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12章 俺が望んだ異世界生活
499 世界最大の迷宮を
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「タケルー。今日予定あるー?」
「おうトーマじゃねぇか。別に外せない予定はねぇけど、なんか用か?」
翌日、ルイナスリームの異邦人住宅街に赴き、タケルを訪ねる。
タケルは異邦人と王国民から1人ずつ奥さんを娶っている。
タケルが王国民から奥さんを貰うのは中々に想像できなかったけど、割と毎日幸せそうにしている。
グラメダワルケア見学登山道が完成したことと、その帰りに考えた迷宮構想、ルイナスリームの管理外に世界最大の迷宮を作ろう計画をタケルに伝える。
「エリアキーパーが見れるようになるのか。俺も条件はパスしてるみてぇだし、1度見に行ってみっかな。
それにしても、ルイナスリーム外に新たな迷宮を作る案、俺も賛成だぜ。
つうのもよ。ここが最大の迷宮都市になっちまってっから、王国民の流入が止まらなくてちょっと頭を抱えてたんだよ。俺としては、ルイナスリームは異邦人を優先した都市にしたいと思ってっからさ」
「そうなんだよな~。スキップオーブがあるから、強くなればなるほどにルイナスリームしか行き場が無くなってる状態だもんな。
さて今回の迷宮作成は王国に断らないで勝手にやっちまおうと思ってんだけど、タケルは何処に作るのがいいと思う? 少なくともルイナスリームからは離れた場所の方がいいと思うけど」
「うっは! 黙ってやるとかめちゃくちゃ楽しそうじゃねぇか! 乗ったぜ!
そんで場所だったな! 最大の管理迷宮ともなると、人が集まってくるだろうから氾濫の心配はねぇだろうが、あとから文句を言われない為にも国境壁外のほうがいいんじゃねぇかな。
それで居て王国民にも利用しやすいってなると……。国境壁の4隅の外側とかいいんじゃね?」
「それ採用! この国って国境壁の4隅は殆ど使われてねぇから、人の迷惑にはならないはずだ。
そんで西側は海エリアが邪魔しちゃってるから、北東か南東に作ることになるかな」
「その2択なら南東がいいんじゃねぇか? 北東は砂漠と森林エリアの境界、南東は砂漠と山岳エリアの境界なわけだろ? 南東側の方が不毛の大地っぽくね?」
そうなんだよなー。
海エリアと砂漠エリアはリヴァーブ王国の領地よりも広いらしくて、森林エリアと山岳エリアを侵食してんだよね。
というか各エリアの広さは一定じゃないと考える方が自然かもしれない。
「それじゃ南東の国境壁の角で決定だな。俺は1度帰ってスナネコたちに協力要請を出しつつ、家からターミナル1個持ってくるわ。
ウィルスレイアに転移して、そこから国境壁に沿って南に向かうとしようぜ。多分1日で端までいけると思う」
「おっけーい! それじゃお互い準備してから、ウィルスレイアのターミナルで合流しようぜ!
そうそう、こういうのでいいんだよこういうので! 人に迷惑をかけずに好き勝手楽しみてぇんだよ!」
お互い色々手を出し過ぎちゃったところあるもんな。
たまには誰のことも気にせずに、遊び半分で行動したっていいじゃない。男の子だもの。
スナネコはトルネが命名したパルダに協力をお願いし、マーサからターミナルを受け取って、パルダと一緒にウィルスレイアへ。
「おー、トーマ来たな! そんじゃ早速行こうぜ!
えっとお前は……、パルダか! パルダもよろしくぅ!」
パルダの引く馬車に乗り込み、ウィルスレイアから国境壁の外に出て、そこから国境壁に沿って南に一直線に走り出した。
相変わらずスナネコのスピードは凄まじいなぁ。
「いやぁ嬉しいぜトーマ! ルイナスリーム以降はあんまりお前と絡めなかったからさ。
しかもまた俺の『迷宮操作』が役立てるなんて、嬉しいに決まってんぜ!」
「タケルにはお世話になりっぱなしだなぁ。ソロで114階層到達者にもなったみたいだし、名実共に異邦人のリーダーになったよな。お前にルイナスリームとカンパニーを譲ったのは間違ってなかった」
「お前あの時の騒動を利用して、カンパニーとルイナスリームを押し付けただけじゃねーか! あはははは!」
おっさん2人となると、なーんか会話が気安くなっちゃうよね。
男同士でしか成立しない空気みたいなもんがある。
バカ話をしながら馬車に揺られていると、日没さえも待たずに国境壁の角まで到達してしまった。
めちゃくちゃ速ぇなパルダ。
「そんじゃまぁ、街が建設しにくい砂漠側に『迷宮操作』よろー」
「ぎゃはは! あえて迷宮都市建設が滞るようにっつう判断かよっ!? おっけぃ!」
タケルの魔力がちょっと動いた。恐らく迷宮の誘引が始まったんだろうな。
「よし、そんじゃターミナルを設置してくるわ。
砂漠エリアは魔物が来ないけど、山岳エリアから魔物が流れてくる可能性はあるから、ちょっと高くしておこうかな」
砂漠の砂を思い切り圧縮しつつ、土魔法で生成した土を混ぜ込んで土台を作っていく。
あっという間に、というほど短い時間では完成できなかったが、気付いた時には10メートルくらいの高さのターミナル広場が出来ていた。
「い、一般人に利用させる気がなさすぎだろぉ~!!?」
タケルが腹を抱えて砂漠を転げまわっている。
いやいや魔物対策だっつうの。嫌がらせの意味なんてそんなに込めてないわっ!
ターミナル広場に、土魔法で簡易的な小屋も建てておく。
この迷宮はタケルに管理を任せるつもりだから、タケルの要望を聞いて内装を整えていく。
「最近はやることもなかったからよぉ。すっげぇ楽しみだぜ。
誰にも気付かれずに世界最大の管理迷宮がいつの間にか完成してるなんて、もうその説明だけで笑えるわ!
管理は任せてくれ! 戦闘がきつくなってきたと思ったら連絡すっからさ」
「ああ頼むよ。協力は惜しまないしな。
そうだな。一応毎日ルイナスリームの冒険者ギルドに顔を出すから、俺への連絡は冒険者ギルドに頼む」
下手に誰かに報告すると、まーた城に呼ばれる自体になりかねないからな。
もう勝手に作っちまって、事後報告でいいわ。
ディオーヌ様も事後報告でいいって言ってたしな。
「おうトーマじゃねぇか。別に外せない予定はねぇけど、なんか用か?」
翌日、ルイナスリームの異邦人住宅街に赴き、タケルを訪ねる。
タケルは異邦人と王国民から1人ずつ奥さんを娶っている。
タケルが王国民から奥さんを貰うのは中々に想像できなかったけど、割と毎日幸せそうにしている。
グラメダワルケア見学登山道が完成したことと、その帰りに考えた迷宮構想、ルイナスリームの管理外に世界最大の迷宮を作ろう計画をタケルに伝える。
「エリアキーパーが見れるようになるのか。俺も条件はパスしてるみてぇだし、1度見に行ってみっかな。
それにしても、ルイナスリーム外に新たな迷宮を作る案、俺も賛成だぜ。
つうのもよ。ここが最大の迷宮都市になっちまってっから、王国民の流入が止まらなくてちょっと頭を抱えてたんだよ。俺としては、ルイナスリームは異邦人を優先した都市にしたいと思ってっからさ」
「そうなんだよな~。スキップオーブがあるから、強くなればなるほどにルイナスリームしか行き場が無くなってる状態だもんな。
さて今回の迷宮作成は王国に断らないで勝手にやっちまおうと思ってんだけど、タケルは何処に作るのがいいと思う? 少なくともルイナスリームからは離れた場所の方がいいと思うけど」
「うっは! 黙ってやるとかめちゃくちゃ楽しそうじゃねぇか! 乗ったぜ!
そんで場所だったな! 最大の管理迷宮ともなると、人が集まってくるだろうから氾濫の心配はねぇだろうが、あとから文句を言われない為にも国境壁外のほうがいいんじゃねぇかな。
それで居て王国民にも利用しやすいってなると……。国境壁の4隅の外側とかいいんじゃね?」
「それ採用! この国って国境壁の4隅は殆ど使われてねぇから、人の迷惑にはならないはずだ。
そんで西側は海エリアが邪魔しちゃってるから、北東か南東に作ることになるかな」
「その2択なら南東がいいんじゃねぇか? 北東は砂漠と森林エリアの境界、南東は砂漠と山岳エリアの境界なわけだろ? 南東側の方が不毛の大地っぽくね?」
そうなんだよなー。
海エリアと砂漠エリアはリヴァーブ王国の領地よりも広いらしくて、森林エリアと山岳エリアを侵食してんだよね。
というか各エリアの広さは一定じゃないと考える方が自然かもしれない。
「それじゃ南東の国境壁の角で決定だな。俺は1度帰ってスナネコたちに協力要請を出しつつ、家からターミナル1個持ってくるわ。
ウィルスレイアに転移して、そこから国境壁に沿って南に向かうとしようぜ。多分1日で端までいけると思う」
「おっけーい! それじゃお互い準備してから、ウィルスレイアのターミナルで合流しようぜ!
そうそう、こういうのでいいんだよこういうので! 人に迷惑をかけずに好き勝手楽しみてぇんだよ!」
お互い色々手を出し過ぎちゃったところあるもんな。
たまには誰のことも気にせずに、遊び半分で行動したっていいじゃない。男の子だもの。
スナネコはトルネが命名したパルダに協力をお願いし、マーサからターミナルを受け取って、パルダと一緒にウィルスレイアへ。
「おー、トーマ来たな! そんじゃ早速行こうぜ!
えっとお前は……、パルダか! パルダもよろしくぅ!」
パルダの引く馬車に乗り込み、ウィルスレイアから国境壁の外に出て、そこから国境壁に沿って南に一直線に走り出した。
相変わらずスナネコのスピードは凄まじいなぁ。
「いやぁ嬉しいぜトーマ! ルイナスリーム以降はあんまりお前と絡めなかったからさ。
しかもまた俺の『迷宮操作』が役立てるなんて、嬉しいに決まってんぜ!」
「タケルにはお世話になりっぱなしだなぁ。ソロで114階層到達者にもなったみたいだし、名実共に異邦人のリーダーになったよな。お前にルイナスリームとカンパニーを譲ったのは間違ってなかった」
「お前あの時の騒動を利用して、カンパニーとルイナスリームを押し付けただけじゃねーか! あはははは!」
おっさん2人となると、なーんか会話が気安くなっちゃうよね。
男同士でしか成立しない空気みたいなもんがある。
バカ話をしながら馬車に揺られていると、日没さえも待たずに国境壁の角まで到達してしまった。
めちゃくちゃ速ぇなパルダ。
「そんじゃまぁ、街が建設しにくい砂漠側に『迷宮操作』よろー」
「ぎゃはは! あえて迷宮都市建設が滞るようにっつう判断かよっ!? おっけぃ!」
タケルの魔力がちょっと動いた。恐らく迷宮の誘引が始まったんだろうな。
「よし、そんじゃターミナルを設置してくるわ。
砂漠エリアは魔物が来ないけど、山岳エリアから魔物が流れてくる可能性はあるから、ちょっと高くしておこうかな」
砂漠の砂を思い切り圧縮しつつ、土魔法で生成した土を混ぜ込んで土台を作っていく。
あっという間に、というほど短い時間では完成できなかったが、気付いた時には10メートルくらいの高さのターミナル広場が出来ていた。
「い、一般人に利用させる気がなさすぎだろぉ~!!?」
タケルが腹を抱えて砂漠を転げまわっている。
いやいや魔物対策だっつうの。嫌がらせの意味なんてそんなに込めてないわっ!
ターミナル広場に、土魔法で簡易的な小屋も建てておく。
この迷宮はタケルに管理を任せるつもりだから、タケルの要望を聞いて内装を整えていく。
「最近はやることもなかったからよぉ。すっげぇ楽しみだぜ。
誰にも気付かれずに世界最大の管理迷宮がいつの間にか完成してるなんて、もうその説明だけで笑えるわ!
管理は任せてくれ! 戦闘がきつくなってきたと思ったら連絡すっからさ」
「ああ頼むよ。協力は惜しまないしな。
そうだな。一応毎日ルイナスリームの冒険者ギルドに顔を出すから、俺への連絡は冒険者ギルドに頼む」
下手に誰かに報告すると、まーた城に呼ばれる自体になりかねないからな。
もう勝手に作っちまって、事後報告でいいわ。
ディオーヌ様も事後報告でいいって言ってたしな。
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