異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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12章 俺が望んだ異世界生活

492 出発

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「俺は世界中を回って、まだ見ぬ動物達と友達になりたいと思うんだ」


 その日の夜に皆に話すと、どうぞどうぞ、と非常に軽いノリで受け入れられてしまった。

 しかし話し合っていくつかルールを決める事に。

 1つ。基本的にエリアキーパーとの戦闘は避けること。もしもどうしても戦闘が避けられない場合は必ず勝利して生還する事。

 2つ。長くても5日以内には必ず家に戻ること。遠くに行ってもゲートさえあれば簡単に帰ってこられるので、エリアごとに1つか2つはターミナルで拠点を作りつつ進むこと。

 3つ。仲良くなった動物は必ず家族にも紹介すること。その為小さい子供達でも問題なく過ごせるような簡易拠点を、各地にいくつか建設すること。

 大まかにはこの3つくらいだ。
 細かい事を決めても仕方ない。無事に帰ってきて、家族と楽しく暮らす為の決まり事なんだから。


「それじゃ旅の開始日は僕と合わせようか。お互いほとんど毎日家には戻る事にはなるんだけどさ。
 始めにどのエリアに向かうかは決めてるの?」

「ああ。やっぱり気になるのはミルズレンダ方面の動物だよな。山岳地帯だけまだ確認出来てないから、まずは南から調査してみたいと思ってる」

「確かに山岳地帯の動物がまだ見つかってねぇんだよなぁ。でもミルズレンダに居た頃にそんな話は聞かなかったし、やっぱり手探りで探さなきゃならねぇぜトーマ?」

「手探りなのは仕方ないよ。というか動物探しはガルム以外全部手探りだったからな。今後更に先のエリアまで進むことを考えたら、手探りの調査に慣れておかないといけないし」

「子供が手を離れたら一緒に付いていきたいけど、何年かは無理だよね……。出来るだけ沢山トーマの子供産みたいしー……」

「毎年7人ずつ子供が増えるとなると、別荘の拡張も必要になりそうですねぇ。
 ウミガメさんのところはあまり広くするわけには行きませんが、こちら側の別荘はいくら建物を増やしても余裕がありますし、100人以上子供作っても大丈夫でしょう」

「1人当たり14人は生まなきゃいけないわね。勿論もっと欲しいならいくらでも産んであげるからねトーマ」

「もうデレデレを通り越して、若干ヤンデレ入ってないっすかね?
 子供100人っすか。大家族ってレベルじゃないっすねぇ」


 嫁の顔を見渡した感じ、いけるような気がするけどね、うん。


「そんじゃ明日はルイナスリームに行って祝福の儀を受けて、その後は別行動って事になるな。
 俺はミルズレンダに、シンは保護区に向かうことになるのかね」

「急に話題を変えたようにしか思えないけど、その流れでいいんじゃないかな。
 それとトーマはこれからターミナルを沢山使うようになると思うから、野良迷宮とかが見つかったら心核は確保しておくね。
 タケルから買ってもいいけど、足りているうちは自前で用意しよう」


 よし。新たな旅の目標は決まった。あとは出発するだけだ。

 その日の夜は100人計画の為というわけではないけれど、盛大に門出を祝ってもらった。


 次の朝、ソロ探索はせずにシンと2人でルイナスリームに向かう。
 追加で転移して来た異邦人が増え始め、現在ルイナスリームでは500人近い異邦人が定住し、異邦人が経営する商店などもそこそこ出店され始め、賑わいを見せている。

 残念ながらスキー場の建設には到っていないけどね。


 適当に食事を収納してから祝福の儀を受ける。
 水中系スキルを取得して以来の祝福の儀だったので、既にSPは3000万を超えている。

 残っていた魔法強化系スキルと『魔力量増加:大』を取得すると、現時点で取得できるスキルはなくなった。

 
 うーん、これはどう捉えるべきなんだろうな。
 実際俺とシンは、ここまでのスキル構成でもエリアキーパーを打倒する事が可能だったわけだ。
 これで基本スキルの取得が完了したと考えるなら、エリアキーパーを超える存在はリンカーズには存在していない、と考えて良いんだろうか?

 あまり楽観するのも危険かもしれないけれど、少なくともSP稼ぎをする必要性は、今のところなくなったと思っていいかなぁ。

 スキル神殿の入り口で、2人でゲートを詠唱する。


「当面の目標は、管理ダンジョン全ての踏破と、存在が確認出来ている都市や村を全て回ってみることかな?
 とにかく色んな事を経験して、この国で僕が何をしていくべきかをゆっくり考えたいと思ってる」

「俺の当面の目標は言うまでもなく、山岳エリアに生息する動物の発見と保護だな。それに成功したら、そのままエリアキーパーを無視して他のエリアに足を運べるか、試してみようと思ってる。
 世界中の動物を調査してみたいけど、その為にエリアキーパーを全て倒さなきゃいけないなんて、冗談じゃねぇからな」

「そうだね……。出来れば僕ももう2度と戦いたくないよ。
 それに多少時間がかかるにしても、王国民だけでエリアキーパーを倒せるようにならないと、いつか滅亡するのは避けられないもんね」


 そして2つのゲートが同時に開く。


「なんか前にシンたちと別れなきゃいけなかったときは、凄ぇ寂しいって思ったんだけどさ。今回はなんか全然そんな気にならないんだよな。
 あの時と比べりゃ、お互い成長したもんだと思うよ」

「それにまぁ……。ゲートでちょくちょく家に帰らなきゃいけない旅だからね。別々の道を選んだっていうのに、殆ど毎日顔を合わせる事になると思うよ?
 そりゃあ寂しいなんて思うわけないさ」


 確かにその通りだなと、2人で大笑いする。

 最後に軽く拳をぶつけて、俺たちは同時に別々のゲートに飛び込んだ。
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