482 / 580
11章 新たな都市の建設
439 異邦人への説明会
しおりを挟む
朝食を取りに集まってきた異邦人達に残ってもらって、ルイナスリームの説明をする事にする。
この場に来ていない人も連れてきてもらって、ベイクに居る異邦人全員を集めた。
「朝の忙しい時間に申し訳ないけど、異邦人のみんなにちょっと報告しておきたいことがあるんだ。少しだけ付き合ってくれ。
今俺たちはルイナスリームって都市を建設中なんだが……」
異邦人達の受け入れ先として、1から済みやすい都市を作っていること。
苛酷な環境なので、2つの初期スキルを取得していない者は移住を許可できないこと。
希望するなら、このままベイクや他の都市で暮らしても構わないこと。
異邦人達だけが住める異邦人地区を用意する予定があること。
実際の受け入れにはもう数日かかると思うので、まだスキルを取得していない人はそれまでに取得しておいて欲しいことなどを告げた。
その後に個別の質問タイムを設ける。
「異邦人の為の都市って言っても、王国民を全く受け入れないわけじゃないんだよな?」
「ああ。それはこの世界で生きていく上で、事実上不可能だと思ってる。異邦人の事情に王国の他の都市よりも詳しいって程度になるとは思う。
ただ王国の他の都市とは物理的にめちゃくちゃ距離があるからな。現状はゲート無しで移動するのはかなり難しいから、他の都市と比べて王国民の数は少なくなるはずだ」
「現状既にある施設と、まだその都市にはない施設を教えてくれ」
ある施設とない施設、か。
とりあえずベイクと比べてってことだよな?
「そうだなぁ。さっきも言った通り作ってる最中の場所だから、各種ギルドとスキル神殿が簡易的にあるくらいだな。迷宮とギルドはあるので、最低限の生活は可能だ。
各ギルドの建設が済んだら、まずは異邦人区域と既にルイナスリームに住んでいる人たちの住居の建設。その後に商店や工房って流れになると思う。
少なくとも移住の第1陣は、かなり不便だと思ってくれていい」
「その都市に1度住んでみて、合わないと思ったら出て行くのは自由ですか?」
「それは勿論自由だ。別に異邦人を集めてなにかやろうって場所じゃないからさ。
俺達異邦人は王国民にそっぽを向かれたら生きていけないだろ? それだと俺達の立場が危ういと思ってるんだ。
もし王国民となにか揉めてしまった時に、拠り所になるような場所を目指したいと思ってるよ。
あ~、勿論犯罪者を匿うって意味じゃねぇから勘違いすんなよ?」
「異邦人の為に、その都市で特別に何かを行う予定はあるの?」
特別に行うことか。あまり変なことはして欲しくないんだけどな。目を付けられたくもないし。
ま、でもこのくらいなら言っちゃおうかな?
「まだ未定だけどさ。異邦人住宅街の他に、異邦人商業地区を作れたらいいなって思うんだよ。
こっちの世界にはまだまだ娯楽が少ないからさ。地球の遊びをある程度広められたらなって思ってるよ。
これも言うまでもないけど犯罪は許さないからな? 王国民による監査は常に入れると思ってくれ。
人に迷惑をかけないことならなるべく応援するつもりだよ。俺だって娯楽が増えて欲しいと思ってるし」
「地球の娯楽と言えば! そこって豪雪地帯のすぐ近くなんだよなっ!? 雪とかって常に降り積もってる感じ!?」
「ああ。あそこの雪は際限なく降り積もってくるし、溶ける事はないだろうな。
ウィンタースポーツに向いてるかどうかと言われると……。何か対策をする必要はありそうだ。
常に吹雪で視界が悪い状態だし、砂漠エリアだから地面は平坦だしな。雪は恐らく常時降り注ぐだろうってことだけは間違いないと思うけど」
「それは現地を確認してから考えるから構わねぇよ! この世界には冷却系の魔法がないから、雪や氷は作れないからな!
雪さえあるなら、他はいくらでもやりようがありそうだぜ! うおおおおおまさかこっちでもスキーが出来るかもしれないとはっ!!」
うん。コイツの熱意ならなんでも乗り越えてしまいそうだな。
実際に時間さえかければ丘を作るのは難しくないだろう。雪の切れ目も近いから遭難のリスクも低いだろうし。
「とりあえず移住予定がなくても、1回くらいは見に来て欲しいな。スキル取ってからって話になるけどさ。
それと商売をやりたい奴は早い者勝ちだからな? 飲食店だったり娯楽施設だったり、被っても別に構いやしないけど、競合する前に始めた方が有利だとは思うぜ。
まぁ……。まだそこまで人が居る場所じゃないけどさ。レストランだったり喫茶店だったりは俺も行ってみたいし、どんどん出展してくれよな。別に個人で立ち上げるのが不安なら、パーティの仲間だったり他の奴に声かけたっていいんだからよ。お互い楽しもうぜ?」
この話が異邦人達の希望になればいいな。
楽しみさえあればこの先も頑張ろう、って思えるもんだから。
「おうトーマ。数日後には移住可能になるってマジか?」
「タケルか。一応最低限の設備は整うって意味でな。お店なんかはこれからの話になってくるから、移住しても不便な土地である事は間違いないと思う。
それでも、いち早くベイクから離れたいとか、王国から距離を取りたいとか思ってる奴が居たとしたら、ルイナスリームに住んでもいいよっていうレベルの話かな」
「いやぁ十分だろ! 迷宮もあるし、住居さえ完成したら俺はすぐにでも移動してぇな。
やっぱ俺に取っちゃ、王国民に囲まれてる状況はちょっと怖ぇからさ」
タケルはもう立派に自立出来てると思うけどなぁ。
それでもやっぱり、意識を奪われて好き勝手に利用された経験ってのは、軽く考えていい話ではないか。
「タケルならゲートも使えるからな。ルイナスリームに住んだとしても、あまり不便を感じる事はないんじゃないか?
ま、あと数日だけ待ってくれよ。この世界の建築速度は尋常じゃねぇからさ」
タケル、アサヒ、カンナみたいに、王国民に食い物にされる異邦人は無くしていかなきゃならない。
ルイナスリームはそのための拠点として機能してくれる事を期待したいところだ。
この場に来ていない人も連れてきてもらって、ベイクに居る異邦人全員を集めた。
「朝の忙しい時間に申し訳ないけど、異邦人のみんなにちょっと報告しておきたいことがあるんだ。少しだけ付き合ってくれ。
今俺たちはルイナスリームって都市を建設中なんだが……」
異邦人達の受け入れ先として、1から済みやすい都市を作っていること。
苛酷な環境なので、2つの初期スキルを取得していない者は移住を許可できないこと。
希望するなら、このままベイクや他の都市で暮らしても構わないこと。
異邦人達だけが住める異邦人地区を用意する予定があること。
実際の受け入れにはもう数日かかると思うので、まだスキルを取得していない人はそれまでに取得しておいて欲しいことなどを告げた。
その後に個別の質問タイムを設ける。
「異邦人の為の都市って言っても、王国民を全く受け入れないわけじゃないんだよな?」
「ああ。それはこの世界で生きていく上で、事実上不可能だと思ってる。異邦人の事情に王国の他の都市よりも詳しいって程度になるとは思う。
ただ王国の他の都市とは物理的にめちゃくちゃ距離があるからな。現状はゲート無しで移動するのはかなり難しいから、他の都市と比べて王国民の数は少なくなるはずだ」
「現状既にある施設と、まだその都市にはない施設を教えてくれ」
ある施設とない施設、か。
とりあえずベイクと比べてってことだよな?
「そうだなぁ。さっきも言った通り作ってる最中の場所だから、各種ギルドとスキル神殿が簡易的にあるくらいだな。迷宮とギルドはあるので、最低限の生活は可能だ。
各ギルドの建設が済んだら、まずは異邦人区域と既にルイナスリームに住んでいる人たちの住居の建設。その後に商店や工房って流れになると思う。
少なくとも移住の第1陣は、かなり不便だと思ってくれていい」
「その都市に1度住んでみて、合わないと思ったら出て行くのは自由ですか?」
「それは勿論自由だ。別に異邦人を集めてなにかやろうって場所じゃないからさ。
俺達異邦人は王国民にそっぽを向かれたら生きていけないだろ? それだと俺達の立場が危ういと思ってるんだ。
もし王国民となにか揉めてしまった時に、拠り所になるような場所を目指したいと思ってるよ。
あ~、勿論犯罪者を匿うって意味じゃねぇから勘違いすんなよ?」
「異邦人の為に、その都市で特別に何かを行う予定はあるの?」
特別に行うことか。あまり変なことはして欲しくないんだけどな。目を付けられたくもないし。
ま、でもこのくらいなら言っちゃおうかな?
「まだ未定だけどさ。異邦人住宅街の他に、異邦人商業地区を作れたらいいなって思うんだよ。
こっちの世界にはまだまだ娯楽が少ないからさ。地球の遊びをある程度広められたらなって思ってるよ。
これも言うまでもないけど犯罪は許さないからな? 王国民による監査は常に入れると思ってくれ。
人に迷惑をかけないことならなるべく応援するつもりだよ。俺だって娯楽が増えて欲しいと思ってるし」
「地球の娯楽と言えば! そこって豪雪地帯のすぐ近くなんだよなっ!? 雪とかって常に降り積もってる感じ!?」
「ああ。あそこの雪は際限なく降り積もってくるし、溶ける事はないだろうな。
ウィンタースポーツに向いてるかどうかと言われると……。何か対策をする必要はありそうだ。
常に吹雪で視界が悪い状態だし、砂漠エリアだから地面は平坦だしな。雪は恐らく常時降り注ぐだろうってことだけは間違いないと思うけど」
「それは現地を確認してから考えるから構わねぇよ! この世界には冷却系の魔法がないから、雪や氷は作れないからな!
雪さえあるなら、他はいくらでもやりようがありそうだぜ! うおおおおおまさかこっちでもスキーが出来るかもしれないとはっ!!」
うん。コイツの熱意ならなんでも乗り越えてしまいそうだな。
実際に時間さえかければ丘を作るのは難しくないだろう。雪の切れ目も近いから遭難のリスクも低いだろうし。
「とりあえず移住予定がなくても、1回くらいは見に来て欲しいな。スキル取ってからって話になるけどさ。
それと商売をやりたい奴は早い者勝ちだからな? 飲食店だったり娯楽施設だったり、被っても別に構いやしないけど、競合する前に始めた方が有利だとは思うぜ。
まぁ……。まだそこまで人が居る場所じゃないけどさ。レストランだったり喫茶店だったりは俺も行ってみたいし、どんどん出展してくれよな。別に個人で立ち上げるのが不安なら、パーティの仲間だったり他の奴に声かけたっていいんだからよ。お互い楽しもうぜ?」
この話が異邦人達の希望になればいいな。
楽しみさえあればこの先も頑張ろう、って思えるもんだから。
「おうトーマ。数日後には移住可能になるってマジか?」
「タケルか。一応最低限の設備は整うって意味でな。お店なんかはこれからの話になってくるから、移住しても不便な土地である事は間違いないと思う。
それでも、いち早くベイクから離れたいとか、王国から距離を取りたいとか思ってる奴が居たとしたら、ルイナスリームに住んでもいいよっていうレベルの話かな」
「いやぁ十分だろ! 迷宮もあるし、住居さえ完成したら俺はすぐにでも移動してぇな。
やっぱ俺に取っちゃ、王国民に囲まれてる状況はちょっと怖ぇからさ」
タケルはもう立派に自立出来てると思うけどなぁ。
それでもやっぱり、意識を奪われて好き勝手に利用された経験ってのは、軽く考えていい話ではないか。
「タケルならゲートも使えるからな。ルイナスリームに住んだとしても、あまり不便を感じる事はないんじゃないか?
ま、あと数日だけ待ってくれよ。この世界の建築速度は尋常じゃねぇからさ」
タケル、アサヒ、カンナみたいに、王国民に食い物にされる異邦人は無くしていかなきゃならない。
ルイナスリームはそのための拠点として機能してくれる事を期待したいところだ。
0
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる