのはあれしかないな。
透月に込めた魔力を、海面に向けてゆっくりと放つ。
「『ブライニクル』」
透月からゆったりとした魔力の塊が飛んでいく。
その魔力が海面に触れた途端、魔力を中心に海面が凍りついていく。
その凍結は、海面を伝わり洞窟内の壁を登って、俺が立っている場所まで迫って……、ってやっべ!?
熱魔法を全力で使用して、ブライニクルの凍結効果に抗う。
やべぇマジで魔力込めすぎた!
その後数分間、自分の放ったブライニクルと戦うことになってしまった。
凍結範囲も当然洞窟内で収まっておらず、かなりの広範囲の海面を凍結させてしまった。
ウミガメさんに怒られる前に、必要分を残して熱魔法で溶かしていく。
ダメだ。心核武器を軽い気持ちで使っちゃいけない。
その後、無事に洞窟内にターミナルを設置、有効化できたけれど、なんか無駄に疲れてしまった。
無駄に自殺しかけたわ……。
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