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11章 新たな都市の建設
442 儀式魔法陣
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今日も迷宮討伐の光が立ち昇る。
高層型と異界型がなかなか引けない。迷宮ガチャは確率が渋くていけないわ。
なんだかんだで鱗高地の3段目の天井も運び終わって、あとは細かい仕上げと別荘建設を残すのみとなった。
多分3段目の天井って、1000メートル超えてるよな?
鱗3枚でこれって、ユリバファルゴアが如何に頭のおかしい大きさだったかを物語っているな。
アイツ、宇宙空間からでも姿くっきり見えそうだわ。
迷宮討伐で得られた心核は、俺が代表して全てストレージに収納している。
そして半数をルイナスリーム用に確保し、もう半分は随時王様に献上している。
ルイナスリームでは結構心核使いそうだし、全部献上するのはちょっと困る。
かと言って心核を独占するのは、後々禍根を残すことになりそうだからな。仲良くシェアする。これが1番平和的だろう。
しかし、心核確保し放題ってのが広まると、タケルって結構危うい立場になるかもしれないか?
まぁタケル自身はあまり利権とか権力に興味なさそうだけど、周りが放っておいてくれるかは分からないかもしれない。どっかのロンメノのように。
今のところ、タケルは真面目に探索をして、確実に実力を付けてきている。
誰かが悪意を持ってタケルに近付いてきたとしても、それを退けるほどの実力を本人が持つのが最も安全なはず。
今のうちにどんどん強くなってもらいたいところだ。
「ああトーマさん、探しましたよ。今ちょっと宜しいですか?」
「おや? ダイバースさん。俺の都合は問題ないですよ。何か用事です?」
「ええ! 都市外に建設していた巨大儀式魔法陣が完成しましたので、有効化するために必要な心核を用意していただこうと思いまして」
おお! 通常の10倍の大きさの儀式魔法陣、ついに出来たのか!
通常サイズですら10人までは問題無く入れたからな。10倍の大きさだと、ボールクローグの祝福の儀もスムーズに進行しそうだわ。
「えっと、俺も立ち会ってみてもいいですか? 儀式魔法陣の完成する瞬間って、凄い興味があります。
あ、スキル神殿の秘密とかだったら、無理にとは言いません」
「おお! それでは是非お立会いください!
心配せずとも秘密などありませんよ。王が管理しているものですし、悪用のしようもありませんからね。
それでは参りましょう! 実は私も楽しみにしておりまして、今日は朝からずっとわくわくしていたんですよ」
珍しくテンションの高いダイバースさんについていく。
それにしても、悪用のしようがない、ってのは本当だろうか?
確かに魔物はスキルを覚えられないし、メリットはスキル神殿の利用料を払わなくていいことくらい、か?
スキルをバラしたくない場合……、いや、今だって別にスキルの開示は求められてないか。
確かに悪用する方法って、ちょっと思いつかないかな?
ルイナスリームを覆う鱗の壁を出て、街の南側に出る。
街の西側はリヴァーブ王国との交易路に、東側は雪エリアへの玄関口になるはずだ。
北側には異邦人エリアがあるから、なるべく重要施設をこちらに近づけたくはない、ということで、ルイナスリームの南側に巨大魔法陣は設置される事になったのだ。
「おお、これは本当に大きいですね……!」
外観はかなりシンプルに抑えられているが、それでも巨大さに圧倒される……!
ただ広いだけじゃ、ペルやガルムが建物内に入れないからな。
最低限として、グランドタートルでも中に入れるように、と注文しておいたのだ。
「ははは。私もこれほど巨大なスキル神殿を見たのは初めてですよ。
大きい分、内部には最低限の施設しかありませんが。
ささっ! どうぞ中へ! 私も気持ちが逸ってしまって、どうにも落ち着かないのですよ。あはは」
建設に携わってたダイバースさんには見慣れた光景か。
焦らすのも申し訳ないし、さっさと儀式魔法陣を有効化しよう。
神殿の内部は、本当に巨大な魔法陣が2つ並んでいるだけの、非常にシンプルな作りをしていた。
魔法陣の奥に、リーゼリア様とラーゼリア様の神像が祭られているくらいかな? こちらは通常サイズだったけど。
「それじゃ、1つにつき心核は10個で良いんですよね?」
「ええ、10倍の大きさにしましたから、10個で良い筈です」
とりあえず10個だけダイバースさんに渡す。
20個渡して何かあったら嫌だし?
「はい、確かに受け取りました、受け取りましたよ……!
それでは早速有効化を始めてしまいましょう! ふふ、年甲斐もなく高揚感が止まりません……!」
心核を持ったダイバースさんは、片方の魔法陣の中心まで歩いていく。
そして特に何を語ることもなく、突然魔力を放出し始めた。
まるでダイバースさんに呼応するかのように足元の魔法陣は発光し始め、発光した魔方陣に心核を1つ1つ落としていく。
心核は地面に弾かれることなく魔方陣に沈み込んでいく。
10個目の心核が魔方陣に沈んだ後、一際大きな光を放って魔法陣の光は消えた。
と同時にダイバースさんが膝から崩れて地面に蹲る。
「ダイバースさん? 大丈夫ですか? いったい何が?」
「ああトーマさん。儀式魔法陣の有効化には成功したのですがね……。流石に魔力を使い果たしてしまったようで、魔力切れ寸前です。
魔力切れなんて何年ぶりかで体験しましたよ……」
そういやグレンガも3回の2セット、6回ほど魔法陣を起動して魔力切れを起こしかけてたな。
単純比較できるか分からないけど、10倍の魔法陣を起動できたダイバースさんは、グレンガの倍近い魔力を持っているのかもしれない。
ダイバースさんにジェネレイトをかけて安静に休ませる。
ひと眠りして魔力が回復したダイバースさんは、続けてもう片方の魔法陣の有効化作業も済ませ、凄くやりきった顔をしていた。
この魔法陣を使う場合は、必ず立ち合わせてくれと念を押される。そもそも起動できるスキル担当官も多くないみたいだね、魔力消費量的に。
じゃあダイバースさんも期待してることだし、黒猫たちとに祝福の儀を受けさせようかな。
あの子達は肉食獣だ。それなりにSP貯まってるはずだし。
高層型と異界型がなかなか引けない。迷宮ガチャは確率が渋くていけないわ。
なんだかんだで鱗高地の3段目の天井も運び終わって、あとは細かい仕上げと別荘建設を残すのみとなった。
多分3段目の天井って、1000メートル超えてるよな?
鱗3枚でこれって、ユリバファルゴアが如何に頭のおかしい大きさだったかを物語っているな。
アイツ、宇宙空間からでも姿くっきり見えそうだわ。
迷宮討伐で得られた心核は、俺が代表して全てストレージに収納している。
そして半数をルイナスリーム用に確保し、もう半分は随時王様に献上している。
ルイナスリームでは結構心核使いそうだし、全部献上するのはちょっと困る。
かと言って心核を独占するのは、後々禍根を残すことになりそうだからな。仲良くシェアする。これが1番平和的だろう。
しかし、心核確保し放題ってのが広まると、タケルって結構危うい立場になるかもしれないか?
まぁタケル自身はあまり利権とか権力に興味なさそうだけど、周りが放っておいてくれるかは分からないかもしれない。どっかのロンメノのように。
今のところ、タケルは真面目に探索をして、確実に実力を付けてきている。
誰かが悪意を持ってタケルに近付いてきたとしても、それを退けるほどの実力を本人が持つのが最も安全なはず。
今のうちにどんどん強くなってもらいたいところだ。
「ああトーマさん、探しましたよ。今ちょっと宜しいですか?」
「おや? ダイバースさん。俺の都合は問題ないですよ。何か用事です?」
「ええ! 都市外に建設していた巨大儀式魔法陣が完成しましたので、有効化するために必要な心核を用意していただこうと思いまして」
おお! 通常の10倍の大きさの儀式魔法陣、ついに出来たのか!
通常サイズですら10人までは問題無く入れたからな。10倍の大きさだと、ボールクローグの祝福の儀もスムーズに進行しそうだわ。
「えっと、俺も立ち会ってみてもいいですか? 儀式魔法陣の完成する瞬間って、凄い興味があります。
あ、スキル神殿の秘密とかだったら、無理にとは言いません」
「おお! それでは是非お立会いください!
心配せずとも秘密などありませんよ。王が管理しているものですし、悪用のしようもありませんからね。
それでは参りましょう! 実は私も楽しみにしておりまして、今日は朝からずっとわくわくしていたんですよ」
珍しくテンションの高いダイバースさんについていく。
それにしても、悪用のしようがない、ってのは本当だろうか?
確かに魔物はスキルを覚えられないし、メリットはスキル神殿の利用料を払わなくていいことくらい、か?
スキルをバラしたくない場合……、いや、今だって別にスキルの開示は求められてないか。
確かに悪用する方法って、ちょっと思いつかないかな?
ルイナスリームを覆う鱗の壁を出て、街の南側に出る。
街の西側はリヴァーブ王国との交易路に、東側は雪エリアへの玄関口になるはずだ。
北側には異邦人エリアがあるから、なるべく重要施設をこちらに近づけたくはない、ということで、ルイナスリームの南側に巨大魔法陣は設置される事になったのだ。
「おお、これは本当に大きいですね……!」
外観はかなりシンプルに抑えられているが、それでも巨大さに圧倒される……!
ただ広いだけじゃ、ペルやガルムが建物内に入れないからな。
最低限として、グランドタートルでも中に入れるように、と注文しておいたのだ。
「ははは。私もこれほど巨大なスキル神殿を見たのは初めてですよ。
大きい分、内部には最低限の施設しかありませんが。
ささっ! どうぞ中へ! 私も気持ちが逸ってしまって、どうにも落ち着かないのですよ。あはは」
建設に携わってたダイバースさんには見慣れた光景か。
焦らすのも申し訳ないし、さっさと儀式魔法陣を有効化しよう。
神殿の内部は、本当に巨大な魔法陣が2つ並んでいるだけの、非常にシンプルな作りをしていた。
魔法陣の奥に、リーゼリア様とラーゼリア様の神像が祭られているくらいかな? こちらは通常サイズだったけど。
「それじゃ、1つにつき心核は10個で良いんですよね?」
「ええ、10倍の大きさにしましたから、10個で良い筈です」
とりあえず10個だけダイバースさんに渡す。
20個渡して何かあったら嫌だし?
「はい、確かに受け取りました、受け取りましたよ……!
それでは早速有効化を始めてしまいましょう! ふふ、年甲斐もなく高揚感が止まりません……!」
心核を持ったダイバースさんは、片方の魔法陣の中心まで歩いていく。
そして特に何を語ることもなく、突然魔力を放出し始めた。
まるでダイバースさんに呼応するかのように足元の魔法陣は発光し始め、発光した魔方陣に心核を1つ1つ落としていく。
心核は地面に弾かれることなく魔方陣に沈み込んでいく。
10個目の心核が魔方陣に沈んだ後、一際大きな光を放って魔法陣の光は消えた。
と同時にダイバースさんが膝から崩れて地面に蹲る。
「ダイバースさん? 大丈夫ですか? いったい何が?」
「ああトーマさん。儀式魔法陣の有効化には成功したのですがね……。流石に魔力を使い果たしてしまったようで、魔力切れ寸前です。
魔力切れなんて何年ぶりかで体験しましたよ……」
そういやグレンガも3回の2セット、6回ほど魔法陣を起動して魔力切れを起こしかけてたな。
単純比較できるか分からないけど、10倍の魔法陣を起動できたダイバースさんは、グレンガの倍近い魔力を持っているのかもしれない。
ダイバースさんにジェネレイトをかけて安静に休ませる。
ひと眠りして魔力が回復したダイバースさんは、続けてもう片方の魔法陣の有効化作業も済ませ、凄くやりきった顔をしていた。
この魔法陣を使う場合は、必ず立ち合わせてくれと念を押される。そもそも起動できるスキル担当官も多くないみたいだね、魔力消費量的に。
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