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11章 新たな都市の建設
440 鱗高地
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ルイナスリームに大工さんを送り込む。
各種ギルドでそれぞれ手配された大工さんが、各都市から数名ずつ来てギルドを建設しているので、更に異風の旋律が雇った大工さんたちで住居の建築を進めてもらう。
とりあえず、ルイナスリームに常駐するギルド職員用住居と、異邦人が住める共同住宅を300人くらい住める規模でお願いしておく。
異邦人たちの住居は街の北側に配置し、ギルド職員用の寮は各種ギルドへの利便性を考えて、ルイナスリームの中心近くに配置する。
基本的に王国民の施設は、これ以上北には配置しない。ここから北は異邦人優先にしておきたい。
街が発展してきたら、その時は誰かが考えてくれるだろう。丸投げ丸投げ。
昨日俺とシンが調査した迷宮は、1日で4階層ほど深くなっていた。
元々が30階層台だったから、このままのペースで行けば15日ちょっとで100階層到達か。
タケルの『迷宮操作』って、つくづくチートらしいチート能力って感じがするなぁ。
もし時間的な余裕が出来るなら、カラードラゴンクラスが出現するまで粘ってみたいけど……。
あいつ、100階層程度で出てくれるもんかねぇ?
「それじゃ行ってくるねー!」
「おー行ってらっしゃい。みんな気をつけてな。全員無事に帰ってきてくれよ?」
迷宮討伐隊を見送って、さて俺は何をしようかな?
シンはスナネコと遊びながら剣の鍛錬をしているようだ。俺も訓練でもするかなぁ?
とその時、以前別荘用に建てた、鱗の丘が目に入る。
ああ、面倒くさいけど、時間があるならこれを進めてしまうべきか……。
リモデリングを使って、鱗と鱗の繋ぎ目を無くし、外側の面をツルツルの鏡面仕様に仕上げていく。
普通の武器だと傷も付けれないし、『任意発動スキル強化』がないとリモデリングによる成型も不可能だからな。簡単には登って来られない場所になるだろ。
俺の作業は、リモデリングで足場を作りながら行っている。
って待てよ?
リモデリングで成型が出来るなら、空中コンボで鱗を打ち上げて運ぶことも可能なんじゃないのか?
この鱗ってユリバファルゴアの素材だけあって、打撃にも斬撃にも強い耐性を持っている。
すでに立ててある鱗の方に、殴り飛ばした鱗を受け止めるフックというか取っ掛かりみたいな物を作ってやれば、落す確率が格段に減ってくれるんじゃ……?
更には鱗を立てる作業にも応用出来る気がするよな?
鱗を受け止めるフックをある程度高くすれば、下から殴ってそのまま立てられるような……。
「シーン! ちょっと俺にキャリーかけてくれ! 必要ないかもしれないけど、念のために!」
「うん? 別に構わないけどなにするの?」
「ああ、鱗の運搬で少し思いついたことがあって、試してこようと思ってるんだ。
上手くいけば1人で3段目まで鱗を運搬できそうなんだよ!」
「ふぅん? 1人で試すってことは、僕が手伝うことはなさそうかな? まぁなにかあったら呼んでよ。
それと、あまり危険なことはやめてね?」
危なくは、ないよな?
街の方にぶっ飛ばす予定はないし、そもそも街とは十分に距離が離れてるし。
ジャンプを使用できる俺が鱗の下敷きになることもないし、仮に魔力が切れても、それこそ殴って弾き飛ばせばいいだけだ。うん。何も危険な事はないな。
まずは2段目の床部分に転移して、4隅の内の3ヶ所をリモデリングで薄く高く伸ばして、鱗を受け止める柱を作り出す。鱗が巨大なので、リモデリングの範囲が届く限り高くしてみた。
さてさて、これで上手く行ってくれると良いんだけどな。
土魔法を使って砂を操作し、殴る予定の鱗の真下に潜り込んで準備完了だ。
「ふっ飛べぇっ!」
ガントレットの一撃を受け、巨大な鱗が宙を舞う。しかし、予定の高さには全く足りていないし、角度もついてしまった。『深層集中』を使って確認をしながら追撃をしていかないとな。まずは高さを優先だ!
『深層集中』を使ったスロー世界で、鱗の挙動と次に殴るべきポイントを確認。ジャンプを使用し近付いて、力の限り殴る!
地味に凄い魔力を消費する作業だな! エリアキーパー戦と良い勝負なんだけど!
追加で3回ほどぶん殴ると、ようやく2段目の床部分の高さを越えた。
さあここからが本番だ。綺麗に飛ばして1回で決めてやるぜ!
「嵌れええええ!」
まずは軽い一撃を加え、鱗を縦にする。
そこから柱に嵌るように祈りながら、ガントレットで鱗を飛ばす。
奇跡的に狙いどおりに鱗は飛んでいき、端の柱に受け止められる形で動きを止めた。
「うおおおおおっ! 1発成功とか俺すっげえ!」
勢いが付きすぎて捲れ上がってしまうこともなく、2段目の壁部分が完成してしまったぜ! まだ1面だけだけど!
その瞬間、迷宮の討伐が済んだらしく、魔力還元の光が立ち昇った。
ははは! まるで俺の成功を称える祝砲のようだなっ!
さてさて、ここから何かあって鱗が落ちたら立ち直れないからな。
まずはリモデリングでしっかり接合させておかないと。
それに思った以上に魔力を食ってしまうから、連続で何枚も行うのは無理だな。
魔力を回復させながら進めるとしても……、1日に2~3回が限界だろう。
まぁ全然いいけどね!
むしろ1日に2枚は壁を完成させられるってんなら破格のスピードだ!
これで人工で高地を作り出すのも一気に現実的な話になったぜ!
魔力の回復中は街の建設作業を手伝おう。別荘建設で役に立つと思うからな!
俺の理想の別荘の建設まであと少し!
いやぁやる気が漲るわぁ~。
各種ギルドでそれぞれ手配された大工さんが、各都市から数名ずつ来てギルドを建設しているので、更に異風の旋律が雇った大工さんたちで住居の建築を進めてもらう。
とりあえず、ルイナスリームに常駐するギルド職員用住居と、異邦人が住める共同住宅を300人くらい住める規模でお願いしておく。
異邦人たちの住居は街の北側に配置し、ギルド職員用の寮は各種ギルドへの利便性を考えて、ルイナスリームの中心近くに配置する。
基本的に王国民の施設は、これ以上北には配置しない。ここから北は異邦人優先にしておきたい。
街が発展してきたら、その時は誰かが考えてくれるだろう。丸投げ丸投げ。
昨日俺とシンが調査した迷宮は、1日で4階層ほど深くなっていた。
元々が30階層台だったから、このままのペースで行けば15日ちょっとで100階層到達か。
タケルの『迷宮操作』って、つくづくチートらしいチート能力って感じがするなぁ。
もし時間的な余裕が出来るなら、カラードラゴンクラスが出現するまで粘ってみたいけど……。
あいつ、100階層程度で出てくれるもんかねぇ?
「それじゃ行ってくるねー!」
「おー行ってらっしゃい。みんな気をつけてな。全員無事に帰ってきてくれよ?」
迷宮討伐隊を見送って、さて俺は何をしようかな?
シンはスナネコと遊びながら剣の鍛錬をしているようだ。俺も訓練でもするかなぁ?
とその時、以前別荘用に建てた、鱗の丘が目に入る。
ああ、面倒くさいけど、時間があるならこれを進めてしまうべきか……。
リモデリングを使って、鱗と鱗の繋ぎ目を無くし、外側の面をツルツルの鏡面仕様に仕上げていく。
普通の武器だと傷も付けれないし、『任意発動スキル強化』がないとリモデリングによる成型も不可能だからな。簡単には登って来られない場所になるだろ。
俺の作業は、リモデリングで足場を作りながら行っている。
って待てよ?
リモデリングで成型が出来るなら、空中コンボで鱗を打ち上げて運ぶことも可能なんじゃないのか?
この鱗ってユリバファルゴアの素材だけあって、打撃にも斬撃にも強い耐性を持っている。
すでに立ててある鱗の方に、殴り飛ばした鱗を受け止めるフックというか取っ掛かりみたいな物を作ってやれば、落す確率が格段に減ってくれるんじゃ……?
更には鱗を立てる作業にも応用出来る気がするよな?
鱗を受け止めるフックをある程度高くすれば、下から殴ってそのまま立てられるような……。
「シーン! ちょっと俺にキャリーかけてくれ! 必要ないかもしれないけど、念のために!」
「うん? 別に構わないけどなにするの?」
「ああ、鱗の運搬で少し思いついたことがあって、試してこようと思ってるんだ。
上手くいけば1人で3段目まで鱗を運搬できそうなんだよ!」
「ふぅん? 1人で試すってことは、僕が手伝うことはなさそうかな? まぁなにかあったら呼んでよ。
それと、あまり危険なことはやめてね?」
危なくは、ないよな?
街の方にぶっ飛ばす予定はないし、そもそも街とは十分に距離が離れてるし。
ジャンプを使用できる俺が鱗の下敷きになることもないし、仮に魔力が切れても、それこそ殴って弾き飛ばせばいいだけだ。うん。何も危険な事はないな。
まずは2段目の床部分に転移して、4隅の内の3ヶ所をリモデリングで薄く高く伸ばして、鱗を受け止める柱を作り出す。鱗が巨大なので、リモデリングの範囲が届く限り高くしてみた。
さてさて、これで上手く行ってくれると良いんだけどな。
土魔法を使って砂を操作し、殴る予定の鱗の真下に潜り込んで準備完了だ。
「ふっ飛べぇっ!」
ガントレットの一撃を受け、巨大な鱗が宙を舞う。しかし、予定の高さには全く足りていないし、角度もついてしまった。『深層集中』を使って確認をしながら追撃をしていかないとな。まずは高さを優先だ!
『深層集中』を使ったスロー世界で、鱗の挙動と次に殴るべきポイントを確認。ジャンプを使用し近付いて、力の限り殴る!
地味に凄い魔力を消費する作業だな! エリアキーパー戦と良い勝負なんだけど!
追加で3回ほどぶん殴ると、ようやく2段目の床部分の高さを越えた。
さあここからが本番だ。綺麗に飛ばして1回で決めてやるぜ!
「嵌れええええ!」
まずは軽い一撃を加え、鱗を縦にする。
そこから柱に嵌るように祈りながら、ガントレットで鱗を飛ばす。
奇跡的に狙いどおりに鱗は飛んでいき、端の柱に受け止められる形で動きを止めた。
「うおおおおおっ! 1発成功とか俺すっげえ!」
勢いが付きすぎて捲れ上がってしまうこともなく、2段目の壁部分が完成してしまったぜ! まだ1面だけだけど!
その瞬間、迷宮の討伐が済んだらしく、魔力還元の光が立ち昇った。
ははは! まるで俺の成功を称える祝砲のようだなっ!
さてさて、ここから何かあって鱗が落ちたら立ち直れないからな。
まずはリモデリングでしっかり接合させておかないと。
それに思った以上に魔力を食ってしまうから、連続で何枚も行うのは無理だな。
魔力を回復させながら進めるとしても……、1日に2~3回が限界だろう。
まぁ全然いいけどね!
むしろ1日に2枚は壁を完成させられるってんなら破格のスピードだ!
これで人工で高地を作り出すのも一気に現実的な話になったぜ!
魔力の回復中は街の建設作業を手伝おう。別荘建設で役に立つと思うからな!
俺の理想の別荘の建設まであと少し!
いやぁやる気が漲るわぁ~。
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