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11章 新たな都市の建設
461 王国との関係性
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ディオーヌ様が保護区の設定に賛成してしまった事で、帰るタイミングを失してしまった。これ狙ってやってるなら敵わないなぁ……。
「なぜだ? というよりも、動物とやらと交流する必要性がわからん。
冒険者たちも強くなっているだろう。今は有用な生き物であれ、いずれ冒険者達に置いていかれる存在であろうが」
「……ブルガーゾ殿。もうちょっと考えてから発言してくれないかな?
エリアキーパーを倒したトーマさんが有用性を認めている生物なんだよ? いずれ冒険者に置いていかれる? 逆でしょう。冒険者は未だ彼らの隣りに立つ資格がないんだ。
トーマさん。その生物達の戦闘力ってどのくらいなのかな?」
ファーガロン様が聞いてくるけど、戦闘力かぁ……。
ペル達やスナネコたちは肉食獣だし、それなりに高い戦闘力を持ってそうだけど、ぶっちゃけあいつらに戦闘させるつもりないしなぁ。
「不明ですね。彼らを戦わせた事はありませんし、今後も戦わせるつもりは俺にはありませんから。確認する気もないです」
さっきから動物達を利用しようってのがみえみえの会議内容だったから、あんまり俺と意識を共有してない感じはするんだよねぇ。為政者としては普通の考え方なんだろうけどさ。
「既に接触できている動物を、私達に紹介してくれる気もないのですよね?」
「ないですね。俺は彼らを友人だと思ってますから。有用かどうかで見る人には紹介できません」
「貴様っ! 王国を敵に回すことになったとしてもかっ!?」
「そうしたら逃げますよ。逃げて2度と王国には関わりません。今この場で俺を捕縛できる人がいるとは思いませんし、別に王国と敵対するつもりもないですから。
そうですねぇ。雪エリアの更に先辺りまで逃げれば、俺を追いかけてこれる人って居るんですかね?」
もう王国に拘る必要って何1つないからなぁ。まぁ家族には迷惑かける事にはなるけど。
未踏のエリアを旅し続けるのは、結構憧れる生活かもしれない。
「ブルガーゾはもうちょっと頭使えよ。今この場で俺に凄んで何の意味がある? 俺にそんなものが通用すると?
エリアキーパーを3体打倒している俺に、武力での脅しが通用すると思ってんのか?
俺はやろうと思えば、瞬きの瞬間に誰にも気付かせずにお前の首を落とすこともできるんだぞ? その俺がなんで大人しく会議に参加してると思ってんだ? 王国と敵対する意志がないからだよ。敵対する力がないわけじゃない。
言いたかないが、俺は各地のターミナルを回って、1日で王国の主要都市を全滅させることもできるんだぞ? 逆にお前にそれが止められんのか?
ブルガーゾよぉ。お前いい加減学べよ雑魚が。テメェなんか俺からみたら、迷宮1階層の魔物を相手にするのと変わらねぇんだよ。何のために会議してると思ってんだ。お前の頭ん中は何も入ってねぇのかよ」
ボールクローグでワンパンで沈めてやったときよりも、むしろ実力差は開いてんだよなぁ。
何でこいつはいつまで経っても、自分が強者だと勘違いしてられるんだ?
「仮にターミナルを破壊しても、機動性抜群の動物たちは独占している状態だし、ルイナスリームという拠点もすでに完成しちゃってるからねぇ。逆に王国側からルイナスリームに行ける人は少数だし、行ったって単純な実力差で勝ち目が無い。
しかもカルネジア家の本拠地であるボールクローグでは、異風の旋律は英雄扱い。敵対しようものなら逆にカルネジア家が失脚しかねない。勿論エリアキーパーの打倒されたウィルスレイアとヴェルトーガでも、彼らとの敵対を賛成する人はいないだろうね。
ブルガーゾ殿。状況は分かったかな? 分かったら大人しく席について欲しいなぁ? 僕もいい加減、貴方の態度にはうんざりしてきてるんだけど?」
「――――ふんっ!」
身を乗り出していたブルガーゾが、乱暴に席に着いた。ダッサこいつ。
「というか今までの彼らとの付き合いで、皆さんまだ学んでいないのかい? 異風の旋律の提案は、断られても異風の旋律は困らないんだよ。でも彼らは僕たち王国民の利益を考えて、あえて提案してきているんだ。彼らの提案を断ったら損をするのは僕たちなんだよ。
何で今さらこの程度の事をこの場で説明しなきゃいけないんだ。馬鹿らしい」
「ファーガロン様の言う通りなのですよね。実際に彼らはやろうと思えば、1日で王国を滅亡させることも可能なんですよ。冗談でも大袈裟でもなく。
そのような力を持っていても、勝手をせずに我々に報告をあげ、相談してくれるのは、彼らの誠意によるものなのです。真剣に話し合うのならば良いですが、彼らを敵に回そうなんて愚の骨頂なんです。
ブルガーゾ様。いい加減自覚なさってください。カルネジア家は、既に絶対強者でもなんでもないのだと」
「黙れ黙れ黙れえええ!! 不愉快だ!! 後は勝手にするがいい!!」
散々ディスられたブルガーゾは、喚き散らして会議室を出ていった。
「は? あれが許されるなら俺もやりゃ良かったわ」
「許されるはずがなかろう。ブルガーゾには処分を言い渡しておく。
それでは保護区の設置については許可しようと思うが、反対の者はおるか?」
この流れで反対できる鉄メンタルの者は居なかった。
「それではトーマよ。人が住んでおらず、街道も通っていない場所であれば自由に使ってくれて良い。
それでわざわざ我らに話を通したのは、新しいエリアに進出した際にも、保護区を設定するルールが欲しかったからであろう。そちらの方は急ぎではなかろうから、ルールを吟味してから設定させてもらおう」
「ああ、それは助かります。俺がこの世界のエリアを全て回れるわけじゃないですからね。
それじゃちょうどブルガーゾが居なくなって、残った3精霊家と王家には、土地の購入代を振り込んでおきます。必要ないかもしれないですけど、まぁこちら側の誠意だとでも思って受け取ってください」
ふぅ。今回の会議の1番の目的であった個人口座の放出は達成できた。
あとはまぁ……。今後王国に阿る意味ってあるのかなって感じだわ。敵対する気はないけどめんどくせぇ。
「なぜだ? というよりも、動物とやらと交流する必要性がわからん。
冒険者たちも強くなっているだろう。今は有用な生き物であれ、いずれ冒険者達に置いていかれる存在であろうが」
「……ブルガーゾ殿。もうちょっと考えてから発言してくれないかな?
エリアキーパーを倒したトーマさんが有用性を認めている生物なんだよ? いずれ冒険者に置いていかれる? 逆でしょう。冒険者は未だ彼らの隣りに立つ資格がないんだ。
トーマさん。その生物達の戦闘力ってどのくらいなのかな?」
ファーガロン様が聞いてくるけど、戦闘力かぁ……。
ペル達やスナネコたちは肉食獣だし、それなりに高い戦闘力を持ってそうだけど、ぶっちゃけあいつらに戦闘させるつもりないしなぁ。
「不明ですね。彼らを戦わせた事はありませんし、今後も戦わせるつもりは俺にはありませんから。確認する気もないです」
さっきから動物達を利用しようってのがみえみえの会議内容だったから、あんまり俺と意識を共有してない感じはするんだよねぇ。為政者としては普通の考え方なんだろうけどさ。
「既に接触できている動物を、私達に紹介してくれる気もないのですよね?」
「ないですね。俺は彼らを友人だと思ってますから。有用かどうかで見る人には紹介できません」
「貴様っ! 王国を敵に回すことになったとしてもかっ!?」
「そうしたら逃げますよ。逃げて2度と王国には関わりません。今この場で俺を捕縛できる人がいるとは思いませんし、別に王国と敵対するつもりもないですから。
そうですねぇ。雪エリアの更に先辺りまで逃げれば、俺を追いかけてこれる人って居るんですかね?」
もう王国に拘る必要って何1つないからなぁ。まぁ家族には迷惑かける事にはなるけど。
未踏のエリアを旅し続けるのは、結構憧れる生活かもしれない。
「ブルガーゾはもうちょっと頭使えよ。今この場で俺に凄んで何の意味がある? 俺にそんなものが通用すると?
エリアキーパーを3体打倒している俺に、武力での脅しが通用すると思ってんのか?
俺はやろうと思えば、瞬きの瞬間に誰にも気付かせずにお前の首を落とすこともできるんだぞ? その俺がなんで大人しく会議に参加してると思ってんだ? 王国と敵対する意志がないからだよ。敵対する力がないわけじゃない。
言いたかないが、俺は各地のターミナルを回って、1日で王国の主要都市を全滅させることもできるんだぞ? 逆にお前にそれが止められんのか?
ブルガーゾよぉ。お前いい加減学べよ雑魚が。テメェなんか俺からみたら、迷宮1階層の魔物を相手にするのと変わらねぇんだよ。何のために会議してると思ってんだ。お前の頭ん中は何も入ってねぇのかよ」
ボールクローグでワンパンで沈めてやったときよりも、むしろ実力差は開いてんだよなぁ。
何でこいつはいつまで経っても、自分が強者だと勘違いしてられるんだ?
「仮にターミナルを破壊しても、機動性抜群の動物たちは独占している状態だし、ルイナスリームという拠点もすでに完成しちゃってるからねぇ。逆に王国側からルイナスリームに行ける人は少数だし、行ったって単純な実力差で勝ち目が無い。
しかもカルネジア家の本拠地であるボールクローグでは、異風の旋律は英雄扱い。敵対しようものなら逆にカルネジア家が失脚しかねない。勿論エリアキーパーの打倒されたウィルスレイアとヴェルトーガでも、彼らとの敵対を賛成する人はいないだろうね。
ブルガーゾ殿。状況は分かったかな? 分かったら大人しく席について欲しいなぁ? 僕もいい加減、貴方の態度にはうんざりしてきてるんだけど?」
「――――ふんっ!」
身を乗り出していたブルガーゾが、乱暴に席に着いた。ダッサこいつ。
「というか今までの彼らとの付き合いで、皆さんまだ学んでいないのかい? 異風の旋律の提案は、断られても異風の旋律は困らないんだよ。でも彼らは僕たち王国民の利益を考えて、あえて提案してきているんだ。彼らの提案を断ったら損をするのは僕たちなんだよ。
何で今さらこの程度の事をこの場で説明しなきゃいけないんだ。馬鹿らしい」
「ファーガロン様の言う通りなのですよね。実際に彼らはやろうと思えば、1日で王国を滅亡させることも可能なんですよ。冗談でも大袈裟でもなく。
そのような力を持っていても、勝手をせずに我々に報告をあげ、相談してくれるのは、彼らの誠意によるものなのです。真剣に話し合うのならば良いですが、彼らを敵に回そうなんて愚の骨頂なんです。
ブルガーゾ様。いい加減自覚なさってください。カルネジア家は、既に絶対強者でもなんでもないのだと」
「黙れ黙れ黙れえええ!! 不愉快だ!! 後は勝手にするがいい!!」
散々ディスられたブルガーゾは、喚き散らして会議室を出ていった。
「は? あれが許されるなら俺もやりゃ良かったわ」
「許されるはずがなかろう。ブルガーゾには処分を言い渡しておく。
それでは保護区の設置については許可しようと思うが、反対の者はおるか?」
この流れで反対できる鉄メンタルの者は居なかった。
「それではトーマよ。人が住んでおらず、街道も通っていない場所であれば自由に使ってくれて良い。
それでわざわざ我らに話を通したのは、新しいエリアに進出した際にも、保護区を設定するルールが欲しかったからであろう。そちらの方は急ぎではなかろうから、ルールを吟味してから設定させてもらおう」
「ああ、それは助かります。俺がこの世界のエリアを全て回れるわけじゃないですからね。
それじゃちょうどブルガーゾが居なくなって、残った3精霊家と王家には、土地の購入代を振り込んでおきます。必要ないかもしれないですけど、まぁこちら側の誠意だとでも思って受け取ってください」
ふぅ。今回の会議の1番の目的であった個人口座の放出は達成できた。
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