異世界で目指せハーレム生活！ でも仲間のほうがモテモテです

11章 新たな都市の建設

474 襲撃

「おいオッサン！　ちょっとツラ貸せや！」


　日課のソロ探索を終えてさて帰ろうかとしていたところを、生まれる時代を間違えた不良みたいなセリフを吐きながら、見たことのない集団が現れた。

　無視してゲートを詠唱する。


「何無視してんだオッサン！　ブルってんじゃねぇぞ、おお！？」


　喚きながら掴みかかってきたけど普通に避ける。いや避けるよ、うん。


「この野郎！　チョコマカとウッゼェ野郎だぜぇ……！」


　ていうか周りの奴等も手伝ってやれよ！　可哀想だろ！　コイツが！


「さっきからなぁに遊んでんだよ。お前はもう少し落ち着きを持てっつうの。
　なぁオッサン。トーマっつったっけ？　ちょっと俺たちに付き合って欲しいんだけど、時間くんないかな？」

「用件次第だな。何の用？　俺って知らない人には付いていくなって躾けられてんだよね」

「ああ、俺たちもオッサンの躾けに協力してやろうってんだよ。
　なぁオッサン。ちょっとタケルさんと出会うのが早かったくらいで、調子乗ってんじゃねぇぞ？
　もうタケルさんに近づけないように、ちょっと体に躾をしてやろうってだけの話だよ」

「ああ、そういうの結構です。それじゃあね」


　開いたゲートに飛び込んでとっとと帰る。いやぁルイナスリームって物騒なところですね。



「テメェ！　昨日はよくもコケにしてくれたなぁ！」


　そして翌日も絡まれる。ですよねー。

　逆にちょっと相手するの面白くなってきたけど、流石に毎日付き合うのも面倒なので、ちゃんと対話して解決しよう。俺たちには言葉があるんだ！　きっと分かりあえるさ！

　まぁどっちでも良いんだけど。


「おはようみなさん。んで何の用？　タケルに近付かなきゃいいならもう近付かないけど？　タケルの方にも2度と俺に近付くなって言ってやれば気が済むわけ？」

「テメェ何様のつもりだオラァ！　テメェ如きがタケルさんに指図しようなんざ、100年はえーんだよぉ！」


　くっ……。セリフのチョイスがちょいちょい昭和臭してきて笑ってしまいそうになる……！


「オホン！　いや失礼。別に俺はあんたらと揉めようとは思ってないんだよ。あんたらの要求がタケルに近付くな、ならそれに従うって言ってるだけなんだけど」

「はっ！　このオッサンビビってやがるぜ！　そうだなぁ？　それじゃあテメェが囲ってるって女、俺たちに……」

「それ以上言った瞬間、お前ら全員可能な限り苦しめて殺してやるけど覚悟はいいな？
　撤回するなら3秒だけ待ってやるぞ？」

「――――なっ！？」


　相手は6人。チート能力持ちだろうが知ったことじゃないな。
　五感を集中して周囲を探るが、アイソレーションで隠れている奴は居ないようだ。


「よし3秒経った。全員死ね」


　トランスを使って全員の両腕両足をへし折って、1ヵ所に集める。


「――――へ？
　って、えええええいてええええ！？」

「ぎゃあああああ腕が！？　足がああああ！？」


　音魔法で遮断してるけど煩いなぁ。

　さて、早朝とはいえ、ここだといつ人が来るか分からないからな。
　かと言って別荘や保護区に連れて行くのは俺がヤダ。ということでユリバファルゴア戦跡地に移動。

　6人を引き摺って、20分ほど全力で走る。
　さて、これで久我のような転移持ちでもいない限り、こいつらが自力で帰る可能性は限りなく低くなったな。


「お待たせ。人目に付くのもどうかと思って、場所を移動させてもらったよ。ここならいくら叫んでもいいぞー」


　どうせ俺の耳に届く前に遮断するしー。


「ってかお前ら異邦人だろ？　チート使ってこの状況何とかしろって！　頑張れ頑張れ！　お前らは神に選ばれた特別な存在なんだから、この程度の逆境跳ね返せるって！」


　あ、ダメだな。砕かれた四肢の痛みで完全に心が折れてるらしい。

　……とりあえず臭えから全員に洗浄かけるか。


「さて、死にたければそのまま叫んでてくれていいからな？　これから俺が質問するから、ちょっとでも言い淀んだ瞬間に手か足の1本を切り捨てるから、慎重に答えてくれよー。
　あと俺の独断で、嘘だと思った瞬間に2本切り落としてやるから、軽率な答えはお勧めしない。
　さて、お前ら誰の依頼で俺を襲ったんだ？」

「だ、誰からも依頼されてねえよ！　タケルさんに気に入られてるテメェにムカついたから、ちょっと焼き入れてやろうって、それだけだよおおお悪かったよおおお」

「俺の女がどうとか言ってたお前。俺に何か言うことは？」

「済みませんでしたっ！　済みませんでしたっ！　チョーシ乗ってました！　済みませんでしたあああっ！」


　ふぅん？　確証があるわけじゃないけど、嘘を言ってる感じはしないな。
　俺の悪評に便乗しただけのチンピラか。


「まぁ嘘を言ってないようだから、今回だけは勘弁してやるよ。2度目はないけどな。
　さて、お前らに選ばせてやるよ。
　1つ。俺が思いつく限りの拷問を試してから、ルイナスリームに送っていくルート。
　2つ。このままここで解放。現地解散ルート。好きなほう選んでいいぞ。
　シンキングタイムは5秒な。5秒経ったら全員強制的に現地解散ルートになるからね。
　それじゃあカウントダウン、始めよっか」


　久々に色々検証出来て、大変有意義な時間でございました。
　ウェブクラフターをこんなことに使うのは気が引けるけど、性能をちゃんと把握していないと、いざって時に困るからな。少ない機会なんだから、入念にチェックしておかないと。

　日没までたっぷりとウェブクラフターの性能調査を行った後、調査にご協力いただいた皆さんはルイナスリームに捨てておいた。