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11章 新たな都市の建設
428 商工ギルドを誘致しよう
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「やぁやぁ。待ってたよトーマさん」
「なんでシルグリイド家の当主が自らお出迎えするんですか。
まぁいいです。商工ギルドの件で参りました。宜しくお願いします」
ウィルスレイアの商工ギルドに到着すると、なぜかファーガロン様とカンカンが待っていた。
まぁカンカンは護衛も兼ねてるんだろうけど、ファーガロン様はそうポンポン出歩いていいのかと問い質したい。
「ルイナスリームの話だけなら来なかったんだけどね。ユリバファルゴア戦跡地付近にも砂漠エリアの探索の中継点として、宿場町みたいなものを建設する計画が立ち上がってるんだよ。
それで少しお話しないといけないことがあるから、僕が直接話をしに来たんだ。
ま、とりあえずはルイナスリームの商工ギルドの話について、話を済ませよう」
ファーガロン様の要件を後回しにするのって微妙に不安なんだけど、仕方ないか。
紹介してもらった商工ギルド員に話を聞く。
「ギルド建設については問題ないですが、やはり人手ですかねぇ。
この街のギルドから紹介できるのは2名が限界ですね。仕事の意欲に溢れている新人とベテランを1人ずつ、といった形になりますか。
それ以上の職員については順次補充していただかないといけませんね。
それと各種ギルドの建設費などはトーマさんが負担されるんだと思いますが、資金的には不安は御座いませんか?」
「あー……。むしろ使いきれるかが不安っすね。個人口座もカンパニー資金も、恐らくヤバい金額になってると思いますわ……」
「ふむ。では私も確認するのは恐ろしいので止めておきましょう。少なくとも資金は潤沢ということですね。それであるならば、さっそくルイナスリーム行きを希望している職員を紹介させて頂きましょう。少々お待ちください」
流石は商工ギルド。資金さえあれば問題はないということか。
この世界の根幹は迷宮資源だけれど、都市の生活の根幹はやっぱり商人や職人だからな。
どちらか片方でも疎かにしたら、都市が破綻するだろう。
「は、初めまして! 今年ウィルスレイアの商工ギルドに入ったばかりの『ポプワ』と言います!
新しい都市の建設に携われるなんて夢みたいです! 宜しくお願いします!」
「どうも初めましてだね。私は『フリート』さ。
見た通りのババアだから、商工ギルドでの経験は長いよ。よろしく頼むさ」
ポプワとフリートね。フリ-トがギルドマスターかな。ポプワも熱意はありそうだ。
「異風の旋律のトーマだ。2人とも宜しくな。
フリートは女性なのはわかったけど、ポプワって男性? 女性? ちょっと見た目じゃわかんなくて悪いな」
「ああ、自分は男ですよ。獣人の性別は分かりにくいですからね。聞かれたのも初めてじゃありませんし、気にしなくっていいですよ」
「男なのね。ちなみに結婚はしてる? 特定の相手は?」
「えっと? 質問の意図は分かりませんけど、自分はギルド員になったばかりですから。番いを作る余裕なんて、精神的にも金銭的にもないですよ」
よっしゃーーー見つけたぞリス獣人! あとでクリーヌに報告だーーー!
そしてルイナスリームの商工ギルドの受付にリス獣人が居るという事実!
捗る! 漲る! やる気出るわー!
「まぁまぁ気にしないで。
それじゃ今は2人しかいないから、フリートにマスターをお願いしていいかな?
あと2人じゃ回らないと思うし、必要に応じて職員を雇用して欲しい。俺に断る必要はないからさ」
「ああ、ポプワも熱意はあるけど、まだ少し若すぎるからねぇ。
私が勝手に採用していいなら話は早いよ。それじゃ1度現地を見せてもらって、職員の人数とか考えるとするかねぇ」
「ああフリート。現地に行く前に僕もトーマさんと少し話があるんだ。立ち会うなら立ち会ってもらってもいいけど、ルイナスリームに行くのはちょっとだけ待ってくれ」
「えぇえぇ構いませんとも。退室しても仕方ないですし、ファーガロン様が宜しいのであれば、このまま同席させて頂きますよ」
ポプワとカンカンが用意してくれた軽食を口にしつつ、ファーガロン様の用件を聞く。
「僕たちが知りたいのは、あのターミナルの大体の位置なんだよね。
エリアキーパーの縄張りって、今まで未知の領域だったからさ。この街の狩人も、正確に把握できてないんだよ。
ウィルスレイアと、中間地点のターミナルと、ルイナスリームの距離って、大雑把でいいから、どの程度離れてるのか分からないかなぁ?」
「うええ、狩人よりも砂漠に詳しくない俺に無茶言いますね……。
えーっと……ほんと大雑把になるんですけど、ウィルスレイアからターミナルまでは、スナネコたちの足で夜明けから日没までの時間ともう少し。ターミナルからルイナスリームまではスナネコたちの足で丸1日って所でしょうかね。
スナネコの馬車はファーガロン様もカンカンも乗りましたよね? あの速度でです」
「あの子達めちゃくちゃ早かったからなぁ……。
そうだねぇ、ちょっと遠めに考えるとして、アサルトドラゴンやデューンサラマンダーの足だと、3倍くらいはかかる事を覚悟しないといけないか……。
中継地点としては割と申し分無い位置にあるみたいだけど。
位置関係を調査して、まずはウィルスレイアとターミナルの中継地点にもう1つ宿場を作るべきかなぁ」
砂漠対応馬車は結構研究が進んでいるらしいので、後は調査が進んで地理が把握出来れば開発が進むんじゃないかな。
都市間移動馬車サービスも開始できるかもしれないし。
スナネコ便? あの子たちはうちの客人枠なので、一般開放はしません。
あの子達が自主的に行うなら考えるけど、猫って基本的には馬車引く生き物じゃないしね。多分好きで馬車引いてる感じではないんじゃないかなぁ。
とりあえずの位置関係は分かったと言う事で、ファーガロン様の話は終了。
そのあとポプワとフリートに現地を視察してもらって、この日の活動は終了した。
「なんでシルグリイド家の当主が自らお出迎えするんですか。
まぁいいです。商工ギルドの件で参りました。宜しくお願いします」
ウィルスレイアの商工ギルドに到着すると、なぜかファーガロン様とカンカンが待っていた。
まぁカンカンは護衛も兼ねてるんだろうけど、ファーガロン様はそうポンポン出歩いていいのかと問い質したい。
「ルイナスリームの話だけなら来なかったんだけどね。ユリバファルゴア戦跡地付近にも砂漠エリアの探索の中継点として、宿場町みたいなものを建設する計画が立ち上がってるんだよ。
それで少しお話しないといけないことがあるから、僕が直接話をしに来たんだ。
ま、とりあえずはルイナスリームの商工ギルドの話について、話を済ませよう」
ファーガロン様の要件を後回しにするのって微妙に不安なんだけど、仕方ないか。
紹介してもらった商工ギルド員に話を聞く。
「ギルド建設については問題ないですが、やはり人手ですかねぇ。
この街のギルドから紹介できるのは2名が限界ですね。仕事の意欲に溢れている新人とベテランを1人ずつ、といった形になりますか。
それ以上の職員については順次補充していただかないといけませんね。
それと各種ギルドの建設費などはトーマさんが負担されるんだと思いますが、資金的には不安は御座いませんか?」
「あー……。むしろ使いきれるかが不安っすね。個人口座もカンパニー資金も、恐らくヤバい金額になってると思いますわ……」
「ふむ。では私も確認するのは恐ろしいので止めておきましょう。少なくとも資金は潤沢ということですね。それであるならば、さっそくルイナスリーム行きを希望している職員を紹介させて頂きましょう。少々お待ちください」
流石は商工ギルド。資金さえあれば問題はないということか。
この世界の根幹は迷宮資源だけれど、都市の生活の根幹はやっぱり商人や職人だからな。
どちらか片方でも疎かにしたら、都市が破綻するだろう。
「は、初めまして! 今年ウィルスレイアの商工ギルドに入ったばかりの『ポプワ』と言います!
新しい都市の建設に携われるなんて夢みたいです! 宜しくお願いします!」
「どうも初めましてだね。私は『フリート』さ。
見た通りのババアだから、商工ギルドでの経験は長いよ。よろしく頼むさ」
ポプワとフリートね。フリ-トがギルドマスターかな。ポプワも熱意はありそうだ。
「異風の旋律のトーマだ。2人とも宜しくな。
フリートは女性なのはわかったけど、ポプワって男性? 女性? ちょっと見た目じゃわかんなくて悪いな」
「ああ、自分は男ですよ。獣人の性別は分かりにくいですからね。聞かれたのも初めてじゃありませんし、気にしなくっていいですよ」
「男なのね。ちなみに結婚はしてる? 特定の相手は?」
「えっと? 質問の意図は分かりませんけど、自分はギルド員になったばかりですから。番いを作る余裕なんて、精神的にも金銭的にもないですよ」
よっしゃーーー見つけたぞリス獣人! あとでクリーヌに報告だーーー!
そしてルイナスリームの商工ギルドの受付にリス獣人が居るという事実!
捗る! 漲る! やる気出るわー!
「まぁまぁ気にしないで。
それじゃ今は2人しかいないから、フリートにマスターをお願いしていいかな?
あと2人じゃ回らないと思うし、必要に応じて職員を雇用して欲しい。俺に断る必要はないからさ」
「ああ、ポプワも熱意はあるけど、まだ少し若すぎるからねぇ。
私が勝手に採用していいなら話は早いよ。それじゃ1度現地を見せてもらって、職員の人数とか考えるとするかねぇ」
「ああフリート。現地に行く前に僕もトーマさんと少し話があるんだ。立ち会うなら立ち会ってもらってもいいけど、ルイナスリームに行くのはちょっとだけ待ってくれ」
「えぇえぇ構いませんとも。退室しても仕方ないですし、ファーガロン様が宜しいのであれば、このまま同席させて頂きますよ」
ポプワとカンカンが用意してくれた軽食を口にしつつ、ファーガロン様の用件を聞く。
「僕たちが知りたいのは、あのターミナルの大体の位置なんだよね。
エリアキーパーの縄張りって、今まで未知の領域だったからさ。この街の狩人も、正確に把握できてないんだよ。
ウィルスレイアと、中間地点のターミナルと、ルイナスリームの距離って、大雑把でいいから、どの程度離れてるのか分からないかなぁ?」
「うええ、狩人よりも砂漠に詳しくない俺に無茶言いますね……。
えーっと……ほんと大雑把になるんですけど、ウィルスレイアからターミナルまでは、スナネコたちの足で夜明けから日没までの時間ともう少し。ターミナルからルイナスリームまではスナネコたちの足で丸1日って所でしょうかね。
スナネコの馬車はファーガロン様もカンカンも乗りましたよね? あの速度でです」
「あの子達めちゃくちゃ早かったからなぁ……。
そうだねぇ、ちょっと遠めに考えるとして、アサルトドラゴンやデューンサラマンダーの足だと、3倍くらいはかかる事を覚悟しないといけないか……。
中継地点としては割と申し分無い位置にあるみたいだけど。
位置関係を調査して、まずはウィルスレイアとターミナルの中継地点にもう1つ宿場を作るべきかなぁ」
砂漠対応馬車は結構研究が進んでいるらしいので、後は調査が進んで地理が把握出来れば開発が進むんじゃないかな。
都市間移動馬車サービスも開始できるかもしれないし。
スナネコ便? あの子たちはうちの客人枠なので、一般開放はしません。
あの子達が自主的に行うなら考えるけど、猫って基本的には馬車引く生き物じゃないしね。多分好きで馬車引いてる感じではないんじゃないかなぁ。
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