異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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11章 新たな都市の建設

464 ウェブクラフター

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「はぁ~疲れたわ。変な勘ぐりされても知らねぇってんだよなぁ?」

 
 流石に愚痴りたくもなるわ。別に俺はなにも悪くないじゃんか。


「まぁねぇ。王国側の気持ちも分からないでもないよ。僕達はちょっと突出しすぎてるもんね」

「でもそれだって別に悪いことしたわけじゃないでしょー? むしろトーマと同じ条件、スキップやゲートを持っていた今までの冒険者はなにしてたのって話でしょー? トーマにどうしろって言うのよ、もー!」

「リーンの言う通りですよねぇ。エリアキーパーの件なんて、捜索から討伐まで全部自分達でやりましたし、ルイナスリームも王国側の支援って、殆ど無きに等しいですよね。
 むしろ、各都市から1つずつギルドを、なんて王国側の要望を受け入れた形ですし」

「うん。流石に異風の旋律に依存してるから見捨てないでくれ、は無いかな。
 その依存度を下げるための行動だって、私達が自主的にしてるっていうのに」

「動物達のことも、私達が独占してる、なんて言い方するのは酷いよね……!
 私たちはただみんなとお友達になっただけなのに、まるで利用してるみたいな言い方するなんてっ……!」


 おお、リーネまで怒ってるのは結構珍しいな。
 

「それに今日みんなは莫大なお金を王国側に寄付したわけっすよね? そりゃ王国側は無力感抱くかもしれないっすけど、みんなに非があるとは言えないっすよねぇ」

「それはそれとして、実際に王国を出ていくってなったとしても、確かにあまり困らないわよね?
 魔法で水もあるし、洗浄があるから衛生面でも不安はなし。生産面でもマーサとトーマが居て作れないものってないし、食べ物は魔物を狩って食べればいいんだし。
 あはは。これは王国側も焦るわけね。私達はもう未開エリアですら生きていけそうなんですもの」

「おいおいつまんねぇ話は止めておこうぜ? それより聞いてくれよみんな。トーマの新しい武器、ガントレット型の心核武器が完成したんだよ。気分転換も兼ねてみんなで工房に見に来ねぇか?」

「お、マーサマジで!? いいじゃんいい話じゃん! 行こうぜみんな!」


 マーサのおかげで愚痴大会を切り上げることが出来た。

 俺たちはみんなで工房に移動する。


「こいつがそのガントレットさ! ザルトワシルドアの素材を使ってる、もう2度と作られる事はない武器だぜ!
 いつも通り、トーマが名前をつけてやってくれよな!」


 マーサから真っ黒なガントレットを受け取る。
 とりあえず装備してみて、装着感を確かめる。ピッタリだな。

 両手のガントレットを見つめる。
 流石に手甲の名前なんて何も思い浮かばないよなぁ。
 今までみたいな漢字名も思いつかない。そもそも和風武器でもないし。

 ガントレットから目を離し、正面に立つマーサを見る。

 う~ん、そうだなぁ。


「『ウェブクラフター』。コイツの名前はウェブクラフターにするよ」


 名付けた瞬間、元々ピッタリだった付け心地が、まるで自分の肌の一部のように感じられるようになった。
 どうやらこの名前も気に入ってもらえたのかな?


「うん。流石に今回はちょっと分からないかな? クラフターってことでマーサを意識したんだろうけど、ウェブはどこから持ってきたの?」

「毎回説明しなきゃなんねぇの……?
 ウェブってのは繋がりって意味を込めてつけたんだよ。ちょっと今日、王国との関係性も考えさせられたしさ。
 俺たちは確かに突出してしまったかもしれないけれど、繋がりを断ち切るんじゃなくて、繋がりを生み出すような生き方をしていきたいじゃないか。だからウェブクラフター。そう名付けてみたんだよ」

「繋がりを生み出す、か。まさにトーマが今までやってきたことそのものじゃねぇか!
 ……私も、私も繋がりを作り出す手伝いがしていきてぇ。この先もずっとな。これからもよろしく頼むぜ」

「ははっ! 手伝いどころか、マーサが居なかったら、ランドビカミウリの辺りでとっくに死んでたと思うぜ?
 自信持っていいぜマーサ。お前は最高の職人にして、異風の旋律の活動を支える大黒柱で、それで最高の嫁さんだ!」


 マーサを抱き寄せて口付けをする。

 はは、俺のほうが背が低いのか。かっこつかねぇなぁ。


「ちょっとーー! 鈴音が出来た時、私にはそんなことしてくれなかったでしょー!
 勿論武器を作ったマーサはすっごく偉いけど、それとこれとは話が別だよトーマ!」

「そうですね。鈴音は私たち3人を想ってつけてくれた名前でしょう? マーサを想ってつけた名前で感極まるなら、私たちにも同じことをしてもらわないとおかしいです、ね? リーネ」

「べ、別に私は……って、ここは引くところじゃないよねっ……!
 トーマっ! トルネの言う通り、私たちにも同じ事してもらわないとおかしいよっ……!」

「あっはっは! とうとうリーネも敵に回ってしまったみたいっすねぇ! これは暁の分も取り立てさせてもらうっすよぉ!」

「そうそう。私も透月の分でまだ構ってもらってなかったわね? これはトーマに頑張ってもらわないといけないわね」

「うん。これはみんな収まりがつかなそうだね。
 ねぇみんな。トーマを連れて別荘に行ってきたらいいんじゃないかな? あそこなら何の気兼ねも要らないでしょ?」

「あっははは! ハルもよく言うね! 完全に厄介払いじゃないか!
 ま、頑張ってよトーマ。明日は中央農地に行くんだから忘れちゃダメだよ? 僕が起こしに行くわけにもいかないんだから」

「ま、これでトーマの装備も全部作り終えたことになるしな! そのくらいの成功報酬はくれてもいいんじゃねぇのかトーマよぉ?」

「はっ! お前らこそ全員覚悟しろよ! 別荘に行ったらもう我慢なんて出来ねぇからなっ!」


 別荘に移動し、全力でお風呂の準備をした後、夜が明けるまでみんなに相手をしてもらうのだった。
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